クロストライアル小説投稿ブログ

pixiv等で連載していた小説を投稿します、ここだけの新作も読めるかも?

アルティメットオールスター大乱闘スマッシュブラザーズ アドベンチャー編I「ナイル盗賊団との戦い」+特別戦「ポケモントレーナー」

[アドベンチャー アルスマ草原]

アルスマは確かに人気番組である。しかし、どんな人気番組でもたまには休みが必要だ。と、言う訳でアルスマはしばらく放送休止となった。ちょうど10試合やったと言う事で区切りも良く、そろそろファイター達に休みが必要だった為である。そんなファイター達だが、現在は本部の食堂を貸し切りで翼の優勝祝い&イングラムの歓迎会をしているようだ。

エイト「翼くん、優勝おめでとう!」
遊戯「そしてイングラムさん、ボクたちは君を歓迎するよ!」
翼「あ…ありがとう、何か照れるな…」
イングラム「感謝する、だが、しばらく大乱闘は休止みたいだな」
ドラゴニュート「そうらしいな…」
カイト「まあ、疲れてたし丁度いいんじゃね?」
イヴ「私、まだ1回しか出てないから満足してないな」
カムイ「大丈夫、しばらくしたらまた始まりますよ」

すると、マルスが書類を持って食堂に入って来た。

マルス「みんな、どうやらゆっくりと休められそうにはないよ」

マルスの表情から察するに、かなり深刻な問題が起こったようだ。

麻生「その様子、何かあったようだな」
マルス「ああ、どうやらナイル盗賊団と言う組織がアルスマを潰そうとしているらしい」
翼「ナイル盗賊団!? それって…」
イオナ「知っているんですか? 翼さん」
翼「ああ、アルスマ界では有名な盗賊団だよ、色んな街に現れては金品を強奪する奴らさ」
ダイゴ「でも、何でただの盗賊団がアルスマを潰そうとするんだろう…」
マルス「その事についてマスターファフニールから説明があるんだけど…」
リスティリア「けど…?」
マルス「あの人多忙らしいから僕が説明するね」
瑠依「いい加減な人!」
マルス「ナイル盗賊団がアルスマを潰そうとしている理由は、何者かに命令を受けているかららしいんだ」
アリア「何者かって、誰よ?」
マルス「それは分からない、けど、恐らくアルスマを邪魔だと思ってる人物だろうね…」
メイプル「何で邪魔だと思うんだろう、みんな楽しみにしてるのに…」
魁「よし! じゃあみんなの楽しみを守る為に俺達がそのナイル盗賊団を倒せばいいんだな!」
マルス「マスターファフニールからの伝言は倒しちゃってもいいから頑張ってだって」
瑠依「本当にいい加減な人だね!」

すると、1人の女性が食堂に入って来た。

オペ子「ファイターの皆さんのサポートは、私に任せてください」
カイト「…誰?」
ドラゴニュート「でも声は聞いた事があるんだよな~」
オペ子「…知らなくても無理はないですね、最初に皆さんを司令室に呼んだオペ子と言う者です」
ドラゴニュート「あ! そうそう! その人だ!」
オペ子「(あれからずっと出番なかったから嬉しい…)」
メイプル「あの~、オペ子さんはレフェ子さんやナレ男さんとはどういう関係なんですか?」
オペ子「あの2人はただの仕事仲間です、別に恋愛関係とかはないですよ?」
メイプル「へ~そうだったんですね」

すると、オペ子がファイター全員分のスマホ型のデバイスの入った箱を机に置いた。

オペ子「とりあえず、皆さんが次行く場所などはこの通信デバイスでお伝えします」
フィオーレ「この小型のスマホみたいな奴ね」
オペ子「それと、この作戦中は敵に倒されてもマスターファフニールの加護で復活できますのでご安心を」
孤門「それって、どういう原理なんですか?」
オペ子「このアルスマ界全域に加護をバリアの様に張る事によって復活できると言う仕組みです」
孤門「なるほど…」
マリオ「僕達が大乱闘で復活できるのはマスターファフニールの加護のおかげなんだね!」
オペ子「そうですよ、但し、大乱闘と違って復活先がこのアルスマ本部となりますので、ご注意ください」
ダイ「つまり、復活はできるけど、その場所に戻るまで時間がかかるんだね!」
遊戯「でも、何で作戦中は元の場所に戻れないんですか?」
オペ子「大乱闘は撃墜されてもすぐ復帰する装置を稼働させてるから元の場所に戻れるんです」
真司「じゃあ、それを使えばいいじゃねえか!」
オペ子「それは駄目です、その装置はエネルギー消費が激しすぎるので」
撃「ちなみに、どれぐらい消費するんですか?」
オペ子「1回の大乱闘で地球と言う星にある日本と言う国の1日の消費電力に近いエネルギーを消費します」
真司「ゲッ! マジかよ…!」
オペ子「大乱闘ではあらかじめエネルギーを貯蔵しているのですが…まあ、こちらにもいろいろと事情があるんですよ、すみませんね」
翼「分かりました、俺達ができるだけやられないようにすれば、何も問題ありませんから大丈夫です」

フォックス「じゃあ、早速そのナイル盗賊団ってのを倒しに行くぞ!」
オペ子「徒歩ですが、大丈夫でしょうか?」
ドラゴニュート「………は?」
カイト「乗り物とかはないのか?」
オペ子「はい…残念ながらマスターファフニールがこういう事を想定してなかったもので…」
ガロード(普通こう言う事は想定するだろ…)
シン(ここまで来ると有能なのか無能なのか分かんねえな、あのドラゴン…)
オペ子「と、言う訳で移動は徒歩で…お願いします!!」
ドラゴニュート「ま、女性にそこまで言われちゃ仕方ねえよな!」
ダイ「これも特訓になるからおれは大歓迎だよ!」
メイプル「でも、徒歩って大変だなぁ…」
魁「ま、ランニング気分で行ければいいかな」
エイト「僕は元居た世界での旅で何㎞も走ったから余裕だよ!」
翼「じゃあ、早速行こう!」

こうして、アルスマファイターはナイル盗賊団を倒す為、そして視聴者みんなの楽しみを奪わせない為、冒険の旅に出た。ナイル盗賊団の本拠地はアルスマ山の洞窟にあり、アルスマ本部からは10㎞ほどの場所にあった。移動中は暇なので、ファイター同士で話をしていた。そうこうしているうちに、アルスマ本部のあるアルスマシティを抜け、アルスマ草原に到着した。アルスマ草原は辺り一面に緑の広がる綺麗な草原である。だが、この草原にある異変が起きていたのだ。

カイト「なぁ…何か向こうに見えないか…?」
マリオ「あれは…! クリボーにノコノコにハンマーブロス!」
エイト「スライム、ドラキー、いたずらもぐらなどの魔物たちもいる!」
ドラゴニュートポケモンのゴースとドガースシャンデラもいやがるな」
翼「おかしい…アルスマ界にはそれらの生物はいないはずなのに…」
クー「それって何だ? ファイターのみんなが元居た世界の生き物がいるって事か?」
リスティリア「そうみたいだね」

すると、ハンマーブロスがハンマーを投げて攻撃してきた。

レン「きゃっ!」
カイト「この亀野郎! 何しやがる!」

続けて、シャンデラがおにびで攻撃してきた。

ネオス「うわぁっ!!」
闇遊戯「ちっ! 戦うしかないようだな!」

闇遊戯は暗黒騎士ガイアを召喚し、攻撃した。

闇遊戯「螺・旋・槍・殺(スパイラル・シェイバー)!!」

暗黒騎士ガイアの槍を高速回転させて放つ突きの威力は凄まじく、クリボーとノコノコを合わせて5体ほど蹴散らした。すると、倒されたクリボーとノコノコは、ゲームのオブジェクトが消滅するように消えてしまった。

かなで「消えた…?」
R-GUN「どうやら、奴らは何者かが生み出した複製みたいだな」
ドラゴニュート「これは俺の推測だが、あいつらは実体を持ったデータだ」
カイト「そのデータを攻撃によって破壊されて消滅したって事か…」
エイト「なら、遠慮せず攻撃していいって事だね!」

エイトはライデインで魔物の群れを攻撃した。電撃がスライムやドラキーを焼き尽くし、消滅させた。続けて、ダイは魔物の群れに向かってイオラを放った。魔物の群れに爆発が炸裂し、いたずらもぐらやさまようよろいを消滅させた。そして、アブソルはゴースとシャンデラにつじぎりを放った。つじぎりはあくタイプの技であり、ゴーストタイプを持つゴースとシャンデラには効果が抜群で、一撃で2匹を倒し、消滅させたのだ。

マリオ「残りはハンマーブロスドガースだけだ!」

マリオはハンマーブロスを掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばした。ハンマーブロスは地面に叩き付けられ、消滅した。そして、残ったドガースはアブソルのきりさくを食らい、消滅した。こうして、敵の群れは全滅したのである。

ドラゴニュート「終わったみたいだな」
闇遊戯「お前、何もしてないだろ」
ドラゴニュート「いやいや! 俺は敵の分析をしたから!」
エイト「まあまあ、ドラゴニュートくんの分析も少しは役に立ったから」
ドラゴニュート「少しかい!」

その時、ファイター達の前で何かが実体化を始めた。まるでゲームのオブジェクトが生成されるように少しずつその全貌を現した。そして、そこに現れたのはサソリ型の機械であった。

クラウド「あれは…!」
ダイ「クラウドさん、あれを知ってるの?」
クラウド「ああ、あれは俺が以前破壊したガードスコーピオンだ」
イヴ「ガードスコーピオン?」
クラウド「ああ、元の世界で俺がバレットと共に壱番魔晄炉の奥で戦った敵だ」
サンシロウ「で、あいつは強いんか?」
クラウド「いや、大して強くはない」
サンシロウ「なら、わいがいてこまいたるわ!!」

サンシロウはガードスコーピオンにパンチを放とうとした。その時、ガードスコーピオンが尻尾を上げた。

クラウド「よせ! 今攻撃したら…!!」

サンシロウパンチはガードスコーピオンに少しダメージを与えた。すると、ガードスコーピオンがテイルレーザーを放った。サンシロウはテイルレーザーをモロに食らい、撃墜された。

クラウド「気をつけろ、尻尾を上げている間に攻撃すると、レーザーで反撃してくるぞ」
キリト「それを早く言ってくれよ!」
クラウド「いや、あいつは言う前に突撃して行っただろ」
ドラゴニュート「なら、尻尾を下げるまでここで待機していればいいな」

