クロストライアル小説投稿ブログ

pixiv等で連載していた小説を投稿します、ここだけの新作も読めるかも?

フリーダムバトル スペシャルエディションIII「加速する争い」

かつて、エンペラ星人の魔の手から地球を救ったウルトラマンメビウス、彼がドラゴニュート達に接触した。その理由は、ウルトラマンベリアルを倒す為に仲間を集めているからだと言う。ドラゴニュート達は、メビウスの案内の元でウルトラ族の生き残りがいる森の中に向かった。小さな森ではあったが、それなりに森の中は入り組んでおり、隠れ家としては十分機能していた。森に入って1分ほどすると、小さな広場が見えてきた。そこには、ウルトラ族とその他の種族が何人か集まっていた。

メビウス「それでは早速、自己紹介しましょう、僕はウルトラマンメビウスウルトラ兄弟の1人です」
ヒカリ「私はウルトラマンヒカリレジスタンスの科学担当だ」
ウルトラマン「私はウルトラマン、昔は科学特捜隊の一員で怪獣退治の専門家とも言われていた」
セブン「私はウルトラセブン、かつてはウルトラ警備隊やMACに所属していた事がある」

この4人は凄く有名なウルトラマンで、誰もが1度はその伝説を聞いた事がある。旧時代に起こった怪獣災害で出現した怪獣や宇宙人と何度も激しい戦いを繰り返し、人々を守り抜いた英雄だ。エンペラ星人との最終決戦ではウルトラ兄弟全員が集まり、エンペラ星人を打ち倒したのである。

ティガ「僕はウルトラマンティガ、昔所属していた組織はGUTSです」
イーヴィルティガ「私はイーヴィルティガ、で、こっちが私の友、ガーディーだ」
ガーディー「ガォッ!」
ナイス「僕はウルトラマンナイスと言います、ティガ先輩をとても尊敬しています!」
リブット「私はウルトラマンリブット、か弱き生命を守る為に戦っている」

ウルトラマンティガは3千万年前の眠りから覚め、怪獣達と戦い、最後は邪神ガタノゾーアを倒したウルトラ戦士だ。ガタノゾーアが現れた際は地球全体が闇に包まれ、人類は滅亡寸前だったが、それを仲間達や一度は敵対したイーヴィルティガと共に打ち倒したのだ。
イーヴィルティガの隣にいる怪獣はガーディーと言い、イーヴィルティガの友達である。一度は暴走したイーヴィルティガに暴行を受け、瀕死の重傷だったが、GUTSの賢明な治療のおかげで無事助かったのだ。
ティガを先輩と慕うナイスはティガの戦い方を勉強し、強くなったウルトラマンだ。それでもあまり強くはないが、まだまだ伸びしろのあるウルトラマンでもある。
リブットはか弱き生命を守る為戦う新人ウルトラマンだ。かつての先輩たちの戦い方を研究し、どんどん強くなっているウルトラマンでもある。

ギャバン「次は俺の番だな、俺は宇宙刑事ギャバン、よろしく!」
シャリバン「俺は宇宙刑事シャリバン、これからよろしくな!」
シャイダー「俺は宇宙刑事シャイダー、俺達3人は宇宙刑事って言うんだ」
アイラ「宇宙…刑事…?」
ファヴール「聞いた事がありませんね…」

自らを宇宙刑事と名乗る3人は、全身が金属の光沢を浴びたメタルヒーローとも言うべき種族だった。ギャバンは銀一色、シャリバンは赤がメインカラー、シャイダーは青がメインカラーであり、3人揃うとまるでアバレンジャーの様な集団ヒーローの様だった。

リブット「彼らは別の世界から来たらしいんです」
ドラゴニュート異世界からの来訪者か…」
ギャバン「そう言う事、まあ、気楽に接してくれると嬉しいよ」
アイラ「分かりました、そうします」
ギャバン「なあ、お前も異世界から来たんだろ? こっち来いよ!」

ギャバンが呼んだ先には、一人のガンダム族がいた。巨大な翼が生えており、その姿は美しさすら感じさせた。

アイラ「綺麗な翼…」
ドラゴニュート「あのガンダム族も異世界から来たのか?」
ティガ「そうですよ、彼の名前はウイングガンダムゼロ、元居た世界ではあと4人仲間がいたらしいんですけど、この世界には彼一人だけ来たらしいです」
ウイングゼロ「………」
シャリバン「何で俺達と打ち解けようとしないのかな…」
シャイダー「彼ってほんと不思議な奴だな…」
セブン「まあ、彼の事は置いておいて、ここにはいないがレオとアストラもこのレジスタンスに参加しているぞ」
ドラゴニュート「レオとアストラ…確か、MACに所属していたウルトラマンとその弟か…」
セブン「ああ、あの時はみっちりとしごいてやったよ」
ファヴール「私のデータベースによると、かなり過酷で厳しい特訓だったとか…」
セブン「おや、君達も特訓したいのか?」
アイラ「え…遠慮しておきます…」

ナイス「そう言えば、君達は何て名前なのかな?」
ドラゴニュート「俺はドラゴニュート・ブラウスピカ、クロストライアルのメンバーだが、今は訳あって抜けている」
アイラ「私はアイラ、元イフィニアドの兵士です」
ファヴール「私はファヴール、人工精霊です」
シャリバン「元クロストライアル、元イフィニアド、人工精霊…凄いメンツだな…」
ティガ「どんな事情があっても、僕達は歓迎するよ」
ドラゴニュート「感謝する」
アイラ(ドラゴニュートさんって、何か雰囲気変わりましたね…)
ファヴール(それだけあの出来事がショックだったんでしょう…)

すると、今まで黙っていたウイングゼロが遂に声を発した。

ウイングゼロ「…敵が来るぞ」
ティガ「何っ!?」
イーヴィルティガ「遂にここが特定されたか!!」

レジスタンスたちを取り囲んでいたのは、怪獣や怪人など約30体、ヴェイガンの兵士約20人ほどだった。怪獣の中にはパンドンやブラックキングなど、過去にウルトラ戦士を苦戦させた相手も含まれていた。

ヒカリ「イフィニアドにヴェイガンめ、本気で私達を始末するつもりらしいな!」
ウイングゼロ「そうだな、だが、俺達はここで死ぬわけにはいかない」
ウルトラマン「何としてもここを脱出するぞ!」

そして、レジスタンスの面々はそれぞれの相手に向かって行った。

メビウスドラゴニュートさん達も、行けますか?」
ドラゴニュート「もちろんだ」
アイラ「私も、できる限りやってみます!」
ファヴール「行きましょう、マスター」

すると、ドラゴニュートをヴェイガンのMS、ゴメルが襲った。だが、ドラゴニュートはその攻撃をヴィエルジュで受け流し、炎魔法のファイアを至近距離で放って倒した。続いて双頭怪獣パンドンメビウスに対して炎を吐いて攻撃した。メビウスはその攻撃を回避し、メビュームシュートを放った。パンドンはメビュームシュートを食らい、爆発四散した。一方のアイラとファヴールもジョバリエ相手に戦っていた。2人はジョバリエの放つ電撃を回避し、アイラはアサシンダガーで、ファヴールはラヴィテスと言う名の剣で攻撃した。6回程攻撃すると、ジョバリエは力尽きて倒れた。初々しい戦い方をしていたアイラやファヴールと違い、レジスタンスメンバーはプロの戦い方を披露していた。ギャバン宇宙刑事3人は、レーザーブレードを使い、迫り来る敵を次々と斬っていた。その宇宙刑事たちに怪魔ロボット合体トリプロンがレーザーで攻撃を仕掛けてきた。だが、3人はその攻撃を軽々と回避し、連続で必殺技を放った。

ギャバンギャバン・ダァイナミック!!」
シャリバンシャリバン・クラァッシュ!!」
シャイダーシャイダー・ブルーフラァッシュ!!」

3人の宇宙刑事の同時攻撃を食らった合体トリプロンは爆発四散した。一方のウイングゼロは、ヴェイガンの兵士の攻撃を回避していた。

ダナジン「くそっ! あのガンダム、何て素早さだ!!」
ウイングゼロ「俺を狙っても無駄だ…」
ガフラン「撃て! 攻撃し続ければ、必ず当たるはずだ!!」
ウイングゼロ「お前達の動きは全てゼロが教えてくれている…」

いくら攻撃を続けても命中しない事にヴェイガンの兵士達は苛立ちを覚えていた。

ドラド「くっ! 何故当たらんのだ!!」

すると、ウイングゼロは空中でバスターライフルを2丁合体させ、ヴェイガンの兵士の方に向けた。

ウイングゼロ「ツインバスターライフル、最大出力…ターゲットを破壊する!」

そして、ウイングゼロはバスターライフルのトリガーを押し、発射した。銃口から放たれた強力なビームは瞬く間にヴェイガンの兵士を飲み込み、消滅させた。

ウイングゼロ「任務完了…次のターゲットを選定する」

ウルトラマンウルトラセブンの2人は歴戦の腕前を存分に発揮し、怪獣達と戦っていた。突進してきたチタノザウルスとブラックキングの2体をウルトラマンとセブンは背負い投げをして投げ飛ばした。そして、地面に倒れ込んでいる所にウルトラマンスペシウム光線を、セブンはワイドショットを放ち、2体を爆散させた。続けてウルトラマンヒカリもゾアムルチをナイトビームブレードで斬りつけ、トドメにナイトシュートを放って倒した。だが、続けてネロンガ、ギロン、シーゴリアンの3体が襲って来た。それに対し後輩ウルトラマンのティガ、ナイス、リブットが応戦した。ティガはネロンガにウルトラかかと落としを放ち、ダメージを与えた後、ゼペリオン光線を放って倒した。ナイスもパパパンチでギロンにダメージを与えた後、ベリーナイス光線を放ち、とどめを刺した。リブットもシーゴリアンに対しリブットキックでダメージを与え、ギャラクシウムブラスターを放ち、爆散させた。一方のイーヴィルティガとガーディーも、イフィニアドの怪獣相手に戦っていた。イーヴィルティガはバラゴンにイーヴィルキックを放った後、イーヴィルショットを放ち、爆散させた。一方のガーディーもグモンガに対し光線を放って倒した。こうして、レジスタンスメンバーは次々と敵を倒して行った。すると、いつの間にかイフィニアドとヴェイガンが全滅していた。

ドラゴニュート「もう片付いたようだな」
シャイダー「とは言っても今回はかなり数が多かったぞ」
セブン「そうだな、だが、イフィニアドとヴェイガンに屈する事は絶対にあってはならない」
メビウス「兄さんたち、まずはこの場所を移動しましょう」
ウルトラマン「そうだな、まずはそうしよう」

レジスタンスメンバーは場所を移動しようと行動を開始した。すると突然、広場の空間が歪んだ。

ヒカリ「あれは何だ!?」
ウイングゼロ「あれは…!!」
ギャバン「俺達がこの世界に来た時と同じ現象だ!!」
リブット「何だって!?」
ドラゴニュート「なら、何かがこの世界に来るのか?」

しばらくすると、歪んだ空間が眩い光を放った。光が収まった後には、怪獣の様な形状の戦艦1隻と、ウルトラ族によく似た種族が5人いた。

ドラゴニュート「何だあれは?」
ティガ「あのウルトラマン…僕に似ている…!? それにあっちのウルトラマンは…! いや、カミーラは確かにあの時…!!」
イーヴィルティガ「落ち着け、ティガ、カミーラやダーラム、ヒュドラはあの時死んだ、あいつらはもういないんだ」
セブン「そしてあの戦艦…まるで宇宙竜ナースだな」

異世界からの来訪者であるウルトラ族は突然の出来事に混乱していた。

トリガー「う…ここはどこだ…? 確か僕達はワームホールに飲み込まれて…」
トリガーダーク「参ったな…周りの様子を見る感じ、ここは異世界だぜ…」
トリガー「え? 異世界?」
カルミラ「全く、ここはどこだい!」
ダーゴン「周りにいる連中は、誰だ?」
ヒュドラム「困りましたねぇ…ここはどうやら異世界の様ですよ」
カルミラ「異世界だってぇ? ならどうやって元の世界に戻るんだい!」
ヒュドラム「それは分かりません、恐らくあの時の様にワームホールが開けば戻れるでしょう」
ダーゴン「じゃあ、それまではこの世界にいろと?」
ヒュドラム「そう言う事になりますねぇ…」

異世界に来て混乱する来訪者たちに、ティガは話しかけた。

ティガ「君達、大丈夫かい?」

すると、異世界からの来訪者たちはティガの姿を見て困惑していた。

トリガー「あ、大丈夫ですけど…」
トリガーダーク「あいつ、お前に似てねえか?」
ダーゴン「あれは…トリガーか…?」
ヒュドラム「おやおや、あのウルトラマン、裏切り者トリガーに似てますねぇ」
カルミラ「あいつ、トリガーの偽物ってわけかい?」
ティガ「え…えっと…」
カルミラ「おっと、今は戦ってるんだったねぇ、さぁ、続きを始めようじゃないか!」
トリガー「カルミラ! 今は戦っている場合じゃない! 今回は戦うのをやめよう!」
トリガーダーク「そうだぜ? この状況だと戦ってる場合じゃない、それはお前達も分かるだろ?」
カルミラ「チッ! 仕方ないねぇ、あたしもこの状況に混乱してるし、今回は大人しく引き下がってあげるよ」
ヒュドラム「ですが、今度会う時はあなた方を血祭りにしてさしあげましょう」
トリガーダーク「その時がお前の最後だぜ! ヒュドラム!!」
ダーゴン「では、また会おう」

そして、カルミラ、ダーゴン、ヒュドラムの3人は去って行った。残されたのは2人のウルトラマンと怪獣の様な戦艦だけだった。

ヒカリ「去って行ったか…しかしこの状況…」
ティガ「彼らは一体何者なんだ? 何故僕とその関係者に似ている?」
トリガー「あ、まず自己紹介から行きましょうか、僕はウルトラマントリガー、GUTS-SELECTの隊員です」
ティガ「GUTS-SELECT!?」
トリガーダーク「俺はトリガーダーク、宇宙一のトレジャーハンターだ」
ティガ「宇宙一のトレジャーハンター!?」
トリガーダーク「おいおい、そんなに驚くか?」

すると、レジスタンスメンバーがざわついた。

トリガー「…あの…みなさんどうしたんですか?」
ティガ「実は、かつてこの世界にはGUTSと言う組織があったんだよ」
トリガー「え!? じゃあ、ミツクニさんが元居た世界に来ちゃったって事?」
ウルトラマン「ミツクニさん」
トリガー「あ、その人はシズマ・ミツクニさんって言う人で、元居た世界ではTPCの情報局員だったんです」
ドラゴニュート「ファヴール、ちょっと調べてみてくれ」
ファヴール「TPC所属の人ですね? 了解、早速調べてみます」

