クロストライアル小説投稿ブログ

pixiv等で連載していた小説を投稿します、ここだけの新作も読めるかも?

フリーダムバトル スペシャルエディションIV「終わりへと向かう争い」

突如太平洋上に出現したインペリアルフォートレス、イフィニアドの本拠地であるこの要塞を攻略する事が戦争終結の一番の近道であり、クロストライアルは総力を挙げてこの要塞を攻略する事にした。しかし、インペリアルフォートレスからは多数の戦艦が出撃し、地球全土に攻撃を仕掛け始めた。地球統合軍はその戦艦に対し総攻撃を仕掛けたが、圧倒的物量に苦戦する一方であった。

バスター「おいおい、これってかなりヤバいんじゃねーの?」
デュエル「弱音を吐くな! ここで俺達がイフィニアドに屈したら全て終わりだぞ!」
ハイネ「そりゃそうだけどよ、いくら何でもこの数はヤバいぜ!」

その時、イフィニアドの戦艦から何かが数十体出撃した。出撃したのはかつて地球に出現したガイガンに酷似した怪獣で、赤色の体色をしたガイガンガイガンレクスをリーダーとし、複数体の緑色のガイガンガイガンミレースがレクスの周りを囲んでいた。このガイガン部隊はデュエル達を攻撃し、苦戦させた。

デュエル「くっ! 何だあのガイガンはァ!!」
ミハイル「強さと速さを兼ね備えている…さしずめガイガンの強化版と言った所か?」
デュエル「そんな事はどうでもよい! 奴を倒さないと人々が…!!」

その時、どこからともなく飛んできた光線が数体のガイガンミレースを貫き、爆散させた。その光線を発射した主こそ、かつて地球を守ったウルトラ戦士達である。

パワード「地球統合軍の皆さん、大丈夫ですか?」
バスター「グゥレイト! ナイスタイミングだぜ!」
グレート「え? 俺がどうかしたか?」
ハイネ「おいバスター、お前のせいでこのウルトラマンが困ってるじゃないか」
バスター「す…すまねえ…」
パワード「俺達はウルトラの父の要請でここの救援に来た」
デュエル「ここの救援? なら、他の地域にも…」
グレート「ああ、ウルトラチームの3人を派遣したり、マックスやゼノンを派遣したりしているよ」
ハイネ「ウルトラ戦士達が力を貸してくれれば、ある程度の形勢は立て直せるな…」
ミハイル「この地球…まだまだ終わらないようだ…」

一方、インペリアルフォートレス周辺に降下してきたクロストライアル艦隊は、ウルトラ戦士やMS族と言った空を飛ぶことができる種族を出撃させ、インペリアルフォートレスを防衛する戦艦やガイガン部隊などを迎撃していた。イフィニアドが新たに開発したガイガンレクスとガイガンミレースはとても強く、歴戦の戦士であるクロストライアルメンバーも苦戦は必須であった。

リブット「何なんだ! このガイガン達は!!」
ウルトラマン「過去に出現した個体より遥かに強化されているな!」
デスティニー「あの緑色の奴が量産型で、赤い奴が指揮官型なのか?」
F91「まるで旧ジオン軍のザクとシャアみたいだな」

ガイガン達はレーザーを放ってを攻撃したり、切れ味鋭い鎌で斬りかかったりしてクロストライアルメンバーを苦戦させた。更に、ガイガンだけでも苦戦は必須であるにも関わらず、イフィニアドは大量に生産していたレギオノイドやキングジョー、インペライザーにガメロットにザムリベンジャーなどのロボット兵器も投入し、クロストライアルメンバーを一歩も近づけさせずにいた。

レオ「くっ! 数が増える一方ではないか!」
ゼロ「こんなの、一体どうすりゃいいんだよ!!」
???「諦めるな!!」
レオ「その声は…!!」
ゼロ「親父…!!」

そこに現れたのは、ウルトラマンゼロの父親であり、そのゼロの師匠であるウルトラマンレオの師匠、ウルトラセブンであった。セブンは怪獣墓場での激闘の後、力不足を痛感し、戦線離脱して長らく修行を続けていた。そのセブンが今、颯爽と姿を現したのである。

セブン「ここで諦めたら、地球に住む人々はどうなる!?」
ゼロ「俺達だってこいつらをさっさと片付けたい、だが、これだけの数を相手にするのは…!!」
セブン「無理か? それは無理だと思うから無理なのだ! ゼロ、私をよく見ていろ!!」

そう言って、セブンは体に力を溜め始めた。すると、セブンの体が眩く輝き、セブンの肉体を作り変え始めた。光が収まった瞬間、セブンの肉体は筋肉質になり、以前のセブンとは全く違う印象を見せていた。目つきも鋭くなっており、見方によっては悪人面とも思えた。だが、それでもなおセブンらしさは失っていなかった。

メビウス「セブン兄さんの見た目が…!!」
レオ「変わった…!?」
ゼロ「親父…その姿は…!!」
セブン「私が修行の果てに会得した新たな姿だ、さしずめセブンXと言った所か?」
ゼロ「セブンX…!!」

すると、イフィニアドの機動兵器は危険を察知したのか、セブンXに集中攻撃を仕掛け始めた。

セブンX「ゼロ! レオ! そして他の仲間達よ! 私が突破口を開く! そこを一気に突入するんだ!!」

そう言ってセブンXは頭に装着した宇宙ブーメランのアイスラッガーを飛ばした。アイスラッガーはイフィニアドの機動兵器を貫き、次々と破壊した。そして、アイスラッガーが戻ってくると今度はワイドショットとエメリウム光線を放ち、イフィニアドの機動兵器を次から次へと爆散させた。

トリガー「凄い…! あれが進化したセブンさん…!!」
ティガ「今がチャンスだ! インペリアルフォートレスに突入するぞ!!」

その時、インペリアルフォートレスから1人のウルトラ族が出撃し、クロストライアルメンバーに電撃を放ってきた。そのウルトラ族はウルトラマンベリアル、クロストライアルメンバーと決着を付ける為、出撃したのである。ベリアルの放った電撃はウルトラマンとジャックのウルトラバリヤーで防いだが、ベリアルは余裕の表情であった。

ベリアル「フン、防いだか、そう来なくては面白くない!!」
ゼロ「ベリアル! てめえとはここで決着を付けてやる!!」
ベリアル「ほざけ! こっちには奥の手と言う物があるんだよ!!」
イーヴィルティガ「奥の手だと?」
トリガーダーク「奥の手と言う物が何かは知らないけど、1人だけでやって来て何する気なのかね…」

すると、ベリアルはギガバトルナイザーから新たに調達した怪獣をモンスロードした。だが、100体の怪獣軍団は今のクロストライアルメンバーにとって脅威でない事は、怪獣墓場の戦いで既に分かり切っている事である。その時、ベリアルはギガバトルナイザーを捨て、100体の怪獣と合体を始めた。その合体は融合と言う物ではなく、100体の怪獣を無理やり一つの巨大な怪獣にすると言う物であった。

レイモン「怪獣達が…無理やり合体させられている…!?」
AGE-FX「あのベリアルって言うウルトラマン、自分の仲間を…!!」

100体の怪獣は悪魔の様な怪獣に合体し、ベリアルはその怪獣の頭部に合体をしていた。この怪獣の名は百体怪獣ベリュドラ、文字通り、100体の怪獣が合体した究極の合体怪獣である。

ベリアル「俺には絶対に勝てない! これで貴様らも終わりだ! クロストライアル!!」
ゼロ「残念だが、俺達はここでやられる訳にはいかないんでな! さっさとお前を倒して先に進ませてもらうぜ!!」

そう言ってウルトラマンゼロは師匠であるレオや、レオの弟であるアストラと共に同時キックを放ったが、ベリュドラに叩かれ、吹き飛ばされてしまった。続けて、ウルトラマンスペシウム光線を、セブンXはワイドショットを、ジャックはシネラマショットを、エースはメタリウム光線を放とうとしたが、放つ前にベリュドラの放った光線を食らい、吹き飛ばされてしまった。

サイバスター「何でもありかこいつ!!」
ビルバイン「だが、奴に移動力はないと見た! 俺達のスピードで撹乱しつつ攻撃するんだ!!」
F91「分かった!!」

F91達は自慢のスピードでベリュドラの攻撃をかわしつつ、攻撃を仕掛ける作戦に出たが、ベリュドラはそれに対応可能な技を持っていた。

ベリアル「馬鹿め! そんな事をしても無駄だ!!」

ベリュドラは、全身から無数の光線を放った。この技はベリュドラインフェルノと言い、数えきれないほどの光線を放ち、なおかつ高い破壊力を持つとんでもない技であり、移動力が皆無のベリュドラが移動せずとも敵を倒せる理由である。当然、スピードに自信のあるMS族やオーラバトラーもこれはかわせず、直撃を食らって大ダメージを受けてしまった。

Gセイバー「うわあああっ!!」
ダンバイン「きゃあああっ!!」
レイモン「くっ…! うあぁっ!!」

リトラに乗って戦闘に参加していたレイモンは、先ほどの攻撃で翼を怪我したリトラをネオバトルナイザーに戻し、自身はインペリアルフォートレスの甲板に着地した。その近くにはベリュドラの巨体が存在し、見上げても頂点が見えない程巨大であった。仲間達はこれほど巨大な相手と戦っているのかとレイモンは感じた。レイモンがふと辺りを見回した時、近くにベリアルが投げ捨てたギガバトルナイザーがあった。そして、レイモンはある事を考えた。同じバトルナイザーなら、自分のネオバトルナイザーを介してギガバトルナイザーで合体している怪獣に干渉する事ができるかもしれないと。レイモンは仲間を助ける為、その作戦に出た。

レイモン「100の怪獣よ…俺の声を聞け!!」

レイモンの作戦通り、自身のネオバトルナイザーを通してギガバトルナイザーから合体している怪獣達へ自分の意思を伝える作戦は成功し、ベリュドラに合体している怪獣達は抵抗を始めた。この為、ベリュドラはまともな戦いをする事はできず、隙だらけとなった。

ベリアル「貴様…! 何をしている…! やめろぉぉぉっ!!」
レイモン「今なら奴を倒せる!!」
ヒカリ「よし! みんな、行くぞ!!」

ゼロ以外のウルトラ戦士達は同時に光線技を放った。そして、MS族は全員のビーム兵器を一斉射、ビルバインダンバインはオーラショットを、サイバスターはハイファミリアで攻撃を仕掛けた。

ドラゴニュート「俺も、あの力を使う!!」

ドラゴニュート黒龍形態へ変化し、口にエネルギーを溜め、ライトニングバーストを放った。

ゼロ「ベリアル! てめえはここで終わりだ!!」

ゼロは頭のゼロスラッガーを合体させ、ゼロツインソードにし、ベリュドラの頭部に合体しているベリアルの下へ行き、ベリアルを一回斬りつけた。だが、まだベリアルは諦めていない様子であった。

ベリアル「まだ終わらんぞ! この宇宙を手に入れるのだ!!」
ゼロ「その野望…俺とクロストライアルの仲間達が叩き潰す!!」

ゼロはトドメのプラズマスパークスラッシュを放った。この攻撃が決定打となり、ベリュドラは少しずつ崩壊、ベリアルはベリュドラの中へ吸い込まれて行った。

ベリアル「俺は…不死身だァァァァァッ!!!」

直後、ベリュドラは大爆発を起こし、倒された。これによってイフィニアドの四天王であるウルトラマンベリアルは倒され、戦局はクロストライアルが少し有利に傾いたのであった。

ネオス「これがベリアルの最後か…」
セブン21「ああ、これで我々ウルトラ戦士達とベリアルの因縁は終わったんだ…」
ゼロ「ありがとな、レイモン、あいつに勝てたのはお前のおかげだ」
レイモン「いや、トドメを刺したのはみんなの方だから」
ゼロ(だが何だ、奴を倒してもなお残るこの胸騒ぎは…まるで奴がまだ死んでないみたいじゃないか…)

その時、クロストライアルの旗艦であるセイバークルーザーに緊急通信が送られてきた。緊急通信の内容を確認した艦長の蒼乃は顔が真っ青になり、慌ててその内容を全員に伝えたのであった。

蒼乃「みんな! 大変よ!!」
ドラゴニュート「何だよ、姉ちゃん」
蒼乃「ヴェイガンの本拠地であるセカンドムーンが、この地球圏に出現したそうよ!!」
AGE-1「何だと!?」
AGE-2(レギルス…お前は遂に…)
AGE-FX「イフィニアドだけじゃなく、ヴェイガンとも決着を付ける時が来るなんて…!」

突如地球圏に現れたセカンドムーンに対し、クロストライアルは部隊を二つに分け、迎撃へと向かった。ディーヴァを旗艦としたヴェイガン迎撃部隊は、ミネルバJr.とアークエンジェル、スペースアークの合計4隻を編成し、乗組員は宇宙でも活動可能なMS族とウルトラ族、オーラバトラーサイバスターを乗艦させ、ワープ機能で宇宙へとワープした。その一方で、地上に残ったウルトラ戦士とその関係者もいた。トリガーとトリガーダーはナースデッセイ号と共に地上に、そしてその2人と仲の良いティガとイーヴィルティガ、ガーディー、セイバークルーザー隊の隊員であるネクサスとレイモン合計6名と怪獣1匹は、地上での戦いに引き続き参加する為、地上に残っている。地上部隊はインペリアルフォートレスを攻略し、イフィニアドとの決着を付け、ヴェイガン迎撃部隊はヴェイガンとの決着を付ける。今、宇宙と地上で二つの戦いの決着が付こうとしているのである。地上部隊を残し、宇宙へ上がったヴェイガン迎撃部隊は、地球を防衛する為、ヴェイガンが送り込んできた先遣隊と対峙した。その先遣隊の中には、かつての大戦でガンダム族が倒した存在が混ざっていた。

F91ラフレシア…! 何故生きている…!」
ストライクフリーダムプロヴィデンスガンダム…! 何故あなたが…!」

ラフレシアはコスモ・バビロニア軍の指導者であり、名前の通りラフレシアと言う花によく似た見た目をしている。テンタクラーロッドと言う125本もの触手や無数に装備したビーム砲、更にIフィールドまで装備されており、高い火力と防御力を有している。ラフレシアの最後は、前大戦でF91との激戦の末に敗北し戦死。これにより、コスモ・バビロニア軍は事実上崩壊したのである。

プロヴィデンスガンダムザフトガンダム族の中でも高い戦闘力を有しているガンダム族であり、かつてのザフト軍との大戦末期に出撃、フリーダムガンダムとの激戦の末に敗れ去った。ドラグーンを使った遠隔攻撃を得意としており、この攻撃で地球統合軍の兵士に多大な犠牲を出したとされている。また、レジェンドガンダムプロヴィデンスと同じ遺伝子から生まれた存在である。

この2体を取り巻いていたのは、コスモ・バビロニア軍やザフト軍のMS族であったが、その数はかなりの数であり、いくらイフィニアドに一部の残党が吸収されたと言えど、これほどまでの数のMS族がヴェイガン側に寝返ったとは考えられない。それに対し、かつて怪獣墓場で戦った事のあるウルトラ戦士達はある事を思い出した。シャドームーンが使ったマイクロカプセルから出てきた強豪怪獣たちの事である。

メビウス「兄さん、このMS族たちはまさか…」
ウルトラマン「ああ、恐らくあの時の怪獣達と同じく、クローンなのだろう」
オブライト「なるほど、イフィニアドにとってはMS族のクローンを生み出す事は造作もない事のようだな」
セリック「だが、そのクローン技術も完璧ではないようだ、あのMS族達の様子を見てみろ」

MS族のクローンの目にはまるで生気がなく、まるで機械仕掛けのロボットのようであった。その様子は無理やり生き返らせられたゾンビのようにも見え、見れば見る程不気味さが漂った。

ビギナ・ギナ「この様子…特に感情などは与えられてないようですね」
レジェンド「なら、こいつはもうプロヴィデンスではない!」
Gセイバー「それに感情がないならロボット同然だ、楽にしてやった方がこいつらの為にもなるだろう」

コスモ・バビロニア軍のMS族とザフト軍のMS族のクローンは、一斉にディーヴァ隊に攻撃を仕掛けてきた。それに対し、ディーヴァ隊は戦闘態勢を取り、応戦した。MS族は主にビームライフルビームサーベルで敵のMS族を各個撃破、ウルトラ戦士達は得意の光線技で次々と撃破し、オーラバトラーはオーラソードで、サイバスターはディスカッターで敵を斬りつけ、撃破した。敵のMS族の数の多さに少し苦戦はしたものの、コスモ・バビロニア軍とザフト軍のMS族のクローンは数が多いだけで全く統率が取れておらず、激戦をくぐり抜けてきたディーヴァ隊を始めとするクロストライアルの戦士達を前にあっさり倒されてしまった。そして、残すはラフレシアプロヴィデンスガンダムのクローンのみとなった。

まず手始めにラフレシアに対しビームライフルやウルトラ戦士の光線を放ったものの、ラフレシアにはIフィールドがある為、あっさり弾かれてしまい、続けてラフレシアは125本もある触手、テンタクラーロッドで攻撃を仕掛けてきた。ラフレシアはかつて地球統合軍の1個艦隊をたった1人で壊滅させた事があり、いくらクローンといえど、その戦闘力は圧倒的である。

一方のプロヴィデンスガンダムはドラグーンを飛ばし、遠隔ビーム攻撃を放っていた。このドラグーンはビーム砲を9門内蔵する大型の物が3基、2門内蔵する小型の物が8基と、計43門ものビーム砲が内蔵されており、これをかわすのは至難の業である。更に、遠隔攻撃のみではなく、ビームライフルでも攻撃を仕掛けてきたほか、シールドにビームサーベルとビーム砲が内蔵された複合兵装防盾システムを使っての攻撃など、様々な攻撃でディーヴァ隊の面々を苦戦させていた。

テンタクラーロッドとドラグーンの物量を活かした同時攻撃はとにかく回避しづらく、スピードに自身のあるMS族やオーラバトラーサイバスターですら回避できずにかすってしまい、耐久力が高めのウルトラ戦士ですらこの物量を前にはかなりのダメージを受けてしまっていた。このままでは全滅すると悟ったディーヴァ隊の面々は、一旦後方に下がり、作戦を立てる事にした。

デスティニー「くっ! 強い!!」
F91「このラフレシアのクローン…以前戦った時は僕1人で相手できたのに…何故ここまで強いんだ…」
ストライクフリーダム「多分、クローンとして生み出される際に1人で複数人を相手できるように調整されているんだと思う」
レジェンド「確かに、イフィニアドの技術ならそれは可能でしょう」
サイバスター「けどよ、この状況、一体どうするんだよ」
ビルバイン「このままじゃ俺達全員が全滅してしまうぞ」

F91「…あの時と同じ様に、質量を持った残像を出すしかない」
ダンバイン「質量を持った残像?」
F91「ああ、あの時の戦いで僕は質量を持った残像を出す事でラフレシアを混乱させて自滅させたんだ」
ビルバイン「同じ手が二度も通用するとは思えないな、調整されていたらどうするつもりだ」
F91「大丈夫さ、みんながいれば」
サイバスター「よし! その作戦、乗った!」
ビルバイン「仕方がないな、俺も手伝うよ」

ストライクフリーダム「後はプロヴィデンスガンダムだけど…」
インフィニットジャスティス「何、今の俺達なら奴は敵じゃない、そうだろ?」
デスティニー「そうですね、いくら強いガンダム族って言ったって、俺達は進化を続けているんだ!」
レジェンド「その戦い、俺にも手伝わせてください」
AGE-FX「ドラグーンを相手するのに、僕のCファンネルもきっと役立つと思います!」

そう話していると、ラフレシアプロヴィデンスガンダムが向かって来た為、F91達とストライクフリーダム達は戦闘態勢を取った。ラフレシアがテンタクラーロッドを伸ばしてきた瞬間、F91は力を開放、質量を持った残像を発生させながら高速戦闘を行い、テンタクラーロッドをビームサーベルで斬り落としつつ、ラフレシアに接近、仲間のビギナ・ギナとビルギット、ビルバインダンバインサイバスター達はF91の援護に徹した。そして、ラフレシアに接近したF91ビームサーベルを最大出力にし、ラフレシアの胴体の中心にある緑色のコアに突き刺した。コアを貫かれたラフレシアは大爆発を起こし、再びF91に倒されてしまった。

F91「これでゲームオーバーだな、ラフレシア

一方、プロヴィデンスガンダムと交戦中のストライクフリーダム達は、プロヴィデンスのドラグーンに対し、ストライクフリーダムのドラグーンや、レジェンドガンダムのドラグーン、AGE-FXのCファンネルで対抗していた。3体のガンダム族の同時遠隔攻撃により、プロヴィデンスのドラグーンは全基破壊され、プロヴィデンスビームライフルや複合兵装防盾システムで応戦した。

ストライクフリーダム「行こう、ジャスティス!」
インフィニットジャスティス「ああ!」

ストライクフリーダムインフィニットジャスティスは同時にプロヴィデンスに攻撃を仕掛けた。まず、ストライクフリーダムビームライフルで攻撃し、複合兵装防盾システムを破壊、続けてインフィニットジャスティスビームサーベルビームライフルを破壊、間髪入れずにストライクフリーダムが左右腰部に装備した電磁レール砲、クスィフィアスを零距離で放って攻撃した後、ビームサーベルでプロディデンスを斬りつけ、直後にインフィニットジャスティスビームライフルで攻撃し、トドメにストライクフリーダムが腹部からカリドゥス複相ビーム砲、インフィニットジャスティスが胴部上面に2基装備したハイパーフォルティスでプロディデンスを挟み込むように攻撃、これを食らったプロディデンスガンダムは大爆発を起こし、倒された。

ストライクフリーダム「あなたが何回蘇ろうと、僕達は負けない」
インフィニットジャスティス「俺達は未来に向かって歩んでいるんだ」

こうして、クローンとして復活したラフレシアプロヴィデンスガンダムを倒したディーヴァ隊だったが、ヴェイガンはこの時を待っていたと言わんばかりに本隊を送り込んできた。部隊の中にはヴェイガンのMS族だけでなく、先ほどと同じ様にコスモ・バビロニア軍やザフト軍のMS族のクローンもいた。ヴェイガンの部隊の数は圧倒的であり、その戦力差は10対3程であった。つまり、ディーヴァ隊は自分達よりも倍以上の数の相手と戦わないといけないのである。圧倒的な戦力差に気圧されそうになるディーヴァ隊の面々であったが、地上で戦っている仲間達や、守るべき人々の事を考えると、ここで立ち止まる訳にはいかなかった。

ウイングゼロ「敵の数は圧倒的だが、まだ負けると決まった訳ではない」
Gセイバー「ああ、必ず勝って帰ろうじゃないか、みんなのいる場所へ!」
F91「そうだな、この戦い、負けられない!」
デスティニー「やるしかないってんなら、やってやるさ!」
AGE-FX「絶対に、みんなで生きて帰りましょう!」

最終決戦を前に、ディーヴァ隊の面々は決意を新たにした。一方の地上部隊はウルトラマンベリアルを倒し、インペリアルフォートレスに侵入した。地上部隊が侵入した場所は戦艦の発進口であり、そこから一気に侵入したのである。インペリアルフォートレス内は通路が続いていたが、しばらく歩くと大きな広間にたどり着いた。そこでは、意外な人物がクロストライアルメンバーを待っていた。

