クロストライアル小説投稿ブログ

pixiv等で連載していた小説を投稿します、ここだけの新作も読めるかも?

少女兵士の聖夜の休戦

 私の名前はアリア・クリスティナ、とある国の少女兵士で、年は17。
 その日の私は戦場の最前線となる雪深い山岳地帯を、大型の対機動兵器バズーカを持って駆け抜けていた。
 未来の戦場はAI制御された機動兵器が主流で、私達のような人間の兵士は最前線で戦わされる、実質特攻のような扱いをされている。
 人同士の殺し合いは主流ではなく、機械同士が破壊し合うのが未来の戦場だ。
 これがAI技術が発達した成れの果てである。

 私は敵の追っ手から何とか逃げ切り、小さな洞穴の中へと逃げ込む。
 外は猛吹雪だ、寒さでAIのセンサーも狂って私を見つけられずにいるし、何より肌寒くて凍死しそうだ。
 何とか寒さを凌がないと、戦いどころではない。

「ここでしばらく休むとしましょう」

 私がそう呟いたその時、洞穴の奥からガサッという音がした。
 敵がいるかもしれないと、私は腰のホルスターの拳銃を抜く。

「誰かいるの? 出てきて!」

 私は寒さでかじかむ指を、トリガーに当てる。
 もしこれが敵兵だったら、この瞬間は生きるか死ぬかだ。
 だが、戦いは起こらず、洞穴の奥からは一人の少女が銃を向けたまま姿を現す。
 とても鮮やかなコバルトブルーの髪をした少女。
 瞳は綺麗な銀、兵士とは思えない整った顔立ち、これで私は察した。

「あなた、敵国の遺伝子操作兵士ね」
「……はい、セレスティア・ルナ・エデンと言います、年は16、エデン計画第3世代型人造人間、それが私です」

 私達が今敵対している敵国は、AI技術だけではなく、遺伝子操作技術も発達しており、どの兵士も超人の様な身体能力をしている。
 今、この場で戦闘になったら、勝てない!
 しかし、彼女は銃を降ろした。

「……何のつもり?」
「ここは一時休戦といきませんか? 今日はクリスマスですし、ここで会ったのも何かの縁です、吹雪が止むまででも、休戦しませんか?」

 確かに、この場で彼女と戦っては間違いなく殺される。
 私は少しでも生き延びたい。
 なら、ここは素直に要求を呑むしかないと、私は感じた。

「……分かったわ、一時休戦といきましょう」

 私と彼女は二人寄り添って洞窟の奥で毛布を被り、暖を取った。
 しばらく無言の状態が続いたが、彼女の方から私に話しかけてきた。

「あなた、お名前は何というのですか?」
「……アリア、アリア・クリスティナよ」
「アリアですか、では、私の事はセレと呼んでください」

 そう言ってセレは貝殻を手渡してきた。

「これは……?」
「クリスマスプレゼントです、言ったでしょう? 今日はクリスマスだと、だから、プレゼント交換しましょう」
「プレゼント交換? そうね……これでもいいかしら?」

 私は特に手渡せるものがなかったので、空薬莢を手渡した。

「まあ、何とも物騒なクリスマスプレゼントですね、でも、嬉しいです、私、クリスマスプレゼントを貰うのは初めてですので」

 私達はプレゼントを交換し、私は貝殻を空薬莢の入っていた胸のポーチに入れる。
 一方のセレは空薬莢を笑顔で眺めていた。

「……それ、そんなに嬉しいの?」
「はい、それはもう、私は戦う為に生まれた人造人間、プレゼントなんてものは貰った事がありませんし、クリスマスを祝った事もありません、ですが、ずっと興味があったのです、こうしてプレゼントを貰う事は、とても素晴らしい事なのですね!」

 私はふと過去の事を思い出す。
 孤児院育ちの私は、一応孤児院でクリスマスを祝っていた。
 その後、軍に志願してからはクリスマスを祝う事はなくなったが、セレの姿を見て思い出した、幼い頃の私は確かにクリスマスを楽しんでいたと。

「ねえ、あなたは何でそんなにクリスマスの興味があるの?」
「クリスマスだけではございませんよ、正月にハロウィンなど、色々興味があります、何で興味があるかと聞かれると……何ででしょうね、よく分かりません」

 セレは私に微笑みかけ、私の髪を触る。

「な、何?」
「この金髪と緑の瞳は、天然ですよね?」
「天然だけど……」
「とても綺麗です、遺伝子操作などしなくても、人はこんな美しいものを生み出せるのに、何故遺伝子操作するのでしょうか……」

 セレの言う事ももっともである。
 今の人類は遺伝子操作にAIと、人間の科学で生み出した技術ばかりに頼りすぎている。
 結果、私の様に普通に生まれた人間はゴミの様に使い捨てられる。
 これは自然の摂理に反している、そんな気がする。

「アリアさん、私はこんな戦争、無意味だと思うのです、だって、私とアリアさんは敵同士なのに仲良くなれました、人間は戦争などしなくとも、分かり合える、私はそう思っています」
「セレ……」
「アリアさん、私はあなたと出会えて、とても嬉しいです、私達は敵同士ですし、吹雪が止んだら私達は戦場に戻りますが、私達はずっと、友人同士ですよね?」

 セレの言葉はとても純粋であった。
 だが、戦場ではそんな甘い考えは許されない。
 一歩の油断が命取りになるからだ。

「セレ……残念だけど、私達はこれが終わったら敵同士に戻るよ」
「あら、それは何故です?」
「決まってるでしょ! 私達は敵同士、今は休戦中だけど、私達は始まった理由さえよく分からない国同士の戦争に駆り出されて戦っている! そんな中で油断したら、死ぬようなものだよ!」

 私の声が洞穴の中に響く。
 セレは私の言葉を聞き、しゅんとした仕草を見せる。

「確かにそうですね……ごめんなさい、アリアさん……ですが、アリアさんから貰ったこの空薬莢、ずっと大事にします、だからアリアさんもその貝殻、大切にしてくださいね」
「勿論、ところでこれはお守りか何か?」
「はい、それは私が初めて外出が許された時に海で拾ったものです」
「そんな大切な物、貰っちゃっていいの?」
「ええ、構いません、私はプレゼント交換ができて満足ですので、アリアさんこそ、この空薬莢には何か思い出が?」
「それは私がお守り代わりに磨いて綺麗にした空薬莢よ、大した物じゃないけど……」
「いえいえ、とても嬉しいです! ありがとうございます!」

 私達がそんな話をしていると、丁度吹雪が止み始めていた。
 ひと時の休息は終わりをつげ、これで私達は再び敵同士、また戦場に戻らないといけない。
 セレは毛布をしまい、一足先に洞穴の入口へと向かう。

「アリアさん、色々とありがとうございました、この空薬莢、大事にいたします、またどこかで出会えると、嬉しいですね」
「そうだね、セレも元気でね、いつかまた会おうね」
「はい、では達者で」

 セレは私に一礼し、洞穴の外に出る。
 刹那、セレの居た場所に一発の砲弾が着弾し、爆炎が上がる。
 私が慌てて洞穴の外に出ると、そこには味方の機動兵器が展開されていた。
 無人兵器に、セレは殺された。
 だが、セレとは既に敵同士、なのに、この胸が張り裂けそうな気分は一体何なのか……。
 私は雪の上で膝を付くと、足元に何か光るものが転がっていた。
 それは、私がセレに渡した空薬莢、クリスマスプレゼントとして渡し、セレが心の底から喜んでいた物だ。
 私はその空薬莢を掌に包み込むと、目から涙がこぼれ落ちる。

「だから……私達は敵同士って言ったんだ……戦争は理不尽に人が死ぬから……なのに……敵のはずのセレが死んで……私はどうしてこんなに泣いているんだよ……」

 私はその場で泣き続け、空薬莢を墓標代わりに土の中に埋める。
 それからの事はよく覚えていない。
 気付けば自軍のキャンプに戻って、そしたら停戦協定が結ばれてて、私は軍の個室ベッドで眠りについてて、そして今、この文章を書いている。
 今思い返してみても、あのセレという少女は不思議な少女であった。
 あんな優しい子が目の前で死んだ事はとてもショックだ、だから私は、人が戦争で死ぬなんて事は、理不尽な事だと感じたし、とても耐えられない。
 私は軍人、だけどこれからはもうセレみたいな子が死なないよう、二度と戦争が起きないように、自分にできる事を精一杯したいと思っている。
 それに、セレの話を聞く限り、あちらの国はクリスマス等といった行事を知らないようだ。
 なら、私のする事は決まっている、次に控える行事の正月を、あちらの国で行う、それをきっとセレも望んでいるだろう。
 私はこの年のクリスマスに起きたこの悲しい出来事を、未だに忘れられない。
 だから私はここでセレに誓う、二度と戦争のない優しい世界にすると。

『アリア・クリスティナ』著

「私の見た戦争日記」西暦2235年12月27日より抜粋

Black Agent 第1話(銃×剣のエージェントのパイロット版)

※本作は2022年に執筆した銃×剣のエージェントのパイロット版となる作品です。2020年に1話のみ執筆し、奇跡的に現存していた為、ここに掲載致します。続きを執筆する予定は一切ない為、ご了承ください。オリジナリティを尊重してそのまま掲載します。

 

 

 

月明りの真下に連なる夜の街並み。

日中ほどではないものの、にぎやかだ。

そして、その街の中を歩く人々、私もその一人だ。

私の名前は初瀬千初(はつせちはつ)、22歳の女性だ。

ただし、私の職業は暗殺者、つまり殺し屋だ。

普段は一般人になりすまし、ミッションがあればすぐさま現場に向かい、人を殺す。

そうしてお金をもらっている。

でも、私は悪い人間しか殺さない、いい人間は殺さない暗殺者だ。

時代は22世紀になり、暗殺者は取り締まられるようになった、

けど、暗殺者は職業になって、一種の軍隊のようなものになり、

相手の国の要人を殺したり、スパイのような行動をとって情報を奪ったりなど、

工作員のような扱いになった。

以降、暗殺者は西暦2120年現在もひっそりと活動している。

そこで、私の携帯が鳴った。職場の上司からだ。

携帯電話もこの時代になると、

情報が奪われる可能性が高い、だから暗殺者の使う携帯は特別仕様で、

セキュリティが強化されている。

「はい、千初です、ミッションですか?」

私はいつも通り応答する。

「千初、お前、パートナーが欲しくないか?」

え?パートナー?確かに今までは一人でやってきたけどさ、

う~ん、でも、いた方がいいよなぁ、一人じゃ限界があるし…

「まぁ、欲しいと言われたら欲しいですけど…

と、言うかどうしてそんな話になったんですか?もしかして、私だけじゃ不満ですか?」

私が思った事を口にしたら、上司から思いがけない返事が来た。

「いや、お前の使用武器は銃だろ?しかもお前近接戦闘できねーじゃん、

お前に死なれたらウチの職場は暗殺者がいなくなるからさ、

そこで新しい暗殺者を募集したら、丁度来たわけよ、近接戦闘できる奴が」

「へぇ~、私の後輩で、近接戦闘が得意な人ですか~、

私もとうとう先輩になるんですね…嬉しいです」

確かに、私は格闘などは苦手で、武器はベレッタやグロックなどの拳銃。

いくら自分でカスタマイズした拳銃を扱う私でも、近接戦闘ができなければ、

接近されたときに命がない、そうなったら困る。

ここで近接戦闘ができる人が来てくれたら私は助かる。

「それで、その人は男性ですか?女性ですか?」

「女性だよ、まあ、今すぐ来てよ、その子が待ってるから」

「了解です、すぐ向かいます」

そう答え、携帯を切った。

「女性か~、怖い人じゃないといいなぁ…」

私はそんなこと言いながら、自分の職場であるUNICORNユニコーン)へと向かった。

UNICORNは表向きは食品メーカーだが、実際は暗殺者を使ってテロなどの

犯罪行為を未然に防ぐ事を目的としている。

でも、UNICORNは暗殺者を扱う会社の中では毎年最下位であり、

そんな理由から入社しようと思う人は全くいないらしい。

私はここに入ったら作ってる食品を毎日自由に食べていいって言うので、

それにつられて入社した。

その時は私以外に暗殺者がおらず、職場の人たちが泣きながら喜んでいた。

ここに入社して1年が経ってようやく私以外の暗殺者が来てくれた。

嬉しいと同時に、私が先輩として頑張れるか不安もある。

でも、私だって1年間頑張ってきたんだ、やらなくちゃ、頑張れ、千初。

そういってUNICORNの前に付いた。

「う~、緊張するなぁ…」

私はUNICORNの社内をエレベーターで上がり、最上階の社長室の前に付く。

ドアをノックし、自分の名前を言う。

「初瀬です、ただいま到着しました」

入りたまえ、と帰ってきたので、恐る恐る入る。

そこには、社長の長田祥匡(おさだただくに)と、水色の長髪と

綺麗な緑色の目が似合う女性がいた。

「おお、千初くん、紹介するよ、彼女がセオドーラ・クロフォードくん、

君の後輩にあたる人物だよ、仲良くしてやってくれ」

社長がそう言うと、セオドーラと呼ばれた女性が自己紹介をした。

「セオドーラだ、歳は22、武器は高周波ブレードを使っている、

暗殺者は初めて2年ほどだ、今まで38人のターゲットを仕留めた、

これからここで世話になる、よろしく頼む。」

何か、凄くクールな人が来たぁぁっ!

しかも暗殺者を初めて2年って、私より長いし…

しかも38人も仕留めてる!?

高周波ブレードでそんなに仕留めてるって、凄いよぉ!

え~と…こう言う時って、どんな風に返せばいいのかな…

「は…初めまして!私、初瀬千初です、私も22歳だから、

あなたと同じだね、武器はベレッタとか、グロックとか、銃を使ってるよ、

暗殺者は初めて1年、今まで仕留めたターゲットは11人、

まだまだあなたには劣るけど、これからよろしくね!」

私が握手するために手を伸ばした、すると、彼女は

「私は必要以上に仲良くする気はない、ただ、ターゲットを仕留める、

ただそれだけだ、それ以外は私には必要ない。」

えぇ…怖いよ、この人…

でも、何とかして仲良くなりたいなぁ…よし!

「ねぇ、セオドーラ…さん?」

「何だ?」

「あなたの事…セオって、呼んでも…いいかな…?」

うわ~、これ、絶対怒られる奴だ…私、やっちゃったかな…?

「構わない、実際、前の職場でもそう呼ばれていた」

え?怒られ…ない?

よかった、一歩前進だ、セオちゃん、案外優しいのかも…

「それじゃ、セオ、ミッションだったら私は近接戦闘が苦手だから、

近接戦闘はよろしくね、私は銃で援護するから」

「了解だ、千初は絶対に死なせはしない、私が守る」

守ってくれるんだ、よかった、頼りになる後輩ができた…

「よし、それじゃあ、君たち2人のチーム名を考えようじゃないか」

社長はいきなりチーム名を提案してきた

「え?チーム名…ですか…?」

私が戸惑うと社長は

「せっかく2人になったんだから、いいんじゃない?

いつまでも千初とセオじゃややこしいじゃないか」

「だったら、私に名案がある、

千初が銃、私が剣を扱うから、銃×剣(ガンソード)はどうだ?」

がん…そーど…か…かっこいいじゃん!

「セオちゃん、それ名案!!」

「よしよし、じゃあ、銃×剣で決定だね、さっそく次の会議で発表するよ」

なーんだ、セオちゃんも結構遊び心あるじゃん。

「セオ、これから私達はチームだから、お互いの足りないところを補って

絶対にミッションを成功させようね、そして、絶対に生きて帰ろう!」

「了解だ、私も死ぬ気はない、生きる」

こうして、私達チーム剣×銃の物語は始まった。

現在連載中の小説「双眼転生闇黒戦記」

どうも、このブログを更新するのは超久しぶりとなります。

今回は、私がアルファポリスで連載している小説「双眼転生闇黒戦記」の宣伝をしたいと思います。

双眼転生闇黒戦記 | ファンタジー小説 | 小説投稿サイトのアルファポリス

この小説は異世界転生×ファンタジー×ロボットと言う、私の好きな要素を詰め込んだ小説でして、現在はちょっと休止していますが、毎回楽しく書けています。

私が執筆した小説を投稿しているこのブログでは、宣伝と言う形で掲載したいと思います。

それと、今後はこのブログで小説を掲載すると同時に、ブログに掲載している小説をリメイクし、他サイトで投稿する予定もあります。

他にも色々やっていく予定ですので、今後もよろしくお願いします。

鋼の騎士カヴァリエーレ

 Dr.バイオの反乱から100年が経った西暦2353年、突如デスティリアと言う異星人が襲来し、人類の半数が死亡した。
 地球統合軍はオートマシンに次ぐ新たな人型機動兵器、ナイトギアを開発し、デスティリアとの全面戦争に突入した。
 そして、物語は地球統合軍の新造戦艦グレイシアが駐留している日本基地から始まる。

「これが噂の新造戦艦グレイシアか……」
「氷みたいに綺麗な船体で凄いっすね、先輩!!」
「ああ、どうやらこの氷みたいな船体は対ビームコーティングがなされていて、デスティリアヒューマノイドやデスティリアファイターのビーム程度なら、軽く弾くらしいぞ」
「凄いっすね! これが地球統合軍の新技術!!」
「いつまでもオートマシンや戦闘機に頼ってもいられないんだろう、100年前に活躍したエレメティアやエレスティア、エレメティオーラも今じゃナイトギアの性能には敵わないしな」

 そんな話をしながら歩いている男女二人の前に、一人の男性が現れた。
 歳は二人より少し上、その男性は二人を見ると、笑顔で話しかけた。

「君が噂の新型ナイトギアのパイロットさんかい? 俺はステイツ・ロードウェイ、このグレイシア隊に配属されているステイツ隊の隊長だよ、階級は大尉、よろしくな」
「俺は黒鋼透弥(くろがね とおや)少尉です、ステイツ隊長、これからよろしくお願いします!」
「私はレイフィル・ラティーナ少尉っす、ステイツ隊長、よろしくです!」
「ふぅん、見た感じ、普通のパイロットだけどな……何で君達が新型ナイトギアのパイロットに?」
パイロット適性が一番高かったのが俺達だったんです」
「実際の戦闘ではどうか分からないっすけどね……」

 その時、日本基地に警報が鳴った、デスティリアが接近しているのだ。
 急いでグレイシアのオペレーター、リーリス・レインディーが日本基地にデスティリアが接近している事を伝える。

「日本基地にデスティリアが接近しています! 総員、第一種戦闘配置!!」
「だ、そうだ、透弥少尉、レイフィル少尉、新型ナイトギアはグレイシアの格納庫にある、いけるな?」
「「はい!!」」