すると、ファヴールは目を閉じて地球統合軍のデータベースにアクセスを開始した。そして、30秒ほど調べると、検索結果を述べた。

ファヴール「データベース照合結果、シズマ・ミツクニと言う名前の人物は1件もヒットしませんでした」
トリガー「あれ? おっかしいな~」
ティガ「データが抹消されているとかかな?」
トリガーダーク「そいつの検索能力が低すぎるんじゃないか?」
ドラゴニュート「何だと?」
トリガーダーク「悪い悪い、冗談だって…」

すると、セブンが戦艦の事についてトリガーたちに聞いた。

セブン「なあ、このナースみたいな戦艦は何だ?」
トリガー「これはナースデッセイ号、僕達GUTS-SELECTの移動基地です」
ティガ「ナースデッセイ号…まるでアートデッセイ号みたいだ…」
ファヴール「アートデッセイ号…旧GUTSの保有していた戦艦ですね…」
ティガ「そして、このナースデッセイ号の下に取り付けられている戦闘機…まるでガッツウイングだ…」
ファヴール「ガッツウイング…旧GUTSの主力戦闘機ですね…」
トリガー「あ、その戦闘機はガッツファルコンと言って、ガッツウイングを元に開発したんですよ」
ティガ「そうだったのか…通りで似ている訳だ…」
ウルトラマン「なあ、もしよければこの戦艦に我々も乗艦させてくれないか?」
トリガー「もちろんです! あなた方は悪い人たちじゃなさそうですし」
ギャバン「感謝するよ、トリガーくん」
ドラゴニュート「なら、早速乗せてもらおうか…」

レジスタンスのメンバー達は、異世界から来たGUTS-SELECTの移動拠点ナースデッセイ号に乗艦した。その後、ナースデッセイ号の艦内を散策していると、ある異変に気付いた。

トリガー「あれ? みんながいない…アキトは? ユナは?」
ティガ「他にも誰かいたのか?」
トリガー「はい、僕とトリガーダーク以外には5人の人間と1人のメトロン星人が乗ってました」
ドラゴニュート「この世界に来る際に離れ離れになったのか?」
トリガー「もしそうだとしたら、みんなが心配だ、今すぐ探さないと!」
???「その必要はないぜ」

そこに現れたのは、小さなメトロン星人だった。過去に地球に現れた個体と違い洋服を着ており、丸みのある頭にはどこか可愛げがあった。

セブン「メトロン星人? 彼が君の仲間か?」
トリガー「そうです、セブンさん、彼はメトロン星人マルゥル、僕達GUTS-SELECTの仲間です」
セブン「そうか、メトロン星人が仲間か…世界は広いな」
アイラ「かわいい~」
マルゥル「かわいいだって!? ふざけんな!!」
アイラ「す…すみません…」
ドラゴニュート「おいおい、毒舌かよ…」

トリガー「ところでマルゥル、みんなを探す心配がないって、どう言う事?」
マルゥル「俺様は見ちまったんだ、俺達がワームホールに吸い込まれた時にタツミ隊長やアキトがどこかへ消えるのを」
トリガーダーク「それが何を意味するって言うんだ?」
マルゥル「多分あれは元の世界に置いて行かれたんだと思う、この俺様が言うんだから間違いない」
トリガー「なるほど…」
ギャバン「でも、その情報は正しいのか?」
ウイングゼロ「正しい」
ギャバン「えっ?」
ウイングゼロ「俺もワームホールに吸い込まれた際に他の仲間がどこかへ消えるのを見た」
マルゥル「何だって!? そりゃ本当か?」
ウイングゼロ「ああ、だからお前の言う事は正しい」
トリガー「でも、結局みんながどこへ行ったかは…」
トリガーダーク「分からないだろうな、でも、あまり悪い方へ考えすぎるなよ」
トリガー「はい、そうします」

話がひと段落したところで、レジスタンスメンバーは本来の目的である場所の移動をする事にした。しかし、このナースデッセイ号の本来の操縦士がいない以上、どうやって動かすか悩んでいた。

リブット「なあ、この戦艦はどうやって動かすんだ?」
マルゥル「そこのタッチパネルで動かすんだ、でも、俺様は操縦士じゃないから無理だぜ」
ギャバン「俺がやってみようか?」
リブット「ああ、頼んだ」

そして、ギャバンはタッチパネルの前に立った。

ギャバン「えっと、ここを使って動かすんだな、よし! 行くぜ!!」

ギャバンがタッチパネルを操作すると、ナースデッセイ号は起動し、上空へ飛翔した。

アイラ「飛びましたね!」
ギャバン「ま、ざっとこんなもんさ!」

そして、ナースデッセイ号はそのまま航行を続けた。

メビウス「一時はどうなる事かと思いましたが、大丈夫でしたね!」
ウルトラマン「そうだな」
ウイングゼロ「いや、まだ安心はできそうにないぞ」

すると、ナースデッセイ号の前には氷の様な船体の戦艦があった。地球統合軍所属の新造戦艦グレイシアだ。

ティガ「あれは…! 地球統合軍の戦艦か?」

そして、そのグレイシアから通信が送られてきた。

シュナ「こちら地球統合軍所属艦、グレイシア艦長のシュナ・フレイニールだ、君達の所属はどこだ?」
トリガー「GUTS-SELECTです」
シュナ「GUTS-SELECT? そんな組織はないはずだが…」
ドラゴニュート「俺達の乗っている艦は異世界からの来訪者が乗艦していた艦を借りているんだ」
シュナ「そうなのか? それは失礼した」

すると、グレイシアの方からドラゴニュートの聞きなれた人物の声が聞こえてきた。

???「せんぱーい! 久しぶりですねー!」
ドラゴニュート「レイフィルじゃないか、どうしたんだ?」
レイフィル「私、今地球統合軍の所属になったんすよー! 凄いっしょー!」

そのレイフィルと言う名の少女はピンク髪が良く似合う少女であった。非常に元気な性格で、他のメンバーは少し呆れていた。

ファヴール「マスター、彼女は?」
ドラゴニュート「あいつはレイフィル、俺の故郷であるエクレールの村の学校の後輩だよ」
レイフィル「そうっすよー! ま、イフィニアドのせいで離れ離れになっちゃったっすけどねー!」
アイラ「…やたらテンション高いですね…」
ドラゴニュート「アホだからな、あいつは」
レイフィル「あー! 酷いっすよー!!」
ドラゴニュート「アホに変わりはないだろ、俺のシャンプーに唾液入れるような奴だし」
レイフィル「それは先輩の事が好きだから…てか先輩何か雰囲気変わったっすね」
ドラゴニュート「まあな」

すると、中々終わらない話に嫌気が差したのか、シュナが話に割り込んだ。

シュナ「とりあえず、悪い人間じゃない事が分かったから我々は任務に戻るよ」
レイフィル「艦長ー、もう少し話させて下さいっすー」
シュナ「駄目だ、我々は遊びに来たんじゃないんだぞ」
レイフィル「ケチー」

そして、グレイシアとの通信が切られた。その後、グレイシアは去って行ったが、最悪の展開を避けられたドラゴニュート達は一安心した。

メビウス「一時はどうなるかと思いましたね」
ウルトラマン「そうだな」
マルゥル「ったく! このナースデッセイ号が正義の戦艦だと分からないなんて、この世界の人間はどうかしてるぜ!」
ウルトラマン「仕方もないさ、この世界には悪の帝国が攻めてきてるんだから」
セブン「それに、過去にはこのナースデッセイ号によく似た怪獣に攻撃を受けたからな」
マルゥル「ま、そりゃ仕方ねぇか」

すると、未だに行き先を定めてない事を悟ったイーヴィルティガは、一つの質問をした。

イーヴィルティガ「そう言えば、私達はこれからどこに向かうんだ?」
セブン「そうだな…それをまだ決めてなかったな…」

その時、マルゥルが驚きの声を上げた。

マルゥル「大変だ! この宙域に凄まじいエネルギーが観測されているぜ!」
ドラゴニュート「何!?」

そのエネルギーが何なのかヒカリがマルゥルの端末を確認しに行った。

ヒカリ「これは…! プラズマスパークのエネルギーだ!」
アイラ「ぷらずま…すぱーく…?」
メビウス「我々ウルトラ族の故郷にある人工太陽です」
セブン「そして、我々ウルトラ族の命の様な物だ」

ウルトラ族の故郷は地球上でもかなり特異な場所にあり、日が当たらず、南極の様な寒さを誇っていた。そんな死の環境でウルトラ族の先祖たちは長年暮らしていたが、ある日ウルトラ族の科学者たちが人工太陽であるプラズマスパークを完成させた。それからはウルトラ族の故郷は暮らしやすい環境となり、更にそのプラズマスパークの光がウルトラ族の先祖たちを今のウルトラマンへと進化させたのだ。なので、プラズマスパークはウルトラ族にとって命の様な物なのだ。

ナイス「そのプラズマスパークのエネルギーが観測されたって事は…! まさか…!!」
ウルトラマン「ああ、恐らくベリアルだろう…」
ドラゴニュート「じゃあ、早速倒しに行くか?」
セブン「もちろんだ、一刻も早くウルトラ族の故郷である光の国を復活させねばならないからな」
トリガー「じゃあ、決まりですね!」
ギャバン「よし! じゃあ早速そのエネルギー観測地点に向かいます!」

そして、ナースデッセイ号はエネルギーが観測された地点、通称怪獣墓場へと向かった。怪獣墓場は周りが死の海域に囲まれた孤島であり、古来からこの島には怪獣達の亡霊が集まるとされている島である。旧時代にはこの海域で船が事故に巻き込まれて沈むと言う事件が多発した為、今なおその伝説が広まっているのだ。レジスタンスメンバーはナースデッセイ号を怪獣墓場に着陸させ、ナースデッセイ号から降りた。その後、怪獣墓場の広場に向かうと、プラズマスパークが置かれていた。

メビウス「プラズマスパーク!!」
???「やはり来たか」

そう言って現れたのは、全身が黒く、悪魔のような姿をしたウルトラマンベリアルであった。その手には長い棍棒の様な形をした武器、ギガバトルナイザーを持っている。

ウルトラマン「ベリアル! そのプラズマスパークを返すんだ!!」
ベリアル「ああ、返してやってもいいぜ、この俺様と怪獣軍団を倒せたらな!!」
セブン「怪獣軍団だと!? まさかそのギガバトルナイザーで!!」
ベリアル「そう言う事だ、行くぜ! 100体モンスロード!!」

ベリアルはギガバトルナイザーを空高く掲げた。すると、次々と怪獣達が呼び出された。呼び出された100体の怪獣はどれもかつてウルトラ戦士やゴジラガメラを苦戦させた相手であり、苦戦は必須であった。

ドラゴニュート「この数…!!」
ウルトラマン「まさか! プラズマスパークのエネルギーを怪獣の復活に利用したのか!?」
ベリアル「そう言う事だ、最高だぜ、この力は」
ティガ「そこまでして力が欲しいのか…!!」
ベリアル「もちろん、この世界は力こそ全てだ!!」
ギャバン「だったら、俺達がその考えは間違っていると教えてやる!!」
ウイングゼロ「ベリアル…お前を…殺す!」
ベリアル「ほざけ! 今からお前達をぶっ潰してやる! やれ!!」

ベリアルの合図で100体の怪獣が総攻撃を仕掛けてきた。

ウルトラマン「みんな行くぞ!!」

レジスタンスメンバーも、ウルトラマンの合図で100体の怪獣に向かって行った。

ドラゴニュート「行くぞ…! フォトンブレイヴ…!!」

ドラゴニュートは目にも止まらぬ速度で数体の怪獣を斬りつけた。だが、斬りつけられた怪獣達はあまりダメージを受けていない様子であった。一方のティガもティガスライサーを放ったが少ししかダメージが通らず、リブットもリモートカッターを放ったが、こちらも少しダメージを与えただけであった。その頃、メビウスはメビュームブレードでフログロスを斬りつけ、倒していた。

メビウス「この怪獣達、いつもの数倍以上も強い…!!」
ベリアル「ようやく気付いたか! この怪獣達はプラズマスパークのエネルギーで強化されているんだよ!!」
ウルトラマン「馬鹿な! そんな事は出来ないはずだ!!」
ベリアル「イフィニアドの技術を使えばプラズマスパークのエネルギーで怪獣を強化するぐらい造作もない!!」
ドラゴニュート「なるほど、そう言う訳か」
メビウス「だけど、僕達は諦めません! 最後まで諦めず、不可能を可能にします!!」
ベリアル「そうか、まあ、精々頑張るんだな、はっはっは!!」

一方、怪獣達は激しくレジスタンスメンバーを攻め立てていた。ギャバン達3人の宇宙刑事はキングゲスラとキングパンドンの攻撃を食らい、吹っ飛ばされた。

シャリバン「ぐあっ!!」
シャイダー「こうなったら、一気に決めるしかない!!」

3人の宇宙刑事の必殺技を同時に食らったキングゲスラとキングパンドンは爆発四散した。一方のティガとイーヴィルティガも、キングシルバゴンとキングゴルドラスの攻撃を食らっていた。強化されたキングシルバゴンの力は凄まじく、パワータイプになったティガでも押し返されるほどの力だった。するとそこにパワータイプになったトリガーが現れ、加勢した。

トリガー「大丈夫ですか? ティガさん」
ティガ「助かったよ、ありがとう」

そして、ティガとトリガーはキングシルバゴンに同時にパンチを浴びせて吹き飛ばし、同時にデラシウム光流を放ち、倒した。一方のイーヴィルティガの方にもトリガーダークが加勢した。

トリガーダーク「大丈夫かい?」
イーヴィルティガ「助かった、感謝する」

そして、イーヴィルティガとトリガーダークはそれぞれイーヴィルショットとダークゼペリオン光線を放ち、キングゴルドラスを倒した。ウイングゼロはバスターライフルで空中から怪獣達を攻撃していた。だが、高威力のバスターライフルでも強化された怪獣は一撃で倒せなかった。