???「久しぶりだね、クロストライアルの諸君」
アイラ「その声は…悠人様ですか…!?」

その声の主は確かに悠人であった、だが、その姿はもはや人の姿ではなかった。体中から黒いヘドロの様な物が溢れ出ては地面に滴り落ち、体の至る所からミミズの様な長く黒い触手が生えていた。人の様な何かになった悠人は、クロストライアルメンバーの方を向くと、こうなった経緯を説明した。

悠人「僕は邪神と契約していてね、2回までは死んでも復活できたんだ、だが、君達のせいでそのストックを失ってしまった…だから、僕の体は邪神化してしまったのさ」
ドラゴニュート「そんな体になってまで俺達の前に立ち塞がって…お前はそれで満足なのかよ!!」
悠人「ああ、満足さ! 僕の家族を、姉さんを奪ったこの世界を破壊出来るなら、僕はどうなっても構わない!!」
ドラゴニュート「てめえは狂ってる! 狂ってるよ!!」
悠人「何とでも言えばいいさ! さて、君達にはまず、こいつと戦ってもらおうかな」
龍騎「どうせお前が出してくる奴だから、ろくでもない奴なんだろうな」
悠人「そうでもないよ? 今回は、ゴジラを連れてきた」
MOGERA「何っ!?」
機龍「そんな! ゴジラガメラ達が倒したのに…!!」
スーパーメカゴジラ「また復活したとでも言うのか…!!」
悠人「さて…出でよ! ゴジラ!!」

そう言って悠人は魔方陣を発生させ、そこからゴジラを呼び出した。だが、現れたゴジラはやたら細く、その見た目はイグアナに酷似していた。そのゴジラはまるで、ゴジラの様な何かと言う言葉が似合っていた。

ヘルベロス「…こいつはゴジラなのか…?」
ルクレシア「いや、違うと思うんですが…」
ハルオ「こいつはゴジラではなくジラだ、以前アメリカに出現し、ゴジラと名付けられたが、日本の学者は同類とは認めてはいない、だからジラだ」
悠人「何を馬鹿な事を、こんなに強そうな怪獣、ゴジラに決まっているだろう?」
ハルオ「いや、だからこいつはジラだ、水爆じゃなくマグロを食っているからジラだ」
悠人「違う! この怪獣はゴジラだ! 僕がそう判断した!!」
アルス「君がゴジラを見た事がないだけだろ?」
悠人「うるさい! 行け! ゴジラ!!」

ジラはクロストライアルメンバーに向かって走り出した。その直後、スーパーメカゴジラはジラに対してハイパワーメーサーキャノンを放った。その攻撃を食らったジラは一発で地面に倒れ、爆死した。

悠人「馬鹿な…ゴジラが…」
ハルオ「だから言っただろ、あいつはジラだと」
カイト「やっぱりマグロ食ってるようなのは駄目だな」

肝心のジラがあっさり敗れ去り、落胆するかに思われた悠人だったが、何故か悠人は余裕の表情で、勝ちを確信したかのようであった。

アリア「あんた、あのゴジラモドキが倒された割に、余裕そうじゃない」
悠人「勿論、君達に僕は絶対に倒せないからね」
ティガ「絶対に倒せない?」
龍騎「あー、どうせあいつの負け惜しみだよ、ほっときゃいいって」
悠人「フフフ…負け惜しみかどうか、試してみるかい?」
ドラゴニュート「勿論だ! 俺達は絶対に負けない! 今度こそお前との決着を付けてやる!!」

悠人「さあ、どこからでもかかってきなよ!」
龍騎「あんまり集団で1人を攻撃したくないけどよ、俺達は守らないといけない人がいるんだ!!」
トリガー「だから、今回は全力で行かせてもらうよ!!」

クロストライアルメンバーは一斉に光線技や射撃武器等で悠人を攻撃した。圧倒的な物量を前に、悠人のいる場所の周辺では大爆発が起こる。

アバレンジャー「必殺! スーパーダイノダイナマイト!!」

トドメにとアバレンジャーの4人がそれぞれのダイノウェポンを合体させ、必殺武器のスーパーダイノボンバーを完成、4人のダイノガッツを結集し、必殺スーパーダイノダイナマイトを放った。必殺スーパーダイノダイナマイトのエネルギー弾は悠人に命中し、大爆発を起こした。この技は数多くのトリノイドを葬った技であり、いくら邪神化した悠人といえど、当たればただでは済まないはずだ。だが、爆炎が収まり、悠人の姿が見えた時、クロストライアルメンバーは驚愕した。何と、悠人は無傷の状態で余裕そうに突っ立っているのであった。

レイモン「何っ!?」
ソウル「あれを食らって無傷だと!?」
悠人「ふぅぅ…終わりかい?」
ドラゴニュート「みんな! 下がってろ! ライトブラストォォォッ!!!」

ドラゴニュートは究極の光魔法であるライトブラストを放った。右手から放たれた光のビームは、悠人を包み込んだ後、大爆発を起こした。あのダークシャドウを瀕死に追い込んだライトブラスト、これなら倒せると誰もが思った。だが、悠人にはそのライトブラストですら効いてなかったのである。

悠人「ふぅん…これがライトブラストか…全然大した事ないね」
ドラゴニュート「そんな…! ライトブラストが効かないなんて…!!」
ドレイク「一体どう言うカラクリだ?」
悠人「カラクリ? そんな物ないよ、文字通り、僕にはどんな攻撃も効かないのさ!!」
レオナルド「はぁぁっ!? 何だよそりゃ! そんなのどうやって倒せばいいんだよ!!」
悠人「無理だね、例え君達全員が総攻撃を何時間行っても、僕は倒せないよ」
シャンゼリオン「冗談じゃねえ! そんなの勝てる訳ないじゃねえかよ!!」
悠人「そうだよ、文字通り、僕は絶対に倒せない相手なのさ!!」

ドラゴニュート「絶対に倒せない相手…か…それでも、俺達は絶対にお前を倒さないといけないんだ! 戦えない人達の為に! 例えそれが、倒せない相手であろうと!」
悠人「馬鹿馬鹿しい!絶対に倒せない相手をどうやって倒すって言うんだ!!」
ドラゴニュート「倒す方法は何かあるはずだ! 絶対に何かあるはずなんだ!!」
シオリ「ドラゴニュート、あの黒龍の力を使ってみて」
ドラゴニュート「分かった! やってみるよ!!」

ドラゴニュートは自分に宿った龍の本能を呼び起こし、黒龍の姿へと変化した。そして、ドラゴニュートはライトブラスト5発分の威力を誇る破壊光線、ライトニングバーストを放った。ライトニングバーストの熱量はとても高く、ライトニングバーストを放った先にあるイフィニアドの基地の一部はその熱量を浴び、溶解していた。これを食らえば流石の邪神化悠人もただでは済まないと誰もが思った。だが、あろう事か悠人はこの攻撃を前にしても全くダメージを受けていなかった。

悠人「…終わりかい?」
J「何っ!?」
シオリ「あれを食らって無傷だなんて…!!」
ネクサス「あの攻撃は間違いなく、今ここにいる僕達全員の中で最強の攻撃だ…」
ゴッドリュウケンドー「それが効かないなんて…! 一体どうやってあいつを倒せばいいんだよ!!」
悠人「無駄さ! 僕には、どんな攻撃も効かないんだから!!」
アイラ「どんな攻撃も効かないだけで、不死身ではないんでしょう?」
悠人「何…?」
ギャバン「そうか! 奴にはどんな攻撃も効かない、だが、効かないだけで倒す事はできる!!」
カムイ「でも、問題はどうやって倒すか、ですよね」
悠人「くっ…! 黙って聞いていれば調子に乗りやがって…!! 調子に乗るなぁぁぁッ!!!」

悠人は体中の触手を伸ばし、クロストライアルメンバーを攻撃した。伸びた触手は鞭の様にクロストライアルメンバーを攻撃し、ダメージを与えた。更に、触手は悠人の体から無尽蔵に生えてくる上、攻撃が効かず斬る事も出来ない為、クロストライアルメンバーは苦戦を強いられた。このままでは全滅すると悟ったクロストライアルメンバーは、触手の届かない後方に撤退し、作戦会議をする事にした。その間、触手の相手は黒龍化したドラゴニュートが仲間の壁として相手をする事になった。黒龍化したドラゴニュートは耐久力が高く、悠人の触手もほぼ無力化する事ができるのである。まさに、最強の盾と盾のぶつかり合いなのであった。

トリガーダーク「で、結局あのヘドロの怪物はどうやって倒すよ?」
アルス「あいつにダメージを与える方法さえ分かれば、簡単に倒せそうなんだけどなぁ…」
マリオ「でも、ドラゴニュートくんの最強の攻撃すら効かないんじゃ、ダメージは与えられないよね…」
奏真「何、簡単な話だ、ダメージを与えられないなら、浄化なり封印なりすればいいだけの話だ」
ティガ「そうか! その手があったか!」
ラズ「その作戦、ドラゴニュートにやらせてあげて」
蒼乃「やらせてもいいけど…具体的にどうするの?」
ラズ「簡単な話よ、あの子に魔力や光などの力を与えればいいの、そうすればあの子の真の力が解放されるはずよ、そうよね、シオリ?」
シオリ「ええ、あの子はまだ進化できる、だから、みんなであの子に力を与えてあげて」
流羽「分かった! 任せて!!」
大河「僕も、兄さんの役に立てるよう頑張るよ!!」

そう言ってドラゴニュートの家族を始めとしたクロストライアルの仲間達はドラゴニュートに掌を向け、魔力や光など、様々な力を与えた。力を与えられるたびに黒龍ドラゴニュートの体は少しずつ輝いていき、最終的に眩く輝いた。その光は悠人の触手を灰の様に崩れさすほどの光であり、その光を受けた悠人はダメージこそ受けなかったが、怯んでいた。そして、ドラゴニュートの体から発せられた光が収まった時、黒龍ドラゴニュートの黒い鱗は綺麗な青の鱗に変わっていた。もはやその姿は黒龍ドラゴニュートではなく、青龍ドラゴニュートと言う名前が似合っていた。

アイラ「ドラゴニュートさんの姿が変わった…!?」
ファヴール「綺麗な青…」
イオナ「あれは黒龍ドラゴニュートではなく、青龍ドラゴニュートと言った方が正しいですね」
レイラ「何何!? かっこいいじゃん!!」
カイト「あれなら、邪神化した悠人に対抗できるのか?」
悠人「馬鹿馬鹿しい! 青くなっただけで、僕に勝てると思うな!!」

悠人は右掌から収束させた破壊光線を青龍ドラゴニュート目掛けて一直線に放った。だが、青龍ドラゴニュートには常時光のバリアが貼られており、悠人の破壊光線を吸収、無力化した。悠人は続けて2発、3発と破壊光線を放ったものの、無力化されてしまった。

悠人「くっ! ならこの攻撃はどうだ!?」

悠人は体中の触手を伸ばし、青龍ドラゴニュート目掛けて攻撃を放った。だが、その触手も光のバリアに触れた瞬間、灰になって崩れ去った。悠人の攻撃をことごとく無力化した青龍ドラゴニュートの光のバリアに、悠人は驚愕していた。

悠人「馬鹿な…僕の攻撃が…全て無力化されるなんて…!!」
ドラゴニュート「悠人! お前との因縁も、ここで終わりにしよう!!」

青龍ドラゴニュートは口に光のエネルギーを収束させた。その攻撃態勢は先ほど悠人に放ったライトニングバーストとほぼ同じであった。ライトニングバーストを放ってくると睨んだ悠人は、既に勝利を確信していた。

悠人「その攻撃はさっき僕が無力化した、君も知っているだろう」
ラズ「それはどうかしら?」
悠人「何!?」

光エネルギーを収束させ終えた青龍ドラゴニュートは、口からアルティメットバーストを放った。アルティメットバーストの威力はライトニングバーストより遥かに威力が上がっており、ビームの色も黄色から純白に変わっていた。これだけならライトニングバーストより威力が勝っている程度であるが、アルティメットバーストにはまだ秘密があった。その秘密の一つが浄化能力、人でなくなった者を浄化し、消滅させる能力、これで邪神化悠人を倒そうとしているのである。アルティメットバーストをモロに食らった邪神化悠人は、その体が少しずつ灰になって行くのを感じていた。

悠人「馬鹿な…! 僕にはどんな攻撃も効かないはずだ…!!」
シオリ「黒咲悠人、あなたはドラゴニュートの光で浄化されているのよ」
悠人「何!? ふざけるな…!! 僕は家族や姉さんを奪ったこの世界に復讐する為にこの力を…!!」
ラズ「もうあなたも復讐の為に生きるのは疲れたでしょう…ゆっくり休みなさい、復讐とは無縁の世界で…」
悠人「僕は…この世界に…復讐を…」

直後、悠人の全身は灰となり、崩れ去った。大切な者を失った事で豹変し、邪神化してまで世界に復讐をしようとした一人の人間の復讐劇は、ここで幕を閉じたのである。幾度となくクロストライアルメンバーと交戦し、その度にクロストライアルメンバーを苦戦させた悠人。その悠人の最後を見届けたクロストライアルメンバーは、これで一つの戦いに区切りを付けられたような気がした。ドラゴニュートは青龍の姿から元の姿に戻ると、悠人の灰を見下ろし、一言呟いた。

ドラゴニュート「じゃあな、悠人、今度こそ本当に勝負ありだぜ…」
アイラ「悠人さま…イフィニアド時代は色々とありがとうございました、でも、今の私には大切な人達が沢山います…さようなら…」

そう言ってドラゴニュート達を始めとしたクロストライアルメンバーは悠人の灰のある部屋を後にし、先へと進んだ。全てはイフィニアドとの決着を付け、平和な世界を到来させる為である…。

一方、宇宙に上がったディーヴァ隊を始めとするヴェイガン迎撃部隊は、ヴェイガンの部隊と交戦を開始していた。今まで以上に大勢のヴェイガン兵がいた為、相手をするのにかなり苦戦はしたが、個々の戦闘力はそれほど強くない為、それぞれ各個撃破した。だが、問題は数とは別の所にあった、それは、Xラウンダーのヴェイガン兵が多数いた事である。

ビルバイン「何だ! この黒いヴェイガンのMS族は!!」
ジャック「このMS族…どうやら他のヴェイガンのMSとは違うようだ…」
AGE-1「この感覚…Xラウンダーか!?」
デスティニー「Xラウンダー!? でも、何でこんなに沢山Xラウンダーを揃えられたんだ!?」
AGE-FX「…多分、僕のXラウンダーの力が使われているんです…」
サイバスター「何だって!? 何でまたAGE-FXの力が…!」
AGE-FX「僕がセカンドムーンで出会った人を助ける為、交換条件として仕方なく渡してしまいました…すみません…!」
ストライクフリーダム「大丈夫、AGE-FXのその誰かを助けたいと言う考えは間違ってないよ」
F91「だが、今は目の前に敵がいる、まずはそれの相手が先だ!」
AGE-FX「はい!!」

ディーヴァ隊の面々は、ヴェイガンのXラウンダー兵士である黒いMS族、ジルスベインを相手に奮闘していた。ジルスベインの戦闘力は高く、ディーヴァ隊の面々は苦戦を強いられた。だが、しばらくするとジルスベインの弱点に気が付いた。それは、ジルスベインになった人間が戦闘慣れしてない事、恐らく、学徒兵なのであろう。その事に気が付いたディーヴァ隊の面々は持ち前の技量を活かし、ジルスベインを撃破し始めた。しばらくすると、ヴェイガンの指揮官MSが4体ほど現れた。1体は以前セカンドムーン周辺で戦ったザムドラーグだが、後の3体は初めて見る個体であった。レモンみたいな見た目の体に腕が付いた変わり種のグルドリン、人型で緑色の体色をしたギラーガ改、そして人型でピンク色の体色をしたフォーンファルシアの3体である。すると、AGE-1がフォーンファルシアを見て絶句した様子を見せていた。

AGE-1「わ、忘れるはずが…ない…、あのMS族はユリンの…ヴェイガン! 貴様らはどこまでッ!!」

AGE-1がまだ少年だった頃、ユリン・ルシェルと言う少女と仲良くなった。だが、その少女はヴェイガンに利用され、無理やり戦争に駆り出され、戦闘の中で死亡してしまった。この出来事が、AGE-1がヴェイガンを強く憎むきっかけとなったのである。

フォーンファルシア「レギルス様の為、クロストライアルは全て倒す!!」
ギラーガ改「全てはレギルス様の目的の為!!」
ザムドラーグ「Xラウンダー兵士め、思ったより役に立たんではないか…!!」
グルドリン「クロストライアルめ! 俺の部下の仇だ! 全員潰してやる!!」

ヴェイガンの指揮官は部下のヴェイガン兵と共に一斉にディーヴァ隊の隊員に攻撃を仕掛けた。AGE-FXもそれに対抗する為、応戦の構えを取っていたが、そのAGE-FXに突然攻撃を仕掛けたジルスベインがいた。そのジルスベインはやたら必死にAGE-FXの相手をしており、他のジルスベインは簡単に戦闘不能にできたが、このジルスベインだけは違った。AGE-FXはその戦闘の最中、そのジルスベインにどこか親近感を感じていた。しばらくすると、AGE-FXはそのジルスベインとはセカンドムーンで出会っていた事に気付いた。ヴェイガンの捕虜となった自分達に優しくしてくれた、まだ人間だった頃のディーンである。

AGE-FX「ディーン! ディーンだよね! 僕だよ! 見た目は変わったけど、AGE-3だよ!!」
ディーン「お前…! AGE-3か!?」
AGE-FX「うん! 今はAGE-FXだけど…、それより、どうして君がMS族に…!!」
ディーン「俺は…俺はルウに約束したんだ…! 必ず地球に連れて行ってやるって…! だから…! 例えお前が相手でも、俺は倒す!!」

ジルスベインに進化したディーンはAGE-FXをビームサーベルで斬りつけた。それをAGE-FXはビームサーベルで受け止め、決して反撃しなかった。いくら敵とは言え、大切な友人であるディーンと戦うことが出来ないのである。激戦をくぐり抜けたガンダム族とは言え、AGE-FXはまだ13歳、友人と戦うことを決断するにはあまりに若すぎるのである。ディーンはなおもAGE-FXをビームサーベルやジルスベインガンで攻撃する。その攻撃をAGE-FXはビームサーベルで切り払ったり、Cファンネルで防御したりした。通常攻撃が通用しないと見ると、ディーンは胸部に内蔵された高出力ビーム砲 ビームバスターで攻撃を仕掛けた。AGE-FXはその攻撃を素早くかわし、自身のビームサーベルでディーンのビームサーベルと激しく斬り合った。

AGE-FX「聞いてよディーン、互いが分かり合えれば、戦争なんかしなくても…」
ディーン「それはいつだ!? 今日か!? 明日か!? 1年後か!? 100年後か!?」
AGE-FX「それは…」
ディーン「俺はこのチャンスに…この戦争に勝つことに懸けるしかないんだ!」

ディーンはビームの球体であるジルスベインビットを射出し、AGE-FXを攻撃した。無数のジルスベインビットはAGE-FXを追尾したが、AGE-FXはスタングルライフルで撃ち落とした。ジルスベインビットを無力化されてもなお、襲い来るディーンに対し、AGE-FXは遂に決断した。

AGE-FX「それでも僕はぁぁぁぁぁッ!!」

AGE-FXはCファンネルをディーン目掛けて飛ばし、ジルスベインソードやジルスベインガンと言った武装を破壊した。一通りの武装を奪った後、AGE-FXは自分の伝えたい想いをディーンに対し、伝えた。

AGE-FX「僕は…誰にも死んでほしくないんだ…! みんなに生きていてほしいんだ…僕を嫌っても構わない、僕を憎んでも構わない、それでもディーンに生きていてほしいんだ!」
ディーン「AGE-FX…」

AGE-FXはディーンの前で嗚咽を漏らしながら泣いた。その状態のAGE-FXは無防備であり、攻撃すれば簡単に撃墜する事はできた。だが、AGE-FXの想いを聞いたディーンはAGE-FXの事を攻撃する事はできなかった。

ディーン「AGE-FX…俺さ、俺…地球で一番見晴らしのいいところにルウの墓を作ってやりたいんだ…。周りにはあいつが見たがってた花が一面に咲き誇り、見下ろすと鏡みたいな湖がずっと遠くまで広がってて…。AGE-FXも、時々はルウに会いに来てくれるか?」
AGE-FX「もちろんだよ、ディーン」
ディーン「AGE-FX…」

そんなディーンの事を背後から狙っているMS族がいた、ヴェイガンの指揮官であるザムドラーグである。ザムドラーグはビームクローでディーンを攻撃しようとした。当然、その事をディーンも、AGE-FXも知らずにいた。その時、一筋の閃光がザムドラーグを吹き飛ばし、ダメージを与えた。一筋の閃光を放った者、それは、AGE-FXの友人の一人、ウルトラマンギンガであった。

AGE-FX「ギンガさん!!」
ギンガ「AGE-FX! 気を付けろ! あいつはディーンを狙ってやがったぜ!!」
ディーン「俺の事を…? ヴェイガンの人が…?」

ザムドラーグ「チィ! 邪魔が入ったか!! もう少しで裏切り者共々ガンダムを倒せたものを…!!まあいい、すぐに引導を渡してやる!!」
AGE-FX「どうして…! どうしてディーンを狙ったの…? 味方なのに…!!」
ディーン「どういう事なんです! ザムドラーグさん!!」
ザムドラーグ「裏切り者のMSなどゴミも同然、それを排除しようとしただけだ」
ディーン「そんな…!!」
ギンガ「何て奴だ! 許せねえ!!」
AGE-FX「…許さない…! お前だけは、絶対に許さない!!」

その時、AGE-FXの体の各所にあるファンネルポートから青いビームサーベルが展開され、体が青く輝いた。その姿を見たギンガやディーン、ザムドラーグは何が起こったのか理解できずにいた。

ディーン「な…何だ…!?」
ギンガ「す…凄え…!!」
ザムドラーグ「こんなもの…! ただのこけおどしだ!!」

ザムドラーグは腹部から大出力ビーム砲 ザムドラーグキャノンを放った。ザムドラーグキャノンはAGE-FXに直撃し、爆発した。最大出力で放つとMSを一撃で消滅させるほどの威力があるザムドラーグキャノンだが、直撃したはずのAGE-FXには傷一つ付いていなかった。

ザムドラーグ「馬鹿な…!!」
AGE-FX「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」

AGE-FXは高速で移動し、ザムドラーグの手足を斬り落とした。トドメにビームサーベルで頭部を潰そうとしたその時、AGE-FXの頭の中にザムドラーグの悲鳴が流れ込んだ。AGE-FXの持つ高いXラウンダー能力でザムドラーグの悲鳴を感じ取った時、AGE-FXは我に返り、攻撃を止めていた。

ザムドラーグ「くそっ! 覚えておれ!!」

ザムドラーグは満身創痍の状態で戦闘空域から逃げて行った。一方、AGE-FXは自分が発動させた未知の能力に対し、恐れていた。この力は強すぎる、下手をすれば相手を殺してしまうかもしれない。そう考えると、AGE-FXは恐怖で手が震えた。

ディーン「大丈夫か? AGE-FX」
AGE-FX「うん…大丈夫…」
ギンガ「いや、でも突然戦闘空域から離脱したお前を追ってきて良かったよ、下手をすれば2人共死んでたからな」
AGE-FX「ありがとうございます、ギンガさん」
ディーン「ありがとう、俺がこうして生きているのもあんたのおかげだ」
ギンガ「いや、俺は当然のことをしたまでさ」