だが、ガードスコーピオンは攻撃をしていないのにテイルレーザーを放ってきた。幸い、全員防御、又は回避をしたため被害はほぼ0だった。

ダブルエックス「おい! 話が違うぞ!」
クラウド「おかしい…奴は攻撃をしない限りテイルレーザーは撃ってこないはずだ」
デスティニー「と、言う事は、クラウドが戦った時より強化されているって事か…」
バーサル騎士「それに、ミスターサンシロウの攻撃もあまり効いていないようだったが…」
キリト「あんな奴でも一応ファイターの1人だが、効いていないと言う事は…」
クラウド「装甲も強化されてるって事か…厄介な相手だな」

そんな話をしていると、ガードスコーピオンは再びテイルレーザーを放ってきた。アルスマファイターはそれを回避し、ガードスコーピオンに攻撃をしようとしたが、ガードスコーピオンの突進攻撃を食らい、数人が吹き飛ばされた。更に、空中から攻撃を仕掛けようにもスコーピオンテイルで薙ぎ払われたり、98式機関銃や99式小型ミサイルの弾幕が非常に激しい為、中々攻撃できず、ファイター達は苦戦を強いられていた。

千初「クラウドさん! あの機械に何か弱点はないんですか!?」
クラウド「電撃、それが奴の弱点だ」
アリア「耐性が強化されてなければいいけどね」
キリト「そんな縁起でもない…」

ドラゴニュートはライトニングを、エイトはギガデインを唱えて攻撃した。2つの電撃はガードスコーピオンにダメージを与えた。しかし、それなりに耐性が付いていたようで、決定打にはならなかった。

クラウド「これも対策されていたか…!」
カイト「もうダメだ…おしまいだぁ…!」
ドラゴニュート「いや、諦めんなよ」

その時、近くを歩いている1人の男性がいた。その人物を、イヴはよく知っていた。

イヴ「トレイン!」
トレイン「よー姫っち、…何してんの?」
イヴ「それはこっちの台詞! あの試合の後、元の世界に帰ったんじゃないの?」
トレイン「いや、せっかくこの世界に来たからもう少し滞在しようかなって」
イヴ「スヴェン…1人で残されて可哀想…」
トレイン「リンスがいるんじゃね? 知らないけど…」

その時、ガードスコーピオンがトレインに98式機関銃を放った。だが、トレインはそれを身軽な動きで回避した。

トレイン「うぉっと! 猫ってのは素早さが身上でね」

すると、イヴがある提案をした。

イヴ「そうだ、トレイン! 電磁銃(レールガン)撃てる?」
トレイン「ん? ああ、青い変なドラゴンがあの試合前にハーディスを直してくれた上に生体放電能力を戻してくれたから撃てるけど…」
イヴ「それをあいつに撃って!」
トレイン「? 何か知らんが、分かった!」

ガードスコーピオンはトレイン目掛けて突進を仕掛けた。だが、その時すでにトレインは電磁銃の発射態勢を整えていた。

トレイン「充電…完了だ、電磁銃(レールガン)!!」

電磁銃の弾丸はガードスコーピオンの装甲を突き破り、風穴を開けた。そして、ガードスコーピオンは機能を停止し、消滅した。

トレイン「ま、こんなもんかな」
ドラゴニュート「凄え…! お前強いな!!」
トレイン「あのドラゴンがこのハーディスと生体放電能力を戻してくれたおかげさ、これがなかったら多分あいつは倒せなかった」
カイト「マスターファフニールマジ有能、ありがとう」

イヴ「ねえ、トレインはこれからどうするの?」
トレイン「え? この辺をぶらぶらするつもりだけど…」
イヴ「暇なら私達と一緒にナイル盗賊団を倒しにいこうよ」
トレイン「ナイル盗賊団? あんま面白そうにないな…」
イヴ「もし倒せたらすっごい賞金が貰えるかもしれないよ?」
トレイン「それはいい話だな、よし! 暇だし行くか!」
イヴ「決まりだね」

その後、翼が通信デバイスでオペ子に次に行く場所を聞いた。

翼「オペ子さん、次はどこに行けばいいですか?」
オペ子「次はアルスマ湖ですね」
翼「アルスマ湖…アルスマ山の近くにあるアルスマ界一の大きさを誇る湖か…」
ドラゴニュート「じゃ、早速行こうぜ」
翼「うん」

アルスマファイター達は、ナイル盗賊団を倒す為、冒険を始めた。しかし、その旅はどうやら一筋縄ではいかないようだった…。それでも、新たな仲間トレインを加え、アルスマファイター達は先へ進む…!

・トレイン=ハートネット
[原作では…]
初登場は1999年に週刊少年ジャンプに掲載された読み切り作品STRAY CAT。連載版とは設定が異なっている。元クロノスの抹殺者であったが、ミナツキ サヤとの出会いを得て自分の生き方を見つけ、その後はスヴェンとコンビを組み、イヴやリンスなどの仲間と共に掃除屋として活動してゆく。
[アルスマでは…]
原作漫画版設定で参戦し、原作終了後の世界線から参戦している。マスターファフニールの手によってハーディスは修復され、生体放電能力も復活している。猫の様に身軽な動きが得意であり、格闘をこなすほか、ハーディスを使った射撃攻撃を得意とする。ちなみに、作者はBLACK CATが大好きであり、アニメ版及び漫画版も両方見ている。だが、参戦しているのは原作漫画版である。アニメ版には電磁銃も黒爪も出ないんだよ、これが。

[アドベンチャー アルスマ湖]

アルスマを潰そうとするナイル盗賊団を倒す為、冒険の旅を始めたアルスマファイター達、ナイル盗賊団の本拠地は本部から約10㎞のアルスマ山の洞窟にある。だが、マスターファフニールがこういう事を想定していなかった為、アルスマファイター達は徒歩で移動する事になった。ファイター達が次に向かう場所はアルスマ湖、アルスマ山の近くにあるアルスマ界一の大きさを誇る湖である。つまり、ここを越えればアルスマ山にたどり着けるのだ。そして、アルスマファイター達はアルスマ湖に到着した。

キリト「着いたな」
瑠依「ここがアルスマ湖か~、綺麗だね~」

アルスマ湖は非常に広い湖であり、その水はきれいに透き通っていた。辺りには自然が広がっており、その美しさを見る為、遠くから観光客が来るほどらしい。だが、最近はナイル盗賊団を恐れて観光客はめっきり減っている。

翼「なあ、知ってるか?」
カイト「何を?」
翼「この湖には龍が住んでるらしいぜ?」
イヴ「そうなの?」
翼「ああ、このアルスマ湖には古来より龍が住んでるって言う伝説が残っているんだ」
ドラゴニュート「なるほど、ネス湖ネッシー的な奴か」
翼「ネス湖ネッシー?」
キリト「地球にある都市伝説だよ」
翼「あ、なるほど、地球にも似たような伝説があるんだな」

すると、アルスマファイターの周りを囲むように何かが実体化を始めた。

かなで「また敵…?」
カイト「しかも前より多いぞ!」

現れた敵の数は、前に現れた時よりちょっとだけ多かった。

ダイ「デビルロードに、あくまのきしにさまようよろい…」
ネオス「ネロンガガボラザラブ星人…」
龍騎「ミラーモンスターまでいやがる!!」

そして、敵の群れは一斉にファイター達に攻撃を仕掛けた。

マジレッド「やるしかないようだな!」

そう言いながらマジレッドはマジスティックソードでさまようよろいを斬りつけた。斬りつけられたさまようよろいは地面に倒れ、消滅した。

ドラゴニュート「やはり前回と同じで何者かが作ったコピーか!」
闇遊戯「なら、安心して倒せるってもんだぜ!」

闇遊戯は魔導戦士ブレイカーを召喚し、ザラブ星人を連続で斬りつけた。滅多斬りにされたザラブ星人は地面に倒れ込み、消滅した。

エイト「ベギラゴン!!」

エイトはベギラゴンを唱え、激しい炎でゲルニュートの群れを焼き尽くした。

龍騎「エイトに続けて行くぜっ!!」

龍騎はドラグセイバーを召喚し、ギガゼールやメガゼールを斬りつけ、倒した。

ネオス「ウルトラライトソード!!」

ネオスは巨大な光の剣を生成し、ネロンガガボラを真横に斬り裂いた。ネロンガガボラは真っ二つに切断され、そのまま消滅した。

瑠依「このまま行くよっ!!」

瑠依がデビルロードを斬りつけようとしたその時、ダイは瑠依を止めた。

ダイ「ちょっと待って! そいつはメガンテを唱えるかもしれない!」
瑠依「えっ…!? それって自爆魔法…」
エイト「それなら僕に任せて! マホトーン!!」

デビルロードはマホトーンで呪文を封じられた。

ダイ「あいつは弱るとメガンテを唱えるからね」
瑠依「なら、これで安心して倒せるね!」

その後、デビルロードはあっさり倒され、残ったあくまのきしもカイトのスパークパンチで倒された。これで、敵は全滅したと思ったその時、また敵が実体化を始めたのだ。

クー「おいおい…まだ出てくるのかよ!」
クラウド「なら、出てきた敵も倒せばいい、ただそれだけだ」

そして、敵の実体化が完了し、その姿を現した。

マジレッド「えっと…確かこいつはグール、ファンガス、マンティコアだっけ」
デスティニー「ザクウォーリアゲイツRグフイグナイテッドもいるな」
マリオ「そしてメットにトゲゾーハンマーブロスか」
ドラゴニュート「さっさと倒して先に進むぞ」

すると、ザクウォーリアなどのモビルスーツ達は、遠距離からビーム兵器などで攻撃を仕掛けてきた。

クラウド「くっ! そう簡単に倒させてはくれなさそうだな」
メイプル「じゃあ、私が盾になるから私の後ろから攻撃して!」

そう言ってメイプルは大盾を構え、防御態勢を取った。

デスティニー「サンキュー! メイプル!」

デスティニーはメイプルの後ろに回り込み、その影から高エネルギービームライフルモビルスーツを次々と撃墜した。そして、あっという間にモビルスーツは全滅し、弾幕は飛んでこなくなった。

デスティニー「ありがとな、メイプル」
メイプル「へへっ、どういたしまして!」

一方、残った敵は各自、ファイター達が相手をしていた。

マジレッド「お前はまたマジパンチでぶっ飛ばしてやるぜ!」

両腕にマジパンチを装着し、攻撃態勢を整えたマジレッドは、ファイヤースクリューアッパーでグールを空の彼方に吹き飛ばした。

カイト「食らえ! 破壊ブラスター!!」

カイトはマスターガンから破壊ブラスターを放ち、そのビームでファンガスとマンティコアを爆散させた。

ティガ「食らえ! ハンドスラッシュ!!」

ティガはハンドスラッシュを放ち、トゲゾーを倒した。そして、防御力の高いメットに対しては、マリオがハンマーブロスを掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばし、そのハンマーブロスをメットにぶつけて倒していた。こうして、敵の群れは再び全滅したのだった。