ウイングゼロ「この耐久力…かなり強化されているようだな…」

すると、空中にいるウイングゼロに対してネロンガは放電攻撃を放った。ウイングゼロは回避行動を取ったが、少し被弾した。

ウイングゼロ「つぅっ! …当たったか…」

そこに、ナイスが加勢に現れた。

ナイス「大丈夫ですか? ウイングゼロさん」
ウイングゼロ「問題ない」

すると、ネロンガがナイスの方に向かって突進してきた。

ナイス「よ~し! 僕だってできるって所を見せてあげますよ!!」

ナイスは特訓の末に編み出した新必殺技、ミレニアムクロスを放った。それを食らったネロンガは大爆発を起こした。

ナイス「よし! 成功だ!!」
ウイングゼロ「お前も中々やるな」
ナイス「もちろんです! 僕だってウルトラマンですから!!」

レジスタンスメンバーは怪獣を少しずつだが倒して行った。しかし、戦況は不利なままであった。いつもより強化された怪獣達相手には歴戦の勇士の集まるレジスタンスと言えど苦戦は必須であった。

ベリアル「どうした? 大口を叩いておいてその程度か?」
メビウス「ハァ…ハァ…まだだ! 僕達はまだ戦える!!」
ウルトラマン「そうだ、我々は悪には決して屈しない!!」
セブン「お前を倒し、光の国も、地球も救ってみせる!!」
ベリアル「そうか、ならここで死ね!!」

ベリアルの合図で後ろに待機していた怪獣達が一斉に襲って来た。

ドラゴニュート「まずい…! このままでは…!!」
ギャバン「一斉攻撃だ!!」

ギャバンの合図でドラゴニュートは上級風魔法エウロスウインドを、ウルトラ戦士たちはそれぞれの必殺光線を、ガーディーは光線を、ギャバンはレーザーZビームを、シャリバンシャイダーはそれぞれクライムバスターとビデオビームガンを、ウイングゼロはツインバスターライフルを放ち、迎撃した。その攻撃は大爆発を起こしたが、それでも10体程度しか倒す事はできなかった。レジスタンスメンバーはもう一度攻撃を放とうとしたが、間に合わず、怪獣達の攻撃に襲われた。

アイラ「キャアアーッ!!」
ドラゴニュート「くっ! せめて俺が龍になれたら…!!」
セブン「仲間達を、やらせはしない!!」

セブンは頭に装着した宇宙ブーメラン、アイスラッガーを手に持ち、怪獣の群れに向かって行った。

メビウス「兄さん! 無茶です!!」

単身怪獣達の群れに向かって行ったセブンは一騎当千の戦いを見せた。アイスラッガーで怪獣を次々と斬り裂き、倒して行った。その姿はまるで武神のようであった。

ドラゴニュート「あの戦い方…まるで俺達を守ろうとしているようだ…」
ウルトラマン「セブンはかつてMACの隊長を務めていたが、円盤生物のシルバーブルーメMACを壊滅させられた…」
メビウス「だから、その時の様な悲劇を繰り返したくないんだと思います」
ギャバン「でも、どんどん傷ついている、助けないと!!」

だが、セブンを助けようにも怪獣達が地上、空中と行く手を遮り、助ける事ができない。セブンは見る見るうちに傷つき、とうとうボロボロの状態となった。

セブン「ハァ…ハァ…」
ベリアル「フン、まだ生きているか、いいだろう、トドメは俺様が刺してやる!!」

すると、ベリアルはギガバトルナイザーをセブンに向け、ベリアルショットを放った。セブンはその攻撃を食らい、吹き飛ばされた。

セブン「うわあああああっ!!!」
メビウス「兄さん!!」
ウルトラマン「セブン!!」

セブンは地面に倒れ込んだ。だが、セブンは自分に残された最後の力を振り絞って立ち上がった。

セブン「私はここまでだ…」

セブンはアイスラッガーを空の彼方に投げた。アイスラッガーは見る見るうちに空に吸い込まれ、やがて見えなくなった。そして、セブンは力尽き、地面に倒れ込んだ。

セブン「後は…頼んだぞ…」

そして、セブンは命を落とした。

ベリアル「さあ、かかって来い、全員血祭りにあげてやる!!」

一方、とある孤島ではレオ、アストラの兄弟ととあるウルトラマンが特訓していた。そのとあるウルトラマンは体に訓練用の鎧、テクターギアを身に着けていた。

レオ「お前はここ数日で見る見るうちに実力を上げている! 本気で来い!!」
???「いいぜ、本気でぶっ飛ばしてやる!!」

そのウルトラマンは飛び蹴りでレオを吹き飛ばし、岩盤に叩き付けた。彼の身に着けているテクターギアは力を制限する能力があるが、それ込みでこの力である。その力にレオとアストラの兄弟は驚愕していた。すると、レオが叩き付けられた岩盤の上にあった岩石が落下した。それを見たテクターギアを装着したウルトラマンが岩石を受け止めた。岩石が落下した先には特訓を見守っていた友好珍獣ピグモンがいたのだ。

ピグモン「クエッ! クエッ!」
???「危ねえだろ、あっち行ってろ、うろちょろしてんじゃねえよ」

ピグモンが立ち去るのを確認すると、そのウルトラマンは特訓を再開した。

???「さあ、もう一回だ! 行くぜ!!」
レオ「待て、お前は今、その小さな命を助けたな?」
???「それがどうした」
アストラ「君が光の国を追放されたあの日、セブンは今の君と同じ事をしたんだよ」
???「何?」
レオ「あの日のお前は未熟だった、もしセブンが止めてなかったらお前はプラズマスパークのエネルギーに耐えられず、ベリアルと同じ道を歩んでいただろう」
???「………」

すると、彼らが特訓している孤島の地面にセブンのアイスラッガーが刺さった。

レオ「これは…! セブンのアイスラッガー!!」
???「何でセブンのアイスラッガーがここに!?」
レオ「これはきっと、息子であるお前に助けを求めているんだ」
???「!? 俺がセブンの息子!? そんな、嘘だろ!?」
アストラ「本当だよ、君が一人前になるまで隠していてくれってセブンに頼まれたんだ」
???「そうだったのか…」
レオ「どうやら、その時が来たらしいな」

すると、レオはそのウルトラマンに装着していたテクターギアを外した。

レオ「進め! ウルトラマンゼロ!!」

ゼロと呼ばれたそのウルトラマンは、父であるセブンのアイスラッガーを握りしめ、空高く飛翔した。全ては父親であるウルトラセブンとその仲間を助ける為に…。

ウルトラマンネクサスとレイモンは行方不明になったドラゴニュート達を探していた。上空からドラゴニュートを探していたが、どうしても見つからず、途方に暮れていた。

ネクサス「参ったな…どこにいるんだろう…」
レイモン「ドラゴニュートは光の国の方面に向かった、きっとこの辺にいるはずだ」

すると、ネクサス達から少し離れた場所に凄いスピードで飛んで行くウルトラマンがいた。彼は怪獣墓場の方面に飛行して行った。

ネクサス「あれは…」
レイモン「ネクサス、彼を追おう」
ネクサス「どうしてだ?」
レイモン「彼から何か不思議な感覚を感じるんだ」
ネクサス「レイモンがそう言うなら、そうしよう」

2人はそのウルトラマンを追う事にした。一方、怪獣墓場にいるドラゴニュート達は苦戦していた。何とか半分は倒したが、もう完全に消耗し、ボロボロになっていた。

ドラゴニュート「ハァ…ハァ…ぐっ!!」
メビウス「セブン兄さんが命がけで戦ったんだ、僕達も…!!」
シャリバン「俺達は最後まで諦めない!!」
ベリアル「もう飽きた、そろそろトドメを刺してやる!!」

ベリアルの合図で待機していた怪獣達が侵攻し始めたその時、空中から一筋の光線が放たれ、先頭にいた怪獣達を爆散させた。

ウイングゼロ「…何だ?」

その光線の主はセブンの亡骸を高台に運び、その胸にアイスラッガーを握らせた。

ベリアル「貴様、何者だ?」
ゼロ「ゼロ! ウルトラマンゼロ! セブンの息子だ!!」
ドラゴニュート「セブンの息子? セブンに息子がいたのか?」
ウルトラマン「ああ、ゼロが一人前になるまでずっと隠していたんだ」
アイラ「そうだったんですね…」
ベリアル「フン、セブンの息子だと言うなら、貴様も親父の元に送ってやる! やれ!!」

ベリアルの合図で怪獣軍団が一斉にゼロに攻撃を仕掛けた。ゼロは単身怪獣軍団に突っ込んでいき、怪獣軍団と格闘戦を繰り広げた。その動きには一切無駄がなく、自分の攻撃は的確に怪獣に当て、怪獣の攻撃は全て受け流す、または回避をしていた。

トリガー「凄い…! 僕達が苦戦していた怪獣達をああも簡単に…!」
メビウス「どうやら、レオ兄さん達の修行がうまく行ったんですね!」
ウルトラマン「ああ」

ゼロが2本のゼロスラッガーを投げると、怪獣達を次々と切り刻んで行った。続いてゼロはワイドゼロショットを怪獣達に放ち、怪獣達を爆散させ、空を飛ぶ怪獣にはエメリウムスラッシュを放って的確に狙い撃ちした。そして、あっという間に怪獣達は10体程度になった。ゼロは手元に戻って来たゼロスラッガーを手に持ち、怪獣達を次々と斬り倒した。そして、怪獣軍団はあっという間に壊滅した。そして、ゼロはこの戦いの張本人であるベリアルと対峙した。

ゼロ「貴様だけは、絶対に許さん!!」
ベリアル「ほざけ! 今ぶっ倒してやるからな!!」

ゼロはベリアルと格闘戦を繰り広げた。ベリアルはギガバトルナイザーを振り回してゼロを攻撃したが、ゼロはそのギガバトルナイザーを軽々と回避していた。ベリアルは一歩下がってベリアルジェノサンダーを放ったが、ゼロはそれを回避した。そして、ゼロはベリアルの懐に飛び込み、腹に連続パンチを決め、トドメにキックを放った。ベリアルは吹き飛ばされたが、再び立ち上がった。そして、ベリアルはベリアルショットを放った。ゼロはそれを回避し、一気に接近して回し蹴りでベリアルを吹き飛ばした。そして、吹き飛んで空中にいるベリアル目掛けてゼロキックを放ち、ベリアルは地面に倒れ込み、苦しんでいた。

ゼロ「トドメだ!!」

ゼロは2本のゼロスラッガーを胸に装着し、そこから光線を放った、ゼロツインシュートだ。

ベリアル「まずいっ!!」

すると、ベリアルの前にシャドームーンが現れ、シャドービームでゼロツインシュートを迎撃した。

ゼロ「何っ!?」
ベリアル「シャドームーン!!」
シャドームーン「お遊びが過ぎるぞ、ベリアル」
ベリアル「何、あまりに暇だからこいつらと遊んでやってただけだ」
シャドームーン「その割には苦戦しているようだな」
ベリアル「うるせえ!!」
ゼロ「ベリアル! まだ戦いは終わってねぇぞ!!」
ベリアル「悪いな、俺は基地に帰らないといけないようだ、この続きはまた今度だ」
シャドームーン「そう言う事だ、だが、このまま帰るのも面白くない、お前らはこいつらと遊んでいろ」

すると、シャドームーンは3つのカプセルを取り出した。このカプセルはマイクロカプセルと言うイフィニアドの兵器の一つであり、中に有機物無機物問わず様々な物を入れる事のできるカプセルだ。長さ10㎝にも満たないこのカプセルの中にマイクロ化した物を収納し、カプセル内の時間を止める事で、長期間保存する事の出来るとても便利なカプセルだ。かつてウルトラセブンの無くしたカプセルを回収し、それを元に開発したものらしい。

シャドームーン「このカプセルの中には強敵のクローンが入っている、貴様らに倒せるかな?」

そう言ってシャドームーンはカプセルを放り投げた。すると、激しい閃光が放たれた。光が収まり現れたのは、イズマエル、キングギドラ、レギオンだった。

メビウス「あれは! イズマエル!!」
ドラゴニュート「ネクサスから聞いた事がある、複数のスペースビーストの情報が組み込まれた最強のスペースビーストだな」
リブット「そしてあの金色の三つ首怪獣はキングギドラか!」
ナイス「金星の文明をたった3日で滅ぼした最強の宇宙怪獣ですね」
ティガ「そしてあの虫みたいな怪獣はレギオンか!」
イーヴィルティガ「かつてガメラと激闘を繰り広げたケイ素生物だな」
アイラ「どれも強敵みたいですね…」
シャドームーン「まあ、精々戦って死ぬがいい」

そう言ってシャドームーンとベリアルは去って行った。

ゼロ「くっ! あの野郎、最低な置き土産をして行きやがったな!!」
ウルトラマン「だが、奴らはプラズマスパークを持って帰らなかった」
ヒカリ「もう奴らにとっては用済みなんだろうな」

すると、怪獣墓場にレオ、アストラ、ネクサス、レイモンがやって来た。

レオ「みんな、ベリアルはどうした?」
アストラ「レオ兄さん! あれ!!」
レオ「なっ! あれは!!」
ネクサス「イズマエル!? あいつはかつて僕が倒したはずだ!!」
レイモン「それに、キングギドラにレギオン、あいつらもかつてゴジラガメラに倒されたはずなのに…!!」
ドラゴニュート「ネクサス、それにレイモン、俺を追って来たのか…」
ネクサス「まあ、そうだけど、でも今はあいつらを倒さないといけないみたいだね」
ドラゴニュート「ああ」
ネクサス「じゃあ、早速あいつらを倒そう!!」
レイモン「行けっ! ゴモラ!!」

レイモンはゴモラを呼び出した、そして、そのゴモラはEXゴモラへとパワーアップし、ネクサスもジュネッスブルーに変身した。

ゼロ「じゃあ、行くぜ!!」
ギャバン「レーザーZビーム!!」
シャリバン「クライムバスター!!」
シャイダー「ビデオビームガン!!」

3人は自身の持つ射撃攻撃でキングギドラを攻撃したが、キングギドラの引力光線で吹き飛ばされた。

シャイダー「何だ、あの威力は!?」
レオ「行くぞ! ゼロ!!」
アストラ「ゼロ! 僕と兄さんに合わせて!!」
ゼロ「ああ!!」

レオ、アストラ、ゼロの3人はレギオンに同時キックを放ったが、あまり効果がなく、マイクロ波シェルで吹き飛ばされた。

ネクサス「僕が行く!!」

ネクサスはジュネッスブルーに変身し、アローレイシュトロームを放とうとしたが、イズマエルの光線に吹き飛ばされた。一方の、EXゴモラもイズマエルの尻尾に薙ぎ払われてしまった。