 透弥とレイフィルは格納庫に向かい、新型ナイトギア、カヴァリエーレと、新型支援戦闘機、エアレイドと対峙する。

「これが……俺達の機体……」
「先輩、いけますね?」
「勿論だ!!」

 透弥とレイフィルはコックピットに乗り込むと、コンソールを操作し、発進準備を完了した。

「レイフィル、この日本基地にはナイトギアより旧式のオートマシンであるバーテルの改修機、バーテライトしか配備されてない、デスティリアと戦うにはあまりに無謀だ、だから、俺達でできる限りのことはするぞ!!」
「了解っす! 先輩!!」
「黒鋼透弥、カヴァリエーレ、行きます!!」
「レイフィル・ラティーナ、エアレイド、行くっす!!」

 カヴァリエーレとエアレイドはそれぞれ出撃し、戦場の空へと飛び立った。
 ナイトギアはオートマシンと違い、基本的に飛行する事ができる。
 戦場には既にバーテライトが複数待機していた。
 かつてDr.バイオの反乱で活躍したエレメティアやエレスティア、エレメティオーラの戦闘データを使って改修されたこのバーテライトだが、デスティリアの機動兵器やナイトギアに比べると、その性能差は歴然である。
 カヴァリエーレとエアレイドは日本基地を背にしてデスティリアの襲来に待機した。
 すると、デスティリアの部隊が襲撃してきた。
 デスティリアヒューマノイドとデスティリアファイターが複数機、デスティリア艦が三隻、そして、デスティリアコマンドヒューマノイドが一機であった。

「まずいな、指揮官型が一機いる、俺達で相手できるか……」
「大丈夫っすよ先輩! 行くっすよ!!」

 そう言ってレイフィルの操縦するエアレイドはホーミングミサイルを放った。
 ホーミングミサイルはデスティリアの部隊に命中し、数機が撃破された。
 続けてカヴァリエーレもデスティリアの部隊に突撃し、脚部に内蔵されたビームセイバーの鞘を取り、ビームの刃を生成すると、目の前にいるデスティリアヒューマノイドを次から次へと切り裂いて撃破した。
 続けて、腰部に装備されたライフル型の武器、ビームカノンを手に取り、遠距離からデスティリア艦に攻撃を仕掛け、一隻撃沈した。

「よし! 戦えてる!」
「前に出すぎるなよ、透弥少尉!」

 後方からステイツの操縦するカーフカスタムと、ステイツ隊のメンバーであるセレーナ・ウェルネス、グロウ・ドーレス、ネフェレー・フィアーズ、リュイ・ウィークス、アスティ・ニューイーの操縦するカーフが、カヴァリエーレの援護に現れた。
 カーフ部隊は一斉にビームカノンを撃ってデスティリア部隊を撃破。
 数が減った所をステイツの操縦するカーフカスタムの主武装であるビームスナイパーライフルの一撃で、デスティリア艦の動力部を撃ち抜き、撃沈させた。

「凄い……! 統合軍の量産機であるカーフのカスタム機であそこまで……!!」
「ほらほら、ぼさっとするなよ!」
「りょ、了解……!!」

 カヴァリエーレとエアレイドは同時にホーミングミサイルを放ち、再びデスティリア部隊に攻撃をかけた。
 だが、デスティリア艦の中からまだ多くのデスティリア部隊が出撃していた。
 この状況を打破する為、透弥はある策を考えた。

「グレイシア、バスターカノンを射出してください!」
「先輩、もしかして……」
「ああ、デスティリア部隊を一掃する!」

 直後、グレイシアのカタパルトから大型のビーム兵器、バスターカノンが射出され、カヴァリエーレはそれを装備した。
 そして、銃口をデスティリア部隊及びデスティリア艦に向けると、トリガーを引き、強力なビームを放ってデスティリア部隊及びデスティリア艦を消滅させた。

「凄いっすね、先輩!!」
「いや、このバスターカノンのお陰さ」

 すると、残ったデスティリアコマンドヒューマノイドが両腕のロングハンドソードでカヴァリエーレに斬りかかった。
 カヴァリエーレは攻撃を回避し、バスターカノンをアスティの操縦するカーフに手渡し、ビームセイバーでロングハンドソードを受け止めた。
 そして、蹴りを放ってデスティリアコマンドヒューマノイドの体勢を崩させると、ビームセイバーをデスティリアコマンドヒューマノイドの腹部に突き刺し、撃破した。
 こうして、日本基地に現れたデスティリア部隊を撃破した事で、透弥とレイフィルの初任務は無事に終了、日本基地に被害や犠牲者はなかった。

「任務終了だな、各機、グレイシアに帰艦するぞ」

 その後、格納庫に戻った透弥とレイフィルは、ステイツ隊の面々と共に初任務の成功を祝っていた。
 日本基地での戦いを終えたグレイシア隊は、かつてエレメティアやエレスティアが活躍したウィットタウンへ向かおうとしていた。
 現在、ウィットタウンは統合軍基地が置かれ、定期的にデスティリアの襲撃に遭っている。
 グレイシア隊は、その支援に向かうのだ。

「透弥少尉、レイフィル少尉、ちょっといいか?」
「何でしょうか? ステイツ隊長」
「二人は何で統合軍に志願したんだ?」
「俺とレイフィルは、高校時代、同じ高校に通ってたんです、ですが、俺達の住むプラムシティがデスティリアの襲撃に遭った際、家族も、友人もみんな殺されてしまって……」
「だから、私達は同じような境遇の人を作らない為に戦うと決意したんす!」
「そうか……優しいんだな、君達は……今回の君達の戦いで、救われた人はきっといるはずさ」
「そう言ってもらえて嬉しいです」

 その時、透弥とレイフィルに近づく一人の人物がいた。
 服装は統合軍の軍服ではなく、布切れの様な服を着た少女であり、その見た目はレイフィルに酷似していた。
 だが、髪の色はピンクではなく紫で、瞳も青ではなく紫であった為、完全に一緒ではなかった。
 謎の人物を前に、ステイツ隊の面々は銃口を向けた。

「待って、私は戦うつもりはないの」
「この艦に民間人は乗ってないはずだが? お前、何者だ?」
「私はさっき銀色のナイトギアに撃墜された指揮官型のデスティリアだよ」
「見え透いた嘘を付くな」
「嘘じゃないよ、私達はゲル状になることができてね、さっき撃破された際に体の一部をこの艦に付着させたの、で、そこにいる女の子に擬態したんだ」

 急にデスティリアを名乗る少女が現れた事で、格納庫には緊張が走った。
 困惑するステイツ隊の面々をよそに、透弥は彼女に一つ質問をした。

「君がこの艦に来た目的は何なんだ?」
「私は破壊と殺戮しか知らないデスティリアの中でも変わり者でね、人間の心に興味があるの、だからあなた達と接触した、駄目かな?」
「どうします? ステイツ隊長」
「そうだな……悪い奴ではなさそうだし、透弥少尉とレイフィル少尉と言う監視を付ける条件付きでこの艦の移動を許可しよう、だが、動力部だけは進入禁止だ」
「良かったっすね、ティリアちゃん!」
「ティリア……?」
「デスティリアから取ってティリアっす、どうっすか?」
「ティリア……いい名前……嬉しい……」

 グレイシアがウィットタウンへ移動を開始してから数日、デスティリアとの接触は特になく、無事にウィットタウンへ到着した。
 ウィットタウンは戦いに次ぐ戦いで疲弊しており、残存戦力も少なかった。
 そこに、デスティリアの大軍が接近しており、グレイシア隊は、全機出撃した。
 今回はデスティリアコマンドヒューマノイドが三機おり、部隊も三部隊、前回の三倍と大勢力で襲撃してきた。
 ステイツ隊は一斉攻撃を開始し、カヴァリエーレはホーミングミサイルを放ちつつ、バスターカノンで敵戦力を一気に減らし、エアレイドもかく乱しながらホーミングミサイルやビームシューターを放ってデスティリア部隊を攻撃。
 新造戦艦グレイシアも対空機銃、ホーミングミサイル、艦首大型ミサイル、二連ビーム砲などでデスティリア部隊を攻撃する等、努力を見せていたものの、デスティリア部隊は予想以上に多く、苦戦を強いられていた。
 ブリッジにいる艦長のシュナ・フレイニールは、この状況の打破ををする為、副官のレイト・ルーカスと共に作戦を練っていた。

「レイト中尉、この状況、君ならどうするべきだと思う?」
「背後にはウィットタウン、正面にはデスティリアの大部隊……撤退すれば多くの犠牲、戦えば勝利の可能性……自分であれば、このまま戦闘を継続しますかね」
「奇遇だな、私も同じ意見だ、掛けてみるか、あの新型機に……」

 その新型機のカヴァリエーレとエアレイドの二機は、デスティリアの大部隊に苦戦していた。
 カヴァリエーレはバスターカノン等の射撃武器の残弾はゼロでビームセイバーで応戦、エアレイドも弾切れでひたすら飛び回っていた。
 デスティリアの侵攻を許しているこの現状を打破する為、透弥とレイフィルはある決断をする。

「……レイフィル、あれをやる時が来たみたいだな」
「……そうっすね、でも、あれは……!!」
「ああ、パイロットにかかるGが大きいんだよな、でも、四の五の言ってられない!!」
「……分かったっす、やりますよ!!」
「OK!!」
「「ネオ・ナイト・フォーメーション!! 」」

 二人の合図で、カヴァリエーレの背部にエアレイドが合体し、ネオカヴァリエーレへ合体完了した。
 ただ支援戦闘機が背部に合体するだけと言う、エレメティオーラに比べるとシンプルな合体ではあるが、出力、機動力が上がっており、飛行能力も上昇している。
 性能に関しては全ナイトギアを上回っており、その性能は未知数である。

「これなら行ける!!」

 ネオカヴァリエーレは、出力の上がったビームセイバーで巨大なビームの刃を生成し、デスティリアの大部隊を一気に叩き斬った。
 そして、猛スピードで飛行し、デスティリア艦を次から次へと叩き斬り、全艦撃沈させ、増援を遮断。
 残ったデスティリアコマンドヒューマノイド3機の頭部ビームを全て回避したネオカヴァリエーレは、巨大なビームの刃で三機まとめて叩き斬った。
 こうして、ウィットタウンに出現したデスティリアの大部隊は壊滅した。

「やりましたね! 先輩!!」
「ああ……でも、体が痛いぜ……」
「先輩! 身体が痛むんすか? 後で痛い所舐めてあげますからね~」
「やめてくれ……余計傷が痛む……」

 その後、透弥はGで身体が傷ついた為、しばらく医務室行きになる事になり、レイフィルとティリアが付きっきりで看病する事になった。
 透弥の事を溺愛しているレイフィルは、やたらと透弥の食事に自分の唾液を入れようとしていた為、ティリアがその度に止めていた。
 幸い、透弥の身体の治りが早かった為、数日で復帰できた。
 それと同時に、次の目的地であるジブラルタル基地にグレイシア隊は到着していた。
 しかし、ジブラルタル基地は既に壊滅しており、生存者は一人もいなかった。
 ジブラルタル基地を壊滅させたのは、データにない新型のデスティリアであった。
 そのデスティリアの姿を見たティリアは怯えていた。

「ティリアちゃん、どうしたっす?」
「あ……あれば……幹部級のデスティリアだよ……指揮官級の五倍の力を持ってるの……あなた達じゃ勝てないっ!! 逃げてっ!!」
「駄目だ……ここで俺達が逃げたら、あいつにもっと多くの人達が殺されてしまうっ!!」

 透弥とレイフィル、ステイツ隊は全機出撃し、幹部級デスティリアを相手取った。
 まず、リュイとグロウの操縦するカーフが幹部級デスティリアに対し、ビームカノンで攻撃を仕掛けた。
 だが、幹部級デスティリアは一瞬で回避し、ロングハンドソードでリュイとグロウの操縦するカーフを叩き斬り、二人の乗るカーフは爆発四散した。

「リュイ!! グロウ!! 貴様! よくも俺の部下を!!」

 ステイツの乗るカーフカスタムは、ビームスナイパーライフルで幹部級デスティリアを狙い撃とうとしたが、一瞬で接近され、ビームスナイパーライフルをロングハンドソードで破壊。
 そのままトドメを刺されそうになったが、危機を察知して既に合体していたネオカヴァリエーレの蹴りに阻まれた。

「ステイツ隊長! 皆さん! こいつの相手は俺がします!!」
「透弥少尉! 無茶だ!!」
「無茶でも、今こいつに立ち向かえるのは俺とレイフィルだけだと思います!!」
「それに私、これ以上みんなに死んでほしくない! 勿論、ティリアちゃんにも!!」

 そう言って、ネオカヴァリエーレは両腕にビームセイバーを取り、幹部級デスティリアと激しく斬り合った。
 少しでも隙を作る為、頭部機関砲を撃ったり、カヴァリエーレとエアレイド双方のホーミングミサイルを放ったりしたものの、幹部級デスティリアは怯みすらしなかった。
 そして、幹部級デスティリアの放った一撃で、ネオカヴァリエーレの左腕とエアレイドの左翼が破壊された。
 続けてネオカヴァリエーレの右脚も斬り落とされてしまったが、攻撃後の隙を突いて幹部級デスティリアの右腕を切り落とした。
 だが、幹部級デスティリアの次の攻撃で左足も斬り落とされてしまい、後がないネオカヴァリエーレ。
 透弥は相打ち覚悟で幹部級デスティリアに突進すると、右腕のビームセイバーを幹部級デスティリアに突き刺し、出力を最大にした。
 だが、カヴァリエーレの腹部及びエアレイドにも幹部級デスティリアのロングハンドソードが突き刺さっており、ネオカヴァリエーレは爆発寸前であった。

「「脱……出っ!!」」

 透弥はカヴァリエーレの脱出装置も兼ねた小型戦闘機、ナイトファイターでエアレイドを押し出す形で脱出。
 レイフィルもエアレイドのコックピットブロックから脱出し、パラシュートを開いて降下している所をセレーナの操縦するカーフに拾われた。
 直後、カヴァリエーレとエアレイドは幹部級デスティリアと共に爆発四散し、運命を共にした。

「カヴァリエーレ……」
「エアレイド……」
「「ありがとう……」」

 その後、格納庫に帰ってきた透弥達。
 戦友を失って悲しむステイツ隊の面々だったが、ステイツは透弥を殴り飛ばした。

「ステイツ隊長! 先輩に何するんすか!?」
「お前、相打ちになってでも敵の幹部級を倒そうとしただろ?」
「そうでもしないと倒せないと思ったんです……」
「馬鹿野郎っ!! 結果的に倒せたから良かったものの、もし死んでたらどうする気だったんだ!! どれだけ多くの人が悲しむと思ってるんだ!!」
「……すみません、俺、カヴァリエーレやネオカヴァリエーレを手に入れて、デスティリアと互角に戦えるって浮かれてたのかもしれません……俺は今まで機体の性能に助けられてたんです……もし俺がカーフに乗ってたら、とっくに死んでました……それに俺、レイフィルまで相打ちに巻き込もうとして……俺、ナイトギアパイロット失格だ……」
「大丈夫っすよ先輩……泣かないでくださいよ……私、先輩と死ぬなら本望ですから……」
「本望なのかよ……まあいい、透弥少尉、今後は二度と今回みたいな戦いはするなよ、いいな」
「……はい……」

 ジブラルタル基地での戦いから数日後、デスティリアの襲撃は特になく、平和だった。
 そんなある日、グレイシア隊はプラムシティに急行する事になった。
 このプラムシティはかつて宇宙人災害が多発していた地域であり、現在は統合軍基地が置かれ、宇宙人は撤退している。
 そんなプラムシティの統合軍基地に、カヴァリエーレ及びエアレイドの後継機が届いたとの報告があった。
 何でもカヴァリエーレとエアレイドの後継機は、カヴァリエーレとエアレイドがロールアウトした時には既にほぼ完成していたらしい。
 だが、より完璧に完成させる為には、戦闘データが足りず、未完成となっていたのだ。
 それが今回、ナイトファイターの学習コンピューターに蓄積された戦闘データのお陰で完成し、なおかつ後継機に搭載されているブラックボックスも正常に作動しているようだ。
 このブラックボックスはかつてプラムシティに襲来したアプリコット星人の円盤の中から綺麗な状態で発見された装置であり、これが搭載されている後継機は決してエネルギー切れする事が無いのだと言う。
 グレイシア隊の面々は、その後継機を見る為、プラムシティ基地の地下格納庫へ向かった。
 そこには、最終整備の為に出向いていたグレイシア隊のメカニック、フル・マグントがいた。

「おお、シュナ艦長、よく来たな!」
「ご苦労様です、フル整備長、例の品は完成したようですね」
「勿論! それがこれじゃ!」

 そこにあったのは、カヴァリエーレとエアレイドを発展させた見た目の機体、カヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIであった。

「これは……カヴァリエーレとエアレイド!? でも、似ているけど違う!!」
「若造、これはカヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIじゃ、以前のに比べて性能は三倍に跳ね上がっておる、対G加工されておるから負荷もかからんし、更に、合体すればその性能は段違いの性能じゃ! あの幹部級すらも圧倒するじゃろうて」
「あの幹部級すらも……ですか……」
「そう言えば、お主らの名前は黒鋼透弥とレイフィル・ラティーナか……なるほど、あの黒鋼博士とラティーナ博士のご子息か……」
「俺達の父と母を知ってるんですか!?」
「ああ、君らのご両親は研究者だったね、彼等は有名な研究者で、新型ナイトギアの開発に一番貢献した人物だったよ、彼等が生前、開発途中だったのがカヴァリエーレとエアレイドでね、それを彼等と縁のあったわしら一部の人間が何とか完成まで持って来たんじゃ、透弥くんとレイフィルちゃん、君達は、お父さんとお母さんの平和への願いと共に戦っているんだよ」
「「平和への……願い……」」

 その時、このプラムシティに幹部級デスティリアが三機接近している事が判明した。
 透弥とレイフィルはすぐさま出撃準備を整え、カヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIに乗り込んだ。

(父さん……母さん……俺は……平和の為に戦うよ!!)
(お父さん……お母さん……ずっと私を守ってくれてたんだね……ありがとう……私、頑張る!!)
「カヴァリエーレMkII、黒鋼透弥、行きます!!」
「エアレイドMkII、レイフィル・ラティーナ、行くっす!!」

 二人はプラムシティ基地の地下格納庫から地上へ出撃した。
 そこには、以前苦戦した幹部級デスティリアが三機いた。
 カヴァリエーレMkIIはウイングからビームウイングを展開し、高速で飛行した。
 そして、翼部に装備されたウイングカノンと言うビーム兵器を幹部級デスティリアに放ち、ダメージを与えた。
 続けて、エアレイドMkIIがホーミングミサイルを放ち、幹部級デスティリアを怯ませた所で、合体準備に移った。