クー「なーんだ、大した事ないでやんの」
レン「クー…私達は何もしてない…」
クー「そ…そりゃみんなが強いからだよ!」
クラウド「だが、これでやっと先に進めるな」
ドラゴニュート「そうだな」

すると、アルスマ湖の水面が激しく波打っていた。その様子はまるで、湖が恐怖に怯えているようにも見えた。

翼「な…何だ…?」
カイト「え…まさか伝説の龍…!?」
アリア「そんな事あるわけないでしょ、第一、あれは伝説…」

その時、アルスマ湖の水面から巨大な龍が現れた。その龍とは、伝説のポケモンレックウザだった。

アリア「嘘…龍…いた…」
ドラゴニュート「いや、あれは龍じゃない、ポケモンだ」
翼「なら、なおさらおかしい、ポケモンはこの世界の原生生物じゃない」
ドラゴニュート「それに、レックウザは本来オゾン層に住むポケモンだ、それが何故こんな湖に…」
キリト「多分こいつもコピーなんじゃないか?」

すると突然、レックウザは長い尻尾でファイター達を薙ぎ払って来た。そして、複数のファイターが吹き飛ばされた。

アブソル「ソルッ!」
ドラゴニュート「アブソル、やる気だな?」
アブソル「アブソッ!!」

アブソルはかまいたちを放ってレックウザを攻撃した。だが、レックウザにはあまり効いていないようであった。

ドラゴニュート「俺もアブソルに続くぞ!」

ドラゴニュートは高く飛び、バスターを放った。バスターは剣の重みで相手を斬り裂く技である。レックウザを斬りつけたその時、ドラゴニュートはある事に気づいた。

ドラゴニュート「…おい、あのレックウザはコピーなんかじゃないぞ」
ダブルエックス「え? 何でそんな事が分かるんだよ」
ドラゴニュート「俺が今攻撃した所を見てみろ」

先ほどドラゴニュートレックウザに付けた傷からは、血が流れていた。

トレイン「あの傷がどうかしたか?」
ドラゴニュート「今まで俺達が倒した敵は、どんなに攻撃しようが血の1つも流さなかった…」
イヴ「じゃあ、あのポケモンは本物ってこと!?」
ドラゴニュート「ああ」
ダブルエックス「でも、どうするんだよ! あいつ攻撃してくるんだぜ!?」
翼「それに、あいつを放っておいたら、いずれこの世界にも被害が…」
ドラゴニュート「大丈夫だ、レックウザは怪獣なんかじゃない、きっと操られているだけのはず…」
バーサル騎士「ならば、何とかして助けねばなりませんな」

アブソル「ソルソルッ!」
ドラゴニュート「え? もしかして助ける方法が分かったのか?」
アブソル「ソルッ!」
ドラゴニュート(なるほど…アブソルはレックウザと同じポケモンだからきっと俺達じゃ分からない何かを察知したんだな)

アブソルはレックウザの方に走って行った。そのアブソルに対し、レックウザが尻尾を叩き付けようとした。

アブソル「ッ!!」

だが、その尻尾はアブソルに命中する事はなかった、まるで何者かに逸らされたかのように。

マルス「なんだか知らないけど、これはチャンスだね!」

そして、そのままアブソルはレックウザの頭の上に飛び乗り、レックウザの頭部にひっかくを放った。すると、急にレックウザは大人しくなった。

カムイ「あ、大人しくなりました」
イヴ「よかった、でも、なんで急に大人しくなったんだろう?」

すると、フォックスがレックウザの近くに落ちていた物を拾った。それは、超小型の機械であった。

フォックス「これは、制御装置だな」
イオナ「制御装置…ですか…?」
トレイン「なるほど、それを頭に取り付けて操ってやがったのか」
カイト「誰か知らねえが、酷い事しやがるぜ」

すると、翼がある疑問を口にした。

翼「でも、このレックウザ、どうする?」
クラウド「確かに、原生生物でもない生物をここに置いておくわけにはいかないな」
カムイ「かと言って、元の世界に帰す方法も分からないですよね…」
???「それなら、僕に任せてくれたまえ」

そこにいたのは、マスターファフニールだった。その隣には、ポケモンの一種であるサーナイトがいた。

翼「マスターファフニール!」
マスターファフニール「やあ、久しぶり」
デスティニー「マスターファフニール、このレックウザは一体…」
マスターファフニール「このレックウザは何者かによってアルスマ界に連れてこられたポケモンらしいんだ、けど安心して、僕の力で元の世界に帰しておくよ」
ドラゴニュート「よかったよかった…」

カイト「ところで、隣にいるサーナイトは一体?」
マスターファフニール「ああ、このサーナイトくんは新しいファイター候補として連れて来たんだけど、こんな状況だから助っ人としてここに連れて来たんだ」
カイト「そうか! さっきレックウザの攻撃が逸れたのはサーナイトの力!」
ドラゴニュートサイコキネシス、だな!」
サーナイト「サナサナ」

マスターファフニール「と、まあ、君達はサーナイトくんと一緒にナイル盗賊団を倒してくれたまえ」
トレイン「おーい変なドラゴーン、ナイルなんちゃらを倒したら何かいいものくれよー」
マスターファフニール「了解! 分かったよ、トレインくん、じゃ、君達の検討を祈る!」

そう言って、マスターファフニールレックウザと共に瞬間移動で去って行った。

カイト「とりあえず、よろしくな! サーナイト!」
サーナイト「サナサーナー」

翼「さて、オペ子さん、俺達は次どこに向かえばいいんですか?」
オペ子「次はアルスマ山近くの小川に向かってください」
翼「そこは確か、アルスマ山の一歩手前の所ですよね?」
オペ子「そうです、そこを越えれば、目的地のアルスマ山に到着します」
翼「了解です、早速そこに向かいます!」

アルスマファイターはアルスマ湖での激闘を終え、少しずつ目的地のアルスマ山の近くまで向かっていた。新たな仲間であるサーナイトを加え、ファイター達は先へ進む。ナイル盗賊団を倒すまで、ファイター達の旅は終わらないのだ。

サーナイト
[原作では…]
初登場は2002年発売のポケットモンスター ルビー・サファイアエスパー、フェアリータイプのポケモンであり、カロスチャンピオンであるカルネのポケモンでもある。メガシンカポケモンでもあるほか、その見た目から多くのファンを持つ。
[アルスマでは…]
とあるトレーナーがゲットした個体をマスターファフニールが借りて参戦。接近戦は苦手だが、遠距離戦においては有利に立ち回る事が可能。様々な超能力を駆使し、他のファイターを追い詰める。ちなみに、本作のポケモン枠としてサーナイトが参戦したのは、単純に作者の推しポケモンの一体がサーナイトだから。サーナイトは初登場から何年経ってもかわいいぞ。

[アドベンチャー アルスマ山近くの小川]

アルスマファイター達は、アルスマ湖でのレックウザとの戦いを終え、アルスマ山の一歩手前にある小川に向かっていた。その小川を越えると、遂に目的地であるアルスマ山に到着するのだ。

そんな中、アルスマファイター達はある疑問を抱いていた。それは、今まで道中に出現した謎の敵の事であった。突如出現し、倒すと消滅するその敵達、一体何者が送り込み、ファイター達を襲わせているのか、ファイター達はその敵達について歩きながら話していた。

デスティニー「なあ、みんなはあの敵たちについてどう思う?」
ネオス「そうだなぁ…見た目が僕達の知っている相手の姿ってのが引っ掛かるな…」
トレイン「って事は、多分だけど俺達の事をよく知ってる奴が送り込んだって事だな」
イヴ「でも、そんな人っている?」
龍騎「そうだな、そんな奴は俺らが知ってる限り、本部の人達しかいねえもんな」
エイト「もしかしたら、ナイル盗賊団から何か聞き出せるかもしれないよ」
闇遊戯「なら、ナイル盗賊団を倒して聞き出す、それで決まりだな」
翼「だな!なら一層頑張らないとな!」

そんな話をしていると、アルスマ山近くの小川に到着した。その小川は小さな小川だが、綺麗な水が流れており、小川の先にはアルスマ山の山道が見えていた。

ドラゴニュート「ようやくここまで来たんだな…」
カイト「長い道のりだったぜ…」
R-GUN「早く先に進むぞ」

すると、突然複数の敵が実体化をし始めた。今回は今まで以上の数で、その数は70体近くに上った。その圧倒的な数に、ファイター達は驚愕した。

キリト「おいおい…こりゃ、まずいかもな…」
アブソル「アブソッ!」
アリア「これは本気で挑まないとまずいわね…」

現れた敵は、怪獣や怪人、モンスター、クッパ軍団の兵士、モビルスーツポケモンなど、今まで出てきた敵の混成軍団となっていた。当然、1体1体は大した事がないが、今回は今までとは状況が違っていた。それは、10体ほど大型の相手がいたのだ。

クー「なぁ…何体かでかい奴がいるんだけど…」
デスティニー「あれは…! ザムザザーゲルズゲーユークリッド!」
ドラゴニュートヴァル・ヴァロアッザムと言った宇宙世紀モビルアーマーもいやがるな」
エイト「ギガンテスにボストロールにゴーレムもいるね!」
クラウド「そしてヘリガンナーにモーターボールか、厄介だな」
バーサル騎士「これは、全力で挑むしかないようだな」
そして、敵の軍団が一斉にファイター達に向かって来た
翼「来るッ! みんな、行くぞッ!!」

ファイター達は、向かってくる敵相手に応戦した。まずは普通の大きさの敵を相手にする事にし、1体1体ちまちまと倒していたらジリ貧になるので、広範囲を攻撃する技で一気に倒す事にした。

リスティリア「エクスプロージョン!!」

エクスプロージョンは、爆発で広範囲を攻撃できる魔法で、この集団戦で効果を発揮する魔法であった。だが、この攻撃はかなりの魔力を消費する為、不用意に乱発するとすぐに魔力が枯渇してしまう。その為、他のファイターも広範囲を攻撃できる技を使用した。

デスティニー「ったく、今日は出血大サービスだな!」
トレイン「ま、たまにはこう言うのも悪くねえな!」

デスティニーは高エネルギー長射程ビーム砲を、トレインは電磁銃を撃ち、一直線に並んだ敵を一気に倒した。

サーナイト「サーナッ!」

新たに仲間になったサーナイトも、サイコキネシスを使って敵を吹き飛ばし、倒していた。

カイト「破壊ブラスター!!」

カイトは必殺の破壊ブラスターを放ち、ビームで複数の敵を一斉に撃破した。こうして、開始3分ほどで大半の敵を撃破したのだった。

トレイン「やっぱ、雑魚は雑魚だな」
イヴ「トレイン、まだあのでっかいのが残ってるよ」
トレイン「そうだな、しかもどれもヤバい雰囲気がしやがるぜ…」

その敵の1体であるモーターボールは体当りを放ち、バーサル騎士ガンダムを吹き飛ばした。その体当りの威力はかなりのものだったようで、体の小さいバーサル騎士ガンダムは空の彼方に吹き飛ばされ、撃墜された。