一方、別の宙域ではセリックとグルドリンが交戦していた。グルドリンは体の中心についた巨大で強力なビームドリル、ビームスクレイパーを持っており、これを使ってクロストライアルのメンバーを苦しめていた。だが、戦場のホームズとも呼ばれるセリックはビームスクレイパーの弱点に気付いており、セリックがグルドリンの相手をしていた。ビームスクレイパーを発生させ、突進してくるグルドリンの攻撃を闘牛士の如く回避し、グルドリンの上面から攻撃を仕掛けるセリック。セリックはグルドリンに対し、思っていた事を直接述べた。

セリック「お前の武器の攻撃パターンは単純すぎるんだ! パターンさえ覚えてしまえば、どれだけパワーがあろうと怖くはない!!」
グルドリン「調子に乗るなッ!!」

グルドリンはビームスクレイパーを発生させ、撃ち出した。だが、セリックはそのビームを素早く回避し、逆にドッズライフルで反撃した。ドッズライフルのビームはグルドリンに直撃し、大爆発が起こった。

セリック「それを撃ち出してしまえば、後はただの動く的だ!」

ドッズライフルが直撃し、沈黙したグルドリン。セリックは他の宙域に向かう為、グルドリンに背を向けた。その直後、沈黙したかに思えたグルドリンが急に動き出し、セリックの頭部を鷲掴みにした。

セリック「何ッ!?」
グルドリン「ようやく捕まえたぞ…! このまま貴様の頭部を捻り潰してくれる!!」

グルドリンに頭部を鷲掴みにされた事で、頭に激痛が走るセリック。だが、それでもグルドリンにドッズライフルを向け、そのまま連射した。

グルドリン「ぐおぉぉぉぉぉッ!!!」

ドッズライフルの連射攻撃を食らったグルドリンは大爆発を起こし、その爆発にセリックを巻き込んだ。セリックは爆風に巻き込まれ、そのまま吹き飛ばされ、ヴェイガンの戦艦に体をぶつけた。爆風の衝撃と体をぶつけた衝撃で意識が朦朧とするセリック。何とか動こうとするも、体が限界を迎えており、動くことが出来ない。そんなセリックを、ヴェイガンの一般兵であるガフランが狙っていた。

セリック「俺も…ここまでか…AGE-FX…ギンガ…他のみんな…最後まで…生き残ってくれ…」

直後、セリック目掛けてガフランがビームバルカンを連続で放った。そして、セリックは爆発四散し、宇宙にその命を散らした。アビス隊の隊長であるセリックは最後まで勇敢に戦い抜いた。だが、彼の最期を目撃した人物はクロストライアルのメンバーの中には誰もいなかったのであった…。

ディーヴァ隊の面々がヴェイガンと交戦していた頃、地上でもセイバークルーザー隊を中心としたクロストライアルの面々がインペリアルフォートレス内を進んでいた。インペリアルフォートレスはイフィニアドの基地ではあるが、地球の基地と比べ遥かに巨大で、何㎞もあった。クロストライアルのメンバーはその基地を散策しつつ、ただひたすら前に進んでいた。インペリアルフォートレスのルートは元イフィニアドの幹部だった奏真とラズがよく知っており、道案内をしてくれていた。その為、道に迷うことは全くなく、無事に進むことが出来た。道中、イフィニアドの配下である怪人やMS族と交戦した事もあったが、軽く蹴散らし、前に進んだ。そうこうしていると、クロストライアルのメンバー達の前に複数の敵影が現れた。

ドラゴニュート「お前達は…!!」
ルシファー「久しぶりだな、お前達、裏切り者も数名いるようだが…」
奏真「今の俺達は、ドラゴニュートと共にこの世界を平和な世界にする為に戦っている」
ラズ「そう言う事、分かった?」
ルシファー「理解はしている、だが、我々を前にして勝てると思わない事だ」

カイト「ダークシャドウ…!!」
ダークシャドウ「よう、この世界でお前達と会うのもいい加減飽きてきた所だ、そろそろ決着を付けようぜ…」
カイト「言われなくても、分かっているさ!!」

トリガー「カルミラ達…あれから見ないと思っていたら、イフィニアドの配下になっていたのか…!!」
カルミラ「配下だって? 勘違いしないでもらいたいねぇ!」
ヒュドラム「エタニティコアさえあれば、こんな組織敵ではありません」
ダーゴン「だが、今はイフィニアドの配下としてお前達と戦うしかない、そう言う事だ」
トリガーダーク「この世界にエタニティコアがあるかどうかも分からないのに、ご苦労なこった」
トリガー「やはりこの世界でも、お前達と戦うしかないのか…!!」

ドラゴニュート「お前達がどんなに強くても、今の俺達なら絶対に負けない!!」
ルシファー「フ…その心意気はいいが、こっちにも奥の手があるのだよ」
ドラゴニュート「奥の手…?」
ダークドラゴニュート「俺とこいつの事だ、オリジナル」
ダークファヴール「そう言う事です、オリジナルの私」

ドラゴニュート「お前は…! 俺に似ている…!?」
ファヴール「隣にいるのは私…? 私と同型の人工精霊が作られているとは聞いた事がありません」
ルシファー「この者達はダークドラゴニュートとダークファヴール、つまり、君達のクローンだよ」
ドラゴニュート「そうか…! あの時レギルスに渡した俺の力から生み出されたのか…!!」
ダークドラゴニュート「理解が早くて助かるな、つまり、俺はお前らを倒す為に生み出された存在だ」

ファヴール「でも、私の情報はあの時渡してないはずです…一体何故?」
ルシファー「ちょっと私の部下に兵器開発局を襲撃させてね、設計図を貰って来たのさ」
ダークファヴール「で、その設計図を元に生み出されたのが私です」
ファヴール「そんな…! じゃあ、アリスさんは…?」
ダークファヴール「どうなったかは私達も知りません、生きておられると良いですね」
ドラゴニュート「許せねえ! イフィニアド! てめえらだけは許せねえ!!」

ダークドラゴニュート「許せねえ…か…それはこっちの台詞だ、俺とこいつはお前らを殺す為だけに生まれてきた命、いわばただの兵器だ、俺とこいつは、お前達のせいで生まれる事になったんだ!!」
ダークファヴール「許せません…あなた達は私とマスターの手で血祭りに上げなければ、この怒りは収まりません…早く私達に殺されてください」
ドラゴニュート「どうしても戦わないといけないのか!!」
ファヴール「マスター、ここは戦うしかないようです」
ダークドラゴニュート「さあ、始めようか、どちらかが死ぬまで終わらない殺し合いを!!」

ルシファーはシルバーの本体に金のラインと青のラインで装飾された拳銃を取り出した。この銃はリベリオンショットと言い、高い攻撃力を秘めたエネルギー銃である。ルシファーはリベリオンショットでゴッドリュウケンドー、マグナリュウガンオーリュウジンオーを狙い撃った。3人はとっさに防御態勢を取ったものの、その威力は凄まじく、吹っ飛ばされてしまった。だが、幸い軽傷で済んだ為、命に別状はなく、戦闘を継続した。

ゴッドリュウケンドー「あいつの銃、まともに食らえばヤバいな!」
マグナリュウガンオー「だが、警戒するのは奴だけではない、他の奴らも相当強いぞ」
リュウジンオー「全員警戒しろ…そう言う事だな」

一方のトリガー、トリガーダーク、ティガ、イーヴィルティガ、ガーディーの5人は、カルミラ、ダーゴン、ヒュドラムと交戦していた。トリガー、ティガはカルミラと、トリガーダークとイーヴィルティガ、ガーディーはダーゴン、ヒュドラムと交戦しており、激しい戦いを繰り広げていた。カルミラは氷の棍棒であるカルミラバトンを生成し、その中央部を持って回し、トリガーとティガを打ち付けて攻撃していた。

カルミラ「トリガー! そしてトリガーによく似たお前! アンタ達とは、ここで決着を付けてやるよ!!」
トリガー「やめてくれ、カルミラ! この世界に来てまで僕達が争う意味なんてない!!」
ティガ「君達の言うエタニティコアはこの世界にはない! この戦いに意味なんてないんだ!!」
カルミラ「ええい! 黙れぇぇぇッ!!」

カルミラは両腕から赤黒い闇を纏った光線、カルミラフィンガースパークを放ち、トリガーとティガを吹き飛ばした。一方のダーゴン、ヒュドラムもトリガーダーク、イーヴィルティガ、ガーディーを激しく攻め立てていた。

トリガーダーク「ここは俺達のいた世界じゃないってのに、物好きなもんだねえ、あんたらも」
ダーゴン「お前達と決着を付けられるなら、戦場がどこであろうと構わん…!!」
ヒュドラム「それに、この世界にはイフィニアドと言う強力な方々がいます、放っておいてもあなた達は死ぬでしょう」
イーヴィルティガ「それでイフィニアドを利用したつもりか?イフィニアドはお前達が思っているより大きな組織だ、いずれお前達の世界に攻めてくることだって…」
ヒュドラム「問題ありません、その時はエタニティコアの力を利用し、逆に潰すまでです」
イーヴィルティガ「それで済めば俺達も苦労していない!」
トリガーダーク「いいか? イフィニアドと何度も戦った俺達だから分かる、イフィニアドはあんたらが考えてるより遥かに強いぜ!!」
ヒュドラム「それはそうかもしれませんが、今は戦闘中だと言う事をお忘れではないですか?」
ダーゴン「戦場では一瞬の油断が命取り! お前達は油断しすぎたのだ!!」

ダーゴンはイーヴィルティガを連続で殴り、続けて飛び蹴りを放った。そして、振り上げた拳を大地に突き立てて爆煙の衝撃波、ファイアビートクラッシャーを放ち、イーヴィルティガをガーディーもろとも吹き飛ばした。一方のヒュドラムも右腕に装備した短剣、ダガーヒュドラムを構え、高速移動しながらトリガーダークを攻撃した。続けてダガーヒュドラムからヒュドラストと言う真空波をトリガーダーク目掛けて放ち、トリガーダークを吹き飛ばした。

ヒュドラム「トリガー、あなたとの因縁もどうやらここまでのようですね」
ダーゴン「我が好敵手のトリガーよ、この世界で決着を付けるのは惜しいようにも思えるが、仕方ない」
カルミラ「さあ! 他のトリガーもどきと一緒に葬ってあげようじゃないか!」
ティガ「残念だけど、僕達はここで倒れる訳にはいかない…!」
トリガー「僕達は、ここで負ける訳にはいかないんだ!」
イーヴィルティガ「一度は闇に落ちた俺も、今はこうして平和のために戦っている…」
トリガーダーク「この地球はゴクジョーが沢山だ、その地球の平和を脅かすイフィニアドやお前達は許しておけねえな」
ティガ「この星は決して平和ではない、でも、そんな状況でも一生懸命に生きている人達がいる…」
トリガー「だから僕は…僕達は、この地球の人々を…みんなを…笑顔にしたいんだぁぁぁっ!!」

その時、トリガー達古代のウルトラ戦士達の想いに呼応するかの様に空間に黄金の光が発生し、トリガーのカラータイマーに吸収されていった。この黄金の光の正体はトリガーの世界にある超エネルギー、エタニティコアである。エタニティコアは宇宙開闢と同等のエネルギーを秘めるとされる、地球の古代文明の秘密に関わる謎の物体であり、カルミラたち闇の三巨人はこれを狙っている。カルミラ達はエタニティコアの力を利用し、人間たちを消し去って宇宙を闇の一族の世界にしようとしているのである。エタニティコアを吸収したトリガーの体は黄金の輝きを放ち、その姿を新たな姿へと進化させた。新たなトリガーの姿はオレンジに近い体色になっており、手足やプロテクターは黄金のアクセントカラーが施されていた。そして、カラータイマーは以前と違って三つに増えており、まさに奇跡のトリガーと言う言葉が正しかった。その直後、トリガーのカラータイマーからグリッターブレードと言う剣がトリガーの右手に召喚された。グリッターブレードは手甲部に三色の結晶パーツが付いた剣であり、神々しい雰囲気が醸し出されていた。

ティガ「トリガーが…!!」
イーヴィルティガ「進化した…!?」
トリガーダーク「おーおー、何かカッコいいじゃねえか」
カルミラ「何だい! あの姿は!?」
ダーゴン「エタニティコアの反応が感じられる…」
ヒュドラム「まさか…! あの古代のウルトラマン達の想いに、我々の世界にあるエタニティコアが呼応したとでも言うのですか…!? そんな事、ありえない!!」

トリガー「…グリッタートリガーエタニティ…」
ティガ「それが、その形態の名前かい?」
トリガー「はい! この姿になった瞬間に頭の中に思い浮かびました!」
ティガ「よし! じゃあ、一緒に戦おう!!」

トリガーはグリッターブレードの結晶パーツを回転させ、紫に合わせたマルチモードにしてグリッターブレードのトリガーを弾いた。すると、マルチフォトンと言う技が発動し、トリガーの左右にグリッタートリガーエタニティの分身が現れた。トリガーは分身と共にカルミラ、ダーゴン、ヒュドラムを斬りつけた。続けてティガはカルミラにゼペリオン光線を、イーヴィルティガはイーヴィルショットをガーディーの光線と共にダーゴンに、トリガーダークはヒュドラムにダークゼペリオン光線を放った。それらの光線は闇の三巨人にかなりのダメージを与える事に成功した。そして、トリガーは腕をL字に組み、最強技のグリッターゼペリオン光線を放った。トリガーの放った黄金の光線はカルミラ、ダーゴン、ヒュドラムに大打撃を与え、大きく吹っ飛ばした。

ヒュドラム「くっ…! てめえら! 黙っていればいい気になりやがって!!」
ダーゴン「待て! この状況はどう考えても我々が不利だ!!」
カルミラ「ここは一旦形成を立て直すしかないようだねえ!!」
トリガー「カルミラ!!」
カルミラ「トリガー! あたしらは必ず戻って来る、その時を楽しみにしてるよ」

そう言ってカルミラ達は赤黒い闇のオーラを発生させながら空間移動し、ダーゴン、ヒュドラムと共に去って行った。今回は決着が付かなかったが、いつか必ずカルミラ達と決着を付けなくてはならない。そう考えると、トリガー達の戦いはまだ終わってないのである。

トリガー「カルミラのあの言葉…少し気になるな…」
トリガーダーク「なに、どうせいつかは決着を付けないといけない相手だ、俺もヒュドラムの野郎を倒さないといけないしな」
ティガ「そうだね、僕達がイフィニアドを倒したとしても、まだこの世界に多くの悪が存在するし、かならず新たな悪が現れる」
イーヴィルティガ「そう言う相手と戦うのが、俺達クロストライアルなんだからな」
ガーディー「ガォッ!」

一方、ドラゴニュートとファヴールはダークドラゴニュートとダークファヴールと交戦していた。進化前の自分によく似たダークドラゴニュートと、相棒であるファヴールによく似たダークファヴール。彼等は自分達に似ているだけでなく、戦闘能力も自分達と互角、いや、それ以上であった。力や素早さ、剣の正確さなど、どれを取っても自分より上であり、少しでも気を抜けば死ぬのは必須であった。それぐらいダークドラゴニュートとダークファヴールは強く、圧倒的な力を持っているのである。

ダークドラゴニュート「貴様さえ殺せば俺達は本当のお前達になれる…! この世にドラゴニュートとファヴールは1人だけでいいのだ!!」
ドラゴニュート「それは違う! お前達はダークドラゴニュート、ダークファヴールとして生まれてきたんだ! だから、お前達は俺やファヴールにはなれない! なる必要なんてないんだよ!!」
ダークファヴール「うるさいですね…! あなた達に私達の気持ちが分かりますか!? ただ相手を殺す為の兵器として生まれてきた私達の苦しみが…!!」
ファヴール「…私はイフィニアドと戦う為の兵器としてこの世に生まれました…ですが、苦しいと思った事は一度もありません! だって、私の周りには、いつだって優しい人たちがいましたから…!!」
ダークドラゴニュート「それはよかったな、だが、俺達にはそんな人間はいなかった…! お前達は恵まれている、俺達と違って…!!」
ドラゴニュート「だったら、今からでも俺達と来ればいい! イフィニアドで過ごすよりずっといいだろ!!」
ダークドラゴニュート「そんな事知るか、お前達クロストライアルを滅ぼしたら、今度はイフィニアドも滅ぼしてやる、俺達に苦しみを与えたものは、全て滅ぼしてやる!!」

すると、ダークドラゴニュートは後方に跳び、右掌から漆黒の電撃を放つ魔法、エビルライトニングを放った。それに対し、ドラゴニュートはライトニングで迎撃し、二つの魔法は相殺した。その直後、ダークファヴールは漆黒の風を発生させ、その風に乗って手に持った改良型ラヴィテスでファヴールを攻撃した。この技の名前はエアロブレイクと言い、高い破壊力を持っている。それに対し、ファヴールも風を発生させ、その風に乗って手に持ったラヴィテスでダークファヴールを攻撃した。この技はエアロストライクと言い、エアロブレイクと違って高い切断力が魅力である。二つの攻撃はぶつかり合い、相殺してファヴールとダークファヴールの双方は吹き飛ばされた。

ダークドラゴニュート(俺達の技の威力はほぼ互角と言った所か…なら!!)

ダークドラゴニュートは右掌に闇の魔力を収束させた。ドラゴニュートの最強光魔法、ライトブラストの暗黒版、シャドウブラストを放つ構えである。それに対し、ドラゴニュートは本家であるライトブラストを放つ為、右掌に光の魔力を収束させた。完全に魔力の収束が終わった後、双方はシャドウブラスト及びライトブラストを放った。双方の魔法は完全にせめぎ合い、やがて大爆発を発生させて相殺した。最強技であるライトブラストとシャドウブラストの威力さえも互角、この事実に二人は驚愕するしかなかった。

ドラゴニュート「まさか…俺の最強技であるライトブラストでさえも互角だなんて…!!」
ダークドラゴニュート「当たり前だ、俺はお前の力から生まれたクローンだ、技だって互角さ」
ドラゴニュート「なら…この手を使うしかない…!!」

ドラゴニュートは自分に宿った龍の本能を呼び起こし、青龍の姿へと変化した。だが、それを前にしてダークドラゴニュートは笑っていた。まるでその程度の力で俺を倒す事はできないと言わんばかりに。

ドラゴニュート「何がおかしい!?」
ダークドラゴニュート「お前が龍になれるように俺も龍になれるんだよ! それも、お前より強力な奴にな!!」

そう言うと、ダークドラゴニュートは自分に宿った龍の本能を呼び起こし、暗黒龍の姿へと変化した。暗黒龍の姿となったダークドラゴニュートは、黒い鱗と黒く大きな翼を持っており、瞳は血の様に真っ赤であった。そして、全身から紫色のオーラが発生しており、その姿はまさに闇の中から生まれた龍と言う言葉が正しかった。その圧倒的なオーラを前に、ドラゴニュート達は気圧されていた。

ドラゴニュート「この力…!!」
ダークドラゴニュート「さぁ…俺の力に恐怖しろ…!!」

ダークドラゴニュートは口にエネルギーを収束させ、シャドウブラストの数十倍の威力がある破壊光線、ダークネスバーストを放った。一方のドラゴニュートも、ライトニングバーストより遥かに威力のある破壊光線、アルティメットバーストを放った。二つの破壊光線はせめぎ合い、辺りに激しい光と熱量が放たれていた。

アルス「何て力だ…!!」
カムイ「見てください! 要塞の壁が熱で溶けていきます…!!」
アリア「下手したらインペリアルフォートレス自体が壊れるかも…」

直後、二つの破壊光線は相殺し、大爆発が発生した。その大爆発による爆風でクロストライアルのメンバーとルシファーは吹き飛ばされてしまった。辺りには爆風による煙が発生し、よく見えずにいた。しばらくして煙が収まると、インペリアルフォートレスの壁が破壊され、穴が開き、隣の部屋と繋がっていた。一方、ドラゴニュートとダークドラゴニュートは龍形態の変身が解除され、元の姿に戻り、倒れていた。

アイラ「ドラゴニュートさん!!」
ファヴール「マスター!!」
ドラゴニュート「大丈夫さ…この程度、かすり傷だ…」

ダークファヴール「マスター…」
ダークドラゴニュート「安心しろ、俺は死なない…奴を始末するまでな…」

ドラゴニュートとダークドラゴニュートは傷だらけになっており、着ている服も所々破れていた。そんなボロボロの状態になってもなお、二人は戦おうとしていた。

アイラ「もうやめてください! ドラゴニュートさん! これ以上やったら、本当に死んでしまいます!!」
ドラゴニュート「大丈夫だよ、アイラ、ファヴール、みんな、俺は死なない…」
ネクサス「無茶はやめるんだ! これ以上やったら、本当に死ぬ可能性だってあるんだよ!?」
龍騎「そうだよ! 後は俺達に任せて休んでろって!!」
ドラゴニュート「…俺はあいつと戦う、あいつが戦って満足できるのは、オリジナルである俺だけだって、そう気づいたから…」
機龍「でも、死んでしまったら、元も子もないわよ?」
ドラゴニュート「大丈夫…信じてよ…俺は必ず生きて帰って来るから、ね?」

ダークファヴール「マスター…無理はしないでください…」
ダークドラゴニュート「安心しろ、ダークファヴール…奴は…俺が殺す!!」
ドラゴニュート「ダークドラゴニュート!! 俺は、お前を殺しはしない!!」
ダークドラゴニュート「じゃあ、どうするつもりだ?」
ドラゴニュート「俺はお前の…心を救う! 絶対に!!」
ダークドラゴニュート「そんな夢物語みたいな事、できると思うな!!」

インペリアルフォートレス内での戦いは激しさを増していた。双方の最高戦力のぶつかり合いなので、当然のことではあったが、その激しさにインペリアルフォートレス内の壁は完全に破壊され、外の様子が見えていた。インペリアルフォートレスは全高約50万㎞、全幅約500万㎞に及ぶ巨大要塞なので、外は空中、落ちたら即死であった。そんな危険な場所で、クロストライアルのメンバー達は平和の為に戦っているのである。だが、その状況でわざわざ外に出て戦闘を行っている人物がいた。それは、ゴッドカイトに超覚醒したカイトと虚無亜空神に変身したダークカイト、そしてダークシャドウであった。

カイト「ダークシャドウ! 今日こそ決着をつけてやる!!」
ダークカイト「てめえとの因縁もここまでだ…!!」
ダークシャドウ「ほざけ! 悪は不滅なんだよ!!」

ゴッドカイトはフレイムパンチでダークシャドウを吹っ飛ばした。それに対し、ダークシャドウは口からキングギドラの引力光線を吐いた。ゴッドカイトは引力光線に命中し、吹っ飛ばされたが、虚無亜空神は引力光線を回避し、ダークシャドウに接近した。だが、ダークシャドウは右手からエンペラ星人のレゾリューム光線を放ち、逆に虚無亜空神を攻撃した。放たれたレゾリューム光線は至近距離から虚無亜空神に命中し、虚無亜空神を大きく吹っ飛ばした。虚無亜空神はインペリアルフォートレスの壁を突き破って室内に放り出され、虚無亜空神の変身が解除されてしまった。

ダークカイト「がはっ!!」
フリスト「ダークカイトさん!!」
ヴァンパイアス「おいおい…まさか虚無亜空神の変身が解除されるなんてよ…」
レオナルド「あのウニ頭…以前よりパワーアップしてやがるぜ!!」
クッサイサルマン「まさに強靭、無敵、最強だな!!」
ランス「私達はただ見る事しかできないのでしょうか…」
キルシュ「大丈夫、カイトくんなら、きっと勝てる!!」
ドレイク「そうだな、今は、あいつに懸けるしかない…」