「レイフィル、行くぞ!!」
「了解っす、先輩!!」
「「ネオ・ナイト・フォーメーション!!」」

 カヴァリエーレMkIIはウイングを収納し、以前と同じ様に背部にエアレイドMkIIが合体した。
 そして、ネオカヴァリエーレMkIIへと合体完了した。
 出力と機動力が圧倒的に向上しており、非常に高い性能を誇るこの形態には、他のナイトギアにはないネオビームセイバーと言う武装がある。
 エアレイドMkIIのウイングに装着されている剣パーツをネオカヴァリエーレMkIIが手に取る事で、ネオカヴァリエーレの巨大ビームセイバー以上の出力を持つビームセイバーとなる。
 そして、そのビームセイバーは超巨大なビームの刃を生成する事が出来、ネオカヴァリエーレMkIIのその一振りで幹部級デスティリア三機は一撃で叩き斬られた。

「凄い……これが新たな機体の力……」
「凄い力っすね、先輩」
「ああ、これが、俺達の父さんと母さんが残した新たなる力……」

 その後、グレイシアに帰還した透弥とレイフィル。
 デスティリアとの戦いもいよいよ終わりが近づいてきていた。
 デスティリアの攻撃が強力になり、地上での対応が困難になった今、統合軍はデスティリアの本拠地と思われる冥王星に攻め込むことになった。
 透弥たちグレイシア隊の面々も、その作戦に参加する事になった。
 作戦名は、デスティリア討伐作戦、地球人の命運をかけた最終作戦である。
 グレイシア隊の面々は、統合軍のマスドライバーで宇宙に上がり、既に宇宙で待機していた統合軍艦隊と合流した。
 宇宙には統合軍の主力艦であるアダマントが見た事も無い程の艦隊を作っており、その本気ぶりが伺えた。
 機動兵器もカーフや、様々なカスタムがなされたカーフカスタム、旧式のオートマシンであるバーテライト等もあり、これから総力戦になる事は明白であった。
 だが、透弥とレイフィルは初めて来た宇宙に興奮していた。
 この状況で興奮するのはおかしいとは言え、やはり宇宙は誰もが憧れる場所であった。

「凄い…!! これが宇宙…!!」
「先輩! 興奮するっすね!!」
「何だ何だ、君ら宇宙は初めてか」
「はい! 俺、子供の頃から宇宙に行くのが夢だったんで!!」
「私もっす!!」
「そうかそうか、なら折角だし、戦いになるまで十分楽しんでおくんだぞ」
「「はい!!」」

 それから数時間後、デスティリアの大部隊と統合軍艦隊は接触した。
 デスティリアの大部隊も今まで以上の大部隊であり、双方が撃ち合う混戦状態になっていた。
 そんな中、グレイシア隊にも出撃が下った。

「透弥少尉とレイフィル少尉は宇宙は初めてだな、無理はするなよ」
「了解です! 一応、シミュレーターで訓練は受けていますので、何とか頑張ります!!」
「私も、頑張るっす!!」
「OK! じゃ、行くぞ!!」

 グレイシア隊の面々も出撃し、各自、敵と交戦していた。
 その頃、グレイシア艦長のシュナ・フレイニールは、グレイシアの主砲で敵を一掃する作戦を取る事にした。

「これよりグレイシアは主砲を撃つ、リーリス少尉、射線上の友軍に退避命令! コウ少尉、艦を180度回頭させろ!」
「了解! じゃ、少し動きますよ!」
「グレイシアはこれより主砲を撃ちます! 射線上の友軍は退避してください!」

 グレイシアの操舵手であるコウ・タカギが艦首を敵に向けた後、グレイシアの艦首が開き、巨大な砲塔が露わになった。
 そしてそのままエネルギーがチャージされ、主砲の発射態勢が整った。

「主砲、撃て!!」

 グレイシアが主砲を発射すると、巨大なビームにデスティリアファイターやデスティリアヒューマノイド、デスティリア艦が飲み込まれ、蒸発した。
 これにより、多くのデスティリア部隊が撃破され、敵の数は大幅に減少した。

「行けるな……ステイツ隊、俺に続け!!」

 ステイツの合図で、ステイツ隊の面々と、カヴァリエーレMkII、エアレイドMkIIが敵部隊に突入。
 それと同時に、統合軍の部隊も敵の部隊を各自撃破し、戦況は統合軍が優勢になった。
 しかし、デスティリアの部隊は更に第二波、第三波と波状攻撃をかけてきた。
 その数に、徐々に押され始める統合軍。
 グレイシアの主砲でいくらか撃破したが、まだ数は多い。
 そこに、デスティリアの最終兵器であるデスティリア超巨大艦が出現した。
 三千メートルはあるであろうその巨大艦から、無数のデスティリアが出現。
 グレイシアが主砲で超巨大艦を攻撃したが、何と傷一つ付いておらず、超巨大艦はレーザーで辺りを攻撃。
 統合軍はこの状況に混乱し、徐々に押され始めていた。

「まずいぞ……このままでは全滅してしまう……」
「ステイツ隊長、俺とレイフィルがネオカヴァリエーレMkIIに合体して戦います、どれだけ数を減らせるか分からないけど……」
「ああ、頼んだぞ、悪いが今回はネオカヴァリエーレMkIIの力に頼るしかないみたいだ……」

 カヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIが合体してネオカヴァリエーレMkIIになり、ネオビームセイバーでデスティリア部隊の数を一気に減らしたものの、デスティリア巨大艦からは次々と新たなデスティリアが出撃していた。
 更に幹部級デスティリアも複数機現れ、戦場は混乱していた。
 この状況をグレイシアの艦内から見ていたティリアは、彼等を助けたいと思った。

「みんな苦しんでる……みんなはデスティリアである私に優しくしてくれた……今度は私がみんなに優しくする番……!!」

 ティリアの身体は天使によく似たデスティリア、デスティリアエンジェルとなり、戦場に降り立った。
 突然現れた新型のデスティリアに戦場は混乱したが、デスティリアエンジェルはレイピアや羽根型の斬撃遠隔武器、フェザービットで仲間であるはずのデスティリアを攻撃しており、すぐに味方であることが判明した。

「みんな、ここは私に任せて!!」
「その声……ティリアちゃん!?」
「うん! みんなが私に優しくしてくれたように、今度は私がみんなを助ける番だよ!!」
「ありがとう……ティリアちゃん!!」

 デスティリアエンジェルとなったティリアは、フェザービットでデスティリア超巨大艦の一ヵ所に集中的に攻撃をかけ、ようやく一筋の傷をつけた。
 そこに、バスターカノンを装備したネオカヴァリエーレMkIIが、最大出力でバスターカノンを放ち、デスティリア超巨大艦を貫いた。
 そして、デスティリア超巨大艦は内部から爆発四散し、遂に撃破された。
 援軍を失ったデスティリアの残存戦力は、ステイツ隊や統合軍の部隊に殲滅され、遂に全滅した。

「何とか全滅まで持ち込んだみたいだな、グレイシア隊の被害も最小で済んだ、ティリア、統合軍の部隊が壊滅しなくて済んだのは君のお陰だ、ありがとう」
「私はデスティリアだけど、みんなの事が好き、だから、みんなを助けたんだよ」
「ありがとうね、ティリアちゃん! ほら、先輩もお礼言うっす」
「ああ、そうだな、ありがとう、ティリア」
「ふふ、どういたしまして!」

 ティリアの存在は統合軍内でも好意的に受け入れられ、統合軍艦隊はそのまま冥王星へと向かった。
 その移動の最中、グレイシア艦内では最終決戦を前に誰もが武者震いしていた。

「とうとう最終決戦っすね……先輩、この戦いに勝ったら……」
「ストップ! それはフラグだからやめておこうな、レイフィル」
「そ、そうっすね……」
「透弥少尉とレイフィル少尉は本当に仲が良いんだな」
「はい、レイフィルとは高校時代、後輩だったんですけど、割と積極的に構ってきて仲が良かったんですよね」
「そうっすね、執拗に構う私に優しく接してくれたんっす、先輩、あの時は楽しかったっしょ?」
「ああ、楽しかったな、だからこそ、みんなの幸せを守る為に、この戦争を終わらせなくてはいけないんだ!」
「その意気だ、少尉! 必ず勝って帰るぞ!!」
「「はい!!」」

 数日後、冥王星に到着した統合軍艦隊は、全部隊が冥王星に降下し、最後の戦いに臨んだ。
 当然、デスティリアの全戦力が冥王星に集結しており、その数は計り知れなかったが、主力部隊の突入の為、グレイシアの主砲や、統合軍艦隊の艦砲射撃で道は開かれた。

「透弥少尉、レイフィル少尉、こいつらは我々が相手をする、君達はデスティリアの本拠地を攻撃しろ!!」
「「了解!!」」
「透弥、レイフィル、私も行くよ!」
「ああ、一緒に行こう、ティリア!」

 透弥とレイフィルの操縦するカヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIはネオカヴァリエーレMkIIに合体し、ティリアの変身したデスティリアエンジェルと共に冥王星に降下した。
 そこには、異形の怪物の様な見た目をした5000メートルはあるであろうデスティリアの支配者、デスティリアマザーの姿があった。
 デスティリアマザーと透弥たちは対峙し、攻撃を仕掛けようとしたその時、デスティリアマザーは静かに口を開いた。

「よくぞここまで来たな……下等生物たちよ……」
(こいつ……人間の言葉が分かるのか!?)

 老婆の様な声のデスティリアマザーは、RPGの魔王の様な喋り方で、透弥たちに語り掛けた。

「デスティリアの出来損ないであるそいつと共に、この私を殺すつもりか……」
「当たり前だ! お前達は俺達人間を殺して……俺やレイフィルの父さんや母さんも……お前達の攻撃で殺されたんだ!!」
「もうこれ以上、誰も悲しませないっす!!」
「お母さん、これ以上人間を殺すのはやめて!!」

 透弥たちの言葉を聞いたデスティリアマザーは、静かに笑い声をあげた。
 その不気味さに、透弥たちは怯みそうになったが、透弥は冷静に対応し、攻撃の準備を整えていた。

「何がおかしい!?」
「おかしいとも、我々デスティリアにとって、貴様ら人間、いや、この宇宙に住む全ての生命体は我々の狩りの対象なのだ……」
「狩り!? お前達の侵略行動は、ただの狩り!?」
「ああ、そうとも、この宇宙には地球人以外にも、アプリコット星人やエレテル星人、メカニク星人など、様々な知的生命体がいる事は貴様らも知っておろう、だがな、それら知的生命体は全て、我々デスティリアと言う宇宙の支配者の狩りの対象なのだ、貴様らは全て、我々に狩られる為に存在しているのだよ……」

 デスティリアマザーのその言葉を聞いた透弥とレイフィル、ティリアの三人は、怒りで感情が爆発していた。
 今まで地球人を傷つけ、多くの人々の命を奪い、悲しませたのは全てデスティリアの狩りと言う身勝手な理由だった。
 その事を知った透弥たちは、怒りの言葉をデスティリアマザーにぶつけた。

「ふ……ざけるなあぁぁぁぁぁっ!! 俺達は……この宇宙に住む命は……お前らに狩られる為に存在してるんじゃないっ!! みんな懸命に生きているんだ!!」
「そうっす!! みんな頑張って生きてるのに、それを自分達の楽しみの為に狩るなんて……!! 絶対に許せないっす!!」
「お母さん、もうあなたの言いなりにはなりません、この宇宙に住むみんなを、私は守る!!」
「愚かな……この私を殺すつもりか!!」

 デスティリアマザーは巨大な手を振り下ろしたが、ネオカヴァリエーレMkIIとデスティリアエンジェルは回避し、それぞれホーミングミサイルとフェザービットでデスティリアマザーを攻撃した。
 怯んだデスティリアマザーに、ネオカヴァリエーレMkIIはバスターカノンを連続で放った。
 残弾をすべて撃ち尽くすまで攻撃をかけたが、デスティリアマザーはなおも健在であり、倒れる気配がなかった。

「愚かな……我々デスティリアはこの宇宙の支配者ぞ!!」

 デスティリアマザーは全身からレーザーを放った。
 ネオカヴァリエーレMkIIとデスティリアエンジェルは攻撃を回避すると同時に、あの巨大なデスティリアマザーをどうやって倒すか考えていた。

(どうする……? バスターカノンの攻撃に耐えるあの巨体、グレイシアの主砲じゃないと決定打にならないぞ……どうする……? ネオカヴァリエーレMkIIにそんな武装が……)

 透弥はふと、エアレイドMkIIに二本搭載されているネオビームセイバーの事を思い出した。
 このネオビームセイバーは、二本を合体させられそうな構造になっている。
 透弥は一か八か、ネオビームセイバーを合体させてみた。
 すると、合体ネオビームセイバーは超巨大な高出力のビームの刃を生成し、その強力さは透弥のいるコックピット越しに伝わってきていた。

「これなら……行ける……!!」
「そんなオモチャでぇぇぇっ!!!」

 デスティリアマザーは口からレーザーを放ったが、ネオカヴァリエーレMkIIは回避し、合体ネオビームセイバーをデスティリアマザーに振り下ろした。
 巨大なビームの刃はデスティリアマザーを一刀両断にし、何が起こったか分からないデスティリアマザーは驚愕していた。

「な……何だ……!? この私が……敗れる……!?」
「デスティリアマザー、これが命を弄んだお前の最期だ」
「馬鹿な……我々デスティリアは……宇宙の支配者であるぞぉぉぉぉぉっ!!!」

 直後、デスティリアマザーは大爆発を起こして砕け散り、宇宙の支配者気取りの怪物の長は倒された。
 それと同時期に、冥王星付近にいたデスティリアの大部隊も統合軍艦隊によって壊滅し、人類とデスティリアの戦争は、人類側の勝利に終わった。

「終わったんっすね、先輩」
「ああ、終わったんだ、ティリアも戦ってくれてありがとう」
「どういたしまして、私もみんなの役に立てて嬉しいよ」

 デスティリアの長を討伐した統合軍艦隊は無事に地球圏に帰還し、デスティリアを壊滅させたことを伝えた。
 この事はすぐ世界中に伝わり、異星人との戦争が終結した事に誰もが安堵した。
 たまにデスティリアの残党が地球圏に襲来する事はあったものの、すぐに討伐され、やがてデスティリアは現れなくなった。
 そして、全ての戦いが終結して半年後、透弥とレイフィルは結婚式を挙げ、新居で暮らす事になった。
 そんなある日、グレイシア隊の面々が透弥の家に遊びに来た。

「ステイツ隊長にシュナ艦長! それに皆さん、お久しぶりです!」
「やあ、透弥少尉、久しぶりだな」
「グレイシア艦長としての任務は忙しいが、たまにはと思ってな」

 ステイツとシュナ曰く、現在グレイシア隊は各地の復興に着手しているらしく、デスティリアの攻撃が激しかった地域に支援の手を差し伸べているらしい。
 また、透弥とレイフィルの愛機であるカヴァリエーレMkIIとエアレイドMkIIは現在、その高い性能から悪用されない為に統合軍本部のある場所に封印されているとの事。
 デスティリアは壊滅したが、またいつ新たな脅威が訪れるか分からない。
 現在は新婚生活を謳歌している透弥とレイフィルではあるが、またいつの日か軍に復帰する日が来るであろう。

「ところで透弥少尉、ティリアは君の家で引き取っているんだよな?」
「はい、一応養子として預かってます、彼女の事を知る人間はグレイシア隊しかいないので、周りには戦災孤児と伝えてますけど」
「今はこの周辺の散歩に出かけてるっすよ」

 すると、ティリアが透弥の家に帰ってきた。
 ついでに買い物をしてきたのか、手にはコンビニの袋が握られていた。
 ティリアはステイツ達を見るや否や、嬉しそうな表情でステイツの名前を呼んだ。

「ステイツさん! それにみんな!!」
「やあ、お邪魔しているよ、ティリア」
「丁度良かった、さっきコンビニでチョコレート買ってきたの、みんなにあげるね!」

 ティリアは全員にチョコレートを配り、グレイシア隊の面々は嬉しそうに受け取った。
 ステイツはティリアの変わらない優しさに安心した。

「透弥少尉もレイフィル少尉も、ティリアも変わらないな、安心したよ」
「それでは、我々はそろそろ任務に戻るとするか……」
「ステイツ隊長、シュナ艦長、それに皆さん、必ずまた会いましょう」

 グレイシア隊の面々は再び任務に戻り、透弥とレイフィル、ティリアは家に戻ってソファーでくつろいだ。

「みんな変わらなかったな」
「そうっすね、久しぶりに会ったから懐かしい感じしたっす」
「久々に会えて嬉しかったな……」
「そうだな……俺達みんなで守ったもの……それがこう言った些細な日常なんだな……」
「こう言う平和な日常が、一番幸せっすもんね」
「これから、平和な日常が続くといいね、透弥」
「ああ、そうだな……」

 統合軍艦隊とデスティリアの戦争、後にデスティリア戦役と呼ばれるこの戦い。
 デスティリア戦役で失われた命は多いが、同時に守られた命も多い。
 命は狩られるものではなく、未来まで繋いでいくものである。
 そして、その命を守る為、どこかで努力を続けている人がいる。
 その努力はいつかきっと、世界に本当の平和を訪れさせるであろう。

【地球統合軍の兵器】

・カヴァリエーレ
地球統合軍の開発した新型ナイトギア。高機動と高火力を両立させた機体で、飛行能力も高く、無重力下でも安定した機動性を見せる。脱出装置用戦闘機として、ナイトファイターと言う小型戦闘機を内蔵している。
型式番号:PNG-001/全高:20m/重量:35.5t/装甲材質:ネオカーボン/武装:ビームカノン、バズーカ、アサルトライフル、ビームセイバー、機関砲、ホーミングミサイル、ビームランチャー、バスターカノン/パイロット:黒鋼透弥

・ネオカヴァリエーレ
カヴァリエーレとエアレイドが合体した姿。出力と機動力が上がっており、飛行能力も上昇している。性能に関しては全ナイトギアを上回っており、デスティリアの指揮官を圧倒する性能を誇っている。
型式番号:PNG-001+PNF-001/全高:20m/重量:58.2t/装甲材質:ネオカーボン/武装:ビームカノン、バズーカ、アサルトライフル、ビームセイバー、機関砲、ダブルホーミングミサイル、ビームランチャー、バスターカノン/パイロット:黒鋼透弥、レイフィル・ラティー

・カヴァリエーレMkⅡ
地球統合軍の開発したカヴァリエーレの後継機。カヴァリエーレから約3倍以上性能が向上しており、高い火力を誇っている。また、ブラックボックスにより、エネルギー切れする事がない。コックピット内は対G加工されており、パイロットスーツ無しでも搭乗可能である。更に、単機で大気圏突入離脱する事が可能である。
型式番号:PNG-002/全高:22m/重量:30t/装甲材質:ネオカーボン/動力:ブラックボックス/武装:ビームカノン、ビームセイバー、アサルトライフル、機関砲、ホーミングミサイル、ビームランチャー、バスターカノン、ウイングカノン、ビームウイング/パイロット:黒鋼透弥