ダブルエックス「バーサル騎士ガンダム!!」
アリア「これは油断すると全滅ね」
デスティニー(こいつらが以前大乱闘にいたゲルズゲーと互角の戦闘力だったら、かなりヤバいぜ…)

そのデスティニーの予想は的中し、大型の敵達は猛威を振るった。ゲルズゲー陽電子リフレクターでリスティリアのエクスプロージョンを防御し、逆に大型クローアームのヴァシリエフでリスティリアの身体を斬り裂き、撃墜した。更に、ヴァル・ヴァロは大型メガ粒子砲を放ち、マルスを撃墜した。この戦いで、早くも3人のファイターが撃墜されてしまったのである。

デスティニー「くっ! 強すぎる…!」

だが、ずっとこうしている訳にもいかず、デスティニーは大型の剣であるアロンダイトを装備し、ザムザザーに向かって行った。当然、ザムザザーは攻撃を仕掛けてきたが、デスティニーはそれを回避し、アロンダイトで攻撃した。アロンダイトでの攻撃は陽電子リフレクターを貫通し、ザムザザーを叩き斬った。そして、ザムザザーは撃破され、消滅した。

龍騎「やったぜ!」

デスティニーは続いてゲルズゲーを叩き斬り、続けてユークリッドも叩き斬った。叩き斬られたゲルズゲーユークリッドは消滅した。こうして、ザムザザーゲルズゲーユークリッドは撃破されたのだ。

デスティニー「ハァ…ハァ…やったぞ」

しかし、油断していたデスティニーはヴァル・ヴァロのクローアームに捕まった。

デスティニー「しまった…! うわあぁぁぁっ!!」

デスティニーはそのままクローアームに両断され、撃墜された。

ドラゴニュート「デスティニーまで…! くそっ!」

一方、ギガンテスとボストロールとゴーレムを相手していたのは、戦った経験のあるエイトとダイであった。この3体の攻撃は強力なものの、動きが遅く単調な為、エイトとダイは戦闘を優位に進めていた。そして、2人は合体攻撃を放って一気に決める事にした。

エイト「行くよ! ダイ君!!」
ダイ「分かったよ! エイトさん!!」
エイト&ダイ「ライデイン!!」

2人は同時にライデインを唱えた。この攻撃はすなわちダブルライデインと言った所だろう。同時に放つ事で威力の上がったこの電撃は、ギガンテスとボストロールとゴーレムを一瞬で黒コゲにした。そして、3体は消滅し、撃破された。

エイト「やったね! ダイ君!」
ダイ「うん!」

一方、クラウドはヘリガンナーとモーターボールを相手にしていたが、装甲は強化され、電撃耐性も強化されたこの相手に苦戦していた。

クラウド「くっ! 厄介な奴だ!!」

するとそこにトレインが現れた。

トレイン「どうする? またあのサソリ野郎みたいに俺の電磁銃で決めるかい?」
クラウド「ああ、そうした方がよさそうだな」
トレイン「よし! じゃあ、早速あいつらを一直線に並べてくれ」

トレインの電磁銃は膨大なエネルギーを消耗する為、1日に4回しか撃てないのである。この後のナイル盗賊団戦に使うかもしれない為、ここは温存したいのだ。

クラウド「仕方のない奴だ!」

クラウドは2体の所に走って行き、気を引き付けて2体を一直線に並べた。その間、トレインは電磁銃の発射態勢を整えていた。

トレイン「ありがとよ、クラウド! 電磁銃!!」

トレインは電磁銃を撃ち、ヘリガンナーの装甲を貫通し、撃破した。だが、後ろにいたモーターボールは貫通しきれず、まだ動いていた。

トレイン「やっぱ2体同時撃破は無理だったみたい」
クラウド「…ったく、本当に仕方のない奴だ!」

クラウドはモーターボールの破損した部位に凶斬りを放ち、モーターボールの動きを完全に停止させ、撃破した。

トレイン「クラウド、後始末ありがとう」
クラウド「次からはお前がやるんだな、トレイン」

こうして、8体の大型の敵を撃破し、小型の敵もすべて倒したアルスマファイター達だったが、まだヴァル・ヴァロアッザムがいた。中でも、ヴァル・ヴァロは素早いスピードで移動し、攻撃を仕掛ける為、ファイター達は苦戦していた。

メイプル「ひえ~、早すぎるよ~」
カイト「これじゃ破壊ブラスターも使えない!」

そうこうしているうちに、ヴァル・ヴァロは再びメガ粒子砲を撃ってきた。その攻撃はネオスを直撃し、ネオスは撃墜された。すると、自分の仲間を3人も倒したヴァル・ヴァロに対し、ドラゴニュートは感情を爆発させた。

ドラゴニュート「お前…! 俺の仲間を3人も…! もう許さねえぞ…!!」

ドラゴニュートは自身の装備しているスティールソードに膨大なエネルギーを纏った。その間、ヴァル・ヴァロは再び移動を開始したが、ドラゴニュートヴァル・ヴァロが移動する際の風の流れを感じ取り、ヴァル・ヴァロがどこにいるかを把握した。そして、ドラゴニュートヴァル・ヴァロに攻撃を仕掛けた。

ドラゴニュート「インパルススラッシュ!!」

ドラゴニュートの剣技の中でもトップクラスの威力を持つインパルススラッシュは、剣に膨大なエネルギーを纏って相手を斬り裂く技である。その一撃にヴァル・ヴァロは両断され、消滅した。更に、エネルギーを纏ったままもう一体のアッザムも斬り裂き、撃破した。こうして、敵は全滅したのであった。

翼「ふぅ…何とか倒したけど…」
トレイン「5人ぐらいやられちまったな」
イオナ「それに、私達の消耗も激しいです」
エイト「なら、僕に任せて!」

エイトは味方全員の傷を全回復させる呪文、ベホマズンを唱えた。すると、仲間の傷はみるみる癒えていった。

カイト「エイト…お前凄い呪文が使えるんだな!」
エイト「まあね」
アリア「これを大乱闘で使われたら、私達は勝てないわね」
エイト「大丈夫、この呪文は強すぎるから大乱闘ではマスターファフニールに封印されてるんだ」
イヴ「なら安心だね」

翼「さて、とうとうナイル盗賊団との決戦だな」
オペ子「皆さん、健闘をお祈りします」
翼「任せてください、俺達は、必ず勝利します!」

遂にナイル盗賊団との戦いが目前に迫ったアルスマファイター達。果たして、アルスマファイター達は勝利し、アルスマを守る事ができるのか?

[アドベンチャー アルスマ山]

長い旅の末に遂に目的地のアルスマ山にたどり着いたアルスマファイター達。この旅の目的は、アルスマを潰そうとするナイル盗賊団を倒す事だ。ファイター達はナイル盗賊団の本拠地である洞窟へと向かった。

洞窟と言っても、中は数十人が入れるほどの大きさであり、噂では内部は普通に生活できるほど設備が整えられているらしい。ファイター達は小川から約7分程歩き、その洞窟の前に到着した。だが、洞窟の前は異様なほど静かで、不気味さが漂っていた。

翼「着いたぞ…」
トレイン「後はナイル盗賊団ってのをぶっ飛ばすだけだな」
メイプル「ここまで長かったね~」
ドラゴニュート「やられた仲間達の分も頑張らないとな」
カイト「でもさ、ナイル盗賊団がいるってのにかなり静かじゃね?」
ティガ「確かにそうだな…」
クー「ビビッて逃げたんじゃね?」
アリア「そんな事ある訳ないでしょ」

その時、殺気を感じ取ったトレインは、その方向に向けてハーディスを撃った。すると、地面にはさっき撃った銃弾と投げナイフが落ちた。

瑠依「投げナイフ!?」
トレイン「どうやら、本気で俺達を殺る気らしいな」

ファイター達が警戒態勢を取ると、周辺からナイル盗賊団の団員たちが姿を現した。約15人ほどの若い男女がメンバーではあるが、ほぼ全員、剣や銃で武装していた。

ダブルエックス「来たな! ナイル盗賊団!」
ヴェローナ「奇襲に失敗したから、仕方ないでしょう」
ドラゴニュート「…その服装、君、女子高生?」
ヴェローナ「ええ、私は女子高生ですが、立派なナイル盗賊団のメンバーです」
ドラゴニュート(盗賊やってて立派なもんか)
メイプル「犬の耳と尻尾が生えた女の子がいるんだけど…」
アルル「アルルの事? アルルは犬じゃなくとオオカミだよ!」
トレイン「で、あそこにいる銃持った女は中々やりそうだな」
レイス「そっちこそ、私の投げナイフを撃ち落とすんですからかなりの腕ですね」
イヴ「何か、1人人間じゃない人がいるんだけど…」
カイト「白い…アーム?」
ケーズ「俺の事か? 実は俺自身も何て種族か分かんないのよ」

ファイター達はそれぞれ、ナイル盗賊団の面々と対峙していた。すると、翼はある事に気づいた。リーダーであるナイルの姿が見えない事に。

ナイルの姿は、ニュースなどで何度も取り上げられていたので知っていた。身の丈程もある巨大な剣を持った短髪の男性である。そのナイルの姿が見えない事に、翼は疑問を感じていた。

翼「…おかしい、ナイルの姿がない…」
ドラゴニュート「…え?」
マジレッド「あそこにいる女子高生がナイルなんじゃないの?」
ヴェローナ「わ…私なんかがナイル様と間違われるなんて…光栄です…」
アリア「…どうやら本当に違うようね…」
カイト「まさか…もうここにはいない?」
ケーズ「いや、まだこのアルスマ山にいるぞ」
ギャバンtypeG「それは本当か?」
アルル「うん! アルスマ山の奥地に山菜を取りに行ってるだけだよ」
エイト「何その理由…」
レイス「と、言うか、いつまで話してるんですか! 早く戦いますよ!」
ダイ「そ…そうだね」
イオナ(ナイル盗賊団って…案外変な人達ですね…)

ナイル盗賊団のメンバーは一気に攻撃を仕掛けてきた為、アルスマファイター達は、それに応戦した。カムイやクラウド、エイトなどの剣を持ったファイターは、ナイル盗賊団の武器を持った一般メンバーと戦い、剣で武器を弾き飛ばした後、打撃攻撃で決して殺すことなく気絶させていた。いくら悪人と言えど、相手は人間だから殺さないようにしたいのである。一方、ヴェローナ、アルル、レイス、ケーズの4人に対しては、翼、ドラゴニュート、カイト、R-GUNが相手をしていた。