ドラゴニュート「くっ! サイクロンエッジ!!」

ドラゴニュートは真空波を放つ魔法のサイクロンエッジで攻撃したが、レギオンの突進で吹き飛ばされてしまった。

ドラゴニュート「くっ! 流石はかつてゴジラガメラを苦戦させた怪獣達だ!!」
ゼロ「こうなったら、一気に決めるしかないな!!」

すると、ウルトラマンがある事をゼロに伝えた。

ウルトラマン「ゼロ、今のお前ならプラズマスパークの力を使えるはずだ」
ゼロ「プラズマスパークの力を?」
ウルトラマン「ああ、修行して立派になった今のお前なら、な」
ゼロ「ああ、分かった!!」

ゼロはプラズマスパークの前に立ち、手をかざすと2本のゼロスラッガーが巨大な大剣に変化した。これはゼロツインソードと言う武器であり、凄まじい威力を誇る大剣だ。

ゼロ「これは…!!」
メビウス「聖なる光が、ゼロを選んだんだ!!」
ゼロ「よし! 行くぜ!!」

ゼロは3体の怪獣に向かって行くと、立て続けに斬りつけた。その威力はすさまじく、3体の怪獣は大ダメージを負ったようだった。

レイモン「行ける! 今ならあいつらを倒せそうだ!!」
ドラゴニュート「そのようだな、なら、一気に決めるか」

直後、レジスタンスメンバー全員は総攻撃を放ち、その総攻撃を食らった3体の怪獣達は大爆発を起こし、倒された。そして、怪獣墓場での大激戦は終わった。

ドラゴニュート「…終わったようだな」
メビウス「はい!」
ウルトラマン「やったな、ゼロ」
ゼロ「ああ、これもみんなのおかげだ」
アストラ「早速プラズマスパークを光の国に持って帰らないと」
マルゥル「もう準備はできてるぜ! 早く乗りな!!」

レジスタンスメンバーはプラズマスパークを持ってナースデッセイ号で光の国に帰って行った。そして、ウルトラマン達はウルトラ族以外のメンバーは光の国の光は強すぎる為、彼等を残して光の国に帰って行った。その頃、ゼロがプラズマタワーにプラズマスパークを戻した。すると、光の国に光が戻り、元の美しい光の国に戻った。凍り付いていた光の国の住民は元に戻り、再び光の国は復活した。

ネオス「っ! 俺達は何をしていたんだ?」
セブン21「確か、ベリアルと戦ってて…」
リブット「皆さん! 大丈夫ですか?」
パワード「リブットか、我々は大丈夫だ」
グレート「お前、少したくましくなったな」
リブット「はい!」
ナイス「よかった、これで解決ですね!」
ティガ「僕達ウルトラ族の間の問題はね」
イーヴィルティガ「だが、まだイフィニアドやヴェイガンが残っているだろ?」
ナイス「あ、確かに」
リブット「まずは、そのイフィニアドとヴェイガンをどうするか考えよう」
ナイス「そうですね」
トリガーダーク「やれやれ、この世界も大変だねぇ…」
トリガー「でも、この世界にもカルミラ達は来てる…」
トリガーダーク「つまり、俺達もこの世界には無関係じゃねえって訳か…」
ネオス「これからの戦いには、俺達も参加するよ」
セブン21「ずっと氷漬けになってたから体を温めないとな!」
ナイス「ネオス先輩やセブン21先輩の力を借りれたら一気に戦力が上がりますね!」
ネオス「まあ、出発の時は呼んでくれ」
ナイス「はい!」

一方、ゼロは久しぶりに帰って来た光の国で一人寂しそうにしていた。すると、そこに父親であるセブンがやって来た。セブンは光の国の技術で蘇生したのである。

セブン「流石、俺の子だ」
ゼロ「親父…」

親子として再開したゼロとセブンは抱擁を交わし、ゼロはセブンの胸の中で涙を流した。その後、ドラゴニュート達の元にメビウス達がやって来た。

ドラゴニュート「どうなった?」
メビウス「光の国の方は残された人達だけでどうにかなりそうです」
リブット「光の国にはパワードやグレートもいますから」
ヒカリ「そして、新たに加わるメンバーを紹介する」
ジャック「私はウルトラマンジャックだ、かつてはMATに所属していた」
エース「ウルトラマンエースだ、昔所属していた組織はTACだ」
80「私はウルトラマン80、かつてはUGMに所属していた」
ネオス「勇士司令部所属の戦士、ウルトラマンネオスだ、よろしく」
セブン21「ネオスの相棒のウルトラセブン21だ、よろしく頼む」
ヒカリ「以下の4人が我々と行動を共にする事になる戦士だ」

ジャックはかつてMATに所属し、地球に眠っていた数々の怪獣達と戦った戦士だ。2体1の不利な状況に何度もなったが、最後まで諦めずに戦った勇敢な戦士でもある。
エースは超獣相手に1年間戦ったまさに超獣退治の専門家だ。かつてはTACに所属しており、数々の強敵と戦った戦士だ。
80はUGMに所属しながらも教師として活動したウルトラ戦士だ。途中から教師をやめ、UGMをメインに活動して怪獣と戦い続けたのである。
ネオスはかつてHEARTに所属していた戦士であり、メンシュハイトと戦い、勝った戦士だ。光の国でも特に選ばれた戦士だけが集まる勇士司令部所属の戦士である。
セブン21はネオスの相棒であり、ネオスがピンチの時には何度も駆け付けた頼れる仲間だ。今度設立予定の宇宙保安庁に所属する予定らしいが、詳しい事は分かっていない。

アイラ「あれ? そう言えばセブンさんがいませんね…」
ゼロ「親父なら、自分の力不足を気にしてしばらく光の国で修行するらしいぜ」
ギャバン「そうなのか…少し残念だな」
ゼロ「まあ、その代わりに俺達が配属になったんだ、戦力的には問題ないだろう」
ウイングゼロ「そうだな」

ネクサス「なあ、ドラゴニュート
ドラゴニュート「何だ?」
ネクサス「君はこれからどうするんだい?」
ラゴニュート「そうだな、俺はしばらくアイラたち3人と単独行動を取る」
アイラ「え? メビウスさん達と一緒に行かないんですか?」
ドラゴニュート「俺も今回の戦いで自分の力不足を実感した、しばらくどこかで特訓したい」
???「なら、私と一緒に行きましょう」

そう言って現れた人物はシオリだった。

ドラゴニュート「シオリか…」
シオリ「ドラゴニュート、あなたは今回の戦いで龍になりたいと思ったでしょ?」
ドラゴニュート「フッ…お前には何でもお見通しって訳か…」
シオリ「私なら、あなたの力を引き出す事ができるわ、一緒に行きましょう」
ドラゴニュート「いいだろう」
レイモン「ドラゴニュート!」
ドラゴニュート「大丈夫だ、俺は必ず戻って来る、姉ちゃん達にもそう伝えておいてくれ」
ネクサス「ドラゴニュート…無理はしちゃだめだよ、いいね」
ドラゴニュート「ああ」
シオリ「さあ、行きましょう」

そして、ドラゴニュートはアイラと共にエアバイク形態になったファヴールに乗った。一方のシオリも近くに止めていたワイバーンに乗り、ドラゴニュートと共に空の彼方へと去って行った。

ネクサス「大丈夫かな、ドラゴニュート
レイモン「今は彼の言葉を信じよう」

2100年12月30日、地球上でも屈指の密林地帯であるヘルルーガ密林、この密林の最奥地にイフィニアドの基地があった。そこではいつでもイフィニアド皇帝の命令を受け、活動ができるように軍備が整っていた。このヘルルーガ基地は今地球上にあるイフィニアド基地の中でも屈指の力を持っているのだ。ある日、ヘルルーガ基地に所属する女性兵士のレイス・ヴァローナは、ヘルルーガ基地にどこからか侵入した3人の人間を発見した。

レイス「お前達!一体どこから侵入したのだ」

すると、その侵入者たちは変なことを言い出した。

ミザリー「いや、そう言われても、分かんないんだわ」
マーリン「気が付いたらここにいたからのう」
マゴット「それより、勇者さまは一体どこに…」

この3人はRPGにいそうな服装をしている。恐らく服装から察するに戦士、魔法使い、僧侶と言った所だろう。そしてどうやって基地に侵入したか分からないと来た。レイスはすぐさま異世界からの来訪者だと察した。

レイス「お前達、まさか異世界からの来訪者か?」
ミザリー異世界? 何それ?」
マーリン「こことは別の世界と言う事じゃ」
マゴット「と、言う事は勇者さまはこの世界のどこかにいる訳ですね!」
レイス「勇者さま…ねぇ…お前達は本当に別の世界から来たんだな…」

すると、突然ヘルルーガ基地に警報が鳴り響いた。

レイス「警報? 地球統合軍にでも見つかったか?」
オペレーター「このヘルルーガ基地にゴジラ接近! 戦闘員は各自戦闘準備を整えてください!」

この基地にゴジラが接近していると聞いたレイスは今までにない恐怖を感じた。イフィニアドの幹部の一人であるヒートがゴジラに殺されたと言う話は既にイフィニアドに広まっている。いくらヘルルーガ基地が屈指の戦力を誇っているとしても、勝てる見込みはない。レイスは体中の震えを抑え込み、ゴジラを倒す為、死ぬ覚悟で戦う事を決めた。

レイス「お前達、さっさと逃げろ、逃げないと死ぬぞ」
ミザリー「大丈夫さ、あたしらはバラモスを倒した事があるんだぜ?」
マーリン「そうじゃそうじゃ、ゴジラかなんか知らんが、わしらも協力しようではないか」
マゴット「もしもの時は、ザキで一撃ですよ」
レイス「とは言っても…」

そんな話をしていると、急に遠くで爆発音が起こった。恐らくゴジラが熱線を吐いたのだろう。爆発音の方からは叫び声や悲鳴が聞こえてくる。

レイス「まさかもうゴジラがやってきたのか!?」
すると、レイス達のいる場所の天井が崩れてきてレイス達は天井の下敷きになった
レイス「うわあああっ!!」

そして、あっという間にヘルルーガ基地は壊滅した。ヘルルーガ基地を破壊したゴジラは大きな咆哮を上げ、ゆっくりとその場を立ち去って行った。ゴジラが立ち去った後、レイス達のいた場所からもぞもぞと出てくる者がいた。

ミザリー「んあっ! あたしがとっさに天井を受け止めてて助かった…」
マーリン「何と言う馬鹿力じゃ…」
マゴット「でも、あの女の人は?」

すると、崩れた天井の下からかすかだが、苦しんでいる声が聞こえてきた。

マゴット「まだ生きています!」
ミザリー「あたしに任せな! おらっ!!」

ミザリーは崩れた天井を持ち上げて遠くに投げ飛ばした。すると、重傷を負いながらも一命を取り留めているレイスの姿があった。

マーリン「おお、奇跡じゃ」
マゴット「すぐに治療しますね! ベホマ!」

マゴットは一瞬で傷を治癒する呪文、ベホマを唱えた。すると、レイスの傷が見る見るうちに消えていった。

マゴット「もう、大丈夫でしょう」
レイス「うっ…お前達、何故私を助けた?」
ミザリー「何でって…当り前じゃんか」
マーリン「死にそうな人がいたら助けるもんじゃろ?」
レイス「私はこの地球を侵略しようとしている宇宙帝国の兵士だぞ!」
マゴット「それでも、あなたは私達を見逃そうとしてくれたではありませんか」
レイス「あ…あれは、お前達の相手をしている場合ではなかったからだ!」
マゴット「本当にそうですか?」
レイス「ほ…本当だ!」
ミザリー「そう…まあいいや、それよりあんた、これからどうするんだ?」

レイスが周りを見渡すと、完全に破壊されたヘルルーガ基地が辺り一面に広がっていた。

レイス「う…ここまで破壊されては…他に行く当てもないし、ここで野垂れ死ぬしかないのか…」
ミザリー「いや、諦めるの早いな」
マーリン「わしらは最後まで諦めず、バラモスを倒したのじゃぞ? お主もそう諦めなさんな」

すると、レイスは少し考えて答えを出した。

レイス「…基地のどこかに信号弾が残っているかもしれない、それを見つけられれば、どうにかなる可能性はある」
ミザリー「よっしゃ! それだ!」
マゴット「で、その信号弾と言うのはどこにあるんですか?」
レイス「こっちだ、付いてきてくれ」

そして、レイス達4人は信号弾を探しに向かった。その道中、4人は自己紹介を始めた。

レイス「そう言えば、お前達、名前は何と言う?」
ミザリー「あたしは戦士ミザリー、要は力で敵をぶっ潰す役割だ」
マーリン「わしは魔法使いマーリン、魔法で攻撃したり仲間を助ける役割じゃ」
マゴット「私は僧侶マゴットです、回復魔法で仲間を支援します」
レイス「私はレイス・ヴァローナ、宇宙帝国イフィニアドの一般兵だ」
ミザリー「こん中でただ一人だけただの兵士がいるのな」
レイス「別に笑ってくれても構わないさ、他の仲間が死んだのに私だけのうのうと生き恥を晒している、帝国の恥晒しだ」
マゴット「そんな事ないですよ、とりあえず、信号弾を見つけてからいろいろ考えてみましょう? ね?」
レイス「…そうだな」

そうこうしているとレイス達は信号弾が保管されている倉庫についた。

レイス「ここだな」
マーリン「おお、宝箱とか置いてそうじゃのう」
ミザリー「確かにな」
レイス「私が取って来るから、みんなはここで待っていてくれ」

そして、レイスは倉庫の中に向かった。

レイス「えっと…確かこの辺に…」

その信号弾を探すレイスを数匹の怪獣がじっと見つめていた。その怪獣はショッキラス、ゴジラの体にくっついていた巨大フナムシだ。ショッキラスは数体で獲物の体に張り付き、その体液を吸い尽くしてしてしまうのだ。そして、ショッキラスたちはレイスの体に一気に飛び掛かった。

レイス「うわっ!!」

ショッキラスはレイスの体液を吸う為、レイスの体中に張り付いた。レイスは何とか振り払おうとするが、中々振り払えない。

レイス「くっ! 離せっ!!」

すると、その叫び声を聞きつけた他の3人がすぐさま駆け付けた。

ミザリー「大丈夫かレイス!」
レイス「大丈夫じゃない! こいつらを何とかしてくれ!!」
マーリン「分かった、少しだけの辛抱じゃぞ! メラ!!」

マーリンは小さな火の玉で攻撃する呪文、メラを唱えて攻撃した。すると、レイスの体に張り付いていたショッキラスが一気に燃え上ってパラパラと落ちて行った。

マゴット「レイスさん、大丈夫ですか?」
レイス「ハァ…ハァ…」

レイスの体は恐怖で震えていた。それでもその恐怖を何とか抑えて信号弾を取りに向かった。

レイス「こ…これが信号弾だ、これを使えば誰かが助けに来てくれるはずだ」
マーリン「で、これを投げるのか?」
レイス「いや、一般兵に支給されている拳銃にセットして使うんだ」
ミザリー「まあ、これであたしらが助かるなら安いもんだな」