・ネオカヴァリエーレMkⅡ
カヴァリエーレMkⅡとエアレイドMkⅡが合体した姿。出力と機動力が圧倒的に向上しており、非常に高い性能を誇る。その力は幹部級デスティリアを圧倒する程。
型式番号:PNG-002+PNF-002/全高:22m/重量:48t/装甲材質:ネオカーボン/動力:ブラックボックス/武装:ビームカノン、ビームセイバー、アサルトライフル、機関砲、ホーミングミサイル、ビームランチャー、バスターカノン、ウイングカノン、ビームウイング、ネオビームセイバー、合体ネオビームセイバー/パイロット:黒鋼透弥、レイフィル・ラティー

・エアレイド
地球統合軍の開発したカヴァリエーレの支援戦闘機。機動力が高く、ナイトギアと互角の火力を誇る。凄まじい速度で飛行可能。無重力下でも普通に航行可能であり、様々な武装を装備している。よくカヴァリエーレを上に乗せて飛行している。
型式番号:PNF-001/全長15m/重量:22.7t/装甲材質:ネオカーボン/武装:対空機銃、ビームシューター、ホーミングミサイル/パイロット:レイフィル・ラティー

・エアレイドMkⅡ
地球統合軍の開発したエアレイドの後継機。エアレイドから約3倍以上性能が向上しており、高い火力を誇っている。コックピット内は対G加工されており、パイロットスーツ無しでも搭乗可能である。更に、単機で大気圏突入離脱する事が可能である。
全長:15m/重量:18t/武装:ビーム機銃、ビームシューター、ホーミングミサイル/パイロット:レイフィル・ラティー

・カーフカスタム
ステイツ専用のカーフ。量産機であるカーフのカスタム機であり、性能はカーフより一回り上。武装は追加武装ビームスナイパーライフルが追加されただけである。
型式番号:NG-005C/全高:18m/重量:30t/装甲材質:新型ネオスチール合金/武装:ビームスナイパーライフル、ビームカノン、アサルトライフル、ビームセイバー、機関砲/パイロット:ステイツ・ロードウェイ

・カーフ
国連軍の量産型ナイトギア。量産機でありながら高い機動性と運動性を誇る。大気圏内を飛行可能であり、高い汎用性を誇っている。
型式番号:NG-005/全高:18m/重量:30t/装甲材質:新型ネオスチール合金/武装:ビームカノン、アサルトライフル、ビームセイバー、機関砲/主なパイロット:セレーナ・ウェルネス、ネフェレー・フィアーズ、アスティ・ニューイー、グロウ・ドーレス、リュイ・ウィークス、統合軍兵士

・グレイシア
国連軍の開発した新造戦艦。氷河の様な美しい船体を持っている事からグレイシアと名付けられた。新型反重力システムを搭載している為、空中を航行可能であり、宇宙でも航行可能。その美しい船体は対ビームコーティングされており、そのコーティングのおかげで美しい船体を保っている。更に、その装甲は非常に頑丈であり、並大抵の攻撃ではびくともしない。最大ナイトギア搭載数はエアレイド含めて8機。
艦級:グレイシア級/全長:270m/装甲材質:対ビームコーティング ネオカーボン/武装:対空機銃、ホーミングミサイル、艦首大型ミサイル、2連ビーム砲、主砲/艦長:シュナ・フレイニール/副長:レイト・ルーカス/オペレーター:リーリス・レインディー/操舵手:コウ・タカギ

・アダマント
国連軍の主力戦艦。単体での戦闘能力より、ナイトギアを搭載して運用する事を前提として開発されている。重力システムを搭載している為、空中を航行可能であり、宇宙でも航行可能。最大ナイトギア搭載数は7機。
艦級:アダマント級主力戦艦/全長230m/装甲材質:新型ネオスチール合金/武装:対空機銃、ホーミングミサイル、艦首大型ミサイル、2連ビーム砲/主な搭乗員:統合軍士官

・バーテライト
地球統合軍の量産型オートマシン。ナイトギアより旧式の兵器であるオートマシンのバーテルを、かつてDr.バイオの反乱で活躍したエレメティアやエレスティア、エレメティオーラの戦闘データを使って改修した機体。バーテルよりは遥かに性能は高いものの、デスティリアの機動兵器やナイトギアに比べると、その性能差は歴然である為、現在はあまり争いの起きない地域に回され、拠点防衛用として配備されている。
型式番号:TOM-013/全高:12.9m/重量:23.2t/装甲材質:ネオスチール合金/武装:レーザーライフル、ビームブレード/主なパイロット:統合軍兵士

・デスティリアエンジェル
ティリアが指揮官化した姿。天使のような姿をしており、軽々と空を飛び、武器のレイピアで突き刺して攻撃する。指揮官デスティリアと同等の戦力を持っている。現時点で1体しか確認されていない貴重なデスティリアである。
身長:20m/体重:17t/武装:レイピア、頭部ビーム、フェザービット/変身者:ティリア

【デスティリア】
様々な惑星に侵略行為を行っている宇宙生物冥王星を本拠地としている。その侵略目的はただの狩りであり、ただ生物の命を奪う事を快楽としている危険な生物。デスティリアにとって宇宙に住む他の生物はただの狩りの対象である。自身を宇宙の支配者と自称しており、決して他の生物とは分かり合えない。最終的に支配者のデスティリアマザーが倒された事で新たな戦力を生み出せなくなり、残った残党も少しずつ他の生物に倒されたり寿命で死ぬと思われ、近い未来絶滅すると思われる。

・マザーデスティリア
デスティリアの支配者。その姿は巨大な怪物の様な姿をしている。主に戦力を生み出す事が目的であり、戦闘力はあまり高くない。最後はネオカヴァリエーレMkIIによって討伐された。
身長:3000m/体重:50000t/武装:レーザー

・幹部級デスティリア
デスティリアの幹部。指揮官の5倍以上の力を持っており、圧倒的な力を持つ。
身長:22m/体重:37t/武装:ロングツインハンドソード、頭部ビーム

・デスティリアコマンドヒューマノイド
デスティリアの指揮官。デスティリアの生物の中でも特に強く、指揮官的ポジションを担っていると思われる。基本1部隊に1体存在する事があるが、小さい部隊にはいない事が多い。
身長:20m/体重:25t/武装:ロングハンドソード、頭部ビーム

・デスティリアヒューマノイド
デスティリアの主力生物。人型をしたデスティリアであり、多数の部隊で侵攻してくる。
身長:18m/体重:20t/武装:ハンドビーム、ハンドソード

・デスティリアファイター
デスティリアの主力生物。戦闘機型のデスティリアであり、多数の部隊で侵攻してくる。
身長:10m/体重:8t/武装:レーザー

・デスティリア艦
デスティリアの主力生物。戦艦型のデスティリアであり、体内に多数の戦力を保有している。
身長:120m/体重:200t/武装:レーザー

・デスティリア超巨大艦
デスティリアの最終兵器。とても巨大な上、中には無数の戦力を保有している。その外装はとても硬く、グレイシアの主砲でも傷一つつかない。
身長:3000m/体重:8000t/武装:レーザー

七つの世界の旅人

 争いに疲れた、歩き疲れた、私はどこに行くのだろう……どこまで行けば私は楽園にたどり着けるのだろう……。
 そう考えながら、物語の主人公である17歳の少女、フィニステール・シグルミリアは荒野をひたすら歩いていた。
 背中まで伸びる長い白髪、非常に整った綺麗な顔、宝石の様にキラキラした緑色の瞳が特徴の剣士であり、服装は白一色、武器は左右に携えたズィルバーとアルジェントと言う名の銀の剣であった。
 フィニスは一年前まで神聖ドラグニア王国ドラグニア騎士団に所属する若きエースであり、そこで多くの戦を経験し、多くの敵の命を奪っていた。
 若きエースともてはやされ、将来の期待されるフィニスであったが、彼女は長く続いた争いで心身共に疲れ果て、ある日の夜、荷物を纏めてドラグニア王国を抜け出し、一人流浪の旅に出た。
 それから一年、フィニスは様々な場所を旅し、この世界の現実を見て来た。
 貧困に苦しむ国、疫病の蔓延した国、そして争いの続く国……。

「この世界に……楽園なんてないのかしら……」

 もしかしたらこの世界に楽園などないのかもしれない。
 それでも、フィニスはこの世界にきっと楽園があるはずだと希望を持って旅を続けていた。
 そんなある日、フィニスは謎の洞窟にたどり着き、中を探索した。
 洞窟の中は思ったよりも広く、その洞窟の中には一つの神殿があった。

「こんな所に神殿……? 一体何の神殿かしら……?」

 いつ頃作られたか分からない神殿、フィニスがその神殿を眺めていると、後ろから若い少女の声がした。

「あなたは……旅人さんですか……?」

 フィニスが後ろを振り向くと、そこには自分より少し年上ぐらいの少女が立っていた。
 長い金髪に、赤い瞳の可愛らしい少女。
 服装は黒のロングスカートに黒の服の上からクリーム色のカーディガンと言う服装であり、とても旅人には思えなかった。
 彼女が何者なのか気になったフィニスは、とりあえず自己紹介をした。

「えっと……私はフィニステール・シグルミリア、フィニスでいいわ、あなたは?」
「私はメモリア・アニバニウム、この七世界神殿の25代目の巫女です、メモリアと呼んでください」

 七世界神殿……メモリアはこの神殿の巫女を代々務めている家系なのだろう。
 それよりも、フィニスは七世界神殿に興味があった。
 この七世界が別の世界を意味するのなら、きっとここに自分にとっての楽園があるはずである。
 そう思ったフィニスは、七世界神殿について聞く事にした。

「ねえ、この神殿って、一体何の神殿なの?」
「ここは他の世界に行く事の出来る石板が七枚収められた神殿です、三百年ほど前にはもっとあったらしいんですけど、地震で何枚か割れてしまったようで、現在残ったこの七枚の石板を収めているんです」
「他の世界って……私も行けるかな?」
「どうでしょう……ここ十年、何人かこの神殿にたどり着いた方がいたのですが、行けた方は一人もいませんでした、多分あなたも無理でしょう」
「でもそれってさ、やってみないと分かんないじゃない?」

 そう言ってフィニスは一枚の石板に触れた。
 すると、石板は眩く輝き、神殿を光で照らした。
 まさかこんな事になるとは思わず、フィニスもメモリアも驚きを隠せずにいた。

「フィニスさん……あなたは旅人としての素質があったのですね……! ありがとうございます! これでやっと巫女としての仕事を……」
「ねえ、これってこの光の中に飛び込めばいいの?」
「ええ、そのまま飛び込んでください」

 フィニスはメモリアに言われた通り、光の中に飛び込み、メモリアも後を追うように光の中に飛び込んだ。
 光の中に飛び込んだ直後、意識はふっと途絶えたが、次に目が覚めた時、フィニスは見た事もない場所にいた。
 そこは街とも村とも違う場所であり、四角く大きな建物が並び、地面は石で覆われ、土のある場所はなく、金属でできた乗り物がその辺を走っていると言う、自分の居た世界ではありえない状況であった。

「何……ここ……?」
「ここは銃と剣の世界ですね」
「銃……? 剣は分かるけど……銃って何……?」
「そんな事、私にも分かりませんよ」
「てか、あなた付いてきたのね……」
「ええ、巫女の仕事は、旅人さんのサポートをする事ですから! 私はもう19歳で、20歳になったら次の代に交代させられるので、フィニスさんが来なかったら仕事をする事なく交代だったのですよ、本当にありがとうございます!」
「お礼なんていいわよ、私、こんな貴重な体験ができるだけで嬉しいもの!」

 しかし、街の人々はフィニスの服装が珍しかったのか、じろじろと見ていた。
 メモリアは一般人の服装ではあるが、フィニスの服装は腰や腕、肩に金属のアーマーを纏っており、額には額当てを装備しているなど、明らかに周りからは浮いている。
 フィニスはあまりにじろじろと見られるので恥ずかしくなったが、市民の一人がフィニスに話しかけてきた。

「ねえねえ、それって何のアニメのコスプレ? 可愛いね」
「えっ? コスプレ……? これはドラグニア騎士団の制服だが……」
「ドラグニア騎士団……? それって何かのアニメ?」
「アニメ……? え、えっと……」

 この市民はフィニスの知らない言葉を次々と言う為、フィニスからすれば外国語に聞こえ、混乱した。
 それと同時に、他の世界には自分の知らない物が沢山ある事に気付いた。
 その時、フィニスと会話していた市民の後ろに怪物が現れた。
 半魚人の様な見た目のその怪物は鋭い爪を振り上げており、危険を察知したフィニスは市民を突き飛ばし、左右に携えたズィルバーとアルジェントを抜き、怪物の攻撃を受け止めた。

「痛いなぁ……いきなり何を……って……エイリアン!? うわぁぁぁっ!!!」

 市民は一斉に逃げ出し、あっという間に街中にはフィニスとメモリア、そしてエイリアンと呼ばれたこの怪物だけになった。
 この半魚人の様なエイリアンは力が強く、何度も死線をくぐり抜けたフィニスを苦戦させていた。

「こいつ……! 何て力だ……!!」
「フィニスさん! 援護します!!」

 フィニスは中級氷魔法、アイシクルアローの魔法を詠唱して氷柱を生成し、その氷柱で半魚人エイリアンを攻撃した。
 氷柱は半魚人エイリアンの左腕を吹き飛ばし、半魚人エイリアンはあまりの痛みに苦しんでいた。

「ありがとう、メモリア! これなら行ける!!」

 フィニスは右手に装備したズィルバーで半魚人エイリアンの右腕を切り落とすと、続けて左手に装備したアルジェントで半魚人エイリアンの首を刎ねた。
 頭を失った半魚人エイリアンは地面に崩れ落ち、そのまま動かなくなった。

「予想外の事態でしたが、何とかなりましたね、フィニスさん」
「ああ、メモリアのおかげだ、ありがとう」

 その直後、一人の女性がフィニスに近づいてきた。
 その女性は長く黒い髪と赤い瞳が特徴で、無表情ではあるが、可愛らしい顔付きをしていた。
 服装は白のブラウスと黒のロングスカートであり、腰には射撃武器と剣が一体になった武器を携えていた。

「そこの白髪、お前はエージェントなのか?」
「え? エージェント……? 何それ?」
「知らないのか……変わった奴だな……エージェントって言うのはエイリアンを倒す役目を背負った人間の事だ、このプラムシティは日夜エイリアンのせいで事件が起きていて、エージェントがエイリアンを倒しているんだ」
「なるほど……そんな危険な世界なんだな、ここは」
「ん? 世界? お前はこの世界の人間ではないのか?」
「ああ、言っても信じてもらえないだろうが、一応私は別の世界の出身だ」
「ふ~ん、変わった人間もいるんだな、で、お前は何故この世界に来たんだ?」
「それは……」

 フィニスは見ず知らずの女性に自身がこの世界に来た理由を伝えた。
 元の世界が争い続きで心身共に疲れ果て、楽園を探して旅をしている事を。
 そして、七つの世界の内のどれかに楽園があるのではないかと思っている事を。
 すると、その女性は静かに語った。

「お前が居た世界がどんな世界か、私には分からない……だが、少なくともこの世界はお前にとって楽園ではないだろう」
「それは何故だ?」
「お前のその服装、相当文明レベルが遅れている世界から来たらしいな、文明レベルが遅れている人間がこの世界に来たら、覚える事が多すぎて苦労する、今の社会は生活するだけで地獄だからな、それに、この世界にはエイリアンがいる」
「エイリアン……さっきの化け物か……」
「ああ、このプラムシティでも数ヶ月前、レディスと言うエイリアンが暗躍して、プラムシティを混乱に陥れた事があってな、それに、今も定期的にエイリアンが出没している、少なくともこの世界はお前の嫌いな争いや人死にで溢れている世界だ、お前の言う楽園とは程遠いだろう」
「そうか……それは残念だ……」

 すると、フィニスとメモリアの体が半透明になっており、少しずつ消えかかっていた。
 どうやら、この世界はフィニスにとって楽園ではなかった為、元の世界に帰りかかっているのだろう。

「フィニスさん、そろそろ元の世界に帰るみたいですね」
「名残惜しいな……そうだ、名前を聞くのを忘れていたな、私はフィニステール・シグルミリア、こっちはメモリア・アニバニウム、君は?」
「私か? 私はツチハ、少しだけしか会えなかったが、お前、面白い奴だな、またいつか会いに来い」
「ああ、必ず、必ず会いに来る」

 そう言ってフィニスとメモリアは元の世界に帰って行った。
 一人残されたツチハは、空を見上げてかつて自分を生み出した人物の事を思い出していた。

「楽園……か……レディス、お前にとっての楽園は、故郷のアプリコット星だったんだろうな……だが、あのフィニスと言う女、故郷が楽園ではないと言った……なら、あいつにとっての楽園とは一体何なんだ……?」

 楽園の定義が分からないツチハは、まだ知らぬ楽園の存在に思いを馳せ、そのままどこかへと歩いて行った。

 フィニスとメモリアは銃と剣の世界から帰還し、再び七世界神殿に戻ってきた。
 不思議な体験をした事で、何とも言えない感覚になっていたが、彼女たちは今、他の世界に興味津々であった。
 残りの六つの世界は一体どんな世界なのか? そう考えるだけで早く次の世界に旅立ちたい、その好奇心が彼女たちを衝き動かした。

「凄い体験だったわね、メモリア」
「ええ、私も19年生きてきてこんな体験をするとは思いもしませんでしたよ」
「私もよ、じゃあ、このまま次の世界に行ってみましょう」
「そうですね、では、次は隣のこの石板にしましょうか」

 そう言ってメモリアとフィニスは隣の石板の前に立ち、フィニスが石板に触れた。
 すると、先ほどと同じ様に石板は眩く輝き、二人はその光の中に飛び込んだ。
 光の中に飛び込むと、やはり意識は途切れたが、再び意識を取り戻した時、二人はまた未知の世界にやって来ていた。

「この世界は……?」
「ここは闇夜と白昼の世界です」
「闇夜と白昼の世界……?」
「ええ、この世界では闇夜の流浪者と白昼の救世主と呼ばれる親子が活躍し、世界を平和に導いたと言う伝説がある……ようです……」
「詳しくは知らないのね」
「はい、代々そう言い伝えられてきただけですので、詳しくは……」

 二人は辺りを見回した。
 銃と剣の世界に比べ、文明は発達していなかったが、それでも二人の居た世界に比べると遥かに発達しており、見た事のない乗り物や施設が沢山あった。

「ここも私達の知らない物が多いわね……」
「ええ、そう考えると、私達の世界の文明レベルって低いんですね……」

 すると、フィニス達の下に一人の少女が近寄ってきた。
 その少女は赤髪ツインテールの可愛らしい少女だったが、気の強そうな少女であった。

「そこのあんた、その服装って……アインベルグ大陸のエスプランドル騎士団のコスプレでもしてるの?」
「アインベルグ大陸……? エスプランドル騎士団……? これはドラグニア騎士団の制服だが……」
「ドラグニア騎士団……? 聞いた事がないわね……って、あんた! そんな設定を自己紹介でするなんて、相当な中二病なのね!」
中二病……? 私は健康だが……」
「あの~、フィニスさんとそこの女の子、ちょっといいですか?」
「私はルージュ、ルージュ・ラフレーズよ」
「ではルージュさん、話が長くなりそうなので私から説明させていただきますね」