ケーズ「俺の投げ技を食らいやがれ!」

ケーズは長い腕でR-GUNを持ち上げ、カイト目掛けて投げつけた。

カイト「ぐわっ!」
ドラゴニュート「あの腕野郎には接近戦は危険だ!」
カイト「なら遠距離攻撃か! よし! 破壊…」
アルル「甘いよ!」

アルルは高く跳び、カイトに跳び蹴りを放って吹き飛ばした。それと同時に、レイスはアサルトライフルを翼に対して発砲した。翼はアサルトライフルの銃撃を素早く回避した。一方、ドラゴニュートヴェローナと戦っていた。ヴェローナは2本の剣を扱う女子高生剣士であり、その素早い二刀流の攻撃に対し、ドラゴニュートは防戦一方であった。

ドラゴニュート「くっ! 中々やるな!」
ヴェローナ「守ってばかりでは勝てませんよ!」
ドラゴニュート「確かに、守ってばかりだったら負けるな、なら、攻めるしかねえよな!」

ドラゴニュートは、ヴェローナの攻撃を後方に跳んで回避し、その場所からエクスプロージョンの呪文で攻撃した。ヴェローナは2本の剣で防御し、耐えたが、その爆風の先からドラゴニュートがインパルススラッシュを放ってきた。ヴェローナは2本の剣で防御したものの、インパルススラッシュの威力には耐えられず、剣を折られてしまった。

ヴェローナ「私の…剣が…」
ドラゴニュート「降参しろ、武器を失っては戦えないだろ」
ヴェローナ「情けを…かけるつもりですか…?」
ドラゴニュート「…俺はな、できれば命までは奪いたくないんだ、それが例え悪人でもな」
ヴェローナ「…あなた、優しいんですね」

その頃、他のファイター達はナイル盗賊団のメンバーを殺さず戦闘不能にしていた。翼たち3人も、それぞれ決着を付け始めていた。

カイト「破壊ブラスター!!」
ケーズ「またそれか!」

ケーズは腕を長く伸ばして攻撃した。しかし、カイトは破壊ブラスターを撃たず、その攻撃を回避した。

ケーズ「なっ…! フェイント…だと…!?」
カイト「こっちが本命の…破壊ブラスター!!」

カイトは破壊ブラスターを放ち、ケーズを吹き飛ばした。あえて威力を絞って撃った事で、致命的をダメージは避け、そのまま気絶させた。

カイト「ふぅ…一丁上がりっと」

一方のR-GUNはアルルと戦っていた。アルルは獣人族であり、身体能力も人間より高く、素早い動きで両腕に装着したクロー武器で攻撃してきた。R-GUNはビームカタールソードで防御するだけで防戦一方であった。

アルル「ロボットさん遅いねー!」

だが、R-GUNは攻撃を受けつつ相手の弱点を探っていた。アルルは一定のペースで攻撃を仕掛けてくる事、必ず背後から攻撃してくる事が分かった。

R-GUN(奴は、一回攻撃してから次攻撃するのに、約1.8秒の間隔がある…そして必ず背後から攻撃する…そこを突けば…!)

R-GUNはアルルが攻撃した直後、気付いていないふりをしてビームカタールソードを構えた。そして、アルルが攻撃を仕掛けたその時、ビームカタールソードを連結させ、スラッシュブーメランにしてアルルに投げつけた。アルルはそのまま吹き飛ばされ、気絶した。

R-GUN「後一歩だったな」

そして、レイスの銃撃に苦戦していた翼も、アサルトライフルの弾切れが来るのを見計らって攻撃を仕掛けた。

レイス「銃がなくても、私にはコンバットナイフが…!」

翼の黒剣ナハトに対して、レイスはコンバットナイフで応戦したが、あっさりと弾き飛ばされ、首元にナハトを添えられた。

翼「降参してください、命までは奪いたくありません」
レイス「くっ…仕方ない、私達の負けだ」

こうして、ファイター達はナイル盗賊団に勝利した。だが、まだ肝心のナイルが現れていなかった。

ドラゴニュート「なあ、ヴェローナ、ナイルはまだ来ないのか?」
ヴェローナ「そんな事、分かるわけないでしょう、と言うか馴れ馴れしいですねあなた」
ドラゴニュート「だよなぁ…」

すると、山の上から足音が聞こえて来た。その足音に、真っ先に反応したのがヴェローナであった。

ヴェローナ「ナイル様!!」

現れたのは、ナイル盗賊団のリーダー、ナイルであった。ナイルは黒い服を着た短髪の青年であり、背中に山菜の入った籠を背負っていた。すると、ナイルはアルスマファイター達を見てポカーンとしていた。

ナイル「…俺が山菜を取りに行ってる間に何があった」
ヴェローナ「実は…アルスマファイター達に負けてしまって…」
ナイル「俺のいない間にそんな事が…よし、後は俺に任せろ…」

ナイルは山菜の入った籠を地面に置くと、別空間から身の丈程もある巨大な剣を取り出した。

ナイル「ナイル盗賊団リーダー、ナイル・アーテライトが相手だ、かかって来い」
クー「おいおい、あいつの剣、クラウドの剣よりでかいぞ」
クラウド「そんな事、見れば分かる」
ドラゴニュート「あんな剣をよく持てるよな、あのナイルって奴」
ダイ「よし! おれが相手だ! アバンストラッーシュ!!」
マジレッド「マジ・マジカ!レッドファイヤー!!」
ZO「ウオォォォォォッ!!」

ダイはアバンストラッシュを、マジレッドはレッドファイヤーを、ZOはZOキックを放ってナイルを攻撃した。だが、ナイルは剣の一振りで3人を撃墜した。

ネクサス「…嘘だろ!?」
クー「まあ、あんなでかい剣を自由自在に振れるんだしな、当然だよな、ハハ…」
アリア「で、どうやって倒すの?」
ダブルエックス「接近すればやられる…なら、遠距離戦だ!!」
ナイル「甘い!!」

ダブルエックスが専用バスターライフルを構えたその時、ナイルは剣を振り、巨大な真空波を飛ばした。その真空波で、ダブルエックスは撃墜されてしまった。

エイト「接近戦も駄目、遠距離戦も駄目…か…」
トレイン「だが、攻撃しないよりはマシだ、行くぜアリア!」
アリア「私に命令しないで!」

トレインとアリアは2人で銃を発砲し、ナイルを攻撃した。しかし、ナイルは剣を振って風を起こして銃弾を無力化した。

トレイン「ダメもとでこれを撃ってみるか、電磁銃!!」
イヴ「トレイン! 電磁銃は…!!」

トレインは電磁銃を撃ったが、ナイルの風魔力を纏った剣の一撃で電磁銃を切り払った。

イヴ「嘘…斬り払った…」
トレイン「おいおい…化け物かよ…」
ギャバンtypeG「まさか、トレインの電磁銃を斬り払うとは…」
ナイル「今のが切り札だったようだが、残念だったな」

すると、R-GUNとクラウドがある会話をしていた。その会話に気付いたドラゴニュートは会話に参加した。

ドラゴニュート「なあ、2人で何を話してるんだ?」
R-GUN「奴を倒す方法だ」
クラウド「お前も手伝ってくれ」
ドラゴニュート「いいぜ、で、何すりゃいいの?」
R-GUN「俺と共に囮になれ」
ドラゴニュート「…は?」

ナイル「アルスマファイター達も大した事ないな」

すると、ドラゴニュートが一直線に向かって来た。

ドラゴニュート「行くぜナイル! 俺が相手だ!!」
R-GUN「覚悟はいいな?」
ナイル「馬鹿め! これで死ね!!」

ナイルは2人目掛けて剣を叩き付けた。だが、2人は後方に跳び、攻撃を回避した。そこにクラウドがバスターソードをナイルの剣に叩き付けた。

ナイル「何ッ!?」
クラウド「お前の剣は俺の剣の重さと腕力で地面に埋まってる、もはや引く事も出来ないはずだ」
ナイル「くっ! 何て馬鹿力だ!!」
R-GUN「ドラゴニュート、とどめはお前に任せたぞ」
ドラゴニュート「了解! 食らえええッ!!」

ドラゴニュートはナイルの顔目掛けて飛び蹴りを放った。飛び蹴りをモロに食らったナイルは地面に倒れ込んだ。

ドラゴニュート「よし決まった! 今のはフライングキックとでも名付けるか」
ヴェローナ「ナイル様が…負けた…」
レイス(彼らの連携…かなりのものだな…)

その後、アルスマファイター達はナイル達から話を聞く事にした。

カイト「で、お前らは何でアルスマを潰そうとしたんだ?」
ナイル「…エレメントスタンドからの命令だ」
翼「エレメントスタンド!?」
エイト「知ってるのかい? 翼」
翼「ああ、アルスマが始まる1年前にアルスマ界に存在したテロ組織だ」
イオナ「テロ組織…?」
翼「組織名の通り、構成員が様々な属性に特化した兵士達で、小規模ながらも高い戦闘力を持っていたんだ」
闇遊戯「そいつらは今、どうなったんだ?」
翼「アルスマ界の各地にある軍が協力してようやく倒す事に成功したよ」
ナイル「だが、そのエレメントスタンドの残党が生きていた…」
ヴェローナ「そして、私達にアルスマを潰すよう脅迫してきたんです」
レイス「奴らの力はナイル様を凌いでいる…私達は受け入れるしかなかったんだ」
カイト「ま、そんな奴らに脅迫されちゃ仕方ないよな」
ティガ「でも、何でアルスマを潰そうとしたんだろう…」
ナイル「さあな、そこまでは答えてくれなかった」
ティガ「そうか…」

ドラゴニュート「じゃあ、もう一つ聞くが、道中俺達を攻撃した敵は何者だ?」
ナイル「? 何だそれは? ナイル盗賊団の構成員はここにいる者たち以外いないぞ?」
R-GUN「やはり、ナイル盗賊団からは何も情報が得られなかったな…」
イヴ「さっきのエレメントスタンドの構成員なのかな?」
マスターファフニール「それらについては、僕が現在調査中さ!」
ドラゴニュート「うおっ! びっくりした!!」
翼「マスターファフニール!!」

マスターファフニール「お疲れ! 早めに仕事が終わったから迎えに来たよ!」
トレイン「よう、変なドラゴン、無事任務はやり遂げたぜ」
マスターファフニール「ありがとう! じゃあ、後でいいものをあげるね!」
トレイン「よっしゃ! その言葉を待ってたぜ!」
エイト(と、言うか、最初からマスターファフニールが送迎してくれたら歩かなくてよかったんじゃ…)
翼(あの人、ああ見えて結構忙しいらしいんです)

マスターファフニール「しかし、エレメントスタンドに謎の敵…これはかなり厄介なことになりそうだね…」
イヴ「アルスマは大丈夫かな…?」
マスターファフニール「大丈夫! 1週間もしない内に開催できるよ!」
イヴ「よかった…」
ナイル「で、俺達の扱いはどうなる」
マスターファフニール「とりあえず、本部まで一緒に来てもらうよ」
ヴェローナ「嫌な予感…」
マスターファフニール「悪いようにはしないから安心してくれたまえ」
ヴェローナ「それならいいんですが…」