そして、レイス達は場所を変え、信号弾を撃つ際に最適な場所へと向かった。

レイス「今基地にはレーダーがない、この信号弾で誰かに見つけてもらえれば良いのだがな」
マゴット「きっとどなたかが見つけてくれますよ」
レイス「ああ、そうだといいな」

レイスはイフィニアドの兵士に支給されている拳銃、インペリアルV13に信号弾のカートリッジをセットし、空に向けて撃った。すると、色の付いた光が空一面に描かれた。

マゴット「…綺麗ですね」
レイス「ふっ…そうだな」

レイス達が信号弾を撃って5分ほどすると、一隻の戦艦が向かってきた。クロストライアル所属の戦艦、スペースアークだ。

ミザリー「何だあのラーミアよりでかい金属の船!?」
マーリン「船が空を飛んでいるじゃと!?」
マゴット「何ですか? ねえ、レイスさんあれ何ですか?」
レイス「戦艦だ、この世界ではよくあるものだ」
ミザリー「すげーなこの世界!!」

その後、スペースアークは地上に着艦した。そして、その中から数名の人物が姿を現した。

F91「信号弾を撃ったのは君たちか?」
レイス「ああ、そうだ」
ビギナ・ギナ「イフィニアドの兵士…?」
アルス「あっ! ミザリー! マーリン! それにマゴット!」
ミザリー「アルスじゃないか! お前、やっぱり生きていやがったか!!」
マーリン「感動の再会じゃの、ほっほっほ」
マゴット「勇者さま、ご無事で何よりです」

アルスたちが再会を喜んでいると、ビルギットが一つの疑問を述べた。

ビルギット「なあ、この3人は何でこのイフィニアドの兵士に助けてもらってたんだ?」
F91「確かに、あのイフィニアドが人命救助をするとは思えないな」
レイス「私はイフィニアドの兵士だ、だが、あの3人に命を助けてもらったのでその恩を返しただけだ」
F91「そうだったのか…」
ビギナ・ギナ「イフィニアドも全員が悪人と言うわけではないようね」
レイス「だが、私は君達と敵対しているイフィニアドの者だ、信用できないならこの場で切り捨ててくれて構わない」
アルス「大丈夫だ、そんな事はしない」
F91「アルス…」
アルス「君は俺の大切な仲間を助けてくれた命の恩人だ、恩人にはそんな事はしないよ、例えイフィニアドでも」
レイス「だが…私は…」
ミザリー「あーもう! めんどくさい奴だな! レイスはもうあたしらの仲間だ!」
マーリン「そうじゃ、わしらはこの短期間で絆を深めたではないか」
マゴット「だから、イフィニアドの兵士だからとか、気にしないでください、ね?」

すると、レイスは涙を流しながら嬉しそうに感謝の言葉を述べた。

レイス「…ありがとう…」
ビルギット「しかし、この基地の壊れ方、やったのは並の奴じゃないよな」
ビギナ・ギナ「確かに、一体誰がやったのかしら」
レイス「ゴジラだ」
F91「何だって!?」
サイバスター「おいおい、そんなヤバい奴なのか? そのドジラってのは?」
ビルバインゴジラだ、馬鹿」
レイス「ああ、とんでもない奴だ、地球上でも屈指の戦力を誇ったこのヘルルーガ基地を一瞬で壊滅させた、思い出すだけで震えが止まらない…」
ビギナ・ギナ「F91…」
F91「ああ、これはすぐにでもGフォースに知らせないといけないようだな」

その後、茨城県筑波山の麓にあるGフォースの本部ではF91の報告を受け、ゴジラに対する対策会議が行われていた。

機龍「F91達からの報告では、ゴジラはヘルルーガ基地を一瞬で壊滅させたようね」
MOGERA「何でもヘルルーガ基地は地球上でも屈指の戦力を持っていたんだってな」
機龍「今のゴジラは進化した事で圧倒的な力を持っている、ここで叩かないと!」
???「だったら、今ここで一大作戦を展開するしかないな」

そう言って現れたのはGフォースの新型対ゴジラ兵器ヴァルチャーだった。長い四肢と猛禽類に似た頭部を持つ彼はハルオと言う通称で呼ばれている。

MOGERA「誰かと思えば俺らより新型の対ゴジラ兵器さんかい」
ハルオ「ゴジラが今凄まじい力を持っているなら、これ以上進化させないようにここで叩く必要がある」
機龍「具体的にどうするの?」
ハルオ「Gフォースにある対ゴジラ兵器を総動員して、ゴジラを叩く!」
MOGERA「てか、今Gフォースって何があったっけ?」
ハルオ「これが今Gフォースにある対ゴジラ兵器のリストだ」

ハルオが取り出した張り紙には多くの対ゴジラ兵器がリストアップされていた。そこには新しく改良されたジェットジャガーや1世代前のメカゴジラであるスーパーメカゴジラGフォースの旗艦である新・轟天号にかつて他の怪獣相手に使われたマーカライトファープ等があった。

MOGERA「つまり今ある兵器を新型から骨董品まで全部使うってのかい?」
ハルオ「ああ、そして他の部隊にも協力を要請する」
機龍「前一緒に戦ったノワール隊なら協力してくれそうね」
MOGERA「後はガメラモスラ、ガッパも協力してくれると嬉しいんだがねぇ…」
ハルオ「ああ、ガメラたちが協力してくれればこれ以上心強い物はないだろう」
機龍「で、この作戦はいつ決行するの?」
ハルオ「明日だ、だからそれまで各自準備に当たるんだ」
機龍「了解!」
MOGERA「了解」
ハルオ(ゴジラ…!地球に住む全ての人類の為、必ず倒してみせる…!!)

こうして、ゴジラを倒す為、Gフォースの一大作戦が実行される事となった。

2100年12月31日、ゴジラが日本の大阪に向かっていることが判明し、Gフォースはクロストライアルと連携してゴジラを撃破する事を決めた。進化したゴジラは予想以上の戦闘力を誇っており、下手をすればイフィニアド以上の脅威となる事が懸念された。そこで、今回の作戦が決定されたのである。Gフォースは本部にある対ゴジラ兵器を総動員し、これに対抗。そして、クロストライアルからもノワール隊とスペースアーク隊がGフォースに協力し、共にゴジラを迎え撃つ事に決めたのである。

ハルオ「今回の作戦、これまで以上に大変な作戦になるかもしれない、だが、このままゴジラを放置しておくとイフィニアド以上の脅威になる可能性がある、なので、必ずここで奴を倒さないといけない! みんな、力を貸してくれ!」
ミゲル「まあ、Gフォースとは前に一緒に戦った縁があるからな」
ストライクノワール「勿論、我々ノワール隊もできる限りの力添えをしよう」
ヘルベロス「しかし、ゴジラがここまで強くなってるとはな…」
サイバスター「なあ、俺あんま詳しくないんだけど、クリラってどれぐらいヤバい奴なんだ?」
ビルバイン「だからゴジラな」
機龍「そうね…地球怪獣だとバードンゴモラを差し置いて最強とも言われているわ」
MOGERA「もしかしたらあのゼットンタイラントよりも強いかもな」
サイバスター「何か知らないけど、ヤバい奴ってのは十分分かったぜ…」
ヘルベロス「でも、このままゴジラをほっといたら多くの犠牲が出る」
F91「そう言う事だ、だから、僕達はゴジラを倒さないといけない」
サイバスター「そ…そうだな、分かったよ」

すると、第1防衛ラインから通信が送られてきた。第1防衛ラインにはスーパーメカゴジラやダークカイトが防衛に当たっている。

ハルオ「こちらハルオだ、どうした?」
スーパーメカゴジラゴジラが上陸した、これより攻撃に移る」
ハルオ「了解した、必ず撃破してくれ」
MOGERA「スーパーメカゴジラ隊は旧式の集まりだが、大丈夫かね?」
ハルオ「大丈夫だ、クロストライアルのメンバーも何人か回しているからな」

そのスーパーメカゴジラ隊の方では既に上陸したゴジラに対して総攻撃をしていた。マーカライトファープや原子熱線砲と言った骨董品クラスの兵器やスーパーXシリーズなどと言った旧式の対ゴジラ兵器、旧型の轟天号など、旧式の対ゴジラ兵器を使って攻撃していたが、ゴジラに対してはある程度効き目があった。だが、予想通り、ゴジラはすぐに反撃に出た。まず地上にいるマーカライトファープと原子熱線砲を放射熱線で消し飛ばし、空中から攻撃していた轟天号も放射熱線ですぐに撃ち落とした。

スーパーメカゴジラ「やはり100年以上前に作られた骨董品じゃ役に立たんか…」
ドレイク「どうも見た目がボロいと思っていたが、そんな前の物だったのか…」
ヴァンパイアス「逆によく動作したな…」
スーパーメカゴジラ「定期的に点検して博物館に展示してたからな、おかげさまでもうレプリカしか展示できないぜ」

ほかの骨董品が破壊される一方、スーパーXシリーズはゴジラ相手にかなり善戦していた。スーパーXは遠くからロケット弾砲を撃ってゴジラを攻撃し、ゴジラの熱線が直撃してもある程度は耐えていた。一方のスーパーX2もファイヤーミラーでゴジラの放射熱線を1万倍に増幅してレーザービームに変換し、撃ち返して攻撃する等、他の兵器と違ってかなりの善戦ぶりであった。

サルマン「あの炊飯器とアイロン、かなり強いな」
ドレイク「スーパーXとスーパーX2の事か、確かに似てるが…」
スーパーメカゴジラ「あれは数年前に博物館に展示していたオリジナルとほぼ同じ性能のレプリカだ」
フリスト「そんな物まで引っ張り出して来たんですね」
スーパーメカゴジラ「こんな状況だ、四の五の言ってられんよ」

しかし、スーパーXシリーズも進化したゴジラの放射熱線の威力にはかつてほど善戦できずにいた。まずスーパーX、熱線の直撃に何度も耐えたが、3発ほど耐えた頃には耐えきれず、墜落して爆散した。もう片方のスーパーX2もファイヤーミラーが溶解し、そのまま放射熱線の直撃を食らって爆散してしまった。邪魔な対ゴジラ兵器を片付けたゴジラはそのまま大阪の方面に向けて侵攻を開始した。

スーパーメカゴジラ「仕方ない! こうなったら俺達でゴジラを止めるぞ!!」
ダークカイト「了解だ」

スーパーメカゴジラは背中のハイパワーメーサーキャノンで攻撃し、クロストライアルメンバー達も総攻撃を開始した。ダークカイトはシャドーボールで、ヴァンパイアスはフレイムで、フリストはオーロラビームで攻撃するなどの攻撃を放った。その攻撃はゴジラの周りで大爆発を発生させた。しかし、ゴジラはその姿を保ったままなおも侵攻を続けていた。ゴジラはスーパーメカゴジラたちを放射熱線で薙ぎ払い、吹き飛ばした。邪魔者を吹き飛ばしたゴジラは大阪向けて侵攻を開始した。一方、第1防衛ラインを突破されたと言う情報を貰ったハルオ達は、ゴジラがいつ来てもいいように戦闘態勢を整えていた。

ハルオ「くっ! 流石はゴジラ、簡単には倒れてくれないか!」
マーリン「こりゃバラモスやゾーマより恐ろしいかもしれんのぅ…」
ビルギット「だが、ここで奴を倒さないともっと被害が出てしまうな」
サイバスター「俺達の全力を持って、ゴジラを倒すしかないようだな」
機龍「さあ来なさい、ゴジラ
MOGERA「1年前の決着を付けようじゃねえか」

ハルオ達が戦闘態勢を整えていると、ゴジラがその姿を現した。既にスーパーメカゴジラ達が与えたダメージは回復しているようだった。ゴジラはハルオ達を睨みつけると、大きな咆哮を上げた。ハルオの合図でGフォースとクロストライアルメンバーが総攻撃を放ち、ハルオ達の放った総攻撃はゴジラに大きなダメージを与えた。

ゴジラ「ギャアオオォォォォン!!」
アルス「押してる…! いける…!!」
ハルオ「このまま一気に攻め立てるんだ!!」

Gフォースとクロストライアルメンバーは総攻撃を続けた。第1防衛ライン以上の物量攻撃を受け、ゴジラは反撃する間もなく苦しんでおり、総攻撃を食らったゴジラはみるみるうちに弱っていた。

サイバスター「あと一押しって感じだな! なら一気に決めてやるぜ!!」
ビルバイン「あいつのあの体勢、コスモノヴァを放つつもりだな」
F91「本当に一気に決める気なんだな」
サイバスター「いっけぇぇぇ、コスモノヴァ!!」

サイバスターはコスモノヴァを放った。コスモノヴァはゴジラに命中し、大爆発を起こした。

ゴジラ「グォォォォォ…」

サイバスターの最強技を食らったゴジラは力尽き、地面に倒れ込み、息絶えた。

サイバスター「よっしゃあ! ゴジラを倒したぜ!!」
ハルオ「ほ…本当に倒したのか…!? あのゴジラを…」
MOGERA「倒しただろ、現に目の前でくたばってんじゃねえか」
機龍「これで本当に決着が付いたのね…」
ハルオ「そうだな………」

その頃、ハルオは考えていた、あのゴジラを本当に倒せたのかを。あれだけ先人達が苦戦したゴジラをこんなあっさり倒せたことに何か嫌な予感を感じていた。

レオナルド「さあ、帰って勝利の祝杯でも上げようじゃねえか!」

すると、ゴジラの亡骸が眩く光り始めた。

ヘルベロス「おい…これってあの時の…!!」

ヘルベロス達はこの光景を見た事があった。オベリスク島で邪龍神ヒートと戦った際、ゴジラは一度はその命を落としたが復活し、進化して邪龍神ヒートを倒したのである。そう、今ハルオ達が見ているのはその時と同じ光景である。ゴジラはあの時と同じ様に体を作り替え、進化していた。そして、しばらくして光が収まった後、ゴジラはあの時と同じく姿が変わっていた。体形はより細くなり、顔も細くなっていた。背びれは紫色になり、より大きく、鋭さを増していた。

ハルオ「蘇って…さらに進化した…!?」
ストライクノワールゴジラ…奴は我々の常識を超えた生物だとでも言うのか…!?」
機龍「2100年の12月31日と言う記念すべき日に進化したゴジラ…ミレニアムゴジラと言った所かしら?」