 メモリアは自身が別の世界から来た事をルージュに説明した。
 当然、ルージュからは信じられず、中二病を拗らせすぎた二人組扱いされ、困り果てていたが、その時、近くを通りかかった薄紫ツーサイドアップの女性がフィニス達の下に近寄ってきた。

「ルージュちゃん、この二人は知ってる人?」
「あ、トルトゥーガさん! ねえ、聞いて、この二人ったら変なの! 何でも他の世界から来たって……」
「他の世界……? お二人さん、それって本当ですか?」
「ああ、本当だって、さっきから何度も言ってるんだけど……中々信じてもらえないんだ……」
「トルトゥーガさん……でしたっけ? 信じてくださいよぉぉぉ!」

 フィニスとメモリアはトルトゥーガに対し、泣きつくように頼み込んだ、結果、何とか信じてもらう事に成功し、二人はまず自己紹介をした。

「私はフィニステール・シグルミリア、元の世界ではドラグニア騎士団の所属だ」
「私はメモリア・アニバニウムです、七世界神殿の巫女でして、この世界には神殿の石板を通じてやってきました」
「そんな石板があるなんて不思議ですね……天上界の人達はそれの存在を知ってたんでしょうか……おっと、申し遅れました、私はトルトゥーガ・ネリン、こう見えて、光精霊です」
「光精霊……他の世界には変わった生物もいるんだな……」

 すると、フィニス達のいる位置に突然バズーカの弾頭が撃ち込まれた為、それを察知したトルトゥーガが魔導障壁と言う魔力のバリアを張り、防いだ。
 その爆音を聞いた一般人は慌てて逃走し、ふと弾頭が撃ち込まれた場所を見ると、そこには黒いスーツを着た女性が一人、バズーカを持って立っていた。
 その女性は赤い瞳が特徴の無表情な女性であり、どこか幼い顔付きの可愛らしい女性であった。
 髪型は腰の辺りまで伸びたツインテールであり、左目は髪の毛で隠れていた。
 その女性はバズーカを構えると、トルトゥーガに対し、ある事を伝えた。

「私はエフォート・カントール! 旧シュヴァルツゼーレのリーダー、デロリア・ルーゼンナイトの側近、ノレッジ・カントールの娘だ! ナハト一派に殺された母の仇を討つ為、私はここに来た!」
「その見た目……ああ、あの時ナハトが討った……世界が平和になっても、未だに戦いを望む人がいるなんて……」
「黙れ! 私はこの時の為に生きてきた! 私の母を殺した相手に復讐をする為にな! もはやシュヴァルツゼーレもネオシュヴァルツゼーレも存在しない……だが、貴様らに復讐できるなら、この命、惜しくはない!」

 そう言ってエフォートはバズーカを一発、二発と撃った。
 だが、ルージュは剣に風の魔力を纏って振り、発生させた竜巻に弾頭を巻き込んで二発をぶつけ、爆破させた。
 再びエフォートはバズーカを撃とうとしたが、トルトゥーガは背中に翼を生やして急接近し、バズーカを槍で弾いてエフォートを無力化させた。

「これであなたは戦えないわね!」
「くっ……ここまでか……殺せ……」
「いや、殺しはしないけど……私、殺生事は嫌いだし……」
「殺してくれ……今まで復讐の為に生きてきた私に、今更他の生き方など……復讐も果たせなかった以上、死んだ方がマシだ……」

 すると、フィニスはエフォートに近づき、頭に軽くチョップをした。
 いきなりチョップされた事で、エフォートはきょとんとした顔をしていた。

「お前……いきなり何を……!?」
「あなた、一体何があったか知らないけどさ……そう簡単に死ぬとか言わないでよ……」
「今まで復讐しか考えてこなくて、復讐もできなかった以上、私に生きる意味などない!」
「だからって……そう簡単に命を捨てるなんてやめてよ! 私はあなたに何があったか知らない……けどね、私の居た場所はもっと簡単に、理不尽に人が死んで行く世の中だったの……今日生きれるだけで幸せそのものだったんだよ……なのに……簡単に死にたいって言うなんて……! もっと命を大事にしてよ!!」
「………」

 フィニスのその言葉に、エフォートは黙り込んだ。
 今まで復讐の事しか考えてこなかった自分にここまで生きて欲しいと言ってくれる人間はいなかったからである。
 心の底から生きて欲しいと願うフィニスの言葉に、エフォートは心を動かされていたのである。
 すると、ずっと黙っていたルージュはメモリアにある提案をした。

「ねえ、あんた達、他の世界から来たのよね?」
「ええ、そうですけど……それが何か……? ……まさか……」
「そう、そのまさかよ! あのエフォートって子に他の世界を見せてあげてくれない? そうすれば、少しは考え方を変えてくれるかも!」

 その言葉に、エフォートは驚いていた。
 メモリアやフィニスが他の世界の人間だと言う事にも当然驚いたが、何より自分を他の世界に連れて行くと言う滅茶苦茶な発想に、エフォートは驚くしかなかった。

「お前……何を考えている……!? あ、分かったぞ! 厄介な復讐鬼である私を他の世界に永久追放するって言う魂胆だろ!?」
「そんなんじゃないわよ、他の世界を巡って考え方を変えなければ、いつでもこの世界に戻って来なさい、あたし達が決着を付けてあげる!」
「私は決して考え方を変えない! 必ず貴様らに復讐を……!」
「はいはい、分かったから、フィニス! こいつ連れて行って!」
「え? でもまだこの世界の観光途中……」
「いーいーかーらー! 連れて行けったら連れて行けーっ!!」

 そう言ってルージュはエフォートの首根っこを掴んでフィニスの方に投げ飛ばした。
 フィニスは慌ててエフォートを受け止めたが、そのまま後ろに倒れ込み、エフォートはフィニスの胸に顔を埋めていた。

「あんたら何やってんのよ、じゃ、フィニス、メモリア、後は頼んだわね」
「滅茶苦茶よ……! って、いつまで顔を埋めているの!」
「す、すまない……トルトゥーガ! 必ずナハトの首は貰いに来るからな!」
「いつ来てもいいけど、まずは他の世界を巡ってからね~」
「で、では……エフォートさんは私とフィニスさんが預からせていただきますね~では!」

 そう言ってメモリアは強制的に巫女の帰還能力を使い、元の世界へ帰還した。
 その後、フィニス達を見送ったトルトゥーガとルージュは話をしていた。

「ねえ、ルージュちゃん、あのエフォートって子、変われると思う?」
「さあ? 無理じゃないかな? あの様子だと、相当ナハトさんの事恨んでるっぽいし……」
「そうね……でも、私はエフォートちゃんが変わってくれると信じてるわ……」
「まあ、変われたらいいわよね……ところで、最近リヒトとナハトさんの姿が見えないけど、どこ行ったか分かります?」
「あぁ……あの二人なら急に姿が消えたのよね……どっかに召喚されたんじゃないかしら?」
「そんないい加減な……」

 トルトゥーガとルージュはそんな他愛のない話をしながら、エフォートが人として変われる事を願った。

 七世界神殿へと再び帰還したフィニスとメモリア、そして旅に同行する事になったエフォートは、次の世界に行く事を決めた。

「とりあえず、復讐の前に他の世界へ行くしかないのか、後石板は何枚あるんだ?」
「残り五枚だ、メモリア、次はどれにする?」
「そうですね、これとかどうでしょう? 自由の世界の石板」
「自由の世界? これはどんな世界なんだ?」
「何度も戦火に包まれながらも、自由の為に多くの戦士達が戦い抜いた世界……らしいです」
「御託はいい、私は復讐をしなくてはならないんだ、さっさと行け、フィニス」
「分かったから、そんなに急かさないで……」

 そう言ってフィニスは石板に触れた。
 すると、いつも通り辺りは光に包まれ、フィニス達を別の世界へと誘った。

「着きましたよ、エフォートさん、ここが自由の世界です」
「成程、確かに私の居た世界とは雰囲気が違うな……何と言うか……危険そうな……」

 すると、フィニス達は複数の兵士に囲まれた。

「動くな! 我々は宇宙帝国イフィニアドの残党、貴様ら、クロストライアルだな?」
「いえ、違います……私は別の世界から来た……」
「別の世界だと……!? まさか、異世界からの来訪者!! だが、異世界からの来訪者は全員元の世界へ帰ったはず……」
「えっ? 私達以外にも別の世界から来た旅人がいたの!?」
「ああ、だが、そいつらは強大な力を持っている、お前達もそいつらと同じなら、ここで殺してやる!!」

 そう言ってイフィニアド兵は一斉に剣で攻撃を仕掛けた。

「戦うしかないようね!!」

 フィニスはズィルバーとアルジェントを構え、イフィニアド兵と交戦、一人、また一人と斬り捨てて行った。
 一方、メモリアはバリアを張って自身を守り、エフォートは懐に携えていたナイフでイフィニアド兵と交戦し、倒していた。
 だが、イフィニアド兵の数は多く、フィニス達は防戦一方であった。

「敵の数が多すぎるわ……!!」
「メモリア! お前も何とかしろ!!」
「そうは言ったって、私、戦闘は苦手なんですよぉぉぉ!!」

 その時、目にも止まらぬ一瞬の攻撃でイフィニアド兵が次々と倒されて行った。
 攻撃は素早く、イフィニアド兵は混乱しながら倒されて行き、遂に全滅した。
 その攻撃を行ったのは、まだ未成年の金髪ツインテールの少女であった。
 少女はフィニス達に近づき、話しかけてきた。

「えっと……大丈夫ですか?」
「え、ええ、助かったわ、ありがとう」
「ちょっと散歩に出かけてたらあなた達を発見したのですが、まさかイフィニアドの残党がまだ活動してたなんて……あ、私の名前はアイラと言います、よろしくお願いいたしますね」
フィニステール・シグルミリアよ、よろしく」
「メモリア・アニバリウムです、よろしくお願いします」
「エフォート・カントールだ、よろしく」

 すると、エフォートがアイラにちょっとした質問をした。

「なあ、イフィニアドとは何だ? 異世界からの来訪者と言うものも」
「あ、イフィニアドはかつて宇宙帝国イフィニアドとしてこの地球に侵略戦争を仕掛けた組織でして、我々国際平和維持組織クロストライアルの活躍によって戦争は終結し、何とか和平まで持ち越せたのですが……それを良く思ってない一部の兵士がこうしてたまにテロを起こしているんです、後、異世界からの来訪者とは文字通り異世界から来た者達の事でして、かつてはイフィニアドやフィーニス率いる混成軍との戦争等でクロストライアルの協力者として共に戦いましたが、全ての戦いが終わった後、全員元の世界に帰還しました」

 アイラの話を聞いた後、何か面倒な事になりそうだが、一応フィニスは自分達も別の世界から来たと言う事を説明した。

「えっと、私達、実は異世界から来たんですけど……」
「え? じゃあ、久々の異世界からの来訪者なんですね! 後でドラゴニュートさんに教えてあげようかな」

 案の定面倒な事になったなと思いつつ、フィニスはある質問をした。

「ねえ、アイラ、この世界は幾度も争いが続いていると聞いたわ、それって本当なの?」
「はい、それも百五十年以上前から絶えず続いています、ようやく大きな戦争を終えたと思っても、再び戦争が……それでも、私達は真の平和を掴み取る為に戦っているんですよ!」
「大変……なのね……」

 フィニスは思った、ただでさえ争いを避けたいと思っている自分にとって、この世界は楽園ではないと。
 そう思ったフィニス達は、体が半透明になって消えかかっていた。

「えぇぇ!? フィニスさん達!? どうしたんですか!?」
「アイラ、私達ね、楽園を探しているの、誰もが平和に暮らせる楽園を」
「誰もが平和に暮らせる楽園……ですか……分かりました! 私達、頑張ってその楽園を作ります!! 誰も悲しまない平和な楽園を! それが実現した時、またこの世界に来てくださいね!」
「約束……するわ、アイラ」

 その後、フィニス達は元の世界へと帰還した。
 一人残されたアイラは、この世界に真の平和が訪れるその時まで戦い抜くと決めた。

「真の平和……それが訪れるのはいつになるか分からない……百年後……三百年後……例え千年後になるとしても、私達は必ず本当の平和を手に入れてみせます!!」

 そして、フィニス達は再び七世界神殿に帰還した。

「とんだ目に遭ったわね……」
「トルトゥーガめ……やはり私を完全に抹殺する為に……」
「それはないと思いますよ……多分……」
「さて、気分転換に次の世界行きましょ」

 そう言って、フィニスは次の石板に触れた。
 その瞬間、辺りは光に包まれ、フィニス達を次の世界へと誘った。

「メモリア、この世界は?」
「はい、この世界は二大国の世界ですね、エスプランドル聖王国軍とオスクリタ大帝国軍の戦争や、邪神との戦いがあった世界だと、先々代から聞かされました」
エスプランドル聖王国軍にオスクリタ大帝国軍!? それって、二大国戦記や邪神討伐戦記の出来事じゃないか!」
「知ってるの? エフォート」
「知ってるも何も、私が居た世界の遥か過去の物語だ、私が居たのが聖暦2067年で、二大国戦記は聖暦777年、邪神討伐戦記は聖暦778年の出来事だな」
「つまり、それだけこの世界では争いが……」
「もう平和になったわよ」

 そう言って、フィニスに一人の女性が近づいてきた。
 その女性は弓使いらしく、矢筒や弓を装備していた。
 長く美しい金髪と、サファイアの様に輝く瞳が特徴的な美人であった。

「おっと、自己紹介が遅れたわね、私はソフィア・アーネル、ソフィアでいいわよ」

 ソフィアと名乗ったその女性に対し、フィニス達も自己紹介を返した。
 すると、ソフィアは別世界から来たフィニス達に興味津々であった。

「ふ~ん、楽園を探してる……ねぇ……」
「そうなの、だから、この世界について色々と教えてくれないかしら?」
「悪いけど、この世界ではずっと争いが続くと思うわ、邪神ネクロスが言ってたらしいの、百年後に再び脅威が訪れるって」
「百年後って……そんな未来の事……エフォートは何か知ってる?」
「悪いが、聖暦は争いの歴史だ、過去も、恐らく未来も争いが続くだろう……」
「このエスプランドル聖王国も、オスクリタ大帝国との戦後処理は上手く行ったけど、まだ小さな所で憎み合いは続いているからね……」
「そう……なのか……楽園って中々見つからないんだな……」

 すると、ソフィアは悩むフィニスに対し、ある事を伝えた。

「ねえ、あなたの言う楽園って、争いのない平和な場所って所?」
「そうね、私は争いに疲れたの、だから……」
「それって、相当難しいかもしれないわよ? 人間社会に争いはあって当たり前だし、それがない世界があったら、誰しも行きたいでしょうね……」
「そう……よね……でも、私は必ず見つけてみせるわ!」
「頑張ってね、あ、後、そこのあなた」
「わ、私か……?」
「あなた、これから起こる出来事を知っているのね、良かったら、色々と教えてくれないかしら?」
「え、えっと……」

 エフォートはメモリアに教えていいかどうかを聞いた。その結果、ざっくりとなら教えてもいいと言う事になり、エフォートはソフィアに教えてあげた。

「あまり詳しくは教えられないが、一言で言うなら、争いの歴史が続く」
「あら……私達が必死に戦っても、争いは続くのね……なら、私達は真の平和を目指して戦うわ!」
「まあ、頑張れ」

 その後、エフォートはフィニスの元に戻り、ソフィアに別れを告げてこの世界から去って行った。
 そして、一人残されたソフィアは、ある事を考えていた。

「やっぱり、邪神ネクロスの言った事は本当みたいね……争いは続く……それも数えきれないほど……大変ね……」

 その後、元の世界に帰還したフィニス達は、次の世界はどれにするか悩んでいた。

「後三枚……どんな世界なのかしら……?」
「何でもいい、さっさと行くぞ、フィニス、メモリア」
「じゃあ、この世界はどうでしょう? 大乱闘の世界です」
「大乱闘? 明らかに名前からして物騒じゃない!」
「あくまで大乱闘と言う競技であり、戦争とかじゃないですから安心してください」
「じゃあ……分かったわ……」

 そう言ってフィニスは大乱闘の世界へと向かった。
 すると、フィニス達は花畑へとやって来た。
 そこには、オッドアイの一人の少女がいた。

「何!? いきなり現れるなんて、まさか、闇の眷属!? だったら、漆黒なる永劫の翼(ダークネス・エターナル・フリューゲル)の称号を持つこの私が、殲滅しちゃうんだから!!」
「ま……待って! 私達はその闇の眷属とかじゃないから!!」
「問答無用! 闇の銃弾(ダークネス・ショット)!!」

 そう言ってその少女は黒い拳銃から闇の弾丸を放った。
 フィニスは攻撃を回避し、そのまま説得を続けた。

「落ち着いて! 私はただの人間だから!!」
「……本当に? 実はオオカミさんみたいな闇の眷属が変身してて、油断した隙に私に薄い本みたいな事しようと企んでるんじゃ……」
「しないしない! てか、薄い本って何?」
「……分かった、信用するよ、私は黒乃月(くろの るな)、あなた達は?」

 フィニス達は、ルナと名乗ったその少女に自己紹介をした、すると、急にテンションが高くなった。

「え!? じゃあ、あなた達、色んな世界を旅してるの!? まるで私みたい! で、あなた達は通りすがりで私に出会ったんだね! これも何かの運命! 一緒に付いて行ってあげるね!」

 あまりのテンションの高さに、フィニス達は困惑した。

(ねえ、この娘、大丈夫なの?)
(少なくとも、大丈夫ではないだろう)
(でも、悪い人じゃなさそうですよ……)

「ねえねえっ! 三人は今までどんな世界に行ったの? 教えてくれないっ?」

 フィニスはルナに今まで行った世界の話をした。
 すると、ルナはフィニスが今まで行った世界の事を知っているではないか。
 ルナはその事について色々と教えてくれた。

「みんな私が知ってる世界だね」
「えっ? 知ってるの?」
「うん、私が別の世界に呼ばれて戦った時なんだけど、そこでその世界の人と知り合って、後で門(ゲート)の能力でその世界に行った事があるよ、いい経験だったな~、後、アイラちゃんとは昔から面識があってね、私が自由の世界? そこに召喚された時、クロストライアルの一員として、悪い奴らと戦ったんだ」
「まさか、私達より旅をしている娘がいるなんて……」