マスターファフニール「さて、みんなで一緒に帰ろう! 他のみんなも待ってるよ!」
龍騎「やっと帰れるぜ~」
ドラゴニュート「疲れたな~、早く帰って剣聖機アルファライドの続きやろっと」
アリア「流石に疲れたから、今日はゆっくり休みましょう」
闇遊戯「そうだな」
翼「それじゃ、早速帰ろう!」

こうして、アルスマファイター達の旅は終わった。しかし、この問題が完全に解決したわけではない。新たな敵、エレメントスタンドの目的や謎の敵の正体とは!? この問題が解決するのがいつになるかは分からないが、また今回のようなことがあればアルスマファイター達はきっと戦うだろう。だが、アルスマファイター達はしばらく休息を取る事になった。全ては、みんなを楽しませるアルスマを開催する為である。

[イベント戦 ポケモントレーナー]

アルスマファイター達とナイル盗賊団との戦いから一夜明けた。黒幕であるエレメントスタンドの調査はマスターファフニール達に任せ、アルスマファイター達は休息を取っていた。だが、流石に暇だったのか数人のファイターが食堂に集まり、話をしていた。

トレイン「なあ、聞いてくれよ、あの変なドラゴン俺にミルク1年分をくれたんだぜ!」
イヴ「よかったね、トレイン」
トレイン「しかも最高級のミルク! 最高だろ?」
エイト「それはよかったね、そのミルクを素材にすればいいチーズが作れそうだ」
トレイン「ちょい待ち! 絶対にやらねーぞ」
エイト「ははは、冗談だよ」

すると、ドラゴニュートがある疑問を口にした。

ドラゴニュート「なあ、何でトレインはここにいるんだ?」
トレイン「ああ、実は俺、ファイターとしてスカウトされたんだ」
カイト「マジか!」
トレイン「昨日のナイル盗賊団との戦いに協力した事であの変なドラゴンが俺の実力に目を付けたんだよ」
翼「そうだったんですね」
遊戯「確かに、トレインさんの実力はかなりのものだったもんね」
エイト「そう言えば、ファイター候補として連れてこられたサーナイトもファイターになったんだよね」
イングラム「そうらしいが、姿が見えないようだな」

その時、オペ子が食堂にいる翼たちを呼びに来た。

オペ子「皆さん、ちょっといいですか?」
翼「いいですけど、何かあったんですか?」
オペ子「はい、実は今から特別試合を始めようと思いまして」
カイト「特別試合?」
オペ子「詳しい話は現地で行いますので、こちらへ」

オペ子が翼たちを連れて行った先は、主に模擬戦などに使われる戦場であった。その戦場では、既に何台ものカメラが設置されていた事から、今からやる特別試合を全世界に中継すると言う事が分かった。そして、そこにはマスターファフニールと1人の男性が立っていた。その男性はボサボサした黒髪と細長い目が特徴で、長袖の黒い服とブルーのジーパンと言うシンプルな服装であった。

マスターファフニール「やあやあ、よく来てくれたね」
トレイン「よー、変なドラゴン、昨日はミルクありがとな」
マスターファフニール「いやいや、礼には及ばないよトレインくん、ほんの感謝の気持ちさ」

そして、翼はマスターファフニールの隣に立っている男性の事を聞いた。

翼「マスターファフニール、その人は?」
マスターファフニール「ああ、この人はドラゴニュートくんだよ」
ドラゴニュート「…へ?」
マスターファフニール「えっと…正確にはポケモントレーナーだった世界線ドラゴニュートくんだね」
カイト「つまり、別次元のドラゴニュートって事か?」
マスターファフニール「そう言う事! ちなみに、アルスマに登場しているポケモン達を提供してくれているのも彼だよ」
ドラゴニュートポケモントレーナーだった世界線の俺…か…別次元にも俺がいるんだな」

その時、イヴはある疑問を口にした。

イヴ「でも、あの人なんて呼べばいいの? ドラゴニュートさんだったら紛らわしいよね?」
トレイン「ポケモントレーナードラゴニュートだから、ポケドラとかでいいんじゃね?」
ドラゴニュート「ポケドラって…ポケベルじゃねえんだから…」
ポケドラ「いや、それでいいよ、俺も丁度何てあだ名にするか考えていた事だし」
ドラゴニュート「いや、いいんかい!」

マスターファフニール「さて、君達は今からポケドラくんと6対6のイベント戦をしてもらうよ!」
カイト「6対6のイベント戦!?」
ドラゴニュートポケモンバトルでもするのか?」
ポケドラ「いや、君達はいつも通り戦えばいいよ、俺はポケモンで戦うから」
ドラゴニュート「マジで!? 俺達結構強いんだけど、大丈夫?」
ポケドラ「大丈夫、俺のポケモンは色んな地方のチャンピオンを倒した歴戦のポケモンだからな、丁度相棒のアブソルとサーナイトもいるし」
エイト「あのアブソルとサーナイトはポケドラくんのだったのか! どおりで強い訳だ」

マスターファフニール「さて、もう準備はできてるかな?」
翼「もちろんです! いつでも行けますよ!」
ドラゴニュート「別次元の俺…一体どれぐらい強いんだろう…」
ポケドラ「フッ、久々にプラターヌのオヤジに呼ばれたと思ったらこんな面白いバトルをする事になるとはな」
オペ子「それでは、ファイターの皆さんとポケドラさんはバトルの準備をお願いします!」

そして、アルスマファイターの選抜メンバーとポケドラはバトルの準備をした。アルスマファイター側はドラゴニュート、カイト、R-GUN/イングラム、トレイン、エイト、遊戯の6人、そして、ポケドラ側はアブソル、サーナイトと他4匹のポケモンで戦う。

レフェ子「今回のルールは時間無制限、アイテムなし、1人ずつ戦い、先に6人全員を倒したチームの勝ちです!」
カイト「…レフェ子さん、まさかこの台詞を言う為に来たの…?」
レフェ子「そうよ、この台詞の為に休日を返上して来たのよ、今日はお買い物する予定があったのに…」
イヴ「それはご愁傷様です…」
ナレ男「では始めます、3・2・1・GO!!」

ナレ男の掛け声で特別試合が幕を開けた。

ポケドラ「よし! 行けっ! スピアー!!」
スピアー「スピーッ!!」

ポケドラは蜂のポケモン、スピアーを繰り出した。このスピアーは以前ステージ 戦場の時に登場したスピアーと同一個体である。

トレイン「よし、じゃ俺が行きますか」

トレインは空を飛ぶスピアーをハーディスで攻撃した。

ポケドラ「かわしてミサイルばり!!」

スピアーは回避し、ミサイルばりを飛ばしてトレインを攻撃した。その攻撃をトレインは回避しつつ、反撃のチャンスを伺っていた。

トレイン「あの蜂野郎、チョコマカと動いて狙いを付けづらいな…」
ポケドラ「カロス地方の冒険の際に相棒として長く活躍したスピアーだ、そう簡単にはやられないよ」
トレイン「なるほどな、だがこの勝負、俺が勝つぜ!」
ポケドラ「凄い自身だな、ならその自身、うち砕いてやる! スピアー! ダブルニードル!!」

スピアーは両腕の2本のトゲでトレインを串刺しにする為急接近した。だが、トレインはその機会を待っていたのである。

トレイン「かかったな! 黒爪(ブラック・クロウ)!!」

トレインはオリハルコン製の装飾銃ハーディスを使ってスピアーに高速で4連打撃を放った。黒爪を食らったスピアーは吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。

ナレ男「スピアー、戦闘不能! トレイン=ハートネットの勝ち!」
トレイン「ま、こんなもんかな…」
ポケドラ「くっ、流石アルスマファイター、伊達じゃないぜ…」

そう言ってポケドラはスピアーをモンスターボールに戻した。

トレイン「このまま俺一人でお前の手持ちを全員倒してやるぜ!」
ポケドラ「フッ、そうはいかないな、行けっ! ギルガルド!!」
ギルガルド「ギルドッ!!」

ポケドラは剣と盾が合体したような見た目のポケモンギルガルドを繰り出した。

トレイン「何だありゃ、剣と盾か?」
ポケドラ「ギルガルドって言うカロス地方ポケモンだよ」
トレイン「何か知らねえが、すぐに倒してやるぜ!」

そう言ってトレインはギルガルドにハーディスを撃った、しかし、ギルガルドは盾の部分で防御した。

トレイン「くっ! 銃弾が通らねえ!」
ポケドラ「残念だったな、ギルガルドははがねタイプのポケモンでね」
トレイン「そりゃ硬いわけだ」
ポケドラ「ギルガルド! かたきうち!!」
ギルガルド「ギルッ!!」

ギルガルドは盾と分離し、ブレードフォルムにチェンジした。そして、トレインに急接近し、トレインを斬りつけた。

トレイン「がはっ…!!」

かたきうちを食らったトレインは地面に倒れ込んだ。

ナレ男「トレイン、戦闘不能ギルガルドの勝ち!」
ポケドラ「よしっ! いいぞ! ギルガルド!」
イヴ「トレイン!!」

敗北したトレインの元にイヴが駆け寄った。

トレイン「悪い、姫っち、負けちまったぜ…」
エイト「トレインが一撃でやられるなんて…何て威力だ…」
ドラゴニュート「あのかたきうちと言う技は、仲間がやられた直後に放つと威力の上がる技だ」
闇遊戯「なるほどな…どおりで威力が高いわけだ…」

ポケドラ「さあ! 次は誰が来る?」
イングラム「俺が行こう…」
ポケドラ「どんな相手だろうと、手加減はしないぜ!」
イングラム「コール! R-GUN!!」
R-GUN「手加減なんて必要ない、全力でかかって来い」
ポケドラ「OK! ギルガルド! つじぎり!!」
ギルガルド「ドドドドドドドドドドドドッ!!」

ギルガルドはR-GUNをすれ違いざまに斬りつけようとした。だが、R-GUNはその攻撃をビームカタールソードで切り払った。

ポケドラ「なるほど、剣の腕前はかなりのもののようだ」
R-GUN「借りは返すぞ」

R-GUNはギルガルドにマシンガンを放った。だが、ギルガルドはシールドフォルムにチェンジし、R-GUNの攻撃を防いだ。

R-GUN「ほう…」
ポケドラ「ギルガルド! つじぎり!」
ギルガルド「ギルドッ!!」

ギルガルドは再びブレードフォルムにチェンジし、R-GUNをすれ違いざまに斬りつけた。だが、間一髪回避行動を取った為、致命傷は避ける事ができた。

ポケドラ「今のをかわすとは…中々やるな…」
R-GUN「後一歩だったな」
ポケドラ「なるほど、だが、次でトドメを刺してやる! ギルガルド! きりさく!!」
ギルガルド「ドドドドドドドドドドドドッ!!」