その後も、ゴッドカイトとダークシャドウは激闘を繰り広げていた。ゴッドカイトの剣とダークシャドウの槍は一歩も退かない激しいぶつかり合いを見せていた。しかし、その戦況はダークシャドウの方が若干優勢に見えていた。ダークシャドウは過去に激しい争いが幾度となく起こったこの世界のマイナスエネルギーを吸収し、強大な力を手に入れていた。その強さは、イフィニアド四天王の中でもトップクラスであろう。

ダークシャドウ「おいおい…てめえの力はこの程度かぁ?」
カイト「くっ…! 強い…!! でも! まだ負けてねえ!!」
ダークシャドウ「いい加減くたばれ!!」

ダークシャドウ仮面ライダーオーディンの技、エターナルカオスを放った。全身に黄金のエネルギーを纏い、ゴッドカイトに向かって高速突進し、ゴッドカイトを変身解除に追い込んだ。

カイト「ぐはっ!!」
キルシュ「カイトくん!!」
ダークシャドウ「ハッハッハ! こりゃあいい! この世界にいると、いくらでもマイナスエネルギーが集まってゆく! こんなに嬉しい事はねえ!!」
カイト「ふざけるな! この世界の人達は苦しんでいるんだぞ! お前はそれを何とも思わないのか!?」
ダークシャドウ「思わないねえ! 悪こそこの世の全てだ! それを邪魔するクロストライアル! てめえらをこの世から消してやる!!」

そう言ってダークシャドウはエネルギーを収束させた。このエネルギー未だかつてない強大なエネルギーであり、下手をすればインペリアルフォートレスの半分を消滅させるほどであった。

ドレイク「あの野郎! あれを放つつもりか!?」
クッサイサルマン「あんなもん放ったら、この要塞の半分が消し飛ぶぞ!!」
カイト「やめろ! この要塞には、イフィニアドの民間人もいるんだぞ!!」
ダークシャドウ「んな事知るかぁぁぁッ!! 全員消し飛びやがれぇぇぇぇぇッ!!!」

その時、ダークシャドウのいる場所の上空から何かが急速降下してきた。急速降下した何者かは、ダークシャドウを吹き飛ばし、エネルギーの収束を中断させた。

ダークカイト「助かった…のか…?」
カイト「ああ、そうみたいだな…でも、一体誰が…?」

カイト達の前に現れたのは、元の世界でカイトと共に戦った3人であった。その人物とは、ティラノ、ベンガル、ヒナの3人であった。
ティラノは名前の通りティラノサウルスであり、史上最強の恐竜、エラバレシモノのリーダーである。恐竜でありながら、炎を吐いたり、飛行したりなど、高い戦闘力を持っているが、カイスマ界ではマスターゴッドによって力をセーブされていた。
ベンガルは名前の通り、猫のベンガルの見た目をしたベルヘル隊の隊長である。両脇に装備したバズーカで戦闘を行い、受けた攻撃の属性をコピーするバズーカを持った非常にハイスペックな猫である。
ヒナは狐耳と尻尾が生えた金髪ロングの少女である。赤いコートを着ており、主に銃やロケットランチャーを使って戦う。ちなみに、この3人の中ではヒナのみ飛行できない為、ベンガルに捕まって飛行している。

ティラノ「散歩してたら、ゴミにぶつかったな、一体何だ?」
ベンガル「鳥じゃね? つーか、あそこにいるの、カイト達じゃね?」
ヒナ「そうですね」
カイト「ティラノにベンガル、それにヒナ! 何故ここに!?」
ティラノ「そんな事、俺が知るか」
ベンガル「まあ、変なワームホールに吸い込まれて、気付けばここにいたんだよ」
ヒナ「それより、さっき吹っ飛ばされたの、ダークシャドウですよね?」
ダークカイト「ああ、もうちょっとで俺ら死ぬとこだったから助かったぜ」

すると、ティラノによって吹き飛ばされたダークシャドウが上昇してきた。ダークシャドウはいきなり吹き飛ばされたことで、かなり怒っている様子であった。

ダークシャドウ「てめえ…! よくもやりやがったな?」
ティラノ「は? うるせぇ! 死ねーーーっ!!」

そう言ってティラノは口に炎属性のエネルギーの球体を生成し、ダークシャドウ向けて撃ち出した。この技はギャラクシーファイアと言い、威力はその地域一帯、エネルギーを加えれば大陸をも消し飛ばしかねない技である。カイスマ界の弱体化や抑えめに撃った事もあり、そこまでの威力はないが、それでも十分にダークシャドウにダメージを与えた。

ダークシャドウ「ぐわぁぁぁッ!!」
ベンガル「さて、そろそろ殺すか…」
カイト「じゃあ、みんなで決めよう!!」
ヒナ「そうですね」

カイトはマスターガンから破壊ブラスターを出力全開にして放ち、ティラノは口に炎属性のエネルギーを溜め込み、一気に極太ビームとして放出する技、ファイアフラッシュを放った。ファイアフラッシュの威力は弱体化前だと軽めで銀河系を消し飛ばしてしまう威力であるが、弱体化+大幅に手加減して撃っている為、そこまでの威力はない。ティラノと同時にベンガルもバズーカからエレクトサンダーと言う名の電撃のビームを放ち、ヒナはロケットランチャーでダークシャドウを攻撃した。この同時攻撃を前に、ダークシャドウは大ダメージを受け、吹っ飛ばされた。

ダークシャドウ「ぐはぁぁぁぁぁッ!!!」

その時、ダークシャドウとカイト達の前にワームホールが発生した。発生したワームホールに、ダークシャドウは吸い込まれてしまった。

ダークシャドウ「ちっ…俺はもう少し楽しみたかったけどな…どうやらここで元の世界に帰るしかないみたいだな…」
カイト「ダークシャドウ!!」
ダークシャドウ「へっ…カイト、俺は一足先に元の世界に帰ってるぜ…お前のいないカイスマ界を、破壊し尽くしてやる…ハッハッハ!!」

その後、ダークシャドウワームホールに吸い込まれ、見えなくなった。ダークシャドウの後を追うように、ティラノとベンガルはヒナを連れてワームホールに向かって行った。

ティラノ「カイト、あのウニ野郎の相手は俺に任せとけ」
ベンガル「お前達がいない分は俺達が補ってやる、何、ティラノがいる時点で戦力としては十分すぎるさ」
ヒナ「なので、カイトさん達はこの世界を守ってください」
カイト「ティラノ…ベンガル…ヒナ…分かったよ、後の事はお前達に任せる!!」

その後、ティラノ、ベンガル、ヒナの3人はワームホールに吸い込まれて行った。直後、ワームホールは完全に閉じた。こうして、ダークシャドウが元の世界に帰った為、一つの脅威が無くなった。しかし、カイト達のいるカイスマ界での戦いがまだ完全に終わった訳ではない。カイト達が元の世界に帰っても、ダークシャドウとの戦いは続くのである。

一方のドラゴニュートは、ダークドラゴニュートと命懸けの戦いを行っていた。既に双方はボロボロになっていたが、それでもなお二人は戦闘を継続していた。ドラゴニュートはダークドラゴニュートの心を救う為、ダークドラゴニュートドラゴニュートを殺して本物のドラゴニュートになる為。二人は真逆の目的の為、命を懸けて戦っているのであった。

ドラゴニュート「ダークドラゴニュート! お前にはお前にしかない命がある! その命を自分の為に使おうとは思わないのか!?」
ダークドラゴニュート「もちろん使おうとは思っているさ! だが、それは貴様を殺してからだ! ドラゴニュート!!」

ダークドラゴニュートは右手に持つ深紅の宝玉がはめこまれた深い紫色の剣、ダークネスヴィエルジュに闇の魔力を纏い、斬りつけた。この技はダークネススラッシュと言い、高い切断力と破壊力を秘めている。ドラゴニュートはその攻撃を2本のヴィエルジュで防御した。そのまま防御すると2本のヴィエルジュが破壊される可能性があった為、ヴィエルジュの表面に魔導障壁を張る事で強度を上げた。そして、何とかダークネススラッシュを防御する事に成功したのである。

ダークドラゴニュート「ちっ! まさかこの技が防がれるとはな、だが、これだけでは終わらんぞ!!」
ドラゴニュート「まだあるのか!?」

ダークドラゴニュートはダークネスヴィエルジュの剣先に闇の魔力を収束させ、闇の球を生成した。そして、その闇の球をドラゴニュート目掛けて飛ばした。この技はダークネスブレイク、破壊力の高い闇の球を飛ばす技で、威力は高いが、飛んでいく速度が遅めな為、回避されやすいと言う欠点を持つ。ドラゴニュートはその攻撃に対し、炎の真空波を飛ばす魔法、フレイムリッパーで迎撃した。フレイムリッパーとダークネスブレイクがぶつかり合った瞬間、大きな爆発が起こった。爆風が収まった後、ドラゴニュートが見たものは、大技の準備を行うダークドラゴニュートの姿であった。

ドラゴニュート「これ以上の技があると言うのか!?」
ダークドラゴニュート「そうだ、さっきの技より威力は劣るが、攻撃範囲は抜群だ! 死ねぇぇぇッ!!」

ダークドラゴニュートはダークネスヴィエルジュに膨大な闇の魔力を収束させ、巨大な闇属性ビームの剣を生成した。そして、その剣をドラゴニュート達目掛けて振り下ろした。この技の名前はダークネスクラッシュ、ダークネスブレイクより威力は劣るものの、攻撃範囲がとても広い技である。ダークネスクラッシュのビームはドラゴニュート達目掛けて飛んできており、このままではクロストライアルメンバーの多くに被害が出る可能性があった。

ドラゴニュート(あの攻撃範囲、下手すりゃ半数以上がやられる可能性がある…! こうなったら…!!)

ドラゴニュートは自分に宿った龍の本能を呼び起こし、青龍の姿へと変化した。そして、その巨体でダークネスクラッシュのビームをモロに食らい、自分が盾となる事で仲間を守ったのであった。

ダークドラゴニュート「何っ!?」
アイラ「ドラゴニュートさん!!」
ファヴール「マスター!!」
ドラゴニュート「くっ!! 流石に青龍の姿でも、この攻撃はかなり痛いぜ!!」
ダークファヴール(あのドラゴニュートと言う人…自分を犠牲にして仲間を守った…!?)
ダークドラゴニュート(訳が分からん…他人の為に自分を危険に晒すなど…奴は何を考えている…!?)

ドラゴニュートはそのままダークネスクラッシュのビームを受け切った。ビームを受け切って安心したのか、それとも体に限界が来たのか、ドラゴニュートは変身を解除し、そのまま地面に倒れ込んだ。いくら防御力の高い青龍形態といえど、ダークネスクラッシュの威力は決して低くはない。その攻撃をモロに食らったのだから、体への負担はかなり大きいだろう。ドラゴニュートはもう、立つことが出来ない程のダメージを体に受けているのである。今のドラゴニュートにもしダークドラゴニュートが襲い掛かれば、たちまち殺されてしまうだろう。下手をすればイフィニアドの一般兵にすら勝てないかもしれない。だが、ダークドラゴニュートドラゴニュートに襲い掛かる気配を見せなかった。むしろ、先ほどのドラゴニュートの行動に興味を持っているようであり、相棒のダークファヴールもその行動に興味津々な様子であった。2人は戦う為に、相手の命を奪う為に生み出された、当然、仲間を守る事など知るはずもない。そんな2人は初めて仲間を守ると言う行動を目撃したのだ、興味を持つのも無理はないだろう。

ダークドラゴニュート「…ドラゴニュート、お前は何故、自分を犠牲にして仲間を守った?」
ドラゴニュート「何故って…そりゃ、クロストライアルのみんなは、俺の大切な仲間達だからさ」
ダークファヴール「その仲間達を守る為に、自分を犠牲にしたのですか?」
ドラゴニュート「犠牲と言うか…あの状況でみんなを守れるのは、青龍の力を持つ俺だけだと思っただけさ」
ダークドラゴニュート「…ふっ、貴様は面白い奴だ、俺の理解が追い付かない行動を取る」

そう言うと、ダークドラゴニュートとダークファヴールは自身の持つ武器を別空間に転送させた。すると、ダークファヴールはファヴールの青いエアバイク形態とは違う黒いエアバイク形態へと変身し、ダークドラゴニュートはその上に乗った。

ダークドラゴニュートドラゴニュート、今回はお前を見逃してやる、だが、次に会った時は容赦せん、その首、洗って待っていろ」

ダークドラゴニュートはそう言い残し、ダークファヴールに乗って戦闘で開いたインペリアルフォートレスの壁から飛び去って行った。戦うことしか知らないダークドラゴニュートとダークファヴールの考えを変えたのは、人間の持つ仲間を守ると言う考えだったのである。だが、まだダークドラゴニュートとの戦いが終わった訳ではない、今度会う時には、決着をつけないといけないかもしれないのだ。

ドラゴニュート「ダークドラゴニュート…あいつとはできれば戦いたくない…でも…いつかは決着をつけないといけないのか…」

イフィニアドの四天王や幹部が次々といなくなり、ただ一人残されたルシファーだったが、彼はただ一人、クロストライアルのメンバーを相手に戦っていた。その圧倒的な戦闘力を前に、クロストライアルのメンバーは傷つき、倒れて行った。だが、それでもなお、クロストライアルのメンバー達は諦めずに戦っていた。

ルシファー「何故そこまでして戦うことが出来る?」
龍騎「そんなの決まってんだろ! みんなの命を守る為だよ!!」
ZO「みんな一生懸命生きてる…愛し合いながら…それを壊すイフィニアド、お前達と戦う為さ!」
ギャバン「この世界には戦えない人が沢山いる、その人たちを守る為にも、お前達と戦わないといけないんだ!!」
ルシファー「そうか…だが、私にも退けない訳がある! イフィニアドの最後の四天王として、お前達を倒さねばならない!!」

そう言うと、ルシファーは背中に巨大な白い翼を生やし、胸、肩、腕、膝に白銀のアーマーを身に纏った。その姿は天使のようにも見え、ルシファーの中性的な見た目も相まってとても神々しい見た目であった。この姿になった途端、ルシファーから圧倒的なエネルギーが発せられ、強い威圧感がクロストライアルのメンバーを襲った。

ティガ「何て力だ…!!」
ゴッドリュウケンドー「この力…! 俺が以前戦った大魔王グレンゴーストの最終形態に匹敵する力だぞ!!」
ルシファー「見よ、これが私の最強形態、英雄神ルシファーだ」
RX「英雄神ルシファーだと!?」
シャンゼリオン「へっ! カッコつけやがって! それで強くなったつもりかよ! どうせただのこけおどしだろ?」
ルシファー「フ…ただのこけおどしかどうか、試してみるか?」

そう言うと、ルシファーはリベリオンソードを振り、クロストライアルメンバーの後方に真空波を飛ばした。真空波が地面に着弾した瞬間、大爆発が発生し、巨大な穴が開いた。その威力に、クロストライアルのメンバー達は驚愕した。

シャンゼリオン「…へ?」
ルシファー「さぁ、お遊びはここまでだ、行くぞ!!」

シャンゼリオン「これ、終わったんじゃね?」
ゴッドリュウケンドー「諦めんなよ! まだ負けたと決まった訳じゃないだろ?」
シャリバン「そうだ! 諦めるにはまだ早い!」
シャイダー「最後まで諦めずに戦うんだ!」
ルシファー「無駄だ…諦めろ」

英雄神ルシファーはクロストライアルの戦士達向けて羽根を弾丸として飛ばす技、フェザーブレッドを放った。羽根の一本一本が着弾すると、大爆発を起こし、クロストライアルの戦士達を吹き飛ばした。更に、ルシファーは続けてリベリオンカリバーを何度も振り、リベリオンリッパーと言う名の真空波を飛ばした。真空波が着弾する度に大きな爆発が発生し、再びクロストライアルの戦士達は吹き飛ばされた。英雄神ルシファーの圧倒的な力を前に、クロストライアルの戦士達はなすすべもなかった。

蒼乃「何て力なの…! あれが、英雄神の力…! 圧倒的じゃない…!!」
ルシファー「フフフ…そうだろう、これが英雄神の力、何物にも勝る力、貴様らでは、私に勝つ事はできん」
ドラゴニュート「本当にそうかな? そうやって偉そうにしている奴こそ、意外と倒しやすいかもよ?」

ドラゴニュートは自分に宿った龍の本能を呼び起こし、青龍の姿へと変化した。そして、ドラゴニュートはライトニングバーストより遥かに威力のある破壊光線、アルティメットバーストを放った。ルシファーはその光線を左手から発生させたバリアで吸収し、そのまま無力化した。すると、ルシファーは吸収した光線をリベリオンブラストに変換し、撃ち返した。青龍に変身したドラゴニュートは、リベリオンブラストの直撃を食らい、変身解除に追い込まれた。

ドラゴニュート「ぐっ!!」
ルシファー「無駄だ、英雄神となった私には、例え青龍だろうと、暗黒龍だろうと、黒龍だろうと、それらが束になろうと勝つ事はできん」
カイト「そんなの、無茶苦茶じゃないか!!」
ルシファー「無茶苦茶…か…貴様らから見れば当然なのだろうな…」
ティガ「どう言う事だ?」
ルシファー「私は、いや、イフィニアドと言う組織は元々この世界の存在ではないのだ」
龍騎「それって、どう言う事だよ!」
ルシファー「簡単な事だ、我々イフィニアドは、前の宇宙からやって来た存在と言う事だ」
トリガー「前の宇宙!?」
RX「そんな事が、あり得るのか?」
ルシファー「可能だ、前の宇宙は、この宇宙よりも遥かに進歩した科学を持っていたのだから」
アルス「それだけの科学力を持っていて、何故滅びたんだ?」
ルシファー「寿命だ」
ルイージ「寿命…?」
ルシファー「ああ、この宇宙は何度も滅び、その度に新たな宇宙が生まれていた…ある時、我々の住む前の宇宙にも寿命が訪れた…いくら進歩した科学を持っていようと、宇宙の寿命には逆らえない…」
アリア「だから、あんた達はこの宇宙にワープして来たって事ね」
ルシファー「そう言う事だ」

ドラゴニュート「…だからって…! この地球を征服しなくてもいいだろうがッ!!」
ルシファー「そう言うお前達は、我々を快く住まわせてくれるのか? 過去にもバルタン星人と言う前例があるのだろう?」
ネクサス「あれは、彼等が僕達の提案を無視したのが原因だ!」
ルシファー「そもそも、この星の人口は増える一方で、餓死する者もいると聞く、そんな星が我々を受け入れてくれるとは思わない」
アリア「だから、この星を侵略したと言うの…? あたし達を根絶やしにして、自分達が住む為に?」
ルシファー「そうだ、ただ、皇帝陛下は侵略する際の条件を一つ付けた、それは、時間をかけて少しずつ侵略する事、そうすれば、この星の者達は怯え、服従を誓うと考えたからだ」
ZO「それは当てが外れたな、イフィニアド!」
アバレッド「俺達地球人は、決して悪には屈しない!」
レイラ「そう言う事! 地球人は、あんた達が思うほど弱くはないわ!」
ドラゴニュート「イフィニアド! お前達のせいで多くの人々が死んだ! 俺の家族も! 俺は、お前達を、絶対に許さない!!」
イオナ「もう誰も苦しませない! その為に、ここであなたを倒します!!」
ルシファー「無駄な足掻きを…」

ルシファーは右掌を天に向け、そこから一筋の光線を放った。すると、その光線が雨の様に降り注ぎ、クロストライアルの戦士達を攻撃した。この技はルシファーの技の一つ、シャインスコールであり、広範囲の敵を殲滅する際に使用される技である。更にルシファーは再びフェザーブレッドを放ってクロストライアルの戦士達を攻撃した。この攻撃を前に、クロストライアルの戦士達はほぼ壊滅状態となっていた。

ルシファー「どうだ? これでもまだ我々に盾突くか?」
ドラゴニュート「…当たり前だ…俺達には…人々を守ると言う使命がある…」
トリガー「僕達は…みんなを笑顔にしたいんだ!」
龍騎「俺達は絶対に死ねない! ここで死んだら、この地球に住む人達が全員、お前達の支配下に置かれちまう!」
ゴッドリュウケンドー「いいか? 俺達クロストライアルはみんなを守る為に戦っているんだよ!」
アバレッド「俺達は! みんなの命を救いたいんだ!!」
ギャバン「俺達は戦って戦って、戦い抜いてみせる!!」

この時、ルシファーは少し恐怖を覚えていた。どんなに痛めつけても立ち上がるクロストライアルの戦士達を前に、彼等は不死身ではないのかと感じていたのである。彼等がもし不死身なら、いくら英雄神の力を得た自分でも、苦戦は必須である。そう考えたルシファーは、自身の持つ大技で一気に決着を付けようと画策したのであった。

ルシファー「そうまでして死にたいのなら、もう遠慮はせん、私の最終奥義、リベリオンブラストで死んでもらう!!」

そう言ってルシファーは右掌に強力なエネルギーを収束させた。そのエネルギー量は、下手をすればインペリアルフォートレスの一角を消滅させてしまう可能性があった。当然、そんな攻撃を食らえば全滅は必須である。それを感じ取ったドラゴニュートは龍の本能を呼び起こそうとした。しかし、度重なるダメージが原因で青龍の姿になる事が出来なかった。ドラゴニュートは最後の手段として、仲間の力を借りる事にした。

ドラゴニュート「みんな! 俺に力を分けてくれ!!」
蒼乃「ドラゴニュート、そんな事をすればあなたの体は…!」
ドラゴニュート「大丈夫だ! 早く力を分けてくれ!!」
J「分かった! みんな、ドラゴニュートに力を与えるんだ!!」

仲間はドラゴニュートに手をかざし、力を与えた。それぞれがエタニティコアやキングストーン等のエネルギーを与え、それらのエネルギーはこれから放つ一撃のエネルギーとなった。そして、それらの力が集まり、ドラゴニュートは究極の一撃を放つ事となった。

ルシファー「これで終わりだ! リベリオンブラスト!!」
ドラゴニュート「行っけぇぇぇッ!! ライトブラスト・オーバー!!」

ルシファーはリベリオンブラストを、ドラゴニュートは仲間の力で強化されたライトブラスト・オーバーを放った。両者の攻撃はしばらくせめぎ合った後、ライトブラスト・オーバーの方がせめぎ合いに勝利し、そのまま英雄神となったルシファーを飲み込んだ。直後、大爆発が発生し、インペリアルフォートレスの一角が吹き飛んだ。爆発が収まり、爆炎が風で流されて行った後、そこにいたのはボロボロになったルシファーであった。ダメージを負って英雄神の変身は解除され、体もボロボロになっていたが、ルシファーはまだ生存していた。英雄神の耐久力の強さに、クロストライアルの一同は驚きを隠せずにいた。

エクセリア「まさか、あれを食らって生きているだなんて…!!」
ソウル「あの姿の耐久力は相当なものなんだな」
ルシファー「おのれ…! まさかこの私がここまで追い詰められるとは…!!」
レイモン「まさか、まだ戦うつもりなのか…!?」
ルシファー「当然だ、私はまだ…うっ!」

ルシファーは突然頭を押さえ、苦しみだした。突然の行動に、クロストライアルのメンバー達は困惑しだした。苦しむルシファーの様子は、まるで何かと葛藤しているようにも見えた。しばらくすると、ルシファーは苦しみから解放されたのか、元のルシファーに戻った。