 ルナは照れながら、次の話を始めた。

「で、私は久々にこの世界に遊びに来たんだけど、この世界は平和そのものだよ~昔はアルスマって大乱闘が行われてたんだけど、色々あって終わっちゃってね、今はこのアルスマ界、平和な世界だよ、昔はこのアルスマ界も悪者に狙われてたんだけどね」
「今は、平和なの?」
「うん、平和だよ、たまに他の世界の事件に巻き込まれる程度だね」
「それって、平和なのかしら? エフォートとメモリアはどう思う?」
「私に聞くな、まあ、少なくとも今まで行った世界よりはダントツで平和じゃないか?」
「大して争いが起きてないなら、平和なんでしょうね、でも、残り二つの世界も行ってみませんか?」
「それもそうね」
「じゃあ、私も付いて行くね!」

 フィニス達は、ルナが付いてくる事に対し、ちょっとだけ引いたが、悪い人じゃなさそうだからとそのまま共に七世界神殿へ帰還した。
 ルナは初めて見る七世界神殿に興味津々だったが、フィニスは慣れた手つきで次の石板に触れた。
 そして、フィニス達は次の世界へとやって来た。

「うわ~凄いね~石板で別の世界に移動するなんて、私、初めて見たよ……」
「凄いでしょう? ねえ、メモリア、この世界は?」
「はい、この世界は太陽と月と希望の世界です」
「ああ、私が居た世界から百年程前の世界か」
「いつ頃の出来事なの?」
「聖暦1967年だ、この頃はクライム・ゼノロスト率いるヴェンジェンスが堕落に満ちた世界を変える為に各地を襲撃する等していた時期だ」
「明らかにロクでもない時代ね……」

 その時、一人の男性と一人の女性がフィニス達に近づいてきた。

「お前ら、変わった奴らだな」
「ねえ、タクト、ちょっと変わった人達ね」
「タクト……タクト・レイノス! そして、そちらが、リリシェ・ルーン!」
「何だ、俺達の事を知ってるのか?」
「何? まさか私達のファン!?」
「ねえ、エフォート、この人達って……」
「ああ、僅か八人でヴェンジェンスに立ち向かい、滅ぼしたと言う伝説が残されている伝説の旅人だ」

 すると、ルナが興味津々にタクトに近寄った。

「へ~、この人達凄い人なんだ!」

 タクトとリリシェはルナが辺りをキョロキョロする為、若干対応に困っていたが、とりあえず放置して話を進めた。

「で、お前達は俺とリリシェに何の用だ?」

 フィニス達はタクトとリリシェに自己紹介を済ませた。
 すると、タクトは返事に困っていた。

「いきなり別の世界から来て楽園を探していると言われてもな……俺も旅人、お前達も旅人なら、答えは簡単だ、旅をして探すしかない、それが旅人の醍醐味だろ?」
「そうね……じゃあ、私達、もっと旅をして探してみるわ」

 すると、今度はリリシェが会話に参加した。

「私とタクトは今、タクトの故郷であるカプリス村を復興させているの、それが終わったら、また旅に出るの、そして、色んな世界を見て回るんだけど、今まで見てなかった世界にきっと、楽園はあるはずだよ、フィニスさん達も、色んな世界を見て回って、探してみて、楽園は必ず、どこかにあるはずだから!」
「リリシェさん……ありがとう、その言葉、覚えておくわね」

 すると、今度はタクトが会話に参加した。

「一人の旅人として言わせてもらうが、旅はただ巡るだけでは面白くない、ちゃんとそこに住む人達とも触れ合わないとな、俺も、ヴェンジェンス討伐の旅ではあまり人々と触れ合えなかったから、いつか旅を再開させる際はちゃんと触れ合うつもりだ」
「一人の旅人としてのアドバイス、きちんと受け取りました」

 その後、フィニス達はまだ遊び足りない様子のルナを連れてこの世界を去った。
 残されたタクトとリリシェは、二人で会話をしていた。

「ねえ、タクト、フィニスさん達は楽園、見つけられるかな?」
「どうだろうな、まあ、俺から言える事は、誰にも必ず楽園と呼べる場所があると言う事だけだ」

 その後、フィニス達は元の世界に帰還した。
 残す石板は後一枚、フィニスは最期の石板に手を差し伸べた。

「これが最後の石板ね……」
「最後の石板は、神聖の世界の石板です」
「何だか知らないけど、これで私は復讐ができるのね」
「もう終わっちゃうのか……まあ、いいや、楽しかったし」

 フィニスが石板に触れると、辺りは眩い光に包まれ、フィニス達を神聖の世界へと誘った。
 神聖の世界は最初に旅した銃と剣の世界の様に文明の発達した世界だったが、銃と剣の世界ほど文明は発達していなかった。
 フィニス達が辺りを探索していると、住民たちはフィニス達をじろじろと見ていた。

「あの……フィニスさん……? 私達、凄くじろじろ見られてますよね……?」
「銃と剣の世界みたいにコスプレだと思われているのでしょうね」

 フィニス達が歩いて街中を探索していると、前から男女二人組が興味深そうにフィニス達に近寄ってきた。
 そして、女性の方がフィニスに質問した

「あの……もしかして、コスプレイヤーの方々ですか?」
「ほらね」
「やっぱり私達……コスプレイヤーだと思われてるんですね……」

 すると、今度は男性の方がフィニス達に話しかけた。

「突然理乃がすみません、俺、日野鋼(ひの はがね)って言います、で、こっちが友達の……」
「月村理乃(つきむら りの)です、よろしくお願いします」
「私はフィニステール・シグルミリアよ、よろしくね」
「私はメモリア・アニバリウムです、よろしくお願いいたします」
「私はエフォート・カントール、よろしく頼む」
「そして私は黒乃月、漆黒なる永劫の翼の称号を持つ闇よりの使者だよ!」
「はは……何か、変わった人達ですね……」

 フィニスはハガネ達に自分達の事を話した。
 自分達が異世界からの旅人である事、そして、楽園を探していると言う事を。
 すると、当然と言うべきかハガネ達は驚いた。

異世界からの旅人……まさかそんな事が実際に起きるなんて……」
「でもさ、ハガネくん、怪人の存在だって……」
「ああ、怪人の存在もかつては非現実だと思われていた……でも、それは実在した……だったら、異世界からの旅人が存在したっておかしくはないよな……」
「ねえねえ、その怪人って何? もしかして、闇の眷属の一種だったりする? だったら、この私がやっつけちゃうよ!」
「ああ、怪人って言うのは、かつてこの世界に現れた人間が変化する怪物だよ、でも、ノヴァティスって言うヒーローと人々の心の正義の光によって滅んだんだ」
「へ~、人間が変化する怪物か~、強かったんだろうな~」

 すると、ハガネは話題を変え、今度はフィニス達の探している楽園について聞いた。

「フィニスさん達は楽園を探しているって言いましたよね? それって、どんな場所なんですか?」
「争いのない、平和な世界よ、私達の居た世界は争いが続いてて、私達はそれに疲れて平和な世界……楽園を探して様々な世界を旅をしているの」
「で、私達の住むこの世界に来たんですね」
「そうよ、でも、今までのどの世界でも争いは起きていた……平和そうな世界を見つけたけど……結局争いは続くみたいだし……」
「う~ん、俺達みたいな学生にはよく分かりませんけど、俺から言える事は、きっとこれからも争いは起きると言う事だけです」

 ハガネのその言葉に一同は動揺したが、ハガネは自身の住む世界の現状を伝えた。

「この世界では過去に怪人との戦いや、様々な戦争が起きてました、現在はどれも落ち着いたのですが、未だに戦争や紛争は絶えません、それに、様々な事件や災害も起きています、つまり、どうあがいても、争いはこれからも続くんです」
「じゃあ一体……私達はこれからどうすればいいのよ……」
「それは俺達には分かりません、でも、少しでも争いを減らす為に行動を起こす、または争いから逃げて生活する事はできると思います」

 どうするか悩むフィニスに対し、今度はメモリアが口を開いた。

「フィニスさん、この旅が終わったら、今度は私と一緒に世界を巡りませんか? 私達の居る世界を!」
「それも……いいわね……考えとくわ」

 そして、フィニス達は元の世界へと帰還し、それを見送ったハガネと理乃は、過去の事について話していた。

「楽園……かぁ……ねえハガネくん、ハガネくんは楽園ってどんなところだと思う?」
「そうだな……誰もが安心して平和に暮らせるところ、なんだろうけど、俺にとっては、みんなと仲良くしていられるこの環境、それが楽園だと思ってるよ、だって、例え平和だったとしても、親しい人間がいないと辛いだろ?」
「ふふ、ハガネくんらしい考えだね、やっぱり、元ヒーローだからかな?」
「ノヴァティスとして戦った日々、辛かったけど、改めてこう言う事に気付かされたのかもしれないな……」

 元の世界へ帰還したフィニス達、全ての世界を旅したフィニス達だったが、旅先で出会った人達との会話を聞いた事で、楽園と言うものが分からなくなっていた。

「ねえ、メモリア、エフォート、ルナ、楽園って、何なのかしらね……?」
「私も……分からないです……」
「そうだな……私も分からなくなってきたよ……楽園って……何なんだろう……」
「楽園ね……みんなが平和に暮らせる環境かな?」

 その時、七世界神殿の石板が突然崩れ去った。

「あっ! 石板が……!!」
「おい! これじゃ元の世界に帰れないじゃないか!!」
「安心して、帰りたかったら私が送り返してあげるから」
「………」
「フィニスさん……?」

 フィニスは楽園を探す為に旅を続けていた、だが、旅先で出会った人達の話を聞き、自分の居場所は別の世界に無いのだと、薄々は気づいていた。
 そして、石板が崩れ去ったと言う事、これは、七世界神殿が別の世界に楽園はないのだと言っているように捉えられた。

「……分かったわ、私の言う楽園はきっと、他の世界じゃない、私にとっての楽園は、生まれ育ったこの世界なんだ、どんなに辛くても、どんなに苦しくても、私の言う楽園は、この世界で見つけないといけないんだ、他の世界で見つけるなんて、そんなのただの甘えなんだ! だから! 私はまた旅に出るわ」
「フィニスさん……!」
「フィニス、あんたのその考え、嫌いじゃないわ、それに、あんたのそのキラキラ輝く目を見ていたら、ずっと復讐に捕らわれていた私が馬鹿みたいじゃない……どうしてくれるのよ……」
「エフォート、あなたもこれから別の生き方を探してみたら、いいんじゃないかしら、その為の道先案内人は、ルナ、頼めるかしら?」
「はいはーい、まっかせてー!」
「フィニス、私も色んな世界を回ってみるわ、だから、あんたも頑張るのよ」
「じゃ、短い間だったけど、楽しかったよ、またね!」

 エフォートとルナはフィニスとメモリアに別れの挨拶を言い残し、ルナの能力でエフォートは別の世界へと旅立っていった。
 エフォートがこれからどんな道を歩むのかは分からない、だが、きっとエフォートは復讐とは違う別の生き方を見つけるはずだと、二人は信じていた。

「で、メモリアはこれからどうするの? 石板は全部崩れちゃったけど…」
「石板が無くなった以上、七世界神殿の巫女は必要なくなるはずです、正規の手続きが済み次第ですが……フィニスさん、あなたと一緒に旅がしたいです、一緒に、色んな世界を見て回りましょう、ねっ?」
「ええ、そうね、必ず見つけましょう、本当の楽園を」

 七世界神殿の七枚の石板に導かれた不思議な短い旅は終わった。
 だが、この不思議な旅は、悩める人間の心を救ったのである。
 彼女たちがこれからどのような道を歩んでいくのかは分からない。
 だが、きっと彼女たちは自分の思う本当の楽園を見つけるはずである。
 それが何年、何十年かかろうともきっと、見つけるはずである。

仮面ライダーそうめん

 夏、それは1年で一番暑い季節である。この季節は海水浴や花火、祭りなど、様々な楽しみが待っている。そして、夏はかき氷やスイカ、ウナギなど、多くの美味しい食材が待っている季節でもある。だが、この季節に争う二つの麵料理があった。それは素麺と蕎麦、夏に食べても冬に食べても美味しい最高の麺類である。

 他にも冷やし中華やラーメンなど、美味しい麺類は沢山ある。しかし、素麺と蕎麦の争いは絶えず続いているのだ。そんな中、世界一の蕎麦マニアが結成した悪の秘密結社ソッバーが世界中の人間に一生蕎麦しか食べる事を許さない世界征服を開始した。それに対抗するのは、世界一の素麺マニアが変身する正義のヒーロー、仮面ライダーそうめんである!そしてその仮面ライダーそうめんに変身するのは、素麺店でバイトをする23歳の青年、素川麺太郎(すがわ めんたろう)である。

 麵太郎は幼い頃から素麺が大好きで、素麺店で働くのが夢であった。だが、そんな中悪の組織ソッバーが活動を開始し、蕎麦以外を滅ぼす麺狩りを開始した為、怒りが爆発。自身で素麺ライダーシステムを開発し、仮面ライダーそうめんとしてソッバーと戦う事を決意した。しかし、ソッバーが現れない時は素麺屋で平和にバイトをしているのだ。

「お待たせしました、素麺3人前です! お嬢さん、お召し上がりください!」
「うわ~美味しそう~!」
「うちの素麺は最高に美味しいですからね!」
「こら、バイト! サボってないで働け~!!」
「店長、すいません! すぐ行きます!!」

 麺太郎が平和にバイトしていると、スマホのソッバー出現警報が鳴った。麵太郎のスマホには、自身が独自で開発したソッバーの出現を感知するアプリが入っているのだ。これも麺太郎の素麺好きの執念で開発したものである。

「店長! 俺ちょっと小麦粉調達してきます!」
「え? 今在庫沢山あるけど?」
「今日は沢山お客さんが来る気がするんです、俺の勘がそう言ってます!」
「いや、ただの勘じゃないか……」
「とにかく、行って来るんで!」
「おい! ……あいつ首にしたいけど、1週間に1回突然いなくなる以外は真面目に働いてるから、首にできないんだよな……」

 ソッバーが出現した場所では、多数のソッバー戦闘員とソッバー怪人のソバ男が暴れていた。ソッバーはラーメン店や焼きそば店、冷やし中華店を襲撃し、それらの麺を全て蕎麦に作り変えた。

「俺はソッバー怪人のソバ男! 貴様ら! 蕎麦以外の麺を食いやがって! 夏には蕎麦を食え!! ソバ化光線!!」
「ん? 俺のラーメンが蕎麦になった!!」
「うわぁぁぁっ!! 今日は焼きそばの気分だったのにー!!」
冷やし中華ぁぁぁっ!! いやぁぁぁっ!!」
「はっはっは、愉快だぜ!!」
「そこまでだ! ソッバーの怪人!!」

 麺太郎は手に持った皿に盛った素麺を平らげると、その皿を変身ベルトのそうめんドライバーに装填し、ライダースーツを身に纏い、仮面ライダーそうめんに変身した。仮面ライダーそうめんがライダースーツを装着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない、では、装着プロセスを解説しよう!麵太郎が素麺を平らげる事で、素麺に宿る素麺パワーが体内に満ち溢れ、ライダースーツを装着する為に必要な素麺パワーが充填される。そして、その状態で変身アイテムを兼ねた皿、サラバックルをそうめんドライバーに装填する事でそうめんドライバーに特殊粒子となって格納されたライダースーツが一瞬で麵太郎の体に装着され、仮面ライダーそうめんとなるのだ!

「麺が呼ぶ、つゆが呼ぶ、客が呼ぶ! 悪を倒せと俺を呼ぶ! 聞け! 悪人ども! 俺は素麺の戦士! 仮面ライダーそうめん!!」
「おのれ、仮面ライダーそうめん! また邪魔をするか!」
「ソッバー怪人、ソバ男! 他の麺を滅ぼそうとするなど、俺が許さん!!」
「黙れ仮面ライダーそうめん! 蕎麦は偉大なのだ! やれ! 戦闘員!!」
「ソッバー! ソッバー!」

 ソッバー戦闘員の大群は仮面ライダーそうめんに襲い掛かった。それに対し、仮面ライダーそうめんはパンチやキックで戦闘員を蹴散らして行った。仮面ライダーそうめんの戦闘力は高く、パンチ力は5t、キック力は7tと言う、常人を越えた力が発揮されている。その為、戦闘員の相手程度、朝飯前ならぬ朝素麺前なのである。そうこうしているうちに戦闘員は全滅、残るはソバ男のみとなった。

「残るはお前だけだ! ソバ男!!」
「ええい小癪な! 食らえ! ソバビーム!!」

 ソバ男は掌から蕎麦粉色の光線を放った。その攻撃を回避しながら接近する仮面ライダーそうめんは、一気にソバ男の懐に飛び込み、連続パンチを放った。

「ぐおぉぉぉっ!!」
「食らえっ! そうめんライダーパーーーンチ!!」

 仮面ライダーそうめんはソバ男の顔面に強力なパンチ技を放ち、吹っ飛ばした。パンチを食らって倒れ込んでいるソバ男、そこに仮面ライダーそうめんが近づき、背負い投げを放った。この連続攻撃で、ソバ男は大きなダメージを受け、逃げ出そうとした。

「くそっ! 蕎麦を食わずして死んでたまるか! 逃げるんだよぉーっ!!」
「逃がすかっ! そうめんライダーキーーーック!!」

 仮面ライダーそうめんは高く跳び、流しそうめんの如きスピードでソバ男に強力な跳び蹴りを放った。これを食らったソバ男は地面に倒れ込み、苦しんでいた。

「くっ…! 死ぬ前に…年越しそばを…食べたかった…!!」

 そう言い残し、ソバ男は大爆発、仮面ライダーそうめんは勝利をおさめ、ソッバーの魔の手から世界を救ったのである。

「これにて一件落着!!」

 その後、麺太郎は再びバイトに戻った。当然、勝手に飛び出した事で店長にはこっぴどく叱られたが、きちんと目的の小麦粉は調達してきており、なおかつ本日はいつもより多く客が来た事で結果オーライとなった。だが、ソッバーの世界征服の野望はまだ終わっていない、ソッバーとの戦いが終わるまで、戦え、麵太郎! 戦え、仮面ライダーそうめん!!