そのミレニアムゴジラと呼ばれたゴジラGフォースとクロストライアルメンバーを放射熱線で薙ぎ払った。その放射熱線は青から赤に変化し、より威力を増していた。

MOGERA「おいおい、放射熱線の火力も頭おかしい事になってんじゃねえか」
マゴット「あのゴジラと言う生物…神だとでも言うのでしょうか…?」
ハルオ「怯むな! 攻撃を続けるんだ!!」

Gフォースとクロストライアルメンバーは総攻撃を放ったが、もはや以前の様に攻撃は効かず、ゴジラは涼しそうにしていた。

キルシュ「全く効いていないようですね」
ダンバイン「何て固い皮膚なの…!?」
ゴジラ「ギャアァオオォォォォン!!」

ゴジラは再び放射熱線でハルオ達を薙ぎ払った。

ハルオ「くっ! もう俺達ではどうにもならないのか!?」

ゴジラがトドメに放射熱線を吐こうとしたその時、空の彼方からガメラモスラ、ガッパが飛来した。そして、3体の怪獣はゴジラと対峙した。

ヘルベロス「おお! ガメラたちが来てくれたか!!」
サイバスター「噂の人類の味方の怪獣たちか」
ルクレシア「待ってください! もう一体何か来ますよ!!」

遅れてやってきたもう一体の怪獣は、緑色のモスラだった。

機龍「あのモスラは…?」
ハルオ「恐らく、1年前の戦いで死亡した先代モスラの子供だろう」
MOGERA「そう言えば、幼虫モスラが2匹残ってたっけか」
機龍「両方とも無事成虫になってたのね」
ルクレシア「でも、あの緑色のモスラ、戦い慣れてないみたいですね…」
機龍「とりあえず、緑色のモスラじゃ呼びづらいからモスラレオって呼びましょう」
キルシュ「賛成です」

更に、ハルオたちの後方から1体のロボットが現れた。戦闘用に改造され、完璧な人型に進化したジェットジャガーだ。ジェットジャガーは進化したゴジラ相手にやる気を見せていた。

MOGERA「ジェットジャガー、最終調整中だと聞いたが、間に合ったようだな」
機龍「どれぐらい当てになるかは分からないけど、ここは賭けてみましょう」
レオナルド「なあ、何だこのウルトラマンみたいなロボットは?」
ハルオ「ジェットジャガーだ、俺達Gフォースの新しい仲間だ」
レオナルド「あのジェットジャガーがこんなにかっこよくなってるのか!」
F91「…言うほどかっこいいか?」
アルス「いや、あんまり…」
ハルオ「とにかく、こいつはゴジラとの戦闘データを元に改造された、だからある程度期待はできるだろう」
レオナルド「そうか! なら後は頼んだぜ! ジェットジャガー!!」
ジェットジャガー「………!!」

ジェットジャガーゴジラのいる方に全速力で向かって行った。

レオナルド「ジェットジャガー…! かっこいいじゃねえか!!」
F91「あれがかっこいい…か…」
アルス「あまりかっこいいとは思わないけどなぁ…」
ビルバイン「その気持ち、分かるよ」

2100年の12月31日、19時38分、ゴジラガメラモスラモスラレオ、ガッパ、ジェットジャガーが対峙し、激しい戦いを開始しようとしていた。進化したゴジラ相手にガメラたちはどう戦うのか。今、大晦日の夜の街で激しい戦いが始まろうとしていた。

ゴジラ「グルルルル…」
ガメラ「ギャォォ…」
ルクレシア「破壊神と守護獣が対峙しています…」
ヘルベロス「こりゃ凄げえ戦いになりそうな予感だぜ…」
ハルオ「だが、俺達が総力を上げても勝てなかった相手に、彼らが勝てるだろうか…」
機龍「今はガメラたちを信じるしかないわ、だから、信じましょう」
ハルオ「そうだな」
レオナルド「大丈夫だ! あのジェットジャガーならきっと倒してくれるさ!!」
F91「よっぽど気に入ったんだな、あのジェットジャガー
ゴジラ「ギャアオオォォォン!!」

ゴジラは先手を取ってガメラに対して放射熱線を吐いた。それに対し、ガメラは両足を甲羅に格納してジェット噴射で上空へ飛び、回避した。そのままガメラゴジラ向けてプラズマ火球を吐いた。プラズマ火球はゴジラに直撃したが、ゴジラにはあまり効果がないようであった。

MOGERA「あのプラズマ火球も1年前の奴にはかなり効いていたんだがな」
サイバスター「ありゃ、相当な耐久力を持っていやがるぜ」

一方のモスラもビームパルサーで攻撃し、モスラレオもクロスヒートーレーザーで攻撃した。だが、その攻撃もゴジラにはかすり傷を与える程度であった。続いてガッパは熱光線を何度も吐いてゴジラを攻撃した。しかし、ゴジラの固い皮膚にはほぼ通用しなかった。

ダークカイト「おいおい、ゴジラの野郎、まだくたばってなかったのかよ」
レオナルド「ダークカイト! それにお前ら! 生きてたか!」
サルマン「ああ、何とかな」
ハルオ「スーパーメカゴジラか、第1防衛ラインの防衛任務、ご苦労だった」
スーパーメカゴジラ「ああ、大半の対ゴジラ兵器は壊されちまったがな」
F91「あれだけあった兵器がほとんど壊されてしまったんですね」
スーパーメカゴジラ「どれもいろんな怪獣相手に戦ってきた歴戦の兵器だったんだがな」
機龍「でもどれも旧式だったから仕方ないわ」
MOGERA「そして俺達新型でも勝てなかった」
レオナルド「おいおい、まだジェットジャガーがいるじゃねえか!」
スーパーメカゴジラジェットジャガー? ああ、あいつか、あいつ強いのか?」

そのジェットジャガーゴジラジャガーパンチを放っていた。しかし、ゴジラ相手にはあまり効き目はなく、逆に殴り返されていた。

レオナルド「ジェットジャガー! 頑張れ! もう一回ジャガーパンチを放つんだ!!」
ビルバイン「すまん、ちょっと静かにしてくれ」

だが、吹っ飛ばされてもなおジェットジャガーは勇敢に立ち向かい、ゴジラジャガーパンチを放っていた。その勇敢な戦いを見たガメラモスラたちもゴジラに立ち向かっていた。そして、ガメラゴジラにできるだけ接近し、近くでプラズマ火球を吐いた。その攻撃は少し効いていたらしく、叫び声を上げていた。

サルマン「いいぞ! 効いている!!」

続けてモスラはフラッシュダッシュを、モスラレオはエクセルダッシュを放った。2匹のモスラの体当り攻撃はゴジラに少しダメージを与えた。そして、ガッパも高速で飛行し、ゴジラに体当たりを放った。その攻撃を食らってゴジラは地面に倒れ込んだ。

アルス「いいぞ! その調子だ!!」

しかし、ゴジラはすぐに起き上がった、そのゴジラの様子はかなり怒っている様子であった。

MOGERA「まずい…! ゴジラの野郎、怒ってやがるぜ」
機龍「ゴジラを怒らせてしまったら、もう手が付けられないわ!」

ゴジラは放射熱線を吐き、ガメラを吹き飛ばした。続けて尻尾でモスラを叩き落とし、近くにいたガッパとジェットジャガーに対しては体当たりで突き倒した。

ドレイク「何て強さだ…」
ダークカイト「でたらめな強さだな」

それでも、モスラレオは勇敢にゴジラに立ち向かっていた。モスラレオはまずクロスヒートレーザーで攻撃した。並大抵の怪獣なら効き目はあるが、ゴジラに対してはほぼ効き目はなかった。続けてシャインストライクバスターで攻撃した。強力な技ではあったが、それでもあまり効き目はなかった。ゴジラは仕返しにと放射熱線を吐いてモスラレオを墜落させた。

ルクレシア「ああ! モスラレオが!!」

地面に墜落し、苦しむモスラレオにゴジラはトドメにと放射熱線を吐いた。

ルクレシア「やめてえええええ!!」

だが、そのモスラレオを守る為、モスラがその放射熱線を代わりに受けた。妹であるモスラレオを守る為、自分が身代わりになったのである。

ビルバイン「あのモスラモスラレオを守る為に…」

ゴジラの放射熱線をモロに食らったモスラモスラレオの目の前で爆散した。

ルクレシア「そんな…」

だが、モスラが倒れてもなお、ゴジラモスラレオに対して攻撃をしようとしていた。

ヘルベロス「あいつ…! まだ攻撃をする気かよ!?」
ルクレシア「お願い! もうやめて!!」

絶体絶命の危機になったその時、モスラレオの全身が眩く輝いた。その輝きを前にゴジラは怯んだ。

アルス「何が起こっているんだ!?」
ダークカイト「…暖かいな」

モスラレオの体はしばらく輝き続け、その光が収まった際、虹色の翅を持つモスラへと進化を遂げた。

ヘルベロス「モスラレオが進化した!?」
ルクレシア「…綺麗な翅…」
機龍「虹色の翅を持つモスラ…レインボーモスラと言った所かしら?」
サイバスター「でも、何で急に進化したんだ?」
ビルバイン「きっと倒れたモスラの魂がモスラレオに力を与えたんだ」
ヘルベロス「それで覚醒してあの姿になったのか、なるほどな」

進化したばかりのレインボーモスラは、早速ゴジラに攻撃を開始した。クロスヒートーレーザーやエクセルダッシュゴジラに総攻撃を浴びせ、続けて上空から急降下し、高速回転しながら翅からビームを放つ技のアローバスターを放った。ゴジラはダメージを受け、怯んでいた。

ハルオ「いいぞ! 効いている!!」

レインボーモスラの勇姿を見てガメラ、ガッパ、ジェットジャガーも立ち上がった。ガメラはプラズマ火球を吐き、ガッパも熱光線を吐いた。その同時攻撃はゴジラにダメージを与えた。ジェットジャガーは倒れ込んでいるゴジラにボディプレスをして攻撃した。

レオナルド「いいぞ! ジェットジャガー!!」

だが、ゴジラもやられてばかりではなく、すぐに立ち上がって放射熱線を吐いた。その放射熱線を食らったガッパは吹き飛ばされ、ビルに激突した。

ヘルベロス「ああっ! ガッパが!!」

ガッパは戦闘不能レベルのダメージを受けたようで、かなり苦しんでいた。続けてゴジラジェットジャガーを尻尾で薙ぎ払った。ジェットジャガーは吹き飛ばされ、地面に倒れ込み、その衝撃で機能停止してしまった。

レオナルド「あああああ! ジェットジャガー!!」
ダークカイト「どんだけお気に入りだったんだよ…」

ゴジラは次の標的をライバルであるガメラに向けた。

MOGERA「あいつ、今度はガメラを攻撃するつもりだ!!」
機龍「まずいわ、今のガメラであの熱線に耐えられるか…」

ゴジラガメラに対し、全力で放射熱線を吐いた。その放射熱線をガメラはモロに食らってしまった。

アルス「まずい! あのままではガメラが死んでしまう!!」
ハルオ「ガメラ…!!」
スーパーメカゴジラ「…おい、何か様子がおかしいぜ」
アルス「えっ?」

そのガメラの様子は、放射熱線を食らいながらも体が眩く光り輝いていた。そう、まるでゴジラモスラが進化した時の様に。

F91「まさかガメラも進化すると言うのか?」
ストライクノワール「翌々考えれば破壊神ゴジラや守護神モスラも進化した、守護獣ガメラが進化しても何もおかしくはないだろう」

そして、ガメラのいた地点が爆発した。その後、爆発が収まると、進化したガメラの姿があった。その姿はより亀らしい姿になっており、愛嬌のある顔とでこぼこした甲羅、そして鋭い爪が特徴であった。

アルス「ガメラが進化した!?」
MOGERA「おい、機龍さんよ、あいつは何て呼ぶんだ?」
機龍「そうね…1段階進化したガメラだから…G1ガメラと言った所かしら?」
スーパーメカゴジラ「何だそりゃ、まだ2段階目や3段階目があるとでも言うのか?」
機龍「ゴジラが2段階進化したから、なくはないでしょう?」
ハルオ「確かにな」
ダークカイト「でも、何でいきなり進化したんだ?」
機龍「これは私の推測だけど、ゴジラの放射熱線のエネルギーを取り込んだんじゃないかしら?」
ストライクノワール「そんな事が可能なのか?」
機龍「分からないわ、彼らは私達の常識を遥かに超えている」

進化したガメラはプラズマ火球をゴジラに放った。プラズマ火球の威力は以前より格段に跳ね上がっており、1発でゴジラを吹き飛ばした。

レオナルド「とんでもねえ威力だな!!」
アルス「これならいける!!」

ゴジラはすぐさま起き上がり、放射熱線を吐いた。ガメラもプラズマ火球を吐き、迎撃した。そして、その衝突地点では大爆発が起こった。

ミゲル「くっ! とんでもない威力だな!!」
シホ「もう私達が割って入れる世界ではないようね」

ゴジラは間髪入れずに放射熱線を吐いた。だが、ガメラも間髪入れずにプラズマ火球を吐いた。それと同時にレインボーモスラが別の位置からクロスヒートレーザーを放った。それにゴジラは怯んでしまい、ガメラのプラズマ火球をモロに食らった。続けてガメラとレインボーモスラは同時に攻撃をした。ガメラはプラズマ火球を、レインボーモスラはレインボーバスターを放った。それをモロに食らったゴジラは海の方まで吹き飛ばされ、海面に墜落し、大爆発を起こした。

アルス「やった!!」
ヘルベロス「ゴジラの奴…死んだのか?」
ハルオ「ああ、多分な、これも彼らのおかげだ」
ルクレシア「ガメラモスラ…レインボーモスラ…ガッパ…そしてジェットジャガー
MOGERA「ったく、大した奴らだよ」
機龍「確かにそうね」
レオナルド「やっぱりジェットジャガーはかっこよかったな!!」
スーパーメカゴジラ「お前はそれしか言えんのか…」

その後、ガメラとレインボーモスラは空を飛んで帰って行った。ガッパはかなりのダメージを負っていたが、僧侶のマゴットがベホマを唱えて回復させた事で飛行できるようになり、無事にオベリスク島へと帰って行った。一方、ゴジラが暴れた地域の被害は大きかったが、幸い住民の避難は完了していた為、誰一人死者は出ずに済んだ。こうして、大晦日の死闘は終わったのである。