ルシファー「…全て思い出した…私は、イフィニアドの四天王などではない…」
ドラゴニュート「どう言う事だよ、ルシファー」
ルシファー「…恐らく、何らかの影響で私はこの世界にやって来た、そして、偽りの記憶を植え付けられ、今までこの世界でイフィニアドの四天王として過ごしていたのだ」
カイト「そんな事ってあるのか? 実際、異世界からの来訪者である俺達に偽りの記憶なんてないぞ?」
ルシファー「…考えられる事は一つ、何者かによってこの世界が裏から操られていると言う事だ」
マリオ「つまり、真の黒幕がこの世界には存在するって事?」
ルシファー「そう言う事だ、私はお前達の攻撃の衝撃によって記憶を取り戻した、だが、他の者達も同じ様に記憶を取り戻すかは分からん…」
翼「大丈夫、きっと取り戻してくれるさ」
ドラゴニュート「そう言えばルシファー、お前の本当の記憶ってどんな感じなんだ?」
ルシファー「私は空の上にある都市、天上界の王ルシフェル様と天上界の姫ルシファリア様にお仕えする騎士、天上騎士ルシファーだ」
シオリ「空の上にある都市…」
ラズ「とても素敵な所だったのね」
ルシファー「ああ、とても平和な所だった、それに、私の命はルシファリア様に救われた命、私はその恩を返さねばならん」
ドラゴニュート「なら、必ず元の世界に帰らないとな」
ルシファー「ああ、私は必ず元の世界に帰ってみせる、その前に、私はお前達と共にイフィニアドの皇帝を倒す、それがせめてもの罪滅ぼしだ」
アバレブルー「お前が仲間になってくれれば、心強いな」
アバレイエロー「でも、イフィニアドの皇帝って、どんな人なの?」
ルシファー「さあ、そこまでは四天王の私でも分からん」
ナイト「四天王でもイフィニアドの皇帝の正体は分からないか…」
トリガーダーク「そこまで来たら、実は皇帝なんていませんでしたって説もあるんじゃねーの?」
ルシファー「その説は十分あり得るかもな…」
カムイ「ルシファーさん、とりあえず、皇帝のいる場所まで案内してくれませんか?」
ルシファー「ああ、分かった」
蒼乃「それじゃ、行きましょう!」

こうして、クロストライアルのメンバー達は、記憶を取り戻し、一時的に共闘関係となったルシファーと共に、イフィニアドの皇帝を討伐する為、皇帝の間へと向かった。イフィニアドの皇帝さえ倒してしまえば、この戦いは終わり、地球は平和を取り戻すからだ。しかし、その一方、宇宙ではヴェイガン迎撃部隊とヴェイガンが最後の戦いを行っていた。この戦いを終わらせる事ができれば、ヴェイガンとの戦いは終わり、平和に一歩近づくことが出来る。150年近く前に出現したゴジラとの戦いから始まった地球圏での争いを終わらせ、今度こそ平和を手に入れる為に、クロストライアルの戦士達は戦っているのである。

クロストライアルの戦士達は今、ヴェイガンの指揮官であるフォーンファルシア、ギラーガ改の二人と戦っていた。他にもXラウンダーの兵士やヴェイガンの一般兵、イフィニアドが生み出したクローンMS等もいたが、メインで戦っているのはこの二人である。フォーンファルシアとギラーガ改はヴェイガンの中でもトップクラスの実力を持ったMS族である。たった二人だけで地球の最高戦力であるクロストライアルの戦士達と互角に渡り合っており、鬼人の如き戦いを見せていた。だが、彼等の目的はクロストライアルの戦士達を倒す事ではなく、本来の目的は別にあった。それは、二人がクロストライアルの戦士達を引き付け、そこをディグマゼノン砲と言う要塞砲で一掃すると言う事である。

ディグマゼノン砲は、全長8㎞を越える大型要塞「ラ・グラミス」が変形した巨大な要塞砲である。ラ・グラミスは分子構造図に似た多数の球体と連結棒からなる特殊な形状をしたヴェイガンの宇宙要塞である。この要塞の各ユニットは自在に分離、結合が可能であり、これを発射態勢に変形させる事でディグマゼノン砲にすることが出来るのである。ディグマゼノン砲はエネルギーの充填に時間がかかるのが弱点ではあるが、セカンドムーンと結合する事でチャージ時間を短縮する事ができるのである。

ヴェイガンの首領であるガンダムレギルスは、このディグマゼノン砲を使い、クロストライアルを一掃すると言う作戦を立てた。その為に、大切な部下であるフォーンファルシアとギラーガ改をクロストライアルに差し向けているのである。レギルスはプロジェクト・エデンを達成する事の重圧によって精神的に追い詰められており、一刻も早く作戦を遂行する為、大切な部下を犠牲にしているのである。その部下であるフォーンファルシアとギラーガ改はレギルスの為に命を捨てる覚悟でいる為、これだけの戦力差で互角に渡り合っているのである。

フォーンファルシア(レギルス様の為…必ず作戦を遂行してみせる!)
ギラーガ改(死ぬ覚悟ならとっくにできてる! 来い! クロストライアル!!)

フォーンファルシアは背部から5基のフォーンファルシアビットを射出し、それを遠隔操作し、ウルトラ戦士達を攻撃した。続けてフォーンファルシアバトンから新体操のリボンのようなビームを発生させ、クロストライアルのMS族を薙ぎ払った。一方のギラーガ改は胸部から高出力ビーム砲、ビームバスターを放ち、ギンガを吹き飛ばした。続けて脚部から赤いオーラを放出しながらサイバスターにキックを放ち、装備したギラーガスピアから鎌状のビーム刃を発生させてビルバインダンバインを攻撃した。

ギンガ「何て強さだよ!!」
Gセイバー「たった2人でここまで戦うなんて、よくやるよ!」
ウイングゼロ「あの2人の戦い、死ぬ覚悟ができた者の戦いだ…」
サイバスター「あちらさんももう後がないって事なんだろうな」
ゼロ「だが、俺達も負ける訳にはいかねえ!!」
デスティニー「ここでヴェイガンとの決着を付けて平和を手に入れないといけないからな!」
AGE-FX「僕とみんなで、戦争にトドメを刺す!!」

一方、レギルスの座乗艦であるファ・ザードでは、レギルスが指揮を執っており、ディグマゼノン砲のチャージが完了するのを待っていた。ディグマゼノン砲が命中すれば、クロストライアルのヴェイガン迎撃部隊は壊滅する。ヴェイガン迎撃部隊さえ壊滅してしまえば、後は地上に降りてイフィニアドと共に地上軍を全滅させれば、この戦争に勝利することが出来る。そうすれば、プロジェクト・エデンの完遂に一歩近づくことが出来る、その為にも、この戦争には必ず勝利せねばならない。レギルスはそう考えながら、チャージが完了するのを今か今かと待ちわびていた。

レギルス(クロストライアル…! 私は必ず貴様たちを壊滅させ、プロジェクト・エデンを完遂してみせる…!)

フォーンファルシアとギラーガ改との戦闘の最中、XラウンダーであるAGE-FXとAGE-1は危険を察知した。大量破壊兵器であるディグマゼノン砲が発射されることに気付いたのである。

AGE-FX「ッ…! 何だ…これ…? 何か来る…恐ろしい何かが…」
F91「AGE-FX、お前も気付いたか、ヴェイガンは何かしてくる」
AGE-1「ヴェイガンの要塞が変形している、恐らく、大量破壊兵器を使うつもりだろう」
ギンガ「でも、この混戦状態で何か仕掛けてくるのかよ?」
AGE-1「奴らは味方ごと、私達を潰すつもりだ」
サイバスター「おいおい、味方を犠牲にするってのか? 流石のヴェイガンもそこまで…」
AGE-1「忘れるな、相手はヴェイガンだ! それ位の事は平然と行うだろう」
デスティニー「何でそんな事…! 味方を犠牲にして掴んだ勝利に、何の価値があるって言うんだよ!!」
ディーン「あのレギルス様がそんな作戦を立てるなんて…」
ウイングゼロ「とりあえず、今は退避する事が先決だ、早くしないと死ぬぞ」
AGE-FX「了解!!」
AGE-2「みんな俺に捕まれ! ハイパーブーストで、敵の射線から一気に離脱するぞ!」
フォーンファルシア「どこにも行かせはしない!!」

フォーンファルシアとギラーガ改は、退避しようとしたクロストライアルの面々を攻撃した。一人でも多くディグマゼノン砲に巻き込む為、命を懸けて戦っているのである。そんなフォーンファルシアとギラーガ改に攻撃を仕掛けた一人のMSがいた。それは、かつてAGE-2と共に戦ったオブライトであった。オブライトはドッズライフルでギラーガ改を殴りつけた。だが、ギラーガ改は鎌状のビーム刃を発生させたギラーガスピアでドッズライフルを破壊した。オブライトは破損したドッズライフルを破棄し、ビームサーベルを取り出してギラーガ改の腹部にビームの刃を突き刺した。

ギラーガ改「馬鹿な…! 俺が…! こんな…! こんなぁぁぁぁぁッ!!」

直後、ギラーガ改は爆発四散し、その命を散らした。クロストライアルの面々相手に奮闘したギラーガ改であったが、その最後はあっけないものであった。ギラーガ改が戦死した事を知ったフォーンファルシアは、大切な仲間を失った事で怒りを爆発させた。

フォーンファルシア「おのれぇぇぇッ! よくもギラーガ改を!!」

フォーンファルシアはフォーンファルシアバトンからビームを撃って攻撃したが、オブライトはその攻撃を回避した。オブライトはビームサーベルを手に握り、フォーンファルシアに急接近し、フォーンファルシアもフォーンファルシアバトンからビームのリボンを生成し、迎撃した。

オブライト「こいつだけはぁぁぁッ!!」
フォーンファルシア「落ちろぉぉぉッ!!」

ビームのリボンはオブライトの左腕に絡みつき、そのまま左腕を切断した。だが、オブライトはなおもフォーンファルシアに接近した。オブライトはビームサーベルを振り下ろし、フォーンファルシアバトンを切断し破壊。更に続けてフォーンファルシアの左足を斬りつけ、切断した。

フォーンファルシア「くっ…! この…雑魚がぁぁぁッ!!」

フォーンファルシアは右手からビームサーベルを生成し、オブライトの腹部を貫いた。ようやく沈黙したと感じたフォーンファルシアであったが、オブライトは最後の力を振り絞り、ビームサーベルでフォーンファルシアの腹部を貫いた。相打ちとなった双方にはもう、戦う力は残っておらず、動く事もできなくなった。たった2人でクロストライアルの部隊を相手にしたフォーンファルシアとギラーガ改であったが、最後はオブライトの決死の攻撃によって沈黙した。それと同時に、ディグマゼノン砲のチャージが完了し、発射態勢に移行した。

レギルス(フォーンファルシア…すまない…詫びても許されない事は分かっている…だが、私はこの計画を成功させ、お前の兄の魂にも報いてみせる…)

レギルスはディグマゼノン砲の発射命令を出した。ディグマゼノン砲は発射され、高出力のビームで射線上にいたヴェイガンの部隊を一瞬の内に焼き尽くした。

フォーンファルシア「レギルス様、どうか…!」

身動きが取れなくなっていたフォーンファルシアとオブライトもディグマゼノン砲のビームに飲み込まれ、一瞬の内に蒸発してしまった。これだけの威力の攻撃を放った事により、レギルスは勝利を確信した。しかし、レギルスが見たものは想定とは全く違った現実であった。クロストライアルの部隊は全員退避しており、健在で、一番倒しておきたかったガンダムは1人も倒すことが出来なかったのである。この現実を見たレギルスは、自分の大切な部下を犠牲にして得た結果が自身の想定したものとは違う事に、大きなショックを受けた。

レギルス(私は…一体何をやっているのだ…!? 一体何を!?)

味方を犠牲にしてもなお、クロストライアルの部隊に打撃を与えられなかったレギルスは、幻覚を見ていた。それは、これまで死んでいったヴェイガンの者達がレギルスを嘲笑するという幻覚だった。その幻覚の中で、レギルスは無数の死者の手によって血だまりの中に引きずり込まれていった。この時、レギルスは既にいない者達に衝き動かされるように、自身の手でクロストライアルの部隊を殲滅し、この戦いに勝利する事を決意した。墓石色の体色だったレギルスの体は深紅の血と同じとなり、レギルスは一人、出撃した。

レギルス「何としてもクロストライアルは殲滅する! この戦いに、勝利してみせる!!」

後が無くなったレギルスはクロストライアルの部隊のいる方へと向かった。そして、クロストライアルの部隊を発見したと同時にシールド内からレギルスビットを射出した、レギルスビットは雨あられの如くクロストライアルの部隊を襲い、クロストライアルの戦士達に大きなダメージを与えた。更に、追い打ちと言わんばかりにレギルスライフル、ビームバルカン、頭部バルカン砲を放った。この攻撃を前に、クロストライアルの戦士達は大きな痛手を負った。

ウルトラマン「何と言う力だ…!」
ビルバイン「奴のオーラ…まるで理性を失った凶暴な獣のようだ…!」
サイバスター「おいおい、あれじゃもうただの怪物だぜ…」

理性を失った凶暴な獣となったレギルスは、クロストライアルの部隊に攻撃を仕掛けた。だが、そのレギルスを止める為、かつて友だったAGE-2がドッズランサーでレギルスを攻撃した。レギルスはシールドでAGE-2の攻撃を受け止め、二人は戦場で対峙した。

AGE-2「レギルス! 味方を犠牲にしてまで、お前は何をやっているんだ!!」
レギルス「必ずやり遂げねばならないのだ…! 人の感情など、とうに捨てている!!」

イゼルカントが提唱したプロジェクト・エデンは手段と思想にこそ問題があった。しかし、その目的は人が人らしく生きられる世界を取り戻す事なのである。レギルスが人の感情を捨てたと言う時点で、大義として成立しなくなっているのだ。プレッシャーに押し潰され、その事を忘れてしまっているレギルスを止める為、AGE-2は戦うことを決意した。AGE-2は宇宙空間を飛翔しながらドッズランサーでレギルスの頭を狙った。ドッズランサーはレギルスの頭部に当たりながらも致命傷は避け、レギルスはAGE-2のドッズランサーを握り、ひびを入れた。直後、レギルスはレギルスビットを展開し、あられの様な数のビットがAGE-2を襲った。AGE-2は宇宙空間を飛び回り、攻撃をかわしたが、ドッズランサーにレギルスビットが命中し、ドッズランサーは爆散した。メイン武器を失ったAGE-2はビームサーベルを装備し、レギルスのビームサーベルと鍔迫り合いになった。

AGE-2「人である事を捨ててまでやる大義に、何の価値がある!?」
レギルス「貴様に何が分かる!?」
AGE-2「人が人である為のエデンじゃなかったのか!?」
レギルス「俺は前に進むしか、ないのだぁっ!!」

レギルスはAGE-2の頭部に荒々しく頭突きを食らわせた。頭部に衝撃を受けたAGE-2は一瞬意識が吹き飛んだが、何とか耐え、すぐに意識を取り戻した。次の瞬間、レギルスはレギルスライフルの銃口を向けていた為、ビームサーベルをレギルスライフルに突き刺し、レギルスに蹴りを放った。その直後、レギルスライフルは爆発し、爆風で視界が見えなくなっている隙にレギルスの左肩目掛けてビームサーベルを突き刺した。当然、激しい痛みが自身を襲ったが、それ以上にAGE-2と自身の力の差がここまで開いている事に衝撃を覚えた。かつてはAGE-2より自身の方が戦闘力は上であった、しかし、自身がコールドスリープに入っている間に、AGE-2は戦闘力を上げ、自身の一番の脅威となっていた。この事実を受け止める事が出来ず、レギルスは一度退避した。

レギルス「クソッ! クソッ! クソォッ!!」

レギルスはクロストライアルの部隊のいる宙域から少し離れた場所にやって来たが、AGE-2はなおも追撃をかけてきた。この宙域でレギルスとAGE-2は激しくぶつかり合った。獣の様にAGE-2を殴りつけ、蹴りつけるレギルス、その様はもはや理性を失った凶暴な獣そのものであった。だが、きちんとした理性の残っているAGE-2は、胸の髑髏のマークから激しい光を発生させた。その光で視界が眩んだレギルス、その隙にAGE-2はレギルスを蹴り飛ばした。レギルスはなおもビームバルカンや頭部バルカン砲で攻撃を仕掛けたが、全てAGE-2に回避された。そして、AGE-2とレギルスは拳と拳をぶつかり合わせた。結果、レギルスの拳はAGE-2のパンチによって砕け散り、続けてAGE-2はレギルスの右肩にビームサーベルを突き刺した。AGE-2は突き刺したビームサーベルを引き抜くと、そのビームサーベルをレギルスの腹部に突き刺した。全身から伝わる激痛を前に、痛みすら感じなくなったレギルス、そのレギルスをAGE-2はアンカークローで絡め取った。そして、レギルスを自身の真正面まで持ってくると、AGE-2はレギルスに殴りかかった。

AGE-2「この馬鹿野郎がぁぁぁぁぁッ!!!」

AGE-2はレギルスの左頬を殴りつけた。その瞬間、レギルスは我に返り、完全に戦闘不能となった。AGE-2とレギルスのそれぞれの信念をかけた激しいぶつかり合いは、AGE-2の勝利と言う形で幕を閉じた。

レギルス「やっと…俺に追いついたな、大したものだ…」
AGE-2「レギルス!!」

激しい戦闘の末にレギルスは重傷を負い、身動きが取れなくなっていた。エデンの為に今まで戦って来たレギルスだったが、敗北した相手は一番のライバルであるAGE-2であった。目的を達成できなかったレギルスは、悲しい声でAGE-2に対し、悔しさの混じった言葉を語り掛けた。

レギルス「全てが…こぼれ落ちていく…どうして、掴めないんだ…!」
AGE-2「掴めないものだってある、俺達は、人間なんだから」
レギルス「………」

大事な部下を囮にしてディグマゼノン砲でクロストライアルを殲滅する作戦を取ったレギルス。しかし、その作戦は失敗に終わり、AGE-2との戦いにも敗北した。エデンの為に今まで多くの犠牲を払ったレギルスだったが、彼は結局何も掴めなかったのである。

AGE-2「お前は敵である俺を何度も助けてくれた、戦士である前に、人間だった」
レギルス「やり遂げたかったんだ…イゼルカント様のなさろうとした事を…私達の夢を…でなければ…私は何の為に生きたのか…分からないんだ…お前達と過ごしたMSクラブでの毎日…あの時、私は満たされていた…お前は、力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし、本当は…俺もお前が羨ましかったんだ…俺も…愛する人と子を作り…お前の様に生きたかった…」

ようやく明かしたレギルスの本音は、レギルスにとってのエデンは、AGE-2や仲間達と共に過ごしたあの日々だと言う事だった。レギルスの脳内には、AGE-2が学生だった頃のモビルスーツクラブでの出来事が走馬灯のように駆け巡っていた。仲間と過ごした日々の事を、レギルスは懐かしく思い、幸せだったと感じていた。あの日々が続けばどれだけ幸せだろうと、レギルスは感じていた。そして、AGE-2はあの時レギルスに対して言ったある言葉をレギルスに投げかけた。

AGE-2「レギルス…お前がいたから、ここまでやれたんだ!」

この言葉は、MSクラブの大会様に作っていた競技用MSをレギルスの協力もあって何とか完成させた際、AGE-2がレギルスに対して言った感謝の言葉である。幸せだったあの時のAGE-2懐かしい言葉を聞いたレギルスは、幸せそうな表情をしていた。学生以来再び心を通わせた二人、しかし、その時間は長く続かなかった。

レギルス「ありがとう、AGE-2…」

レギルスはAGE-2を突き放した。その直後、レギルスにビームが直撃し、レギルスは宇宙へと散って行った。

AGE-2「レギルスゥゥゥーーーッ…!!!」

レギルスとの決着が着いた事で、ヴェイガンとの戦争は終わるはずだった。しかし、爆炎の中から現れたものは、細身で大型の悪魔の様なモビルスーツであった。そして、そのモビルスーツと共に出現したのは、ザムドラーグであった。

ギンガ「ザムドラーグ!!」
フォースインパルス「まさかあなた、味方であるレギルスを撃ったの?」
ザムドラーグ「そうだ、奴は敵であるAGE-2と接触していたからな」
AGE-FX「酷い…なんでそんな事を…!!」
ディーン「許せない…! お前だけは許せない!!」
ザムドラーグ「ほざけ! 貴様らなど、このヴェイガンギアで皆殺しにしてくれる!!」
ヴェイガンギア「………」
ネオス「あれがヴェイガンの最終兵器か!」
ストライクノワール「この状況で投入してくる辺り、かなりの力を持っているのだろう」

すると、ヴェイガンギアの後方に巨大なモビルアーマーが出現した。節足動物の様な外見をしたそのモビルアーマーは自己修復機能と自己進化機能を持っており、高い戦闘力を持っている。そのモビルスーツはヴェイガンギアを取り込もうと合体した。しかし、ヴェイガンギアの持つ高いXラウンダー能力によって逆に取り込まれ、最強のモビルスーツ、ヴェイガンギア・シドが完成した。

ザムドラーグ「見よ! これがヴェイガンの最終兵器、ヴェイガンギア・シドだ!!」
AGE-1「ヴェイガンギア・シド…これが奴らの最終兵器…!!」
セブン「ヴェイガンの生み出した最強のXラウンダー兵士、ヴェイガンギアと宇宙人の高度な科学力で生み出された破壊兵器シドが合体したヴェイガンの最終兵器か…!!」
ビルギット「凄い力を感じるぜ…!!」
ザムドラーグ「さあ、ヴェイガンギア・シドよ! 奴らを血祭りに上げるのだ!!」

悪魔の様な見た目の破壊兵器であるヴェイガンギア・シドは、シドの翼下部に装備された6門のビームライフルを発射し、クロストライアルのヴェイガン迎撃部隊を攻撃した。レギルスの攻撃やヴェイガンのMSの攻撃で消耗している彼らにとって、この攻撃はかなり痛かった。更に、ヴェイガンギア・シドは空間の零点エネルギーを取り出し、物質へと変換、シド・スレイヴと言う小型のシドを大量生産した。シド・スレイヴはシドと同じ形状をしているが、サイズは小さく、戦闘能力もシドより低下しているが、それでも従来のMS族を凌ぐ能力を持っている。そんな機体がヴェイガンギア・シドの力で大量に生み出されているのである。

AGE-2「俺がかつて戦ったシド・スレイヴがこんなに…」
ジャック「性能はシド以下のようだが、これだけの数を相手にするのは骨が折れるな…」
サイバスター「おいおい…マジかよ…こいつらを俺達だけで相手しろってか?」

すると、ヴェイガンギア・シドのワームホールを展開し、そこにシド・スレイヴを吸い込ませていった。一機、また一機とワームホールに吸い込まれて行くシド・スレイヴ、そのシド・スレイヴは太陽系のあらゆる場所へと転送されていた。当然、地球にも出現しており、地球上の都市を攻撃、地球統合軍もイフィニアドもヴェイガンも関係なく、無差別に攻撃を開始していた。その光景はまさに、この世の終わりと言う言葉が正しかった。

ガフラン「大変です! ザムドラーグ様!!」
ザムドラーグ「何だ?」
ガフラン「シド・スレイヴが地球上の友軍を攻撃しております!!」
ザムドラーグ「何だと!? そんな馬鹿な!?」