 と、思ったのも束の間、素麵と蕎麦が一番おいしい季節である夏は終わりを迎え、シーズンは秋を迎えた。人々の興味は柿や栗やサツマイモなど、秋の味覚に向かっていた。このままでは戦いどころではない、そう考えた結果、仮面ライダーそうめんとソッバーの戦いは一旦終了となり、それぞれが温かい素麺と蕎麦を提供する事にした。そう、シーズンが変わってもつゆを温かくする事で素麺も蕎麦も全シーズン楽しめるのである。これがきっかけで双方が素麺と蕎麦の良さに気付いた事で、仮面ライダーそうめんとソッバーの戦いは終わりを迎えた。こうして、再び人々の食生活に平和が訪れたのである。

【データファイル】

仮面ライダーそうめん
本作の主役ヒーロー。素川麺太郎が変身する仮面ライダーであり、素麺を食べ、食べ終わった皿をベルトに装填して変身する。昭和ライダーの様にパンチやキックで戦い、武器は一切使用しない。素麺に含まれる素麺パワーと言う未知のエネルギーで活動しており、これによって仮面ライダーそうめんのスペックは上がったり下がったりする。また、本編には登場しなかったが、専用バイクは素麺号と言うバイクであり、これは普段麺太郎がバイトで使用しているバイクである。
身長:180㎝、体重:70㎏、パンチ力:5t、キック力:7t、ジャンプ力:12m、走力:100mを8.8秒
変身ベルトはそうめんドライバー、主な必殺技はそうめんライダーパンチ、そうめんライダーキック

・ソバ男
悪の秘密結社ソッバーの怪人で、掌から他の麺類を全て蕎麦にしてしまうソバ化光線で日本蕎麦化計画を実行しようとした。このソバ化光線は出力を上げる事で、ソバビームと言う破壊光線になり、岩石を一撃で破壊する火力を持つ。仮面ライダーそうめんとの戦いでもソバビームで戦うが、戦力差が歴然であり、あっさりと倒された。本人は蕎麦が大好きであり、蕎麦以外の麺類は認めないと言う面倒な怪人である。
身長:198㎝、体重:96㎏、能力:掌から放つソバ化光線とソバビーム

・ソッバー戦闘員
ソッバーの構成員である一般兵。身体能力はソッバー怪人より劣るが、圧倒的な物量で仮面ライダーそうめんや警察と戦う。個々の戦闘能力は低いが、数で相手を圧倒する事ができるのである。ちなみに、ソッバーの構成員は全員蕎麦が大好きであり、もし他の麺類に浮気しようものなら処刑されるらしい。
身長:個人によって異なる、体重:個人によって異なる、武器:常人の数倍の能力

月白のエレメティア

「あなた、この機体に乗って」

 オレンジ色の長い髪と透き通ったオレンジの瞳の美少女は、学校帰りの僕の前に一機の見た事のない白いオートマシンに乗って現れ、胸部のコックピットの中からそう語り掛けた。

「ぼ、僕……が……?」
「ええ、そうよ、あなたならきっと、このオートマシンを動かせるわ、私じゃ上手く動かせないのよ」

 そう言い、少女は謎のオートマシンの持っていた白い戦闘機を地上に置いた。

「さあ、早く!!」
「もう! どうなっても知らないからね!!」

 そもそも、何でこんな事になったのだろうか…。
 西暦2253年、幾度とない争いや宇宙人災害を解決し、争いが無くなった世界で、人々は平和を謳歌していた。
 しかし、その平和も長くは続かず、本日、僕の住むこのウィットタウンに二機のオートマシンが落下した。
 しかも、僕が学校から帰る帰り道で。
 一機はこの白いオートマシン、そしてもう一機は黒い紫色のオートマシン。
 ちなみに、オートマシンって言うのは、人型の兵器、所謂ロボットだね。
 僕が乗った白いオートマシンはとても綺麗な姫騎士みたいな見た目、もう一機のオートマシンは悪魔みたいな見た目で、ウイングが装着されてる敵メカみたいな見た目。
 そして、僕はロボットアニメの主人公みたいにいきなりロボットに乗り込む事になったんだ。

「ところで、君、名前は?」
「私ですか? 私の名前は戦闘人間No.271です」
「何その名前……呼びづらいからさ、最初の2から取ってツヴァイでいい?」
「ええ、構いませんが、あなたの名前も聞かせてくれませんか?」
「僕は天川奏斗(あまかわ かなと)、私立ウィット学園の二年A組所属だよ」
「では、奏斗、このエレメティアの操縦はお願いします、私は下にある支援戦闘機のエレスティアに乗り込みますので」

 そう言ってツヴァイはエレメティアと呼ばれたオートマシンのコックピットから飛び降り、エレスティアと呼ばれた支援戦闘機のコックピットに乗り込み、浮上した。

「何をしているんです、奏斗、早く戦いますよ」
「無理だよ! 僕、オートマシンの操縦なんてしたこと……」

 その時、僕の脳裏にオートマシンの操縦方法が浮かんできた。
 とても不思議な感覚だ、機械音痴でオートマシンの操縦なんてできっこない僕が、オートマシンの操縦方法を知っているのだから。

「な……何で……? 僕……このオートマシンを動かせる……!!」
「そのオートマシンは普通に生まれた人間にしか動かせないものです、私みたいに培養されて誕生した戦闘人間には動かせません、そして、普通に生まれた人間のみ、エレメティアに乗った瞬間に操縦方法が脳裏にインプットされます」
「何だか知らないけど、僕はこのオートマシンであいつを倒せばいいんだよね?」
「はい、あの機体はマッドサイエンティストのDr.バイオの世界征服の尖兵、ヴァルガーです」
「ヴァルガー……いかにも悪役っぽい名前……でも、Dr.バイオって?」
「それは後です! 来ますよ!!」

 ヴァルガーはウイングを展開し、飛行した。僕はすぐさま胸部のコックピットを閉じ、肩部に内蔵された牽制武器のプラズマバルカンを放って攻撃した。
 だが、ヴァルガーは素早い動きで回避し、所謂ビームライフルのエネルギーシューターを構え、僕を狙って撃った。

「危ないっ!」

 僕はそう言いながら後方へ跳んで攻撃を回避、しかし、ヴァルガーは攻撃を続けてくる為、僕はとっさに防御する事にした。

「防御兵装は……レーザーシールド……これかっ!!」

 エレメティアの両腕にはレーザーシールド発生装置がある、僕はエレメティアの両腕にレーザーシールドを展開させ、ヴァルガーのエネルギーシューターを防いだ。

「やった!」
「奏斗、レーザーシールドは様々な攻撃を防御できますが、エネルギー消費が激しいのでできるだけ回避してください」
「分かった!」

 エレスティアに乗っていたツヴァイは両翼に装備されたレーザーシューター、シューティングゲームにおける所謂ノーマルショットでヴァルガーを攻撃、ヴァルガーのエネルギーシューターを破壊した。

「今だ!」

 僕はエレメティアの太腿部のアーマーを展開し、その中に入っていたレーザーセイバー、所謂ビームサーベルを装備し、レーザーの刃を展開、そのまま大空へ飛翔した。

「はあぁぁぁっ!!」

 エレメティアは大きく振りかぶり、ヴァルガーの胴体をビーム刃で溶断した。
 ヴァルガーを切り裂いたエレメティアは地上に着地し、ビーム刃をしまった。
 直後、ヴァルガーは爆発四散。
 初めての戦いを終えた僕は、戦いに疲れて息切れしていたが、不思議と恐怖心はなかった。
 どうやら、エレメティアには恐怖を和らげるシステムがあるようだ。

「奏斗、お怪我はありませんか?」
「大丈夫、ピンピンしてるよ」
「それは良かったです、ですが……」

 僕の周りには、いつの間にか到着していた統合軍の量産型オートマシン、バーテルが僕達を取り囲んでいた。
 バーテルは所謂味方側の量産型雑魚メカみたいな見た目をした弱そうな機体で、ここ数年は大きな争いも無かった事から、特に新型機の開発もされておらず、既に旧式化している。
 そんな機体がこのエレメティアに勝てる訳は当然ないのだが、流石に民間人の僕と素性の分からないツヴァイが正規軍の人達に手を出すわけにはいかなかった。
 もし下手に手を出せば重罪、つまり大変な事になってしまうのだ。

「奏斗、どうします?」
「どうって……流石に正規軍には手を出せないよ……」

 その時、二機のカスタムされたバーテルが僕達に近づいてきた。
 片方はブースターを装着した高機動型、もう片方は大きなスナイパーライフルを持ったスナイパー型であった。
 すると、高機動型のバーテルがエレメティアの肩に手を当て、接触回線で通信を送ってきた。

「うちは地球統合軍ウィット防衛軍所属、皇栞奈(すめらぎ かんな)少尉、あんた達の所属は? そのオートマシンはどこの所属?」
「え、えっと……僕達は……」

 すると、エレメティアの上空に待機していたエレスティアがエレメティアにアンカーを放って接触した。

「私達はあなた達の敵ではありません、あなた達の味方です」
「はぁ? 何なのあんた? もしかして、宇宙から来た正義の味方? まさか、地球は狙われている! とでも言う気?」
「詳しい話は基地の方でします、一旦基地に戻りませんか?」

 ツヴァイのその言葉を受け入れた栞奈少尉は、僕達と共にウィット基地に帰投した。
 ウィット基地はウィットタウン唯一の軍事基地であり、ウィットタウン自体が非常に平和な地域である為、兵士の練度も低く、合同演習ではいつも下の方にいる。
 そのウィット基地に来た僕とツヴァイだが、僕がコクピットから降りると、兵士達は驚いていた。
 そりゃそうだ、僕は善良な一般市民、ただの学生である。

「驚いた、まさかただの学生がこんなオートマシンを乗りこなしているなんてね……」

 栞奈少尉の声がしたので、振り向くと、赤い髪をボブカットにした女性であった。
 左目は髪で隠れているが、その瞳は紫色で、キリッとした目をしている。
 すると、今度はもう一人の女性兵士やってきた。

「あなたがやった事はオートマシンの無断所持……市街地での勝手な戦闘……更に一個人が兵器を所持……普通ならありえないくらいの罪状だらけね……」
「やめとけって愛梨、あ、こいつは猫崎愛梨(ねこざき あいり)少尉、あまりやる気はなさそうだが、オートマシン操縦の腕前は確かだ」
「よろしくピース……」

 愛梨少尉は青く綺麗なロングヘアが目を引く女性で、目は綺麗な黄色であった。
 正直、人形にしか見えないぐらい整った顔であるが、これでも軍人なのだから驚きである。

「あ、ちなみにうちら偉そうな事言ってるけど、これでもまだ17なんだよね」
「そ、そうなんですか!?」
「そだよー……ちなみに私達は親友なんだよ……」

 すると、エレスティアを着陸させたツヴァイがエレスティアのコックピットから降り、僕達の近くにやって来た。

「お待たせしました、これからあなた達に重要な話をします、よく聞いててくださいね」

 ツヴァイの話した事は以下の通りである。
 大気圏外にあるかつての争いで廃棄された宇宙ステーションがDr.バイオと言うマッドサイエンティストの研究施設にされており、そこで地球統合軍のオートマシンの実に十五倍もの性能を誇るオートマシンを独自に開発、更に、そのパイロットとなる戦闘人間を培養技術で次々と誕生させていると言う事である。
 Dr.バイオはかつては軍の科学者だったが、あまりに非人道的な実験をする為、軍を首にされた経緯があり、バイオはその復讐の為、この世界を自身の作ったオートマシンで滅茶苦茶にしようとしているのである。
 戦闘人間はDr.バイオの手駒として働くただの消耗品なのだが、そのバイオのやり方に従えないと感じたたった一人の戦闘人間No.271ことツヴァイはその宇宙ステーションを脱走し、それと同時に最新鋭機体のエレメティアと支援戦闘機のエレスティアを奪取、その設計図を破棄して地球へと降下した。
 そして、ツヴァイの追手としてDr.バイオの差し向けたヴァルガーとウィットタウンに着陸し、そこで奏斗と出会ったのである。
 この事実を聞いた奏斗たちは、どうするべきか悩んでいた。

「ツヴァイの言ってる事って、相当大変な事だよね? 統合軍のオートマシンの15倍の性能って……」
「そんなの、うちらのカスタムバーテルでも対応できねーじゃん!」
「15倍の性能……そんなのと戦ってたら命捨てるだけ……私は負ける戦いはしない主義……」
「だから今、Dr.バイオと戦えるのは私達だけなんです!」
「ツヴァイ、そのバイオ一派の戦力ってどれぐらいなの? まさか、一万とか言わないよね?」
「そうですね、宇宙ステーションは狭く、生産性も優れてないですし、戦闘人間も生み出すのに時間がかかる割には役立たずとして処分された子もいましたから……ざっと数十機程度でしょうか?」
「数十機程度なら、僕らだけでも対応できるんじゃないですか?」
「そうだな、どうせ今の堕落しきった統合軍じゃ役に立たねーし、他の基地からの応援も期待できねーし、うちらだけでやるっきゃないか!」
「ほんとにやるの……? 私は嫌……普通に嫌……死にたくないし……」
「いいからあんたもやるの! ささ、そうと決まれば飯だ飯」
「栞奈って……普通に鬼……親友なら優しくして……」

 僕達は戦いの前の腹ごしらえとしてウィット基地で食事をした。
 軍の料理を食べるのは初めてだが、普通に美味しいと感じた。
 と言うか、こんな経験、普通の学生なら絶対にしないであろう、そう考えると、この経験は貴重であると感じた。
 その時だ、僕達が食事をしていると、大きな音がした。
 音からして、何か重たいものが墜落した音であろう。

「何だよ、うちらが飯食ってんのに! 愛梨、モニター!」
「今やってる……急かさないで……」

 愛梨少尉が着陸地点の映像をモニターに映し出すと、そこにはウイングを取り外し、重装甲、重武装になって下半身がキャタピラになったヴァルガーがいた。
 この場合、ロボットアニメだとヴァルタンクになるんだよな……。

「あれは……! 陸戦用機体のヴァルタンク!!」
「いや、ほんとにヴァルタンクって名前だったの!?」

 他にも六機が地上に着陸してきた。
 内四機はヴァルガーだったが、後の二機はヴァルガーのウイングを取り外し、両肩にキャノン砲を取り付けた機体であった。
 これもロボットアニメだとヴァルキャノンなのだが……。

「中距離支援用機体のヴァルキャノン……! あれも完成していたなんて……!!」
「あれもヴァルキャノンって名前なの!? Dr.バイオ、結構ネーミングセンス普通!?」
「こうしちゃいられねえ! 愛梨! 行くぞ!!」
「嫌だ……私はベッドで寝たい……ふかふかのベッドプリーズ……」

 栞奈少尉が愛梨少尉の首根っこを掴んで無理やり連れて行ったのを確認すると、僕とツヴァイもそれぞれの機体の所へ向かった。
 そして、コックピットに乗り込むと、出撃の準備を整えた。

「皇栞奈、バーテルアサルト、行くぜ!!」
「猫崎愛梨……バーテルバスター……行くよ……」
「天川奏斗、エレメティア、行きます!」
「ツヴァイ、エレスティア、発進します!」

 僕達四人はそれぞれの乗機に乗って発進した。
 ちなみに、他の隊員たちは練度も低く、戦っても死ぬ可能性が高い為、街の防衛に当たらせている。
 その移動の途中、ツヴァイは栞奈と愛梨にある事を聞いた。

「栞奈さん、愛梨さん、あなた達のカスタムバーテルは通常の機体と比べてどれぐらいの性能ですか?」
「ああ、うちらのカスタムバーテル? これは一般のバーテルの三倍程度だよ」
「つまり、ほぼ戦力外……私は死にに行くだけ……ほんと最悪……隙を見て逃げようかな……それとも命乞いしようかな……」
「あんたは戦う気ないんかい!!」
「大丈夫です、二人共後方で武器を撃ってくれればいいので」
「つまり、砲台役ね……それなら任せて……学習発表会で木の役ならやり慣れてるから……」
「それはあんたがやる気を見せなかったからでしょ!」
「目立つのは嫌……私は空気程度の扱いでいい……」
「栞奈さん、愛梨さん、もうすぐ目的地です、作戦通りお願いしますね」

 その後、僕達は目的地に到着した。既に市街地は破壊されており、破壊された建物や人の死体であふれかえっていた。

「そんな……こんなのただの虐殺だよ!」
「Dr.バイオは戦闘人間たちに虐殺を命じているんです、地球でぬくぬく暮らしている愚かな人間を皆殺しにしろって」
「なんだよそりゃ、みんな頑張って生きてるのに!」
「久々にカチンときた……私、本気出す……!」

 愛梨少尉の乗るバーテルバスターはレーザースナイパーシューターと言うビームスナイパーライフルを構え、ヴァルガーのコックピットを狙い、撃った。
 そのレーザーはヴァルガーのコックピットを貫通し、一機撃墜、続いてもう一機狙い撃って撃破した。

「うわぁ……愛梨少尉、凄いですね……」
「えへん……この程度、朝飯前……私はやればできる子……いぇい……」
「こりゃ、うちも負けちゃいられねえな!」

 栞奈少尉の乗るバーテルアサルトは両腕のミサイルポッドからミサイルを一発ずつ発射した。
 その攻撃はヴァルガーに迎撃されたが、その爆風の中からバーテルアサルトが現れ、エネルギーブレードと言うビームの刃でヴァルガーを切り裂き、立て続けに二機撃破した。

「どうよ! うちらの旧式だって、頑張ればこれぐらいできるんだぜ!」
「凄いです! 栞奈少尉! 愛梨少尉!」
「これは私達も負けてられませんよ、奏斗!」
「分かってるよ、ツヴァイ! 僕達も続こう!!」

 ツヴァイの乗るエレスティアは機体上面からミサイルランチャーを発射し、ヴァルキャノンを攻撃したが、ヴァルキャノンは両肩のハイパーキャノンを発射。
 ハイパーキャノンは実弾兵器だが、その火力は凄まじく、大爆発が発生した。
 恐らく、この辺り一帯を滅茶苦茶にしたのもこれの仕業だろう。

「うはー、すげー火力だな……」
「あんなのに当たったら……私達はバラバラになる……そんなの嫌……棺桶には綺麗な姿で入りたい……」
「大丈夫です! ここは僕達に任せてください!!」

 僕はエレメティアの腰に装備されたレーザーシューター、所謂ビームライフルを装備し、ヴァルキャノンを攻撃した。
 しかし、ヴァルキャノンはその攻撃を回避し、同じくビームライフルのエネルギーカノンで攻撃を仕掛けた。
 僕はその攻撃を回避し続けたが、流石に技量の面で僕は負けていた。

「くっ! 攻撃が厄介すぎる!」

 そんな話をしていると、上空からヴァルガーが追加で二機降下してきており、上空のエレスティアを狙っていた。

「ツヴァイ!」
「大丈夫です! ここは私に任せて奏斗たちはヴァルキャノンとヴァルタンクを!!」
「うちらが援護に行く!」
「ここは任せて……」

 しかし、栞奈少尉と愛梨少尉を近づけさせまいと、ヴァルタンクは両肩のツインキャノン、両腕のダブルアームキャノンで辺りを砲撃した。

「くっ! これじゃ近づけねえ!」
「三十六計逃げるが勝ち……そろそろ逃げるか命乞いするしかないわね……」
「馬鹿! 諦めんな!!」

 僕は一刻も早くこの敵を片付けてみんなを、この街の人達を助けたいと思った。

「ツヴァイ! 何か強力な武装は!?」
「背面に装備された二門のレーザーブラスターがあります!」
「分かった! これだな!!」

 僕はエレメティアの背面のレーザーブラスターを前面に展開した。
 レーザーブラスターは強力なビーム砲であるらしく、その威力は確かであろう。
 僕はレーザーブラスターのトリガーを引いた。