ミゲル「なあ、これからGフォースはどうするんだ?」
機龍「どうするも何も、怪獣退治をするつもりよ」
アルス「Gフォースって、ゴジラ以外とも戦うのか?」
MOGERA「応よ、ゴジラじゃなくても、凶悪怪獣がいれば戦うもんさ」
アルス「そうだったのか…」
スーパーメカゴジラ「まあ、早い話が昔の科学特捜隊やGUTSの現代版って感じだな」
ハルオ「それがゴジラに特化しただけって事さ」

そんな話をしていると、2100年が終わる時間が近づいていた。

ルクレシア「皆さーん! もうすぐ今年が終わりますよー!!」
F91「もうそんな時間か」
ヘルベロス「じゃ、カウントダウンするぞ! 5! 4! 3! 2! 1!」
F91「あけましておめでとう」
ストライクノワール「今年もよろしく頼む…」
ヘルベロス「かぁ~っ! どいつもこいつもテンションが低いぜ~っ!!」
ハルオ「お前、怪獣なのに本当に人間みたいな奴だな」
スーパーメカゴジラ「怪獣がみんなこんなだったら俺達なんていらないんだがな」
アルス「本当だな…ははは…」

一方、インペリアルフォートレスでは、作戦会議が行われていた。イフィニアドが最初に地球を攻撃したのは2099年12月26日、しかし、2101年1月1日になってもなお、イフィニアドは地球侵略できていない。その事に対し、ベリアルやダークシャドウは不満を持っていた。だが、今回の作戦は本気であった。何と、四天王と幹部全員でギアナ高地の付近にある地球統合軍総司令部である地下基地、ロストロウランを攻撃する事になったのだ。しかし、この圧倒的有利な状況にイフィニアド皇帝はある条件を付けた。それは、地球全土にロストロウランを攻撃する事を伝える事である。作戦決行は2101年1月3日、この日にクロストライアルを一掃するのがイフィニアドの作戦である。一方、2101年が始まって8時間が経過した2101年1月1日8時9分、イフィニアドは地球統合軍総司令部ロストロウランを四天王、幹部全員で攻撃する事を地球全土に伝えた。それを知った地球統合軍とクロストライアルは直ちに対策を立てる為、ビデオ通話で作戦会議を開始した。この絶望的な状況に、クロストライアルの総司令であるシンヤ・アマギリはクロストライアルの総戦力で対抗する事にし、各地から戦力を募った。それと同時に各部隊は準備をしていた。セイバークルーザー隊、Gフォースノワール隊、スペースアーク隊、ディーヴァ隊、アークエンジェル隊、レジスタンス、どの部隊も準備を整えていた。

一方、ロストロウランでは、イフィニアドの四天王や幹部が攻めてくると知ってあわただしい雰囲気だった。慌てふためく兵士もいれば、諦めムードの兵士もいた。しかし、中には平常通りの兵士もいた、女性だけで構成されたクリスティーナ隊のメンバーだ。

クラン「何か、あわただしい雰囲気ですね」
クリスティーナ「無理もないさ、イフィニアドの四天王と幹部が攻めてくるんだから」
ルル「そんなに強いんですか?」
レイン「強いらしいよ…何でも、街を消し飛ばすんだって…」
クラン「やばっ! てかレインが喋るの珍しいね」

クリスティーナ隊は4人の女性兵士で構成された部隊であり、茶髪ツインテールのクランは未熟だが、まだ伸びしろのある新米兵士である。
紫髪ロングのルルは優しい性格で、医療の資格を持っており、医療班の手が足りないときは手伝いに行く兵士だ。
ピンク髪ツインテールのレインは無口な性格で、忠実に任務をこなす優秀な兵士である。
そして隊長は水色髪ロングのクリスティーナで、名門貴族の生まれの剣の名人の強気な女性だ。以下の4人で構成されるのがクリスティーナ隊で、ロストロウランでは有名な部隊であり、実力も高く、何より女性だけで構成された部隊として人気も高い。

ルル「でも…そんな相手に勝てるんでしょうか? 街を消し飛ばすって…」
クリスティーナ「勝てる勝てないじゃなく、戦わないといけないんだ、我々は人々を守る兵士だからな、いつまでも怖気づいていてはいけない」
クラン「クリスティーナ隊長かっこいい! そこに痺れる憧れる!」
クリスティーナ「からかうな、私は事実を言ったまでだ」

一方、周囲とは一風変わった服装の2人組の女性兵士がいた。地球統合軍の開発したシステムを搭載した特殊スーツを身に着けたライングとイミングだ。

ライング「ねえねえ、四天王ってどれぐらい強いんだろう?」
イミング「多分だけど、昔ウルトラマンに倒された暗黒四天王ぐらい強いんじゃない?」
ライング「それってやばいじゃん」
イミング「多分ね~」

黄色い髪のライングはムササビスーツの様見た目のスーツを着ているが、これには自身の周りの重力を低減するフライングシステムが搭載されており、空を飛ぶ事ができる。
水色の髪のイミングはウェットスーツの様な見た目のスーツを着ているが、これには水中での動きをサポートするスイミングシステムが搭載されており、水中を高速で泳ぐことができる。
そしてこの2人はセイバークルーザー隊のイオナが統合軍時代だった頃に同じチームだった事があり、仲がいい。

ライング「ねえねえ、そう言えばこのロストロウランにクロストライアルが来るんだって!」
イミング「え? じゃあイオナに会えるかな?」
ライング「あの子、セイバークルーザー隊にいるから、きっと会えるよ!」
イミング「私達がそれまで生きていれば、だけどね」
ライング「縁起でもない事言わないでよ~」
イミング「ご…ごめん…」


その頃、シオリと共に特訓していたドラゴニュートは、特訓の最終段階に突入していた。主な身体能力強化の特訓や、剣の特訓などは既に終了していたが、最後の龍化のコツが未だに掴めないでいた。シオリによれば元々戦闘兵士はイフィニアドが兵器として生み出したもので、本来ならそう言った本能がいつでも呼び出せていつでも龍化できるように教育する予定だったはずだが、ドラゴニュートはそう言った教育を受けず、人間として育った、それが龍化できない原因だと言う。すると、シオリの話を聞いていたファヴールがある提案をした。それは、飢えた獣の様な感覚を自らに投影すると言うものだった。ドラゴニュートはファヴールに言われた通り、飢えた獣の様な感覚を自らに投影した。しかし、口で言うのは簡単だが、なかなかうまく行かなかった。

ドラゴニュート「飢えた獣の様な本能…飢えた獣の様な本能…」
シオリ「ドラゴニュート、あなたは今とてもお腹が空いている、そして、あなたの前には極上のステーキがある、けど、あなたは鎖につながれててそれが食べれない、この状況をイメージしてみて」

ドラゴニュートはシオリに言われた通り、その状況をイメージしてみた。飢えた獣の様な状況をイメージし、それを自分に投影した。すると、少しずつ体に変化が現れた。対ダークシャドウ戦の様に黒い龍の翼が現れ、続いて黒い龍の尻尾が現れた。そして、最終的にドラゴニュートの体が光に包まれ、その光が収まった時にはドラゴニュートはあの時の様に黒い龍へと姿を変えており、ドラゴニュートは龍の姿のままシオリ達にピースサインを送った。その後、ドラゴニュートは元の人間の姿に戻った。

ドラゴニュート「はぁ…はぁ…疲れた…」
シオリ「龍化はエネルギーを大きく消費する、あまり多用はしないでね」
ドラゴニュート「ああ、承知した」
シオリ「後、今のイメージを忘れないでね」
ドラゴニュート「了解だ」

アイラ「あの…ドラゴニュートさん」
ドラゴニュート「何だ?」
アイラ「ドラゴニュートさん達も、ロストロウランに向かうんですか?」
ドラゴニュート「ああ、もちろんだ、きっと奏真兄ちゃんやラズさんも現れるはず、俺はその人たちと決着を付けないといけない」
アイラ「…殺し合うんですか?」
ドラゴニュート「…え?」
アイラ「せっかく会えたお兄さんや実のお姉さんなのに、殺し合うんですか?」
ドラゴニュート「あの人達が俺達を攻撃してくるなら、そうしないといけない、だが俺はできる限り説得をしてみるつもりだ、それが駄目なら、戦うしかない…」
アイラ「ドラゴニュートさん…」
ドラゴニュート「安心しろ、俺はお前達を残して死ぬつもりはないさ、必ず勝って帰る」
シオリ「そうね、必ず生き延びましょう、全員で」
ファヴール「そうですね、必ず勝ちましょう」
アイラ「はい!」

2101年1月2日23時57分、収集を受けた部隊がロストロウランに集まった。イフィニアドの四天王や幹部が一斉に攻めてくると言う話を聞き、誰もが今までにないほど緊張していた。その一方、集まった戦士たちは会話をしてその緊張を和らげていた。

カイト「やっぱりみんなも来てたんだな」
ダークカイト「まあな、こちとら色々酷い目に会ったが…」
サルマン「ま、全員無事でよかったぜ」
キルシュ「またカイトくんに会えて嬉しい…」

デスティニー「こうしてガンダム族が集まるのも久しぶりですね」
ストライクフリーダム「そうだね、でもこうして僕達が集まったって事は、それだけの相手が来るって事」
F91「イフィニアドの四天王に幹部か…」
Gセイバー「とりあえず、僕達にできる戦いをしよう」
ストライクノワール「そうだな」

アバレッド「あなた達が噂のレジスタンスですね?」
ゼロ「そうだぜ、俺達は色んなヒーローが集まってできてるんだ」
BLACK「ヒーローの集まった組織か…」
シャンゼリオン「俺達が東京にいた時も似たような感じじゃなかった?」
J「言われてみればそうだったな」
リブット「私達以外のヒーロー達も、協力して平和を守ってたんですね」
ギャバン「これは俺達も負けてられないな!」

ミゲル「ま、これだけ揃えば、イフィニアドにも対抗できるかもな」
ヘルベロス「そりゃそうだろ、何せ、この俺様がいるからな」
ビルギット「おいおい、お前はただの怪獣だろ」
ヘルベロス「失礼な! 俺はそこらの怪獣とは質が違うぜ」
シホ「そうなの?」
ヘルベロス「あれ? 知らなかった?」
レイモン「それが本当なら、いつか俺のゴモラと手合わせして欲しいな」
ヘルベロス「おう! 任せとけ!」

AGE-3「この戦い、勝てれば僕達が少し有利になるんですね」
セリック「そう言う事になるな、だが、まだイフィニアドの皇帝がいるから油断するな」
AGE-3「はい!」

すると、ギンガがAGE-3に話しかけてきた。

ギンガ「なあ、AGE-3、シャナルアさん見なかったか?」
AGE-3「え? この近くにいるんじゃないんですか?」
タロウ(SD)「それが、どこにもいないらしんだ」
AGE-3「え? おかしいな…」

すると、心配するディーヴァ隊の面々に他の部隊が優しく声をかけた。

蒼乃「大丈夫よ、この人混みの中ににきっといるはずよ」
アルス「そうだぜ、だから安心しろって」
AGE-3「そうですね、皆さん、ありがとうございます」

そんな話をしていると、日付が変わって1月3日になった。イフィニアドの四天王や幹部が一斉に攻めてくる日だ。

カイト「遂にこの日か! さあ! 悪魔だろうと怪獣だろうとかかって来やがれ!!」

しかし、1分経過しても一向に来る気配がなかった。すると、AGE-3とビルバインが何かを感じ取った。

AGE-3「皆さん、気を付けてください! 何かが来ます!」
ビルバイン「AGE-3の言う通りだ、悪いオーラ力の気配がする!」
イオナ「一体何が来るんですか?」
AGE-3「分かりません、でも、とても恐ろしい物の気配がします!」
ダークカイト「恐ろしい物?」

その時、上空で何かが一瞬輝いた。

AGE-3「皆さん! 避けて!!」

上空から降ってきたものは、複数の爆雷であり、爆雷は地表に着弾し、大爆発を起こした。その爆発の音を聞きつけ、ロストロウランの兵士達が様子を見にやってきた。

クラン「何の音!?」
クリスティーナ「恐らく爆雷だろう」
ルル「じゃあ、決闘のふりをして奇襲をかけたの?」
レイン「…卑怯…」
ライング「ねえ、イオナは!? イオナはどうしたの!?」
イミング「落ち着いて! ライング!!」
イオナ「私なら、いえ、私達なら大丈夫ですよ」

そう言ってそこに現れたのは、イオナ本人だった。

ライング「え? 幽霊?」
イオナ「幽霊じゃないですよ、それに皆さんも」

そこにいたのは、五体満足で全員生存していたクロストライアルメンバー達だった。

クラン「え? 何で生きてる訳?」
アルス「俺がアストロンの呪文でみんなを鉄の塊に変えたんだ」
イミング「アーストロン?」
アルス「それ前にも言われたけど、アストロンだって」
F91「アルスが爆雷の着弾前にとっさにアストロンを唱えてくれたんだ」
サイバスター「だから俺達が生きてるって訳さ!」
アルス「でも、これだけの仲間達を一度に鉄の塊にしたから、もう魔法力は枯渇寸前だぜ…」
ダークカイト「それ、もし魔法力が少しでも足りなかったら死ぬパターンじゃねえか!」
カイト「ダークカイト、お前も昔MPが足りません状態になってただろ…」
ダークカイト「あれは…まあ、そう言う時もあるって事さ」

すると、その場にイフィニアドの四天王と幹部が現れた。

蒼乃「イフィニアド!!」
ルシファー「ほう…どんな手を使ったかは知らんが、生きていたか」
アルス「俺がアストロンの呪文でみんなを鉄の塊にしたのさ!」
ルシファー「呪文か…面白い」

イオナ「しかし、あなた達は卑怯ですね、決闘をするんではなかったのですか?」
悠人「もちろんするつもりだったよ、でも君達数が多いから少し減らしてやろうと思ってね」
カイト「そいつは残念だったな! 俺達は全員生きてるぞ!」
ルシファー「まあ、お前達がそう簡単に死ぬとは思えんからな、だからこうして我々が来てやったのだ」
サイバスター「へっ、笑わせんな、偉そうな事言っておいて、本当は俺達が怖いんだろ?」
ベリアル「ほざけ! お前らこそ、何人かビビってる奴がいるようだが?」

ベリアルの指摘通り、クロストライアルのメンバーの中には手が震えているメンバーも何人か見られた。恐らく、イフィニアドの四天王や幹部の威圧に気圧されているのだろう。

ルシファー「まあ、我々を前にすれば威圧される者もいるだろうな」
シャドームーン「さて、そろそろ戦いを始めようか」
ルシファー「ちょっと待て、その前に、奴らの探している人物を渡してやろう」
カムイ「探している人物? 誰ですか?」