すると、シド・スレイヴは宙域にいたヴェイガンの兵士を攻撃対象として見なし、襲い掛かった。無数に出現したシド・スレイヴのビームによって一人、また一人と撃墜されてゆくヴェイガンの兵士達。ヴェイガンギア・シドは、シド・スレイヴは、無差別に命を奪うただの怪物となったのである。

ガフラン「ザムドラーグ様! お逃げくださ…がはっ!!」
ザムドラーグ「馬鹿な…こんな…こんなはずでは…!!」
デスティニー「これがあんたの言う最終兵器って奴かよ! こんなの、ただの無差別破壊兵器じゃないか!!」
ザムドラーグ「理論上はこんな事になるはずはなかった…! お前達を殺すだけだったはずだ! それが何故こんな事に…!!」
ディーン「味方を平気で撃つようなお前の作った最終兵器なんだ、こうなる事は当たり前だろ!!」
ザムドラーグ「何…!?」
ディーン「お前は俺を撃ったり、レギルス様を撃つように命令した、そして、お前の作った最終兵器は今、多くの同胞を撃ってる、あの最終兵器はお前と同じだ、ザムドラーグ!!」
ザムドラーグ「くっ…! 私がシドと合体した時に起こりうる異常まで計算していれば良かったのだ…そうすれば、こんな事は防げた…」
ヒカリ「いや、そもそも人の作り出したものと宇宙人が作り出したものを合体させてはいけなかったんだ」
メビウス「宇宙人の技術は、今の地球の技術からしてもオーバーテクノロジーなんです、それを無理に合体させる事は危険だって、分からなかったんですか?」
ザムドラーグ「レギルスの事が気に食わんかったのだ…奴がイゼルカント様の後継者と言うのが…だから、奴を何としても始末したかった…」
デスティニー「その結果がこれだ! これはあんたが招いた結果なんだ!!」
ザムドラーグ「ああ、だから私は一人の男として、奴を止めてみせる!!」

ザムドラーグは自分のした事の責任を取る為、ヴェイガンギア・シドを止めようと向かって行った。しかし、ヴェイガンギア・シドに対し、ザムドラーグキャノンを放つものの、その攻撃はシド・スレイヴに遮られた。その直後、ザムドラーグは無数のシド・スレイヴによる遠隔攻撃を一斉に食らってしまった。無数に出現したシド・スレイヴによる一斉攻撃の物量はファンネルやドラグーンとは比べ物にならず、ザムドラーグは一気に痛手を負ってしまった。ヴェイガンギア・シドはトドメの一撃として、尻尾状のビーム砲、デルタゲイザーを放った。デルタゲイザーは高い火力を誇るビーム砲であり、ザムドラーグは一撃で胴体を貫かれた。

ザムドラーグ「馬鹿な…! この私が…! 何もできないとは…!!」

直後、ザムドラーグは爆散し、宇宙に消えた。ヴェイガンの中でも高い実力を持ったザムドラーグであったが、ヴェイガン最強の最終兵器であるヴェイガンギア・シドの前には無力も同然であった。そして、それはクロストライアルの面々も同じであった。実力、火力、防御力、機動力、砲撃能力、自己修復能力、物量全てを併せ持つヴェイガンギア・シドを前に、クロストライアルの面々はプレッシャーで押し潰されそうになっていた。そんなクロストライアルの面々に対し、ヴェイガンギア・シドはシド・スレイヴの大群を送り込んだ。一機一機の性能が従来のMSを凌ぐ能力を持つシド・スレイヴ。撃破してもまた次のシド・スレイヴが無尽蔵に生み出され、その度にワームホールで地球上に送り込まれ、殺戮の限りを尽くす。地球はたった一日にして、世界最後の日を迎えたのである。

その頃、地球上では送り込まれたシド・スレイヴの大群に対し、地球上の全戦力を持って迎撃していた。敵味方関係なく攻撃するシド・スレイヴを前に、もはや地球統合軍もイフィニアドもヴェイガンも関係なく、共に手を取り合ってシド・スレイヴの相手をしていた。皮肉にも、長い間敵対関係にあった双方は、シド・スレイヴと言う存在によって一つになったのである。エリア・プラントでは、ザフト軍の兵士達とウルトラ戦士、そして、イフィニアドとヴェイガンがエリア・プラントを守る為、共に戦っていた。

デュエル「…まさか、お前達と手を取り合う時が来るとは思わなかった」
ダナジン「それは我々もだ、こんな訳の分からない奴にエデンを火の海にされては困るからな」
サーペント星人「しかし、この兵器は一体何なんだ? 一体どこの所属だ?」
パワード「これはとある宇宙人の作り上げたシドと言う兵器によく似ているな」
ハイネ「ふ~ん、その宇宙人はこの兵器を作り上げて究極とか言っちゃってたんだろうな」
グレート「だとしたら、とんだ迷惑だ!」
バスター「とにかく、この地球をお前らの勝手にはさせないぜ!!」

一方、アメリカの方にもシド・スレイヴの大群は出現していた。その大群を相手にしたのはウルトラフォースの3人と現地の地球統合軍。そして、本来は敵のはずであったイフィニアドとヴェイガンであった。彼等は、無差別に殺戮をするシド・スレイヴを相手に命を懸けて戦っていた。

スコット「無差別に攻撃をするなんて、クレイジーな奴だぜ!!」
チャック「もはやこの状況、我々が手を取り合うしかないな!」
ベス「こんな状況でも戦うほど、イフィニアドとヴェイガンも落ちぶれちゃいないわよね?」
旧ザク「当たり前だ! こんな敵も味方も無差別に攻撃するような奴を放って戦えるか!」
ゴメル「とりあえず、今は一時休戦だ、いいな?」
ヘビーガン「我々は構わない、人々を守る地球統合軍としては、見過ごせる状況ではないからな」
フォビドゥンヴォーテクス「そう言う事だ、今はこの大量破壊兵器を止めるぞ!!」

アメリカの部隊が協力してシド・スレイヴと戦っていた頃、ロストロウランの地球統合軍もイフィニアド及びヴェイガンと共同戦線を取っていた。かつてクロストライアルが守り抜いたロストロウランに出現したシド・スレイヴの大群を前に、一進一退の攻防を続けていた。

クリスティーナ「恐ろしい敵が現れたな、無差別に攻撃する兵器の大群か…」
レイン「それも十機…いや、二十機以上いる…」
ルル「怪我人が増える一方ですよぉ…」
クラン「でも、私達は負けられない!!」
アデルマークII「クランの言う通りだ! 我々は何があっても退く事はできない!!」
ゲイツ「それは我々イフィニアドとヴェイガンも同じだ! 侵略する予定の星を火の海にされては困る!!」
ドラド「侵略どうこうは今は置いておいて、今は共に戦うぞ!!」
ジェガン「ああ、今は、今だけは、共に戦おう!!」

ロストロウランの部隊も手を取り合って共に戦おうとしていた。かつて幾度となく戦場となったオーブ首長連合国でも、シド・スレイヴを打ち破る為、手を取り合っていた。

ストライクルージュ「まさかこうしてイフィニアドやヴェイガンと共に戦うことになるとはな」
ヒュプナス「我々としても、こんな危険な兵器を放置する事は良くないと思っていてな」
アカツキ「それは俺達も同じさ、M1アストレイの嬢ちゃん達とドムトルーパー部隊は俺に続け! 何としても市民を守り抜くぞ!」
ストライクルージュ「ムラサメ部隊はイフィニアド、ヴェイガン部隊と協力し、敵の兵器を撃破するんだ!!」
ウロッゾ「エデンを焼かれては困る、必ず守り抜いてみせる!!」
ストライクルージュ(フリーダム…ジャスティス…お前達も絶対に生き残れよ…!)

オーブを守り抜く為、かつて敵同士だったイフィニアドとヴェイガンと共闘する事となった。一方、日本の首都である東京でも、地球統合軍の部隊とウルトラ戦士、イフィニアドとヴェイガンの部隊が共闘していた。

ソードカラミティ「日本の首都防衛なんて、大変な任務を任されちまったな、俺ら」
ガンバレルダガー「だが、ここを守り抜く事が今の我々の任務だ」
マックス「これ以上、この地球をお前達に焼かせはしない!!」
ゼノン「その為に、我々ウルトラマンがいるんだ!!」
キール星人「しかし、この兵器は一体何なんだ? 無尽蔵に現れるが…」
バクト「今は考えても仕方ない、こいつらを一機残らず破壊するぞ!!」

東京を守る為、地球統合軍とイフィニアド、ヴェイガンは共同戦線を取ることになった。そして、地球を守ると言う意思を持っているのは人類だけではなかった。日本の大阪では、ガメラ、ガッパ、モスラがシド・スレイヴと戦っていた。

ガメラ「シャギャァァァ!!」
ガッパ「ガオォォォッ!!」
レインボーモスラ「シギャァァァ!!」
カナン星人「怪獣達もあの兵器と戦うつもりなのか…」
レガンナー「あの怪獣達、明確に人類を守ると言う意思を見せているな…」
ダガーL「あの怪獣達は今まで幾度となく人類を守って来た正義の怪獣達だ」
ウィンダム「怪獣達だって地球を守ろうとしているんだ、今はイフィニアドだヴェイガンだと言っている場合じゃないだろ?」
ガイナガモス「そうだな、今はお前たち地球統合軍と共闘する事にしよう」

種族は違えど、共闘する事となった怪獣と地球連合軍、そしてイフィニアドとヴェイガン。かつてガンダムF91異世界の来訪者が守ったエスプランドル聖王国でも、エスプランドル騎士団が国を守る為に戦っていた。

アエリス「イフィニアドとヴェイガンの皆さん、ここは私達と協力して、この兵器を倒しませんか?」
ヒュプナス「いいだろう、我々としても、こんな無差別に攻撃するイカレた兵器を前にしてお前達と戦うつもりはない」
ドラドL「こいつは友軍を攻撃した、同胞を殺したんだ、放っておくわけにはいかない!」
ジェズアルド「やはり、お主達も考える事は同じか」
ソフィア「だったら、みんなで協力してあの兵器を破壊しましょう!」
エルフリーデ「腕が鳴るわね!」
エルマー「僕達なら、きっとやれるよ!」
セアル「それじゃ、一気に行くわよ!」

一度はF91達によって平和を取り戻したエスプランドル聖王国。今度は敵であるイフィニアドとヴェイガンと協力し、国を守る為に戦っているのである。

突然現れたシド・スレイヴを前に、地球とイフィニアド、ヴェイガンは協力し、共に共通の敵を倒すことになった。そして今、シド・スレイヴはイフィニアドの本拠地であるインペリアルフォートレスにも出現したのである。シド・スレイヴはインペリアルフォートレスの周りを取り囲むように出現し、インペリアルフォートレスに攻撃を仕掛けていた。突如出現したシド・スレイヴに対応する為、クロストライアルの一部のメンバーは戦艦に戻り、シド・スレイヴを攻撃することになった。更に、ウルトラ戦士や魔弾戦士など、飛行可能なメンバーは外に出てシド・スレイヴの迎撃を開始した。遠距離攻撃が可能なメンバーは遠距離から攻撃し、シド・スレイヴを少しずつ撃破していた。しかし、倒しても倒しても無限に湧くシド・スレイヴを前に、クロストライアルのメンバー達は苦戦していた。

ドラゴニュート「何だよこいつら! 倒しても倒しても次から次へと現れやがって!!」
アバレッド「これじゃあキリがないですよ!!」
ラズ「まずいわ…インペリアルフォートレスには、戦いとは無関係な一般人も住んでいるのに…私の育ての親も住んでいるのに…」
J「それはいけない! 今すぐ助けに行かないと!!」
奏真「みんな、聞いての通りだ、俺とラズとシオリ、ターニャ、ミーナ、ノクト、そして、仮面ライダーの方々はインペリアルフォートレスの居住区に住む人々を救助しに行く」
シオリ「だから、ドラゴニュート、アイラ、ファヴール、イオナ、レイラ、ルシファーの6人は皇帝を捕まえて! いいわね?」
イオナ「分かりました!」

カイト「ん? そんな少数でいいのかよ? 俺達カイスマメンバーも行こうか?」
ルシファー「お前達はシド・スレイヴの迎撃を頼む、今は少しでもあの兵器に戦力を送りたい、こっちは私がいれば戦力的には十分だ」
ダークカイト「ああ、分かった、こっちは存分に暴れてやるよ」
ヘルベロス「とりあえず、大口叩いたからには必ず結果出して来いよな!!」
ルシファー「言われなくても分かっている」

そう言い残し、ルシファー達は皇帝の間へと向かって行った。それを見送った他のメンバー達は、インペリアルフォートレスを守る事を決意した。

MOGERA「さ~て、さっさとあのイカレ兵器をぶっ壊すとするか!」
機龍「無差別に攻撃を仕掛けるなんて、作りは私達より複雑そうだけど、頭の悪いAIが使われてそうね!」
ハルオ「だからこんな風に暴れまわっているんだろう、これを作った人物の顔が見てみたいな」
スーパーメカゴジラ「多分相当ブサイクなんだろう、ジェットジャガーみたいにな」
ジェットジャガー「???」
レオナルド「おいおい! ジェットジャガーはカッコいいだろ!!」
アルス「いや、だからそう思ってるのはクロストライアルの中でもお前ぐらいだって」

シャンゼリオン「しっかし、大変なことになっちまったな…これ、どれぐらい報酬弾んでくれるんだ?」
アバレブルー「出る訳ないだろ、ヒーローなんて基本タダ働きだ」
アバレイエロー「そうよ、この戦いは人助け、ボランティアみたいなものだからね」
シャンゼリオン「そんな~! こんだけ命懸けてんのに? 俺、今から逃げようかな…」
アバレブラック「駄目ですよ! シャンゼリオンさん! 地球に住む皆さんを守らないと!」
アバレッド「地球を守ったら、色んな人から褒められますよ!」
シャンゼリオン「色んな人から褒められる…? じゃあ、カワイ子ちゃんにモテるかも! よし! 俺はやるぞ!!」
アバレブルー「…単純な奴だな…」

トリガーダーク「おいおい…このガラクタどんだけ湧いて出るんだよ…」
トリガー「次から次へと現れるなんて!!」
ネクサス「諦めちゃ駄目です! 僕達は地球を守る為に頑張らないと!!」
レイモン「俺のリトラもやる気出してるんだから、頑張らないとな」
イーヴィルティガ「地球は幾度となく危機に見舞われてきた…だが、その度に俺達は打ち勝ってきた…」
ティガ「かつて邪神ガタノゾーアが現れ、人類は滅亡寸前まで追いやられた、でも、僕達はこうして生きてる、諦めちゃ駄目なんだ」
トリガーダーク「…そこまで言われちゃ、やるしかないよな!!」
トリガー「僕達は絶対に地球を守り抜いてみせる!!」

一方その頃、ドラゴニュートの故郷であるエクレールの村の跡地に隠れ住んでいたイフィニアドの敗走兵であるエニスは一人、シド・スレイヴの大群と戦っていた。地球統合軍との激戦の末、所属していた部隊は全滅し、一人エクレールの村の跡地に隠れ住んでいた女性兵士のエニスであったが、彼女もシド・スレイヴに襲われていた。剣一本でシド・スレイヴを相手にしていたが、圧倒的な物量に押され、命の危機に陥ってしまった。

エニス「私…こんな所で…死ねない…! でも、この数を相手にするのは…!」
???「なら、助けてやろう」

その時、シド・スレイヴは一撃で叩き斬られ、爆散した。一瞬の出来事に驚いたエニスであったが、自身が助かった事に安堵した。そのエニスの目の前にいたのは、元イフィニアド四天王のシャドームーン、そして、かつてウルトラマンネクサスと戦い、改心した後行方をくらましたダークメフィストであった。

エニス「あなたは…確か…イフィニアド四天王の…」
シャドームーン「それは過去の話、今の俺は、シャドームーン、仮面ライダーの一人だ」
ダークメフィスト「そう言う事だ、俺もかつてはダークメフィストと言う悪の戦士だった、だが、今は違う、今の俺はウルトラマンメフィストと言った方が正しいかもしれない」
エニス「でも、あなた達だけじゃこの数は…」

シド・スレイヴはなおも出現し、その数は30機以上であった。いくらシャドームーンやダークメフィストが強くても、この数を相手にするのは不可能であった。だが、その時颯爽と現れた者達がシド・スレイヴを一瞬で全滅させた。

モグラ獣人「チュチュ~ン、俺達だって戦えるんだからな!」
タックル「ストロンガーがいない今、私が頑張らないと!」
クジラ怪人「ライダーだって戦ってるんだ、みんなで海を、世界を守らないと…!」

モグラ獣人はかつて仮面ライダーアマゾンと共にゲドンやガランダーと言った組織と戦った正義の怪人である。元々は敵であったが、作戦に失敗した事で処刑されかかっていた所をアマゾンに助けられた事で味方となった頼れる仲間である。
タックルは正式名称を電波人間タックルと言い、ストロンガーと共にブラックサタンやデルザー軍団と戦った女性戦士である。改造人間であり、女性戦士と言う肩書ではあるが、仮面ライダーではないと言う変わった立ち位置の戦士である。
クジラ怪人はゴルゴムの怪人であるが、仮面ライダーBLACKと共に戦った正義の怪人である。ゴルゴムとの戦いが終わった後はひっそりと海で暮らしていたが、イフィニアドの襲来を知り、モグラ獣人やタックルと共に戦っていたようだ。
この人物達は一度は生死の境をさまよった事があるが、無事生存し、現在はこうして戦っているのである。そして、彼ら以外にもシド・スレイヴと戦っている者達がいた。

グランデ「ったく、こうも敵が多くっちゃ相手しきれねえよな」
EXレッドキング「ギャアァァァス!!」
ゾルダ「ほんとそれだよ、僕もこういうごちゃごちゃした戦いは好きじゃないし」
ライア「大丈夫だ、俺の占いだと、この戦いには勝てると出ている、俺の占いは当たる」

グランデは以前レイモンと何度も戦ったキール星人のレイオニクスであり、レイモン一番のライバルである。レイモンと共にレイブラッド星人を倒し、行方をくらましていたが、ひっそりとイフィニアドやヴェイガンと戦っていたようだ。
ゾルダは自称スーパー弁護士の仮面ライダーであり、銃を使った戦闘を得意とする仮面ライダーである。龍騎やナイトとはかつて何度も戦ったが、現在はイフィニアドやヴェイガンと戦っている。
ライアは占い師の仮面ライダーであり、鞭を使った戦闘を得意とする仮面ライダーである。一時期は龍騎やナイトと行動を共にしていた時期があり、彼等と別れた後もひっそりとイフィニアドやヴェイガンと戦っていた。
彼等は今、共通の敵であるシド・スレイヴを撃破する為、手を取り合って戦っているのである。そして、そんな彼らと共に戦う2人の人間の姿があった。

エニス「あなた達は…」
駆「俺は駆・ブラウスピカ、こっちは妻の美麗・ブラウスピカです」
美麗「よろしくね」
エニス「ブラウスピカ…まさか、ドラゴニュート・ブラウスピカの…!!」
駆「そう、父と母だよ」
エニス「死体が発見されてなかったから、生存してる可能性はあったけど、まさか、こんな部隊を作り上げて戦っていたなんて…」
駆「俺達は表立って行動せず、こうやってひっそりと戦ってたんだよね、だから、一般にも正体が知られてない謎の部隊と思われてるはずだよ」

駆と美麗は2年前のイフィニアド襲来時にドラゴニュート達と離ればなれになった後、イフィニアドやヴェイガンと戦う為、同士を集めて戦っていたのである。補給部隊の襲撃など、表立って行動していなかった為、イフィニアドやヴェイガンからは謎の部隊と認知されていた。当然、イフィニアドやヴェイガンは彼等の殲滅も考えていたが、正体が不明な為、行動に移すことが出来なかった。駆たちは自分の部隊の事をリベラシオンと呼んでおり、意味はフランス語で解放と言う意味である。今まではイフィニアドやヴェイガンの手から地球を解放する為に戦っていた、だが、今はシド・スレイヴと言う脅威が現れた。そのシド・スレイヴと戦う為、駆はエニスにも手を貸してもらうことにした。

駆「君も、一緒に戦ってくれるかな?」
エニス「私? ただのイフィニアドの元一般兵である私でよければ…」
駆「ありがとう! 君、名前は?」
エニス「エニス、エニス・コードウェル」
駆「エニスか、いい名前だね、これからよろしく!」

駆たちはシド・スレイヴと対峙した。なおも増え続けるシド・スレイヴではあったが、駆たちは一歩も退く事はなかった。今、ここで逃げたら多くの人が傷つくことになる、それだけは避けなくてはいけなかった。シド・スレイヴの手から地球を解放する為、少しでも多くのシド・スレイヴを破壊しなくてはいけないのである。

駆「さあ、ここからが俺達人類の反撃だ!!」

ヴェイガンギア・シドによって生み出されたシド・スレイヴの大群が地球全土を攻撃した。この非常時に、クロストライアル、地球統合軍、イフィニアド、ヴェイガンは手を取り合い、共にこの事態を乗り切る事となった。イフィニアドの本拠地であるインペリアルフォートレスでは、居住区に住む一般人を救助しながら、シド・スレイヴと戦っていた。この非常時にもはや敵も味方もない為、イフィニアドはガイガンレクス、ガイガンミレースを始めとした機動兵器を全機出撃させ、シド・スレイヴの対応にあたった。イフィニアドの開発した機動兵器の数は凄まじい数であり、シド・スレイヴに対して数の暴力で何とかできてはいた。しかし、シド・スレイヴは次から次へと現れる為、このままではやがて押される事は明白であった。この状況を打破する方法は一つ、ヴェイガンギア・シドを撃破する事しかない。だが、仮にヴェイガンギア・シドを撃破しても、イフィニアドの皇帝が戦いを続けるならば、この戦いは終わらない。ドラゴニュート、アイラ、ファヴール、イオナ、レイラ、ルシファーの6人は、イフィニアドの皇帝を捕まえる、または倒す為、皇帝の間へと向かった。イフィニアドとの戦いを終わらせるただ一つの方法は、それしかないのである。皇帝の間へのルートは大して入り組んでおらず、この状況で警備兵も避難している為、すぐに辿り着く事ができた。遂に辿り着いた皇帝の間、そこは王城の様な造りとなっており、皇帝の居る場所は赤いカーテンに覆われていた。そこ赤いカーテンの先に、この戦いを仕向けたイフィニアドの皇帝がいるのである。イフィニアドの構成員が誰も見た事ない皇帝の正体、それが遂に、明らかになるのだ。

ドラゴニュート「イフィニアドの皇帝! 遂にこの時が来たな!!」
イオナ「あなたは既に包囲されています!!」
レイラ「大人しく投降しなさい!!」
皇帝「投降しろですって? この私が?」

皇帝の声は男性の声ではなく、以外にも若い女性の声であった。中音の女性の声ではあったが、その声は氷の様に冷たい冷酷な声であった。この状況に置かれてもなお、皇帝は投降しようとせず、余裕の様子であった。

ルシファー「その声…以前私が聞いた声は男性の声だったはずだが…?」
皇帝「私は自由に声を変えられるのよ、今まであなたが聞いていた声は全て偽物って訳」
ドラゴニュート「余裕ぶってんじゃねえ! 今すぐお前の正体確かめてやる!!」