「食らえっ! レーザーブラスター!!」

 レーザーブラスターの砲門から放たれた強力なビームは素早く放たれ、ヴァルキャノンの胴体を上下分離させた。
 上下分離したヴァルキャノンは爆散し、続けてもう一機のヴァルキャノンにも砲門を向けた。

「もういっぱーつ!!」

 再び放たれたレーザーブラスターは、ヴァルキャノンの胴体を貫き、ヴァルキャノンは爆発四散した。

「よし!」

 一方で、上空にいるツヴァイも、ヴァルガーとの決着を付けようとしていた。

「エレスティアをただの支援機と思わない事です! エレスティアには、エレメティアのレーザーブラスターにも負けない威力の兵器が積まれているんですよ!」

 ツヴァイの言う強力な兵器とは、機首の下部に装備された強力なビーム砲、レーザーバスターである。
 ツヴァイはヴァルガーが一列に並んだ瞬間、レーザーバスターのトリガーを押した。

「今です! レーザーバスター!!」

 エレスティアから放たれたレーザーバスターは、一列に並んだヴァルガーのコックピットを同時に一瞬で貫通し、直後、二機のヴァルガーは爆発四散した。

「どうです? これがエレスティアの性能ですよ」

 そして、残すはヴァルタンク一機のみとなった。
 下半身がキャタピラの相手は弱いと言うのはロボットアニメではよくある事だが、こいつはどうもそうは見えなかった。
 明らかに弾薬を大漁に積まれている、下手すればこちらがやられるかもしれない。

「奏斗、一気に決めますよ!」
「OK! ツヴァイ!」

 エレメティアとエレスティアは同時にレーザーブラスターとレーザーバスターを撃った。
 しかし、その攻撃はヴァルタンクの周囲を覆う電磁バリアで防がれた。

「そんな……! レーザーバスターが……!」
「レーザーブラスターも防がれちゃったよ……どうしよう……!」
「ねえ、ツヴァイ、これより強い武装はないの?」
「……ありません」
「そんな……もうこの世界はおしまい……私は結婚する事なくこの世を去る……来世はいい人生を送りたい……」
「馬鹿! 諦めんなって!!」

 最強武器が効かず、誰もが諦めたその時、ツヴァイが一つの可能性を挙げた。

「……一つ可能性があるとすれば、それは、エレメティアとエレスティアが合体する事……ですかね……」
「合体!? そんな事が出来るの?」
「合体自体はできますが……合体プログラムが未完成で、上手く合体できない可能性があるんです…」

 上手く合体できない、恐らくそれは合体の際に機体を一度分解した際、パーツがバラバラになってしまうと言う事だろう。
 その場合、墜落してパーツが壊れてしまうかもしれない、でも……。

「今はそれしかあいつを倒す方法がないんだよね? じゃ、やってみようよ!」
「何で……何でそんなに前向きになれるんですか……?」
「人間ってさ、前向きに生きてた方が何かしら特なんだよ、それは戦闘人間である君も同じさ、ツヴァイ」

 僕のその言葉に、ツヴァイは少し黙り込んだ。
 僕のこの言葉が嬉しかったのか、可笑しかったのかは分からない。
 でも、次にツヴァイが口を開いた時、ツヴァイは元気のある声で返事を返した。

「分かりました! 駄目元で合体をやってみましょう!」
「駄目元じゃないさ! 必ず成功させよう!!」
「無理だったら、うちらがパーツをパズルみたいにくっつけてやっから安心しな!」
「凄く面倒そうだけど……協力ぐらいはしてあげる……その代わり、後でスイーツ食べ放題よろしく……」
「合体コードは、フォーメーション・エレメティオーラです!」
「OK! フォーメーション・エレメティオーラ!!」

 僕がそう叫ぶと、エレスティアの本体とウイング、レーザーシューターが分離した。
 その後、レーザーシューターがエレメティアの肩に合体、続けて、エレメティアのレーザーブラスターが分離し、そこにウイングが合体。
 続けて、ウイングにレーザーブラスターが合体した。
 最後に残ったエレスティアの本体だったが、ここで合体プログラムがおかしくなって本体が真下に落下した。

「危ないっ!!」

 僕はとっさにエレスティアの本体を手に取った。

「奏斗、本体をエレメティアの左腕に合体させて!」
「分かった!」

 僕は言われた通り、エレスティアを左腕に合体させた。
 こうして、合体オートマシン、エレメティオーラが完成した!

「ほえ~、エレスティアがブロックみたいに分離してエレメティアに合体しやがった……」
「結構……カッコいい……かも……私は……好き……」
「奏斗、エレメティオーラの火力なら、ヴァルタンクの電磁バリアを貫通できるはずよ!」
「分かった! 一番強い武装は!?」
「レーザーブラスターとレーザーバスターの同時攻撃! 分離時より出力が上がっているから、必ず貫通できるわ!」
「OK!」

 そう言ってレーザーブラスターを前面に展開、レーザーバスターの砲門をヴァルタンクに向けた。
 ヴァルタンクは迎撃の為、車体に装備された巨大ミサイル、ハイパーミサイルと肩部に内蔵されたミサイルランチャー、両肩のツインキャノン、両腕のダブルアームキャノンを一斉射したが、こちらもレーザーブラスターとレーザーバスターの同時攻撃で返した。

「レーザーブラスター、レーザーバスター、最大出力! 行っけぇぇぇっ!!」

 同時に放たれた三つのビームは、ヴァルタンクの撃った弾丸を迎撃し、ヴァルタンクの張った電磁バリアを貫通、更に重装甲のヴァルタンクの胴体を貫いた。
 そして、ヴァルタンクは大爆発を発生させて消滅した。

「やりましたね、奏斗!」
「ああ!」
「さて、これで残すは宇宙にいるDr.バイオだな!」
「今の私達に宇宙に行く手段はない……つまり私はお役御免……さよなら……」
「おめーはまだ街の防衛って仕事があるだろーが!」
「エレメティオーラの出力と性能なら、このまま宇宙まで行けます!」
「じゃあ、僕とツヴァイは宇宙に行ってきますので、栞奈少尉と愛梨少尉はここで待っててください」
「オーケー! 必ず倒して来いよ!」
「私……応援してる……ふれーふれー……」

 その後、僕とツヴァイはエレメティオーラに乗って宇宙へと向かった。
 どんどん地上から離れていき、僕は生きて帰れるのかと少し心配になったが、今の僕達ならどんな相手が来ても勝てる気がした。
 そして、僕達が大気圏外に出ると、Dr.バイオの宇宙ステーションがあった。

「あれがDr.バイオの宇宙ステーションだな!」
「その通りだ、裏切り者No.271と小僧!」

 Dr.バイオはエレメティオーラのモニターにその姿を映した。
 Dr.バイオは普通の白髪の老人で、髭を生やし、白衣を着たいかにも科学者と言う見た目をした人物であった。
 表情は常に狂気の顔で、まさにマッドサイエンティストと言う言葉が正しかった。

「Dr.バイオ……! あなたの野望はもう終わりです!」
「ほざけ! まだわしには最終兵器がおるわ!」

 そう言って宇宙ステーションから出撃したのは、ヴァルガーとエレメティアのデザインを合わせたようなオートマシンだった。

「何だこのオートマシンは!? エレメティアに似ている……!?」
「こいつは設計図が失われたエレメティアを再現する為、ヴァルガーをベースにカスタムしたオートマシン、ヴァルスティアだ! その性能はエレメティアに匹敵するぞ!」
「エレメティアに匹敵? でも今の僕達のエレメティオーラはエレメティアより強いんだ!」
「舐めるなよ、小僧、ヴァルスティアのパイロットはわしの生み出した戦闘人間の中でも最高傑作である戦闘人間No.31だ!」
「戦闘人間No.31ですって!?」
「そんなに強いの? ツヴァイ」
「ええ、彼女は根はとてもいい子で争い事が苦手なんだけど、その潜在能力は非常に高く、Dr.バイオによって非人道的な洗脳をされてしまったの、だから今の彼女はただの人殺しの道具なのよ」
「戦いを望んでない子を無理やり……Dr.バイオ! 僕はお前を許さない!!」
「ふん、そんな事、知った事か!」

 すると、Dr.バイオは宇宙ステーションから何か発進させた。
 それは巨大ミサイルであり、その進路は地球に向かっていた。

「今度はミサイル!?」
「あれは……核ミサイルよ!」
「核ミサイル!? それって今は保有が禁止されているんじゃ……」
「フフフ……最終手段として、裏ルートで手に入れたのだよ」
「Dr.バイオ! お前はどこまで……!!」
「奏斗、早くあのミサイルを止めないと……!!」
「でも、どうすれば……!!」
「エレメティオーラの掌には反重力フィールド発生装置が備わっています、それで跳ね返すんです!」
「分かった! でも……」

 核ミサイルを止めようにも、ヴァルスティアが僕達を妨害していた。
 ヴァルスティアはエネルギーブレードとエネルギーバスターで攻撃を仕掛け、僕はその攻撃をレーザーセイバーで切り払っていた。
 だが、根は優しい彼女を殺す事はできない、かと言って、核ミサイルも止めないといけない。
 何とか説得できないものか、エレメティオーラとヴァルスティアは元々Dr.バイオが開発した機体、なので通信回線も同規格のはずだ。
 僕は通信回線を開いた。

「No.31! もうやめてくれ! あのミサイルが地球に落下したらおしまいなんだ! 多くの人が死ぬんだよ!?」
「ひと……しぬ……ばいお……それをのぞんでる……」
「バイオは望んでるよ、けど、君はどうなの!?」
「わたし……ひとしぬ……きらい……でも……ばいおが……それをのぞんでる……」
「君がそれを嫌いなら、無理してやらなくていいんだ!」
「No.31! 優しい心を思い出して!!」
「なんばーにひゃくななじゅういち……うらぎりもの……まっさつする……」

 何を言っても通じない、ミサイルが落下危険地域に達するまではまだ時間がある。
 でも、このまま彼女を放っておいたら妨害される、そろそろ覚悟を決める時が来たと感じた。

「……ツヴァイ……僕……彼女を殺したくない……」
「大丈夫よ、奏斗、今まで私達が殺してきた戦闘人間と同じだと思えばいいから……」
「ツヴァイ……」

 その時、No.31の方から僕に通信が送られてきた。

「つう゛ぁい……? つう゛ぁいって……何……?」

 僕とツヴァイはその言葉に驚いた。
 彼女は恐らく、僕とツヴァイの通信回線で僕が付けたツヴァイと言う名前に興味を持ったのだろう。

「ツヴァイって言うのはね、No.271の名前、僕が付けたの」
「な……まえ……?」
「うん、もし良かったら、君にも付けてあげようか?」
「おね……がい……」

 僕は考えた、彼女に良さそうな、似合いそうな素敵な名前を。
 31……3と1の頭文字を取って、その後に響きの綺麗な文字を入れて……。

「サイリー……はどうかな……?」
「さい……りー……? いいなまえ……わたし……さいりー……」

 すると、ヴァルスティアは攻撃を止め、Dr.バイオの宇宙ステーションの方へと向かって行った。

「No.31! 何をしている! 奴らを殺せ!!」
「わたしは……私の名前は……No.31じゃない! サイリーって言う素敵な名前がある!」

(サイリー、まさか、自我を取り戻したの……?)
(これって奇跡じゃ……)

「馬鹿な……! お前達戦闘人間はわしの世界征服の道具だ! 道具が主に逆らうのか!!」
「違う! 私達は、道具なんかじゃない! 一人一人が命を持った、立派な命よ!!」

 そう言ってヴァルスティアはエネルギーバスターを放ち、宇宙ステーションを攻撃した。

「うおおおっ!!」
「エレメティオーラのパイロットさん! 早くミサイルを!」
「分かった!!」

 僕は核ミサイルの正面に立つと、両掌から反重力フィールドを発生させ、核ミサイルを宇宙ステーションの方に押し返した。

「馬鹿な……わしの……わしの野望が……」

 直後、宇宙ステーションに核ミサイルが衝突し、宇宙ステーションは大爆発。
 Dr.バイオは宇宙の塵となって消え、こうしてDr.バイオの反乱は終わった。

「終わったんだね、ツヴァイ」
「ええ、サイリーも、ありがとう」
「はい、ご迷惑をおかけしました、でも、エレメティオーラのパイロットの方に付けて頂いた素敵な名前のお陰で何とか正気を取り戻せました」
「気に入ってくれたなら嬉しいよ、ありがとう、でも、何でサイリーは正気を取り戻せたのかな?」
「多分だけど、戦闘人間はみんな名前に飢えていたのよ、No.なんとかって感じの無機質な名前が嫌で、みんなどこかで名前を欲しがってたんだわ、だから、サイリーは素敵な名前を貰えて嬉しくて、そのショックで我に返った、とかじゃない?」
「なるほど……それって、とっても素敵だね」

 その後、僕達はサイリーと共に地球に帰還した。
 地球に帰ると、栞奈少尉と愛梨少尉が僕達を歓迎してくれて、サイリーも仲間として受け入れてくれた。
 その後、僕達五人は世界を救った英雄として、何か凄い勲章を貰って、エレメティオーラとヴァルスティアは軍に引き取られたんだ。
 オートマシンは今の僕達には必要のない物だけど、またどこかで争いが起きたら、僕達は再び乗り込むかもしれない。
 そして、あっという間に一週間が過ぎた。

「ツヴァイ、学校遅れるよ、サイリーも早く起きて」
「ごめんなさい、奏斗、私まだこの制服って言う服の着方が分からなくて……ボタンの留め方とか……」
「分かった、手伝うから……サイリー起きて!」
「う~ん……むにゃむにゃ……あと五分……」
「ありがとう、奏斗、先ご飯食べてますね」
「分かった、僕はサイリーを起こしてくるね」

 その時、インターホンが鳴った。

「あーもう、こんな時に何……?」

 ドアを開けると、栞奈少尉と愛梨少尉がいたが、何故か僕と同じ学校の制服を着ていた。

「よっ、奏斗~」
「おはようございます……私の制服姿、可愛いでしょ……? 惚れちゃっても、写真撮ってもいいですよ……? 但し、お金はきっちり貰う主義……」
「馬鹿! 変な事言うな!」
「……二人共、何で制服なんですか……?」
「いや、実はあの後エレメティオーラとヴァルスティアに興味本位で乗ってみたらあまりのスペックの高さに上手く操縦できなくってさ、施設ぶっ壊しちゃって、しばらく仕事に来るなって言われてさ……で、奏斗のいる学校にでも通うかってなって今に至る訳」
「私と栞奈なら動かせると思ったんだけど……やっぱり私達には動かせなかったみたい……これって何だろう……主人公補正……? 普通にムカつく……」
「色々大変だったんですね……」

 その後、サイリーが起きてきて、栞奈少尉と愛梨少尉が来てせっかくだからと五人で朝食を取って学校に通った。

「学校って、どんなところなんでしょう……」
「一日中勉強させられる恐ろしい施設……引きこもりには辛い施設……つまり牢獄と同じ……」
「馬鹿! サイリーに変な事吹き込むな!」
「奏斗、平和になったこの世界で、これからもよろしくね」
「勿論! こちらこそよろしく!」

 僕達はこれからも大変な出来事に遭うとは思う。
 それでも、みんなが居ればどんな困難だって乗り越えられる気がする。
 だって僕は、この戦いを乗り越えられたのだから。
 どんな困難が立ち塞がっても、絶対に乗り越えてみせる。

【オートマシンリスト】

・エレメティア
全てが謎のオートマシン。凄まじい力を持つ。全ての性能が現行のオートマシンのスペックを上回っている。火力も申し分ないが、操縦は限られたものしかできない。
型式番号:不明/全高:17.1m/重量:32.6t/装甲材質:不明/武装:レーザーシューター、レーザーセイバー、レーザーシールド、プラズマバルカン、レーザーブラスター/主なパイロット:天川奏斗、ツヴァイ

・エレスティア
エレメティアの支援戦闘機。火力もスピードも統合軍のブラスターを遥かに上回っている。
型式番号:不明/全長:10m/重量:8.5t/装甲材質:不明/武装:レーザーシューター、マイクロミサイル、レーザーバスター/マッハ:10.0/主なパイロット:ツヴァイ

・エレメティオーラ
エレメティアとエレスティアの合体した姿。出力がアップしており、全ての性能が向上している。
型式番号:不明/全高:17.3m/重量:41.1t/装甲材質:不明/武装:レーザーシューター、レーザーセイバー、レーザーシールド、プラズマバルカン、レーザーブラスター、マイクロミサイル、レーザーバスター/主なパイロット:天川奏斗、ツヴァイ、皇栞奈

・バーテル
地球統合軍の量産型オートマシン。滅多に事件などが起こらない現在ではオートマシンはほぼ使われず、本機も旧式化している。
型式番号:TOM-012/全高:12.8m/重量:22.9t/装甲材質:ネオスチール合金/武装:レーザーガン、ブレード/主なパイロット:統合軍兵士

・バーテルアサルト
バーテルのカスタム機。新型ブースターを装備し、機動力を上げている。
型式番号:TOM-012C1/全高:12.8m/重量:19.9t/装甲材質:ネオスチール合金/武装:レーザーカノン、エネルギーブレード、バルカン砲、ミサイルポッド/主なパイロット:皇栞奈

・バーテルバスター
バーテルのスタイパーカスタム機。
型式番号:TOM-012C2/全高:12.8m/重量:28.9t/装甲材質:ネオスチール合金/武装:レーザーガン、レーザースナイパーシューター、ビームナイフ/主なパイロット:猫崎愛梨

・ヴァルガー
所属不明のオートマシン。統合軍のオートマシン、バーテルの実に15機分もの性能を誇る。武装も最新の物を採用している。
型式番号:NOM-002/全高:13.7m/重量:31.3t/装甲材質:不明/武装:エネルギーシューター、エネルギーブレード/主なパイロット:戦闘人間

・ヴァルタンク
ヴァルガーのカスタム機。下半身がキャタピラになっており、追加装甲や電磁バリアを搭載し、鉄壁の守りを誇るほか、火力も高い。
型式番号:NOM-003/全高:11.8m/重量:100.1t/装甲材質:不明/武装:ツインキャノン、ダブルアームキャノン、ミサイルランチャー、ハイパーミサイル/主なパイロット:戦闘人間

・ヴァルキャノン
ヴァルガーのカスタム機。ウイングを取り外し、ハイパーキャノンを取り付けた地上用機。
型式番号:NOM-004/全高:13.7m/重量:32.4t/装甲材質:不明/武装:エネルギーカノン、エネルギーブレード、ハイパーキャノン/主なパイロット:戦闘人間

・ヴァルスティア
ツヴァイによって設計図が失われたエレメティアを、ヴァルガーをベースにカスタムしたもの。性能はエレメティアに匹敵する。
型式番号:NOM-005/全高:18.3m/重量:61.2t/装甲材質:不明/武装:エネルギーバスター、エネルギーブレード、エネルギーバリア、エネルギーブラスター/主なパイロット:サイリー、猫崎愛梨