ギルガルドはR-GUNにきりさくを放った。だが、R-GUNはその攻撃を跳んで回避し、ビームカタールソードを連結させてスラッシュブーメランにした。そして、スラッシュブーメランをギルガルドに投げつけた。スラッシュブーメランはギルガルドに命中し、ギルガルドは地面に倒れた。

ナレ男「ギルガルド、戦闘不能! R-GUNの勝ち!」
R-GUN「その程度で俺を倒すことは不可能だと思え」
ポケドラ「よくやった、ギルガルド

そう言ってポケドラはギルガルドモンスターボールに戻した。

R-GUN「さて、次は何で来る…?」
ポケドラ「よし、このポケモンで行くよ、行けっ! ミミロップ!!」
ミミロップ「ミーミッ!!」

ポケドラはウサギのポケモンミミロップを繰り出した。

R-GUN「えらく可愛げのある相手だな」
ドラゴニュート「まあ、俺は兎年生まれだからな、代表としてミミロップをね」
R-GUN「だが、俺は容赦はしないぞ」

R-GUNはビームカタールソードでミミロップに攻撃をしかけた。

ポケドラ「かわしてピヨピヨパンチ!!」
ミミロップ「ミーイッ!!」

ミミロップは身軽な動きでR-GUNの攻撃を回避し、長い耳でR-GUNにピヨピヨパンチを放った。その攻撃を食らったR-GUNは混乱した。

R-GUN「クスハ…その栄養ドリンクだけはやめてくれ…」
ポケドラ「なら目の前をまっすぐ行けば逃げれるぞ~」
R-GUN「感謝する…」

R-GUNはまっすぐ走っていき、壁に衝突して気を失った。

ナレ男「R-GUN、戦闘不能ミミロップの勝ち!」
ポケドラ「やったな! ミミロップ!」
ミミロップ「ミッ!」

カイト「おいおい…何やってんだよR-GUN…」
ドラゴニュート「ピヨピヨパンチは命中した相手を混乱させる事があるんだ」
カイト「何っ!? ふざけた名前の癖にヤバい技だな!!」
エイト「よし! ここは僕が行くよ!!」
ポケドラ「君はとても素早そうだね!」
エイト「ここはスピードで翻弄するしかない!」

そう言ってエイトはミミロップに攻撃を仕掛けた。

ポケドラ「かわしてメロメロ!!」
ミミロップ「ミミーロッ❤」

ミミロップはかわいいしぐさをしてエイトを誘惑した。

エイト「か…かわいい…」

すると、エイトは武器を地面に落とし、ミミロップをじーっと見つめた。

カイト「おいおい! 何やってんだよエイト!!」
闇遊戯「あいつは相手の誘惑攻撃に引っ掛かるほど馬鹿なのか!?」
ドラゴニュート「まあ、あいつはウィッチレディのぱふぱふに魅了されるような奴だしな」

ポケドラ「ミミロップとびひざげり!!」
ミミロップ「ミーイッ!!」

ミミロップはエイトの顎にとびひざげりを放った。その攻撃をモロに食らったエイトは気を失い、地面に倒れ込んだ。

ナレ男「エイト、戦闘不能ミミロップの勝ち!」
ポケドラ「やったな! ミミロップ!」
ミミロップ「ミミロー!」

カイト「まずいな…ミミロップに2タテされたぞ…」
ドラゴニュート「残るは俺とカイトと遊戯だけか…」
闇遊戯「なら、オレにやらせてくれ、いい作戦がある」
ドラゴニュート「分かった! ここはお前に任せる!」

そして、闇遊戯は戦場に向かった。

ポケドラ「おいおい、ヒトデみたいな髪型の奴が出てきたぞ…」
闇遊戯「フッ、お前の誘惑攻撃に勝つ方法が分かったのさ!」
ポケドラ「何だと!?」
闇遊戯「出でよ! ブラック・マジシャン・ガール! クィーンズ・ナイト! ホーリー・エルフ!」

闇遊戯は3体のモンスターを召喚した。そのモンスターは全員、女性型のモンスターであった。

ポケドラ「全員…女だと…!?」
闇遊戯「お前のミミロップは男を魅了する事はできても、女には通用しないようだな!」
ポケドラ「くっ! だが、俺のミミロップがまだ負けたわけじゃない! とびひざげりだ!」
ミミロップ「ミミッロップッ!」
闇遊戯「行け! ブラック・マジシャン・ガール! 黒・魔・導・爆・裂・波(ブラック・バーニング)!!」

ブラック・マジシャン・ガールは黒・魔・導・爆・裂・波(ブラック・バーニング)を放った。ミミロップはその爆発に吹き飛ばされ、気絶した。

ナレ男「ミミロップ、戦闘不能武藤遊戯の勝ち!」
カイト「よっしゃあ! よくやった遊戯!!」

闇遊戯はカイトに対し、サムズアップを返して喜びを表現した。

ポケドラ「おつかれ、ミミロップ、ゆっくり休め」

そう言いながらポケドラはミミロップモンスターボールに戻した。

闇遊戯「お前がどんなに凄腕のポケモントレーナーだろうが、オレ達には勝てないぜ!」
ポケドラ「確かに、お前達の腕前はかなりのものだな、だが、まだ3対3! 勝機はあるさ!」
闇遊戯「面白い! なら、かかって来い!!」

ポケモントレーナーだった世界線ドラゴニュートとアルスマファイターの特別試合はリアルタイム中継され、現在、高視聴率を記録している。その特別試合も遂に後半戦に突入した。現在、双方は3対3の状況になっている、果たして、勝利するのはどちらのチームか?

ポケドラ「中々やるな! 行けっ! レントラー!!」
レントラー「レントッ!!」

ポケドラはでんきタイプポケモンレントラーを繰り出した。このレントラーは以前ステージ ピーチ城の時に登場したレントラーと同一個体である。

闇遊戯「見たところ、電気を使いそうだな!」
ポケドラ「そうさ! そしてレントラーで一気にケリをつける!」
闇遊戯「冗談はよした方がいいぜ! 行けっ!」

闇遊戯はモンスター達に一斉攻撃を仕掛けさせた。だが、ポケドラは余裕の表情でレントラーに指示を出した。

ポケドラ「レントラー! ほうでん!!」
レントラー「トラァーッ!!」

レントラーは身体から電気を放電させ、戦場全体に電撃を放った。そして、闇遊戯のモンスターは全員感電し、撃破された。

闇遊戯「何っ!?」
ポケドラ「残念だったな! レントラー10まんボルト!!」
レントラー「トラーッ!!」

レントラー10まんボルトを放ち、闇遊戯を攻撃した。

闇遊戯「うわぁーっ!!」

闇遊戯は電撃を食らって真っ黒コゲになり、倒れた。

ナレ男「遊戯、戦闘不能レントラーの勝ち!!」
ポケドラ「よっしゃあ! いいぞ! レントラー!!」
レントラー「トッ!!」

黒コゲになった遊戯は翼とイヴによって運ばれた。

翼「大丈夫か? 遊戯?」
闇遊戯「オレとしたことが油断したぜ…」
イヴ「相手が電気使いなら、トレインが相性良さそう」
トレイン「おいおい、よせって、あんな電撃食らったら流石に俺でもダメージ受けるぜ」

ポケドラ「さて、次は誰が来る?」
カイト「俺が行くぜ!!」
ポケドラ「ほう…剣と銃、両方を使うのか…」
カイト「速攻でケリを付けてやるぜ!!」
ポケドラ「そう簡単に勝てるかな? レントラー10まんボルト!!」
レントラー「トラーッ!!」

レントラー10まんボルトを放った。カイトはそれを間一髪回避し、マスターガンを撃った。

ポケドラ「かわしてほうでん!!」

レントラーはマスターガンの銃弾を回避し、身体から電気を放電させた。

カイト「来たッ!!」

カイトは突然ハイパーソードを地面に突き立てた。すると、放電させた電気が全てハイパーソードに集まり、レントラーの攻撃を無力化させたのである。

ポケドラ「何ッ!? 避雷針だと!?」
カイト「これでお前の電気技は無力化されるな!!」
ポケドラ「くっ! レントラーかみくだく!!」
レントラー「トラッ!!」

レントラーはカイトに急接近したが、カイトはそれを回避し、零距離でマスターガンを向けた。

カイト「零距離…破壊ブラスター!!」

零距離で破壊ブラスターを食らったレントラーは吹き飛んだ後、大爆発を起こし、地面に倒れ込んだ。

ナレ男「レントラー、戦闘不能! カイトの勝ち!!」
カイト「よし! 一丁上がり!!」
ポケドラ「お前ぇぇぇ! 俺のレントラーを殺す気かぁぁぁ!!」

カイトに激怒しながらポケドラはレントラーモンスターボールに戻した。ポケドラに怒られたカイトは少し反省していた。

カイト「ごめん! やりすぎた!!」
ポケドラ「許さん! 行けっ! サーナイト!!」
サーナイト「サナサーナー」

ポケドラはエスパー、フェアリータイプのポケモンサーナイトを繰り出した。このサーナイトは最近アルスマファイターになったサーナイトである。

カイト「サーナイトが相手か…! できればあまり傷つけたくはないが…!」
ポケドラ「全力でかかって来い !その方がサーナイトも喜ぶぞ」
サーナイト「サナサナ」
カイト「よし! 分かった! 全力で行く! 破壊ブラスター!!」

カイトはマスターガンから破壊ブラスターを放った。

ポケドラ「サーナイト! リフレクター!!」
サーナイト「サナー!」

サーナイトは光の壁を作り、破壊ブラスターを防御した。

カイト「くっ! 防がれたか!!」
ポケドラ「サーナイト! マジカルリーフ!!」
サーナイト「サーナー!!」

サーナイトは鋭い葉っぱを飛ばして攻撃した。カイトは回避態勢を取ったものの追尾し、その攻撃はカイトに命中した。

カイト「ぐあっ! くっ! 何でだ? 俺は確かに回避したはず…!」
ポケドラ「マジカルリーフは威力が低い分、攻撃が必ず命中するのさ!」
カイト「くっ! やはりエスパータイプポケモンは一筋縄ではいかなそうだ!!」
ポケドラ「サーナイトサイコキネシス!!」
サーナイト「サーナー!!」

サーナイトサイコキネシスを使い、カイトを宙に浮かせた後、地面に叩き付けた。

カイト「がはっ!!」
ドラゴニュート「カイト!!」
ポケドラ「どうした? 手も足も出ないか?」
カイト(遠距離は防がれる、近づこうにも超能力で接近できない…一体どうすれば…!)