ドラゴニュートは皇帝のいる方に行くと、カーテンを開けた。すると、その正体を見たドラゴニュート達は驚愕の表情を見せた。長い間正体が謎であった皇帝の正体は、黒い色をした巨大なチェスのクイーンの駒だったのだ。それにスピーカーが取り付けられており、それを介してイフィニアドの構成員と会話していたのである。

ルシファー「これは一体どう言う事だ!?」
皇帝「残念だったわね、私は本物の皇帝ではないの、いや、そもそもイフィニアドの皇帝なんてものは最初から存在してないのよ」
アイラ「どう言う事ですか!? だってイフィニアドは、前の宇宙からこの宇宙に逃げて来たんでしょ!? だったら…!!」
皇帝「前の宇宙からこの宇宙に来た事は事実よ、でも、皇帝なんてものは存在しない、これが何を意味するか、分かるわね?」
ファヴール「まさか…! この宇宙に来る前に、偽りの皇帝を作り上げ、イフィニアドを結成した、そして、この宇宙にやって来たあなたは誰にも正体を知られぬよう、イフィニアドの皇帝として、この地球を侵略していた…」
皇帝「ピンポーン、せいかーい、つまり、あなた達はまんまと騙されていたって事ね」
ルシファー「そんな…、私が今まで尽くしていた人物は、存在しない人物だったとは…」
皇帝「存在しない訳じゃないの、本物の私はあなた達がいる場所とは違う場所からチェスの駒を介して会話してるんだから」

ドラゴニュート「…ふざけんなよ…」
皇帝「…ん?」
ドラゴニュート「ふざけんなって言ってんだよ!! お前は多くの人を利用して、傷つけて、自分だけ安全圏でこの惨劇を楽しんでいたって言うのか!? ふざけんじゃねえ!! ふざけんじゃねえぞ!!!」
皇帝「ああ、楽しんでたわ、本当に面白いショーだったよ、流石、前の宇宙から構想していただけはあるわ、そして今のこの状況、今までで一番楽しいよ」
ドラゴニュート「お前…!! ふざけるなぁぁぁぁぁッ!!!!!」

ドラゴニュートは目の前にあったチェスの駒を二本のヴィエルジュで叩き斬った。ヴィエルジュで斬り倒されたチェスの駒であったが、まだスピーカー部分は壊れてなかった為、皇帝を名乗る人物はなおも語り掛けてきた。

皇帝「私は知っているんだよ? この地球は100年以上前から絶えず争いが続いているって、イフィニアドを撃破した程度で平和になる訳でもないのに…よくやるわ」
レイラ「それでも! 平和には一歩近づくわ!!」
イオナ「イフィニアドを倒す事で一歩でも平和に近づくなら、私達は戦います!!」
皇帝「無駄よ、君達に私は倒せない、仮に私を倒したとしても、この宇宙に滅びが訪れる時が必ず来る…それでも戦う?」
ドラゴニュート「当たり前だろ! 俺達はこの星の明日の為に命さえ賭けられるんだ! お前なんかに負けない! 絶対に!!」
皇帝「絶望的な状況でも決して諦めないその執念、嫌いじゃないわ、なら、私からご褒美をあ・げ・る」

その時、ドラゴニュート達の目の前に何者かが出現した。現れたのは全身が黄金の仮面ライダー仮面ライダーオーディンであった。オーディンはかつて仮面ライダー同士が戦うライダーバトルを開催し、多くのライダーの犠牲を出したものの、最後はタイムベントのカードでライダーバトルそのものをなかったことにし、自身も消滅した。ライダーバトルの記憶はこの世界の者達は誰も覚えておらず、オーディンも消滅したが、そのオーディンが今、この場に現れたのである。常に腕組みをした姿勢を取っている仮面ライダーオーディンではあったが、オーディンからは凄まじい威圧感が放たれていた。

ドラゴニュート「何だこの仮面ライダーは?」
皇帝「あなた達の記憶から消え去った仮面ライダーよ、残留思念が残っていたから回収して復元しておいたの、これが私からのプ・レ・ゼ・ン・ト、受け取ってね」

そう言って皇帝を名乗る人物はスピーカーの通話を切り、スピーカーは爆散した。直後、ドラゴニュート達はオーディンを倒す為、戦闘を開始した。ドラゴニュートはヴィエルジュに電撃を、ブラックヴィエルジュに風を纏い、サンダーエッジとウインドブレイカーの同時攻撃を放った。しかし、仮面ライダーオーディンドラゴニュートの背後に瞬間移動し、腕で薙ぎ払うようにドラゴニュートを殴り飛ばした。イオナは地面を駆け、オーディンに対して鉄の暗器で斬りかかったが、ドラゴニュートと同じく背後に瞬間移動され、殴り飛ばされた。

レイラ「何この仮面ライダー! 圧倒的じゃない!!」
ファヴール「でも、この仮面ライダーを倒さないと私達は逃げる事すらできないようですね…」

その時、オーディンはレイラの背後に瞬間移動した。だが、レイラはオーディンが攻撃を開始する前に、オーディンの顔面にパンチを放った。レイラはオーディンが移動した際に生じる僅かな風の流れを感知する事で、オーディンの行動に対応する事が出来たのである。しかし、オーディンは全くダメージを受けておらず、効き目がなかった。

レイラ「嘘…!?」

オーディンはレイラを腕で薙ぎ払い、レイラは壁に体を打ち付けて気を失ってしまった。ドラゴニュート達はこの圧倒的な強さを持つオーディンに対し、どうやって倒せばいいのかと考えていた。そして次の瞬間、オーディンはアイラの近くに瞬間移動し、アイラの首を掴んで持ち上げた。

アイラ「あっ…! ぐぅっ…!!」
ファヴール「アイラさん!!」
ドラゴニュート「こいつ…! アイラを放せっ!!」

ドラゴニュートは二本のヴィエルジュに高エネルギーを纏い、ダブルインパルススラッシュをオーディンに放った。その攻撃でオーディンは少し怯んだが、ほぼ効き目はなく、オーディンドラゴニュートの方を見つめ、アイラを投げ飛ばした。投げ飛ばされたアイラは壁に体をぶつけ、気を失った。そして次の瞬間、オーディンドラゴニュートの腹部に蹴りを放った。

ドラゴニュート「うぐっ!!」

ドラゴニュートは蹴り飛ばされて大きく吹っ飛び、地面に倒れ込んだ。圧倒的な強さを誇るオーディンに対し、ファヴールとルシファーは協力してオーディンに挑むことにした。すると、オーディンは召喚機のゴルトバイザーにソードベントのカードを挿入し、契約モンスターのゴルトフェニックスの羽根を模した双剣、ゴルトセイバーを召喚した。そして、ファヴールとルシファーの同時攻撃をゴルトセイバーで受け止め、そのまま薙ぎ払った。薙ぎ払われたファヴールとルシファーは吹っ飛ばされ、地面に倒れ込んだ。

ルシファー「くっ! 何と言う強さだ!!」

オーディンは召喚機のゴルトバイザーにファイナルベントのカードを挿入し、ファイナルベント「エターナルカオス」を発動させた。どこからともなく契約モンスターのゴルトフェニックスが現れ、オーディンの背中に装着した。そして、ゴルトフェニックスと合体したオーディンは黄金のエネルギーを身に纏い、そのままドラゴニュートイオナ、ファヴール、ルシファーの4人目掛けて突進した。

ドラゴニュート「まずいっ! 魔導障壁、展開っ!!」

ドラゴニュートは魔力のバリア、魔導障壁を展開して少しでもダメージを抑えようとした。しかし、エターナルカオスはとてつもない破壊力を秘めた最強のファイナルベントであり、魔導障壁の防御はほぼ意味をなさなかった。魔導障壁は一撃で破壊され、その直後、大爆発を発生させ、ドラゴニュート達を吹き飛ばした。

ドラゴニュート「うわぁぁぁぁぁッ!!!」
イオナ「あぁぁぁぁぁッ!!」

ドラゴニュート達は大ダメージを受け、地面に倒れ込んだ。先ほどの大爆発で壁には大きな穴が開いており、エターナルカオスの破壊力の凄まじさが伺えた。そして、オーディンは地面に倒れ込んだドラゴニュート達にトドメを刺す為、向かって来た。

ルシファー「奴は私達にトドメを刺すつもりだ…」
ファヴール「でも…もう立つ事が出来ません…」
イオナ「こんな所で…死ねないのに…!!」
ドラゴニュート「くっそぉぉぉぉぉッ!! ここまでなのかよぉぉぉぉぉッ!!!」
???「情けないな、お前は」

次の瞬間、破壊された壁の穴から入って来た何者かの放った二筋の攻撃がオーディンのゴルトセイバーを弾き飛ばした。その攻撃を放ったのは、ドラゴニュートと激闘を繰り広げたダークドラゴニュートとダークファヴールであった。

ドラゴニュート「ダークドラゴニュート…それに、ダークファヴール」
ダークファヴール「どうも」
ファヴール「何故…助けてくれたのですか…?」
ダークドラゴニュート「勘違いするな、決着を付ける前に貴様に死なれては困るのだ、貴様らを殺すのは俺達だと決まっているのだからな」
ドラゴニュート「ダークドラゴニュート…ありがとう!」
ダークドラゴニュート「何故礼を言われなければならん、こいつといま世界中に発生しているガラクタを叩き潰したら、今度は貴様だからな、覚えておけ」
ドラゴニュート「分かった、とりあえず、今はこいつを一緒に倒そう!」
ダークドラゴニュート「いいだろう、今回だけは共に戦ってやる」

ドラゴニュート達はボロボロの状態で何とか立ち上がり、戦闘態勢を取った。先ほどまで気を失っていたアイラとレイラも立ち上がり、戦闘に参加した。仮面ライダーオーディンはゴルトセイバーを再び手に取り、ドラゴニュートの背後に瞬間移動した。しかし、ドラゴニュートは二本のヴィエルジュに炎を纏った斬撃、ダブルフレイムソードを背後にいたオーディンに放ち、ダメージを与えた。

ドラゴニュート「そう何度も同じ攻撃を食らうかよ!!」

ダメージを受けて怯んだオーディンに対し、ファヴール、ダークファヴール、イオナ、アイラ、レイラが立て続けに攻撃を放った。手始めにファヴールとダークファヴールの斬撃攻撃、続けてイオナとアイラの斬撃攻撃、最後にレイラが強力なキックを放ち、ダメージを与えた。更に続けてダークドラゴニュートとルシファーが自身の持つ剣で連続攻撃を放った。凄まじい速さで行われる斬撃にオーディンは対応しきれず、ほぼ一方的であった。

ダークドラゴニュート「俺に続け! ドラゴニュート!!」
ドラゴニュート「分かった!!」

ドラゴニュートは二本のヴィエルジュに高エネルギーを纏い、ダブルインパルススラッシュを放った。それと同時にダークドラゴニュートはダークネスソードに闇の魔力を纏い、闇の斬撃攻撃、シャドウブレイドを放った。光と闇の同時斬撃攻撃を食らった仮面ライダーオーディンは大ダメージを受け、遂に地面に足を付いた。

ドラゴニュート「みんな! トドメだ!!」
ダークドラゴニュート「俺に命令するな!!」
イオナ「分かりました!!」
ルシファー「いいだろう…」

ドラゴニュートとダークドラゴニュートは右掌にそれぞれ光と闇の魔力を収束させ、ライトブラストとシャドウブラストの発射態勢を、イオナはオーラを最大まで高め、それを右掌に収束させ、ライトブラストに匹敵する威力の技、オーラブラストの発射態勢を、そしてルシファーは右掌に高エネルギーを収束させ、リベリオンブラストの発射態勢を取った。そして、4人はそれらの攻撃を同時に放ち、仮面ライダーオーディンに命中させた。

オーディン「優衣……!」

オーディンはそう言い残し、4人の同時攻撃を食らって跡形もなく消滅した。こうして、仮面ライダーオーディンとの激闘は何とか終わった。しかし、まだ戦いが全て終わった訳ではなく、世界中に現れたシド・スレイヴを倒さなくてはならないのだ。

ダークドラゴニュート「おい、ドラゴニュート、まだ動けるか?」
ドラゴニュート「まあ、アイラの回復魔法で少し回復させてもらえれば何とか…」
ダークドラゴニュート「だったら、外を飛び回っているガラクタを全て破壊するぞ」
ドラゴニュート「言われなくたって、そのつもりさ」
ダークドラゴニュート「いい返事だ…ダークファヴール!」
ドラゴニュート「ファヴール!」
ファヴール&ダークファヴール「了解、マスター」

二人のファヴールはエアバイク形態へと姿を変え、二人のドラゴニュートはその上に乗った。そして、二人はエンジンをかけ、発進準備をした。

アイラ「ドラゴニュートさん!」
ドラゴニュート「安心しろ、俺は必ず勝って帰る!」
レイラ「無理しちゃ駄目よ?」
イオナ「私達は他の皆さんの支援に回ります、ドラゴニュートさんとダークドラゴニュートさんは、あなた達にしかできない事をしてください」
ダークドラゴニュート「言われなくても、分かっている、あのガラクタ共を全て破壊したら、次はお前らだからな」
ルシファー「二人共、健闘を祈る」

ドラゴニュートは仲間達に勝利のVサインを送ると、ファヴールを発進させ、ダークドラゴニュートと共に空の戦場へと出撃した。その姿を、仲間達はじっと見つめていたが、ドラゴニュートとダークドラゴニュートならきっと無事に帰って来ると信じていた。そして、仲間達は自分達にしかできない事をする為、他の仲間達の元へと向かった。

一方、エクレールの村の跡地で戦っていた駆たちリベラシオンのメンバーは、圧倒的な数を誇るシド・スレイヴを前に激戦を繰り広げていた。無限に湧くシド・スレイヴを前に、彼等は一切退く事なく、戦い続けていた。シド・スレイヴが現れる度にリベラシオンのメンバーは各個撃破し、シド・スレイヴを破壊していた。しかし、そんな彼らも無限に湧くシド・スレイヴを前に疲れを見せ始めていた。シド・スレイヴの数は多く、それが無限に出現し、休む間もなく襲い掛かって来るのだ。更に、このシド・スレイヴはいつ出現しなくなるのかも分からない。そう考えると、心身ともに疲れが見え始めるのは当然だと言えよう。

ゾルダ「ったく、いい加減勘弁してくれないかね? 僕はもう疲れてきたんだけど…」
クジラ怪人「諦めてはいけない、最後まで戦わないと…!」
グランデ「でも、流石に疲れてきたぜ…! レッドキング、まだやれるか?」
EXレッドキング「ギャアァァァス!!」
タックル「みんなで協力すれば、きっと勝てるはず!」
モグラ獣人「だから、諦めちゃいけない!」
ライア「そう言う事だ、俺達が少しでも多くこいつらを破壊すれば、少しは戦況が変わるはず…!」
ダークメフィスト「とにかく、少しでも多くこいつらを破壊すればいい」
シャドームーン「そうだな、しかし、こいつらはどこから現れているんだ?」
美麗「それに、無尽蔵に現れるものね…どこかのプラントから転送されてるの?」
駆「多分、それに近いんじゃないかな? だから、クロストライアルかどこかの部隊が発生源を破壊してくれれば止まるはずだよ」
エニス「じゃあ、それまでは…」
駆「ああ、終わりのないディフェンス…どっちが先にやられるかの戦いだね」
ゾルダ「勘弁してよ…いつ終わるか分からない戦いだなんて…」
ダークメフィスト「だが、やるしかない! 絶対にこの地球を守ってみせる!!」

シド・スレイヴの大群を前に、一つになってゆく地上部隊。しかし、肝心の宇宙部隊は未だ一つになれず、暴走するヴェイガンギア・シドとシド・スレイヴを前に混乱していた。突然の出来事に混乱し、やられてゆくヴェイガンの兵士達。そのヴェイガンの兵士達が倒されない為に、クロストライアルの面々は援護に回り、シド・スレイヴと戦った。だが、そんな状況に納得がいかない人物が一人いた、それは、ガンダムAGE-1である。AGE-1は今までの人生の中で大切な人々をヴェイガンによって殺されており、そう簡単にヴェイガンに対する考え方を変えられずにいた。彼にとってヴェイガンは大切な者を奪った憎むべき敵、この世界から一人残さず始末するべき存在なのである。本来なら、孫のAGE-FXの友人であるディーンも憎むべき敵なのであるが、AGE-FXの友人である為、黙認しているのである。一方、シド・スレイヴを無尽蔵に生み出しているヴェイガンギア・シドは、ウルトラ戦士達の光線技を一斉に食らっていた。だが、ヴェイガンギア・シドの耐久力は非常に高く、大したダメージにはなっていないようであり、すぐに受けたダメージの対応を取った。

ヴェイガンギア・シド「…一部機能の異常…検知、修復を開始する」

ヴェイガンギア・シドはナノマシンによる自己修復を開始し、損傷個所の自己修復を行った。すると、ウルトラ戦士に受けた傷がみるみるうちに塞がって行き、あっという間に元の姿へと戻った。その様はまるで時を巻き戻したかのようであり、恐るべき修復能力にクロストライアルの面々は驚きを隠せずにいた。

ヴェイガンギア・シド「修復…完了…」
ネオス「ナノマシンによる修復か!」
セブン21「完全にシドの能力をコントロールしているようだな!」
ヴェイガンギア・シド「消す…全て…消す…!」

ヴェイガンギア・シドはシド・スレイヴを利用して戦場のありとあらゆる場所を攻撃した。その攻撃に巻き込まれ、ヴェイガンの兵士達は次々とやられて行き、クロストライアルの面々はヴェイガンの兵士達を庇う事で精一杯であった。圧倒的修復力を持つヴェイガンギア・シドも脅威であるが、無差別に攻撃を仕掛けるシド・スレイヴも脅威なのである。この状況に、誰もが諦めかけたその時、セカンドムーンがラ・グラミスと接続したまま軌道を変え始めた。それにいち早く気付いたのは、ウルトラマンヒカリであり、ヒカリはその事を他のメンバーに伝えた。

ヒカリ「ん…? これは…まさか…!!」
メビウス「ヒカリ、どうした?」
ヒカリ「セカンドムーンと敵要塞は、あの最終兵器のハッキングを受け、地球への突入コースを取っているみたいだ!!」
サイバスター「何だって!? そりゃ本当かよ!?」
リブット「何故そんな事を…! セカンドムーンは、彼等の住む場所なんでしょう!?」
ヒカリ「恐らく、あの最終兵器は我々やヴェイガン、イフィニアドだけではなく、地球も攻撃目標にしたと言う事だろう…」
ジャック「と、言う事は、奴を放っておいたら、いずれ他の星も攻撃を受けると言う事か…」
ナイス「それより、どうするのさ!? あいつを倒さないと、地球が大変な事になっちゃうよ!!」
Gセイバー「地球全体を覆うバリアでもあればよかったんだけど、流石にそんな代物はないしね…」
AGE-1「ならば…この機に乗じて一気にカタをつける!!」

AGE-1はMS用の発射ユニットに装着された深紅の巨大なミサイルを正面に構え、その標準をセカンドムーンの方に向けていた。このミサイルはプラズマダイバーミサイルと言い、戦略級と言えるレベルの大爆発を発生させ、敵を殲滅する大量破壊兵器の試作型である。かつてヴェイガンが使用していたコロニーデストロイヤーによく似た見た目をしており、今のAGE-1は皮肉にもかつて自身が体を張ってまで止めようとした悪魔の行為と全く同じことをしようとしているのだ。

AGE-FX「じいちゃん…まさか!?」
AGE-1「この状況で地球を救う為には…あの要塞をセカンドムーンごとプラズマダイバーミサイルで破壊するしかない!!」
ディーン「!? 待ってくれ! セカンドムーンには…!!」
デスティニー「あそこには、何が起こっているのか知らない人達が沢山いるんだ…!!」
AGE-1「奴らが今まで何度も繰り返して来た事だ! その報いが返って来たに過ぎん!! それも、この一撃で…!!」
AGE-FX「やめて! じいちゃん!!」

そう言ってAGE-FXはプラズマダイバーミサイルを撃とうとするAGE-1の前に立ちはだかった。ヴェイガンに対しての憎しみに駆られているAGE-1を止めるには、孫である自分しかいない。AGE-FXはAGE-1の前に立ち、彼を止める為の説得に出た。

AGE-1「何をしている!? そこをどけ!! 地球が駄目になるかどうかの瀬戸際なのだぞ!!」
AGE-FX「じいちゃん…もうそんな戦いはやめよう…? みんなで探すんだ、一緒に生きていく道を…」
AGE-1「できるものか! 奴らは我々から何もかも奪っていった! 私は誓ったのだ! 大切な者を守る為に、救世主になってみせると…!!」
AGE-2「奴らだって血の通った人間だ、死の恐怖に押し潰されないよう地球を呪い、地球を奪うと言う希望がなければ…」
AGE-1「………」
AGE-FX「これがじいちゃんがなろうとした救世主なの!?」
AGE-1「私は…! 私が守れなかった者達の為にやってきたのだ!!」

AGE-1はプラズマダイバーミサイルをセカンドムーンの方に向けた。長年憎み続けたヴェイガンをこの一撃で根絶やしにできる。そう思ったAGE-1は、プラズマダイバーミサイルの発射トリガーに指を近づけた。

ゼロ「AGE-1さん! 駄目だ! それを撃ってはいけない!!」
F91「それを撃ったらあんたは救世主じゃなく、大罪人になってしまいますよ!!」
ウルトラマン「撃つな! AGE-1!!」
AGE-1「これが私の道…! 全ての人間を救う、救世主の道だ!!」
AGE-FX「自分の気持ちを誤魔化すのに、救世主って言葉を使わないでよ!!」
AGE-1「!?」
AGE-FX「僕はじいちゃんの昔の事はよく知らない…でも、じいちゃんが守れなかった人達は…じいちゃんに救世主になってほしいと願った人達は…きっと、こんな事望んでないッ!!」

その時、AGE-1はAGE-FXのXラウンダーの力で精神世界の中へと誘われた。精神世界の中では少年時代のAGE-1へと若返っており、そこでAGE-1は長年抱えていた自責の念を吐露した。

AGE-1「分かってる…分かってるけど…じゃあ、どうすればいいんだよ…あいつらだって苦しいのは分かってるさ…でも…奴らはユリンを殺した…グルーデックさんを、Gバウンサーさんを、ブルーザーさんを…! 母さんを! それに、僕は今まで…っ!」
ユリン「ありがとう…」

苦悩するAGE-1の前に現れたのは、ユリンを始めとするヴェイガンの攻撃で散っていった大切な人々であった。

AGE-1「!? ユリン…!? それに、みんな…」
ユリン「ありがとう、優しいAGE-1…でも、もういいんだよ…」
AGE-1「そんなことない! 僕はユリンを、みんなを守れなかった!!」
ユリン「いいんだよ…許してあげて、みんなを…そして、あなた自身を…」
AGE-1「ユリン…! でも、僕はっ…! やるべき事を間違えて…救世主を勘違いして…みんなをっ…!!」
ユリン「ほら、聞こえるでしょう? みんなの声が…」

AGE-1に対しての今までヴェイガンの攻撃で命を落とした人々からの言葉は、励ましの言葉であった。今までのAGE-1のヴェイガンに対しての殲滅行動は、必ずしも殲滅を是としていたわけではないのだ。和平交渉はまるで通じず、イゼルカントが復讐を超えた魔王だった結果、それしか選択肢がなかったのである。

AGE-1「あ…みんな…僕を…許してくれるの…?」
ユリン「あなたは…もっと生きて…愛する家族と一緒に…きっと…なれるから…AGE-1なら…本物の…」

そして、AGE-1は精神世界から元の世界に戻った。AGE-FXやAGE-2、そして仲間達や失った者たちの励ましや叱咤を受け、AGE-1は過去の憎しみと自責の念から解放された。

AGE-1「………」
AGE-FX「セカンドムーンの地球落下を止める手立ては私の道以外にあるのか…?」
ヒカリ「セカンドムーンの地球落下はヴェイガンにとっても防ぎたい事のはずだ、あの最終兵器によるハッキングさえ止めれば、解決の糸口は見つかるだろう」
AGE-1「ならば、あの最終兵器を撃破すればいいだけか…」
AGE-FX「シドと合体してるあのMSだって、シドと合体しておかしくなっただけなんだ、シドだけ破壊すれば、助けられるかもしれないよ!」
ギンガ「こんな時でも敵の心配をするなんて…やっぱりAGE-FX、お前は大した奴だよ」
AGE-FX「僕は、あのMSを救って、セカンドムーンも、地球も、両方救うんだ!」
AGE-2「それが、お前の道か…」
ウルトラマン「よし、クロストライアル全員で力を合わせて、あの最終兵器に取り付いたシドを破壊し、セカンドムーンの落下を食い止めるんだ!!」
ウイングゼロ「任務…了解…」

ウイングゼロはツインバスターライフルでヴェイガンギア・シドに合体したシドを攻撃した。それに続くようにウルトラ戦士達も光線技を同時に放ち、シドをピンポイントで狙い、ダメージを与えた。だが、ヴェイガンギア・シドはその機動力ですぐにその場を離れ、シド・スレイヴを差し向けてクロストライアルに攻撃を仕掛けた。そのシド・スレイヴをビルバインダンバインサイバスターが協力して各個撃破。続けてガンダム族を始めとするMS部隊がシドにありったけのビーム兵器をぶつけ、かなりのダメージを与えた。しかし、ヴェイガンギア・シドはヴェイガンの最終兵器、この程度で落ちる程やわではなかった。

ヴェイガンギア・シド「俺はヴェイガンの最終兵器…この程度の攻撃など…無力…!」

何と、先ほどまで与えたダメージが一瞬にして修復され、元通りになったのである。これを前に、クロストライアルの面々はあっけにとられるしかなかった。

ビルギット「何て奴だよ、全く!!」
インフィニットジャスティス「正面から戦うだけでも厳しい相手だ、それをシドだけ狙うとなると…!」
ビルバイン「手数がどうしても足りない…!」
AGE-FX「諦めちゃいけない…! 戦争を最悪な手段で終わらせたら、きっと同じ事の繰り返しになる! 僕達が生まれるずっと前から続いてきた戦争は、ここでトドメを刺さなきゃいけないんだ!!」
AGE-1(そう…トドメを刺さなければならない…)

AGE-1はプラズマダイバーミサイルの発射態勢を整えたまま、セカンドムーンの方に接近していった。その行動に、クロストライアルの面々は驚いた。

ギンガ「AGE-1さん…!?」
AGE-FX「じいちゃん、まさか…!!」
AGE-1「私は誓ったのだ…皆を救う、真の救世主になってみせると!!」

そう言ってAGE-1はプラズマダイバーミサイルを誰もいない場所向けて打ち上げた。発射されたプラズマダイバーミサイルは大爆発を発生させ、ヴェイガンの兵士達の目を引かせた。この爆発に巻き込まれた者は一人おらず、クロストライアル、ヴェイガン共に無事であった。

ガフラン「な…何だ…!?」
ドラド「敵の大型ミサイルの光…だが、巻き込まれた友軍はいないようだ…」
ギンガ「外したのか…?」
AGE-FX「いや、違うよ! じいちゃんはきっと…!」
AGE-1「聞こえるか! ヴェイガンの全ての戦士達よ! 私の声が届いているなら、聞いてほしい! このままではヴェイガンの移動コロニー、セカンドムーンは地球へ落下する! そうなれば、母なる大地だけではない! 多くの命が失われる! これを防ぐには、あの最終兵器に取り付いているシドを倒すしかない! もはや時間はない! ここにいる者達の協力がなければ、間に合わないのだ! ヴェイガンの全ての戦士達に告ぐ! 多くの命を救う為…君達の協力を要請するッ!!」

この言葉を聞いたヴェイガンの兵士達は、AGE-1の言葉に感化された。敵であるはずの者達が敵であるはずの自分達を救おうとしている。その事に対し、ヴェイガンの兵士達は少しずつ考えを変えていった。

ダナジン「奴らは我々が憎むべき地球種だ…だが、俺達の同胞を救おうとしてくれている…」
バクト「それに、あの最終兵器が俺達に攻撃を仕掛けて来た時も身を挺して守ってくれた…」
レガンナー「だったら、その想いくらいには、応えてやってもいいのかもしれないな…」

ヴェイガンの兵士達は協力し、ヴェイガンギア・シドと合体したシドへの攻撃、またはシド・スレイヴへの攻撃を仕掛けた。また、負傷して戦闘への参加が難しい者はセカンドムーンの救助活動にあたった。一人のガンダム族の言葉が、遂に火星と地球を一つにしたのである。

ギンガ「見ろよ…本当にヴェイガンの人達が協力してくれてるぜ」
AGE-2「ああ…確かにあの人はただ者じゃない…」
AGE-FX「じいちゃんはなれたんだね…みんなを救える…本物の救世主に…」

その時、地球から新造戦艦グレイシアを旗艦とした地球統合軍の艦隊がやってきた。ラー・カイラム級やアガメムノン級、ドレイク級、ネルソン級ディヤウス級を多数引き連れ、中から大勢の地球統合軍MSを出撃させた。これによって、この戦争を終わらせる為の戦力は整った。

シュナ「地球統合軍所属、グレイシア艦長のシュナ・フレイニールだ、クロストライアルの諸君を助けに来た」
ストライクノワール「我々は現在、ヴェイガンの最終兵器と合体したシドを破壊する為に戦っている」
シュナ「大丈夫だ、先ほどのAGE-1さんの言葉、きちんとグレイシアの通信で拾っている、微力ながら、我々にも協力させてくれ」
ストライクノワール「ご協力、感謝する」
ミゲル「さてと、じゃあ全員で協力してあのMSと合体したシドを破壊するぞ!!」
シホ「最後の大仕事ね」
AGE-FX「僕達みんなで、戦争にトドメを刺す! そして、僕たちみんなで、みんなの涙を止めてみせる!!」

ヴェイガンギア・シドと言う共通の敵を前に、遂に一つになった火星と地球。全ての命を守る為、手を取り合い、最期の戦いに挑む。もう誰も悲しませない為に、平和な世界を取り戻す為に。

現在、地球ではシド・スレイヴの大群を相手に地球上の軍は互角以上に戦っていた。その様は、数しか能のないシド・スレイヴなど敵ではないと言った感じにも見えた。エリア・プラントでは、ザフトの精鋭とウルトラ戦士、イフィニアドが協力し、シド・スレイヴを撃破していた。

デュエル「数が多ければ俺達に勝てると思うなよ! ガラクタがぁ!!」
グレート「君達は若いのに中々やるようだな」
バスター「まあ、俺らはザフトの精鋭だからね」
パワード「なるほど…精鋭の名は伊達ではないようだな」
ハイネ「そゆこと、俺達も軍人の責務を果たす為、夢中で傷ついてたら、知らない間に精鋭になってたって訳よ」
サーペント星人「なるほどな…どうりでお前達に勝てない訳だ…」
デュエル「さて! 残りも少ない、一人で十機ぐらいは倒せよ! いいな?」

エリア・プラントの精鋭達を前に、シド・スレイヴが速攻で全滅させられたのは言うまでもない。その頃、アメリカでもシド・スレイヴは次々と撃墜されていた。

スコット「ったく! 俺達を相手にするにはもっとストロングな奴を連れてこいってんだ!!」
チャック「この状況、圧倒的に我々が優勢なようだな!」
ベス「敵同士だった私達が手を取り合えば、これだけの数を相手にできるのね」
ゴメル「そうだな、だが、こいつらを片付けた後は…」
フォビドゥンヴォーテクス「それは全ての戦いを終えてから、まずはこいつらを片付けるんだ!」

アメリカのシド・スレイヴもウルトラチームを始めとした精鋭を前に、軽く蹴散らされていた。一方、ロストロウランでも精鋭達がシド・スレイヴを相手にしていた。

クリスティーナ「私達は何とか戦えているようだな…あとどれぐらいいる?」
クラン「大体後20機ぐらいですかね?」
ルル「でも、また増えるんでしょう?」
レイン「その場合は、また倒すだけ…」
アデルマークII「そう言う事だ、我々もまだ戦える! 絶対に全滅などしない!!」
ドラド「我々ヴェイガンも、この程度でやられはしないからな!!」

ロストロウランでも、地球と宇宙が一つになり、共に戦っていた。オーブ首長連合国でもまた、人々が平和の為に戦っていた。

ストライクルージュ「みんな無事か!?」
ヒュプナス「ああ、何とかな…」
アカツキM1アストレイの嬢ちゃん達とドムトルーパー部隊もかなりやられたが、まだ大丈夫だ」
ウロッゾ「我々も、まだ戦える!!」
バルトフェルド「俺らはこの程度で死にはしませんよ」
ストライクルージュ「よし、その調子だ! みんなでこのオーブを守り抜くぞ!!」
アカツキ「了解!」
ストライクルージュ(フリーダム…ジャスティス…ここは私達だけで大丈夫だ、お前達は、自分の戦いをしろ!)

オーブを守り抜く為、協力した者達は、今でも共闘を続けていた。それは日本の首都である東京でも同じで、ここでも未だに共同戦線を続けていた。

ガンバレルダガー「どうやら、まだ出てくるみたいだな!」
ソードカラミティ「まあ、何機出てこようが、全員叩き斬るだけだがね!」
キール星人「それは我々も同じだ」
バクト「総員、協力して敵を撃破するんだ!」
マックス「この地球を、簡単に終わらせはしない!」
ゼノン「ここで何としても食い止めるんだ!!」

共同戦線を取り、東京を守り続けている戦士達。そして、大阪では怪獣達も共同戦線を続けていた。

ガメラ「シャギャァァァ!!」
ガッパ「ガオォォォッ!!」
レインボーモスラ「シギャァァァ!!」
ウィンダム「怪獣達も頑張っている、我々地球統合軍とイフィニアド、ヴェイガンも協力して戦うぞ!」
カナン星人「ああ、分かっているよ」
レガンナー「我々が協力して戦う時が来るとしたら、今がその時なんだろうな」

種族が違う者達同士が協力して戦っている大阪。エスプランドル聖王国でも、イフィニアドやヴェイガンと手を取り合い、戦う者達が居た。

アエリス「皆さん、気を付けてください! 敵は無尽蔵に増えているようです!」
ソフィア「うげ…通りで数が減らないと思ったら、増えてたのか…」
ドラドL「安心しろ、我々だって死にさえしなければしばらくは戦える!」
エルマー「無茶言うよこの人…」
エルフリーデ「でも、国民を守る為には、今は誰一人として欠けてはいけないわ!」
ヒュプナス「そう言う事だ、犠牲を最小限に抑えながら行くぞ!」
アエリス「皆さん、絶対に生き残りましょう! そして、全てが終わったら勝利記念のパーティーでも開きましょう!」

シド・スレイヴの大群を相手に、宇宙と地球は一つとなり、共にシド・スレイヴを撃破していた。流れは完全にシド・スレイヴ側ではなくなっており、もはやシド・スレイヴの本来の勢いは失われていた。そして、地球で一番多くのシド・スレイヴが集まっているインペリアルフォートレス周辺では、クロストライアルのメンバーとシド・スレイヴが激戦を繰り広げていた。クロストライアルのメンバーは、全員でシド・スレイヴを相手にしており、次から次へと現れるシド・スレイヴを次々撃破していた。

蒼乃「セイバークルーザーのありったけの弾薬を撃っちゃって! 航行できる分のエネルギーが残っていればいいわ!!」
マルゥル「こっちも、ナースキャノンで援護するぜ!!」
ハルオ「新・轟天号、全弾撃ち尽くせ! 当たらなくても構わん! とにかく撃つんだ!!」
ティガ&トリガー「行くぞ! ダブルゼペリオン光線!!」
シャンゼリオン「シャイニングアタック!!」
アルス「ギガデイン!!」
カイト「破壊ブラスター!!」
アバレンジャー「必殺! スーパーダイノダイナマイト!!」
ヘルベロス「食らえ! ヘルホーンサンダー!!」
MOGERA「スパイラルグレネードミサイル、発射!!」
ギャバン「レーザーZビーム!!」
ダークドラゴニュート「シャドウ…ブラストッ…!!」
ドラゴニュート「ライトブラストォォォッ!!」

クロストライアルの戦士達の攻撃を前に、シド・スレイヴの大群は一気に撃破された。しかし、なおもシド・スレイヴは出現し、クロストライアルの戦士達に襲い来る。クロストライアルの戦士達が戦う一方で、一部のメンバーはインペリアルフォートレスの居住区で人命救助を行っていた。イフィニアドの残した機動兵器の数々もシド・スレイヴの迎撃に出撃し、地球はもはやシド・スレイヴの支配下ではなかった。そして、エクレールの村の跡地で戦うリベラシオンの戦士達も、シド・スレイヴを相手に激戦を繰り広げていた。

駆「みんな頑張れ! あの兵器の勢いはだんだん下がってきているよ!!」
ゾルダ「でも、結局は終わりのないディフェンスなんでしょ?」
ライア「だが、今俺達にできる事はこれしかない!」
美麗「結局はそうなるわね、でも、私達がこの兵器を一機でも多く破壊すれば、少しは打撃を与えれるはず!」
シャドームーン「彼女の言う通りだ、今我々にできる事は、戦うことだけ」
ダークメフィスト「俺の命はあの時死んでいてもおかしくなかった命だ、今はこの命を、平和の為に使う!!」
駆「でも、一つ約束、みんなで生きて帰るんだ! 平和になった世界で、みんなで笑い合うんだ!」
エニス「駆さんの言う通りです! ここで死んだら、意味がないですから!」
モグラ獣人「チュチューン! 大丈夫! 誰一人として欠けるつもりはないよ!」
駆「誰一人欠ける事なく、この戦いを終わらせる、いいね!」
リベラシオンメンバー「了解!!」

そして、この戦いの行く末は宇宙にいる戦士達に委ねられた。宇宙から地球上にシド・スレイヴを送り込んでいる張本人であるヴェイガンギア・シド。彼と合体しているシドを破壊し、セカンドムーンの落下を食い止める事、これがこの戦いの目的である。クロストライアルと地球統合軍、ヴェイガンは協力し、ヴェイガンギアと合体したシドを攻撃していた。だが、ヴェイガンギア・シドはシド・スレイヴを次々量産し、攻撃を仕掛ける為、中々接近できない。そのシド・スレイヴに対してはヴェイガンの兵士や地球統合軍の兵士が相手をし、その隙にクロストライアルのメンバーが総攻撃を仕掛けた。

シュナ「副長! 主砲発射準備はできているか?」
レイト「主砲発射準備完了、いつでも撃てます!」
シュナ「よし! 主砲発射!!」
リーリス「グレイシアが主砲を発射します! 射線上の友軍は退避してください!!」

オペレーターのリーリスの通信を聞いた友軍は射線上から退避し、その射線上にはヴェイガンギア・シドだけが残された。ヴェイガンギア・シドは危険を察知し、その場から退避しようとしたが、ウルトラマンが相手を拘束する光の輪、キャッチリングを放ち、ヴェイガンギア・シドの動きを封じた。そして、その隙にギンガがヴェイガンギア・シドの向きを変え、合体したシドをグレイシアの主砲の射線上に置いた。

シュナ「よし! 主砲、撃てっ!!」

シュナの合図でグレイシアの艦首内部に装備された主砲から超高出力のビームが放たれた。この主砲をモロに食らったヴェイガンギア・シドは大ダメージを受け、シドもかなり破損した。続けてシド目掛け、ウルトラ戦士の光線技の数々、ビルバインダンバインの同時オーラ斬り、サイバスターアカシックバスター、ガンダム族のビーム兵器の数々が放たれた。そして、シドはあっという間に大破寸前に追いやられた。しかし、まだシドは沈黙しておらず、すぐさま自己修復を開始した。

ヴェイガンギア・シド「戦闘性能、19%まで低下…ナノマシンによる緊急修復を開始する…!」

ヴェイガンギア・シドはナノマシンで大破寸前のシドを一瞬にして修復した。その様は時を巻き戻したようであり、あれだけダメージを与えたシドが再び元通りになってしまった。この絶望的状況を前に、クロストライアルのメンバーもヴェイガンギアを助ける事を諦めかけていた。

ギンガ「何だよそれ!?」
ヴェイガンギア・シド「殲滅行動…再開!」

ヴェイガンギア・シドは広範囲を攻撃し、クロストライアル、ヴェイガン、地球統合軍に大きな打撃を与えた。もはやこれ以上の長期戦はできない、クロストライアルのメンバー達は決断を迫られていた。

ゼロ「くっ…! あいつ、無茶苦茶だぜ…!!」
エース「いくらナノマシンでも、あの修復性能は異常だ!!」
ヒカリ「おそらくヴェイガンギアと一体化した事で、シドの持つナノマシンが強力に進化したんだろう…それより、この状況…」
ダンバイン「あれだけナノマシンが強力だと、シドだけ破壊するのは困難ね…」
ビルギット「しゃーねえ、後味は悪くなるが、総攻撃をかけてヴェイガンギアごと倒すしかない!!」
AGE-FX「僕は…諦めたくない!!」

この絶望的な状況でも考えを変えないAGE-FXに対し、クロストライアルのメンバー達は唖然としていた。まだ子供と言うのもあるだろうが、この絶望的な状況でもなお、敵を助けようとするその意思。だが、クロストライアルのメンバー達の半分は、この状況に絶望していた。

インフィニットジャスティス「AGE-FX、気持ちは分かる、だが、今は現実を見るんだ! このままではセカンドムーンが地球に落下し、多くの犠牲が出てしまう…意思を示すだけでは駄目なんだ!」
AGE-FX「やっとヴェイガンやイフィニアドと分かり合えるかもしれない所まで来たんだ! どんなに難しかったとしても…! どんなに困難だったとしても…! それでも、僕は諦めたくなんてない!!」
ギンガ「AGE-FX…そうだよ、それでこそAGE-FXだぜ!!」
AGE-1「ならば、お前が救い出せ! AGE-FX! その援護は私がしてやる!」

AGE-1は増加装甲を施し、フルアーマー形態ともいえる姿のガンダムAGE-1グランサとなっていた。この状態のAGE-1はだんだんパワーインフレしていく他のガンダム族についていけるだけの攻撃力と防御力に強化され、それをカバーするだけの機動力も持っている。装甲はパージも可能であり、いつでもAGE-1フラットの状態に戻れるのである。また、AGE-1グランサは砲撃戦特化となっており、これはAGE-1が老齢で肉体的に衰えが来ているので、身体に負荷のかかる接近戦を極力避けるためでもある。

AGE-FX「じいちゃん…!」
AGE-1「奴は一人の人間の歪んだ理想によって生き方を定められた人間…私の息子や孫が歩むかもしれなかった、もう一つの形だ、生まれた生命に生き方を強いるなど、それはただの傲慢に過ぎなかったのだ…! だからこそ…!!」
AGE-2「未来を見せてやらないといけない、だろ?」
AGE-1「ああ…その通りだ!」

AGE-1グランサ、AGE-2ダークハウンド、AGE-FXの3体の時代を走り続けたガンダムが一か所に集まり、最期の敵であるヴェイガンギア・シドと対峙した。そして3体の三世代ガンダムは、最期の戦いの前の会話を行った。

AGE-FX「父さん…! じいちゃん…!」
AGE-2「お前のやろうとしている事は、とてつもなく困難な事だ、だが、お前にならできる、俺には分かる!」
AGE-FX「うん…!」

ヒカリ「まずい! セカンドムーンとラ・グラミスが落下コースに進入する!!」
シュナ「現宙域にいる全ての兵士に告げる! 総員、ガンダム3人の援護に回れ! ヴェイガンギアを救出する!!」
ビルバイン「了解!!」
ギンガ「頑張れよ! AGE-FX! みんなを守る、救世主になるんだ!!」
AGE-FX「ありがとう、みんな…!!」
ヴェイガンギア・シド「ガンダムは…ヴェイガンの敵…最優先すべき殲滅対象…」

直後、ヴェイガンギア・シドは三世代ガンダムに接近した。それに対し、3人のガンダムは息の合った同時攻撃を仕掛けた。手始めに、AGE-1グランサが大型ビームキャノンとスラスターを一体化させた武器であるグラストロランチャーを放ち、続けてAGE-2ダークハウンドがドッズランサーに装備されたビーム砲、ドッズガンを連射した。更に続けてAGE-FXのCファンネルがヴェイガンギアと合体したシドを切り刻み、大きなダメージを与えた。そして、AGE-1グランサのシールドサーベル、AGE-2ダークハウンドのドッズランサー、AGE-FXのビームサーベルの同時攻撃を食らい、シドを更に破壊した。最後の一撃として、AGE-FXはCファンネルでビームバリアを形成し、そのまま体当りをした。

AGE-FX「これで…最後だぁぁぁっ!!」
ヴェイガンギア・シド「わああああっ!!」

AGE-FXの渾身の一撃により、ヴェイガンギアと合体したシドは完全に破壊された。三世代ガンダムの同時攻撃であるトリプルジェネレーションによって、長きに渡る戦争にトドメを刺した。

デスティニー「シドは破壊できた…! ヒカリさん! ラ・グラミスの方は…!?」
ヒカリ「安心しろ、ラ・グラミスはコントロールを取り戻し、航路変更も無事成功したようだ…」
ストライクフリーダム「よかった…これで最悪の事態は防がれたんだね」
ギンガ「AGE-FX、ヴェイガンギアは無事か…?」
AGE-FX「大丈夫です、今は気を失ってますけど、命に別状はありません」
ギンガ「よかったな! AGE-FX!!」
ナイス「やったね! AGE-FXくん!!」

ヴェイガンギア・シドとの戦いが終わった事で、地球上にいたシド・スレイヴは全て機能停止し、増える事は無くなった。地球上で戦っていた戦士達は長きに渡る戦いが終わった事で安堵し、クロストライアル、地球統合軍、イフィニアド、ヴェイガンの戦士達は共に健闘をたたえ合った。そして、イフィニアドとヴェイガンの双方はリーダーを失った事で、長きに渡る戦争は終わりを迎えた。これにより、人類は再び平和を手にしたのである。だが、イフィニアド皇帝を名乗る人物の行方や戦後処理など、未だ問題は数多くある。しかし今は、今だけは、平和を噛みしめていようと誰もが思ったのである。

シュナ「地球上に現れた謎の機動兵器は全機機能を停止した…か…AGE-1総司令、AGE-FXくんがやってくれましたね」
AGE-1「ああ、あれがガンダムAGE-FX…私の孫だ…!」

西暦2101年1月18日、クロストライアル、リベラシオン、地球統合軍、ヴェイガン、イフィニアド、その他の勢力全てが手を取り合い、平和の為に戦った事で、長きに渡る戦争は終わった。ここに至るまでに、実に多くの犠牲を出したが、人はこれからも生きていくだろう。手を取り合って、平和の為に、いつか必ず訪れる、真の平和の為に…。