その時、カイトは一か八か突っ込むことにした。もしこの作戦が失敗したら、ドラゴニュートに任せるしかない状況で、それぐらい一か八かの作戦なのである。

カイト「仕方ねえ! 守ったら負ける! 攻めるしかねえ!!」

カイトはサーナイトに向かって走り出した。

ポケドラ「あいつ、何をする気だ? サーナイト! マジカルリーフ!!」
サーナイト「サナー!!」

サーナイトは再びマジカルリーフを放った。だが、カイトはその葉っぱを全てハイパーソードで切り払った。

ポケドラ「くっ! サーナイトサイコキネシス!!」
サーナイト「サーナー!!」

サーナイトはカイトを宙に浮かせた。その時、カイトはサーナイトに背を向けた。

カイト「今だッ! 破壊ブラスター!!」

何と、カイトは破壊ブラスターを撃った勢いで無理やりサイコキネシスを突破したのである。そして、カイトは振り向き、ハイパーソードでサーナイトを攻撃した。

カイト「ソードブレイク!!」

ソードブレイクを食らったサーナイトは、地面に倒れ込んだ。

ナレ男「サーナイト、戦闘不能! カイト・ブルーレオの勝ち!!」
カイト「一か八かの戦法だったが、うまく行って良かった…」
ポケドラ「何て奴だ…エスパー技を銃の反動で無理やり突破するなんて…」

そう言いながらポケドラはサーナイトモンスターボールに戻した。

カイト「さあ! 残りは後一匹! 最後は当然、あいつだよな?」
ポケドラ「勿論さ! 行けっ! 俺の相棒、アブソル!!」
アブソル「アブソッ!!」

ポケドラの最後の一匹は、あくタイプのポケモン、アブソルである。長きに渡ってポケドラの相棒として活躍したこのアブソルは、アルスマファイターとしても大乱闘で活躍している。

カイト「悪いが、手加減はしないぜ! 破壊ブラスター!!」

先手を取り、カイトは破壊ブラスターを撃った。

ポケドラ「かわしてつじぎり!!」
アブソル「ソルッ!!」

アブソルは身軽な動きで攻撃を回避し、カイトに接近した。そして、鋭い角でカイトを斬り裂いた。

カイト「ぐあぁッ!!」
ポケドラ「続けてきりさく!!」
アブソル「アブソッ!!」

アブソルはカイトにきりさくを放った。カイトはアブソルの鋭い角で斬り裂かれ、倒れた。

ナレ男「カイト、戦闘不能! アブソルの勝ち!!」
ポケドラ「よしっ!残るは1人だけだ!!」
アブソル「ソルッ!!」

ドラゴニュートは戦闘不能になったカイトに駆け寄った。

ドラゴニュート「カイト、大丈夫か?」
カイト「ああ、悪い、負けちまった、後は頼むぜ」
ドラゴニュート「ああ、任せろ!」

そして、最後の1人であるドラゴニュートと、ポケドラ、そしてアブソルは対峙した。

ドラゴニュート「別次元の俺…ただ者ではなさそうだ」
ポケドラ「俺もさ、まさか別次元の俺とやり合えるとはな」
ドラゴニュート「よし! 俺からやらせてもらう!!」

ドラゴニュートは先手を取り、雷魔法のライトニングを放った。

ポケドラ「かわしてかまいたち!!」
アブソル「アーブソッ!!」

アブソルはかまいたちを飛ばし、ドラゴニュートを攻撃した。だが、ドラゴニュートはスティールソードでかまいたちを斬り払った。ドラゴニュートはお返しに氷のカッターを飛ばす魔法、アイシクルリッパーを放って攻撃した。

ポケドラ「かまいたちで迎撃だ!!」
アブソル「アブソッ!!」

アイシクルリッパーはアブソルのかまいたちで迎撃され、届かなかった。

ドラゴニュート「くっ! やはり素早いな!」
ポケドラ「フッフッフ…でもまだ本気じゃないのよね~」
ドラゴニュート「何っ!? ま…まさか…!!」
ポケドラ「行くぞ! アブソル! メガシンカだ!!」
アブソル「アブソッ!!」

ポケドラが左腕に装着したメガリングを構えると、アブソルに持たせたメガストーン、アブソルナイトが共鳴した。すると、アブソルから眩い光が放たれ、その光が収まるとアブソルの姿が変わっていた。アブソルのその姿は体毛が少し増え、背中には翼が生えていた。アブソルがメガシンカした姿、メガアブソルである。

イヴ「アブソルの姿が変わった!?」
ドラゴニュート「ま…まさかメガシンカをしてくるとは…!!」

メガシンカをしたポケモンの戦闘力は通常時より上昇し、普段以上の力を出す事ができるまさに切り札なのである。ちなみに、メガシンカは通常の進化とは違い、一時的な進化なので、戦闘終了後は元に戻るのだ。

ポケドラ「やっぱ切り札は最後まで取っとくもんだよなぁ」
メガアブソル「ソルッ!!」
ドラゴニュート「だが、俺は負けない! 最後まで諦めない!!」
ポケドラ「そう来なくっちゃな! アブソル! メガホーン!!」
メガアブソル「アブソッ!!」

メガアブソルは鋭い角を構え、勢いよく突撃した。ドラゴニュートはその攻撃を回避しようとしたが、突進のスピードが速く、横腹に攻撃がかすってしまった。

ドラゴニュート「ぐっ!!」
ポケドラ「続けてつじぎり!!」
メガアブソル「ソルッ!!」

メガアブソルドラゴニュートにつじぎりを放った。ドラゴニュートはつじぎりをモロに食らい、地面に膝をついた。

ドラゴニュート「ぐっ…うぐっ…!!」
ポケドラ「ま…まだ倒れないか…!?」
ドラゴニュート「ここで倒れたら、みんなの努力が無になってしまう…! それだけは絶対に嫌だ!!」
ポケドラ「強情な奴だ! アブソル! とどめのメガホーン!!」
メガアブソル「アブソッ!!」
ドラゴニュート(くっ…! 俺はまだ諦めない…! 諦めるもんか!!)

その時、どんな危機的状況でも諦めないドラゴニュートの強い意志に天が味方したのか、それとも彼自身の持った力かは謎だが、ドラゴニュートの体から大空のように青い激しいオーラが発生した。そして、そのオーラはメガアブソルを吹き飛ばした。

ポケドラ「な…何だ…!?」

オーラが収まった後、そこにいたのは、白く大きな翼を背中に生やしたドラゴニュートの姿であった。

エイト「な…何あれ…!?」
カイト「す…凄え…!!」
イヴ「まるで私の変身(トランス)能力みたい…!」

ドラゴニュートは翼を羽ばたかせ、上空へと飛翔した。そして、ドラゴニュートはある事を思い出していた。それは、彼がアルスマ界に来る前の出来事、とある敵と戦った時の事である。

ドラゴニュート「あの時と同じだ…あの時も俺の諦めない心に反応し、翼をくれた…」
ポケドラ「くっ! 何かは知らないが、俺のアブソルは負けない! アブソル! メガホーンだ!!」
メガアブソル「アブソッ!!」

メガアブソルは高く跳び、上空にいるドラゴニュート向けてメガホーンを放った。だが、ドラゴニュートは剣を軽く振っただけでメガアブソルを地面に叩き付けた。

ポケドラ「何ッ!?」
ドラゴニュート「これで終わりだ! ライトニングッ…ブラストォォォッ!!!」

ドラゴニュートは右掌から超強力なクリーム色の光ビームを放った。そのビームは地上にいるメガアブソルに命中し、大爆発を起こした。爆風が収まると、メガアブソルは元の姿に戻り、気絶していた。

ナレ男「アブソル、戦闘不能ドラゴニュート・ブラウスピカの勝ち!! よってこの勝負、アルスマファイターの勝ち!!」
ドラゴニュート「やった…! 勝ったんだ…!!」

自分達が勝利して安心したのか、ドラゴニュートの背中の翼は消滅した。そして、そのまま万有引力の法則に従い、地面に墜落した。

ドラゴニュート「痛っ!!」
カイト「おい、ドラゴニュート、大丈夫か?」
ドラゴニュート「だ…大丈夫だ…」
ポケドラ「負けちまったか…お疲れ、アブソル」

そう言ってポケドラはアブソルをモンスターボールに戻した。そして、ドラゴニュート達の方に向かった。

ポケドラ「いい勝負だった、まさかあんな奥の手を持ってるとはな」
ドラゴニュート「ああ、こちらこそいい勝負だったよ、それと、実はあれ奥の手じゃないんだ」
ポケドラ「奥の手じゃない? どういう事だ?」
ドラゴニュート「あの姿には以前に一度だけなった事があるんだけど、その時も今回と同じギリギリの状況だったんだ」
トレイン「つまりなんだ、追い込まれた状態で発動する能力だとでも言うのか?」
ドラゴニュート「そもそも能力じゃなくて奇跡に近いものかもしれない、それぐらい謎なんだ」
ポケドラ「なるほどな、ポケモンと言い何と言い、この世界は謎がいっぱいだぜ」

翼「ポケドラさんはこの後どうするんですか?」
ポケドラ「俺か? 俺は元の世界に戻る、プラターヌのオヤジの依頼でパルデア地方に向かう事になったからな」
カイト「ポケモントレーナーの仕事も案外忙しいんだな」
ポケドラ「そりゃあもう! 前もオーキドやナナカマドのオヤジの依頼を受けたりしたからな!」
R-GUN「その様子だと、相当依頼を受けているようだな…」
ドラゴニュート「大変だろうけど、頑張れよ!」
ポケドラ「ああ! もちろんだ!」

すると、ポケドラはマスターファフニールの方に向かった。

ポケドラ「俺の手持ち6匹はあんたに預けとくよ、大乱闘で使ってやってくれ」
マスターファフニール「了解! みんな責任を持って僕達が預かっとくよ!」
レフェ子「でも、全員預けちゃって大丈夫なんですか?」
ポケドラ「大丈夫! ボックスには他のポケモンがいるから」
レフェ子「なら大丈夫ですね、ポケドラさんのポケモン、大事に預からせていただきます!」
ポケドラ「それに、今回のバトルで分かったんだ、いろんな地方のチャンピオンを倒しても上には上がいるってさ、だから俺は次の地方で自分を鍛え直す!」
マスターファフニール「いい心構えだね! 頑張ってくれたまえ!」
ポケドラ「ああ!」

そして、ポケドラはマスターファフニールの能力で元の世界に帰って行った。今回の特別試合は全世界で中継され、各地で高視聴率を記録した。その一方、参加したメンバー達の実力を少し成長させる事につながった。今回の経験を糧に、ファイター達はもっと上を目指し、成長を続けるのだ。そして、ドラゴニュートが今回見せたあの力の謎とは? 特別試合で疲れたファイター達はその事について気になりながらも、休息を取り、本番となる大乱闘に備えるのであった…。