ルシファーの後ろから現れたのは、シャナルアだった。

シャナルア「………」
AGE-3「シャナルアさん!!」
シャナルア「動かないで…少しでも動けば、こいつを撃つわ…!」

シャナルアが銃口を向けていた人物、それは、いつの間にか悠人に捕まっていたキルシュであった。

キルシュ「カ…カイトくん…」
カイト「キルシュ!!」
レオナルド「一体いつの間に…!!」
ルシファー「私が転送魔法を使ってこちらに転送させたのだ」
ダークカイト「どこまでも卑怯な野郎だ!!」

AGE-3「どういう事なんです、シャナルアさん!」
シャドームーン「まだ分からんか? そいつはヴェイガンのスパイ、つまり我々イフィニアドの同志だ」
ギンガ「嘘だろ!? シャナルアさんがスパイだなんて…!」
蒼乃「なるほど、ここ最近司令がクロストライアルの情報が敵に流されてるって言ってたけど、そう言う事だったのね…」
イオナ「でも、彼女の見た目はMS族のクランシェですよね、何故ヴェイガンのスパイなのにクランシェの見た目なんですか?」
ナイト「ヴェイガンのMS族はセカンドムーンに住む人間を人工的にMS族に進化させた姿なんだ」
アバレブルー「だから何らかの技術を使って地球統合軍のMS族に進化させる事に成功させたんだろう」
イオナ「そんな事が、可能なんですか?」
シャドームーン「可能だ、何故なら我々イフィニアドがその技術を提供させたからな」
カイト「くっ! イフィニアドの奴らは何でもできるってのか!?」

AGE-3「シャナルアさん! 嘘だって言ってください!!」
ギンガ「第一、何でシャナルアさんがそんな事をするんだよ!」
ヤプール「金だよ、そいつは、金の為にお前達全員の命を我々に売ったのだ」
シャナルア「…妹が…病気を患っているんだ、その治療費が必要だったんだよ…」
アルス「世界が危機に陥っている時に、そんな個人的な理由で…!」
シャナルア「仕方ないじゃない! 妹は…たった一人の家族なんだ…! それを見殺しになんてできない…!」
アバレッド「…だからって、こんな真似しなくてもいいじゃないですか!」
龍騎「そうですよ! こんな事しなくても、何か方法があるはずです!」

AGE-1「お前達、何をしている、早く奴を射殺しろ!」
トリガー「えっ!? でもあの人は味方じゃないんですか!?」
AGE-1「分からんか? 今の奴は敵だ! 我々が倒さないといけない相手だ!!」
カムイ「待ってください! きっと説得すれば分かってくれますよ!」
ストライクフリーダム「だから、僕達に説得させてください!」
シャナルア「私に撃てないとでも思っているの…? 私は本気よ!」

AGE-3「撃てませんよっ…! シャナルアさんは…そんな事ができる人じゃない…」
アリア「確かに家族を失うのはとても嫌な事よ、でも…!」
ギンガ「妹さんだって、あなたがこんな事をするのはきっと望んでないはずだ!」
AGE-3「僕達…シャナルアさんを…姉さんみたいに思ってたんですよ…こんな事やめて、僕達と一緒に…」
シャナルア「子供が駄々をこねないで!」
AGE-3「ッ!!」
シャナルア「前にも言ったはずだよ、これは戦争なんだ! こんな時、私を撃つ覚悟もなくてどうするの!」
AGE-3「シャナルアさん…」
ギンガ「でも…それでも俺達…! シャナルアさんを撃てません!!」
アリア「そうよ、だからこんな事はやめて…!」

すると、悠人が突然、クロストライアルメンバーのいる方に真空波を放った。真空波はクロストライアルメンバーを弾き飛ばした。

ルシファー「悠人、何をする」
悠人「別にいいでしょ、ちゃんと人質は動けないようにしてるんだからさ」
ベリアル「チッ、俺にもあいつらを攻撃させろよ」

続けてベリアルもベリアルジェノサンダーを放った。その攻撃に、複数のクロストライアルメンバーが吹き飛ばされた。

シャナルア「………」
ギンガ「やめてください! シャナルアさん!」
アリア「このままじゃ、みんな死ぬのよ!? あんた、それでもいいの!?」
シャナルア「………」
AGE-3「シャナルアさんッ!!!」
悠人「うるさいよ、お前ら」

悠人はAGE-3達に真空波を放ち、AGE-3達を吹き飛ばした。

ギンガ「うわあっ!!」
アリア「あぁっ!」
AGE-3「くっ!」
悠人「フフフ…次の真空波は特大だよ? 君達は全員終わりさ、ハッハッハ!」

悠人は剣に風の魔力を集め始めた。

悠人「君達は優しすぎる、人質がいると言うだけでこのザマだ、情けないね~」

イオナ「優しくて何が悪いんですか! それが人間の心と言う物でしょ!」
レイラ「そうよ! 優しさを持っている限り、私達はあんた達には負けないわ!」
悠人「うるさいよ、早く消えろ!」

悠人が真空波を放とうとしたその時、悠人の腹部を何かが貫いた。それは、シャナルアの装備していたドッズライフルのビームであった。悠人は地面に倒れ込み、その隙にシャナルアは人質となっていたキルシュを連れてAGE-3の元へと向かった。

AGE-3「シャナルア…さん…?」
シャナルア「………」
悠人「お前えええ…! ふざけるなぁぁぁッ!!」

悠人は真空波を放った、その真空波はAGE-3達の射線上に飛んでいた。シャナルアはAGE-3達を庇うように真空波を体に受け、シャナルアは地面に倒れ込んだ。

ギンガ「シャナルアさん!!」
シャナルア「あんた達の言う通りだったよ、やっぱり私には、あんた達を殺す事なんて…」
アリア「待ってて! すぐ回復できる人を呼ぶわ!!」
シャナルア「死んじゃダメだよ…どんな事があっても…歯を食いしばって…必ず生き残るんだ…」
ギンガ「シャナルアさん! しっかりしてください!」
シャナルア「強く…なるんだよ…」

そして、シャナルアは力尽き、その身体は爆散し、消えた。

AGE-3「シャナルアさん…シャナルアさぁぁぁんッ!!!」
ギンガ「そんな…嘘だろ…!?」
アリア「馬鹿っ! …何であたし達を庇うのよ…! あんたには、妹がいるんでしょ…!!」
ギンガ「シャナルアさん…くっ!」

セリック「みんな! 気をしっかり持つんだ! シャナルアが守ってくれた命を捨てる気か!?」
AGE-3「………」
悠人「くっ! あのゴミめ! 僕達を裏切りやがって!!」
アリア「ッ!! 何ですって!?」
ギンガ「…取り消せよ! 今の言葉取り消せよ!!」
悠人「は? 何で取り消さないといけないんだよ、ゴミはゴミじゃん」
ギンガ「お前ッ…!!」
AGE-3「…さない…!」
悠人「え? 何? 聞こえなかった」
AGE-3「許さない…! お前は絶対に許さない!!」

AGE-3はGバイパーを呼び、そのGバイパーとドッキングし、ガンダムAGE-3オービタルになった。

悠人「これは…あの時の…!!」
AGE-3「うおおおぉぉぉッ!!」

AGE-3オービタルはビームサーベルで悠人を何度も斬りつけた。その剣には悲しみが籠っており、抑えられぬ悲しみを悠人にぶつけている様にも見えた、悠人はその高速斬撃をかわせず、大ダメージを受けた。

悠人「くっ! ルシファー、何とかしてくれ!!」
ルシファー「お前みたいな役立たずはイフィニアドには不要だ、ここで死ね」
悠人「ルシファー! お前までッ…!!」
AGE-3「これで終わりだぁぁぁッ!!」

AGE-3オービタルはビームサーベルで悠人の首を切断し、倒した。

ルシファー(この力…面白いな…)
AGE-3「イフィニアド! 次は、お前達だ!!」

ロストロウランでの決戦を前に、大切な仲間を1人失った…。だが、今は悲しみを抑え、イフィニアドとの戦いに挑むのであった…。全てはいつか必ず来る平和の為に、そして、誰も悲しまない世界の為に…。遂に開戦したロストロウランでのクロストライアルとイフィニアドの戦い。クロストライアルは世界中から集まった精鋭達が、イフィニアドは四天王と幹部がそれぞれ戦っていた。双方一歩も引かない激しい戦いは、深夜のロストロウランに激しい戦闘音を響かせていた。

ウルトラ戦士たちは再び復活したヤプールと交戦していた。過去に何度かヤプールと戦ったウルトラ戦士からすれば、この戦いは因縁の戦いでもある。

ヤプール「エース! それにウルトラ戦士ども!今日こそ血祭りにあげてやる!」
エース「ヤプール! 何度復活しても結果は同じだ!」
メビウス「いくら復活しようとも、僕達ウルトラ戦士が必ず倒す!」
ヤプール「ほざけ! 私はイフィニアドから力を貰った!」
ウルトラマン「力だと!?」
ヤプール「そうだ! お前達を倒す力をな!!」

すると、ヤプールは右腕の鎌から破壊光線、ストレートショットを放った。その威力はかつてウルトラ戦士が戦った時より遥かに上がっていた。一発放つ度に大きな爆発が起こり、ウルトラ戦士たちは吹き飛ばされた。

リブット「恐るべき力ですね!」
メビウス「ここまで強くなっているなんて!」
ヤプール「まだまだこの程度ではないぞ! 出てこい! 我が超獣軍団よ!!」

ヤプールの合図で現れたのは、超獣の大群であった。超獣は怪獣より強いのが特徴であり、どれも強力な力を持っている現れた超獣はバキシム、ベロクロン、バラバ、キングクラブ、カメレキング、スフィンクス、カイテイカガン、ファイヤーモンス、アリブンタ、ルナチクスの合計10体で、そのどれもがかつてエースを苦戦させた相手である。

ヤプール「さあ! ウルトラ戦士ども! 恐怖におののくがいい!!」
エース「そう言うわけにはいかんな! ヤプール!!」
ヤプール「何!?」
エース「我々は戦えない者の為、平和の為に戦っている」
メビウス「だから、お前みたいな悪の根源はここで倒す必要があるんだ!」
エース「ここで決着をつけてやるぞ! ヤプール!!」
ヤプール「ほざけ! 私の復讐の力は、こんなものではないぞ!!」
ギンガ「恨みだとか、復讐だとか、そんな力に負ける訳がない!!」
ゼロ「俺達は常に前を向いて進んでいるからな!!」

そう言ってヤプールは超獣たちに攻撃命令を出した。だが、他のウルトラ戦士たちは全員超獣と互角以上に戦っていた。そして、30秒もしない内に超獣軍団は全滅したのだった。

ヤプール「何っ!? 我が超獣軍団があっさりと!?」
ジャック「残念だったなヤプール! 我々ウルトラ戦士はお前と戦った時より遥かに進化している!」
80「今更一度戦った超獣を出した程度で勝てると思わない事だな!」
ヤプール「ええい! 黙れ黙れっ! こうなればこの私自身が始末してくれる!!」

ヤプールはストレートショットを連射したが、ウルトラ戦士はそれを回避した。そして、ヤプールに対して一気に距離を詰め、攻撃を開始した。ネオスとセブン21は、ヤプールに近づき、パンチとキックを放った。続けてトリガーとトリガーダークが同時にキックを放ち、それに続けてティガとイーヴィルティガも同時にかかと落としを放った。そして、ティガとイーヴィルティガがヤプールから離れた直後、ガーディーが光線を放ち、続けてリブットがリモートカッターでヤプールを切り裂いた。更に、ウルトラマンがウルトラアタック光線を、ジャックがウルトラショットを放ち、80がダイナマイトボールをヤプールに命中させ、更に続けてゼロ、レオ、アストラの3人が同時キックを放った、その後、ナイスがミレニアムクロスを放ってヤプールに大打撃を与え、ギンガがギンガクロスシュートを放った後、メビウスとヒカリがそれぞれの光の剣で同時にヤプールを切り裂いた。

ヤプール「ぐうううううっ!! おのれええええええっ!!!」
エース「これでとどめだっ!!」

弱り切ったヤプールにエースは己の全力を込めたメタリウム光線を放った。その威力は強大で、莫大なエネルギーを一気に放出したその威力にヤプールは苦しんでいた。

ヤプール「うおおおおおおっ!! おのれエースゥゥゥッ!!!」
エース「これで終わりだ! ヤプール!!」
ヤプール「ウルトラ戦士ども、覚えていろ! 怨念となって必ずいつか復讐してくれる!」

ヤプールはエース渾身のメタリウム光線を食らい、大爆発を起こして消滅した。

エース「来るなら何度でも来い! その度に必ず打ち破ってやる!!」

一方、龍騎たち仮面ライダーシャンゼリオン、魔弾戦士、アバレンジャーは、仮面ライダー王蛇と戦っていた。

王蛇「お前達全員でかかって来いよ、相手してやる…」
ゴッドリュウケンドー「あいつが凶悪殺人犯の仮面ライダー王蛇か」
リュウジンオー「奴は危険だ、ここで倒すぞ」

3人の魔弾戦士は、王蛇に対し攻撃を仕掛けた。しかし、王蛇はベノサーベルでいとも簡単に攻撃を切り払った。

マグナリュウガンオー「何っ!?」
王蛇「どうした? もう終わりか?」
シャンゼリオン「隙ありっ!!」

シャンゼリオンは王蛇が喋っている隙にシャイニングブレードで攻撃を仕掛けた。しかし、王蛇にはその攻撃が見えていたようで、ベノサーベルで受け止められた。

シャンゼリオン「…あら?」
王蛇「馬鹿かお前は?」

その後、シャンゼリオンは王蛇のけたぐりを腹に食らって吹き飛ばされた。

シャンゼリオン「やっぱそう簡単にはやられてくれないよね…」
アバレッド「アバレイザー!!」

アバレンジャーの3人は光線銃のアバレイザーを撃ち、攻撃した。しかし、この攻撃もベノサーベルの前にあっさり切り払われてしまった。

王蛇「…もう終わりか? もっと俺を楽しませろよォッ!!」

王蛇はアドベントのカードをベノバイザーに装填し、契約モンスターのベノスネーカーを召喚した。その後、ベノスネーカーはアバレンジャーの3人に毒液を吐いた。

アバレブルー「くっ! 何だこれは!!」
アバレイエロー「何これ…苦しい…」
アバレッド「これは…毒液だ!!」

溶解性の毒液を食らった3人は、もがき苦しんでいた。

龍騎「よくもアバレンジャーの3人を!!」

龍騎は王蛇に斬りかかったが、あっさり切り払われてしまった。

シン「ZO! J! トリプルライダーキックだ!!」
ZO&J「おう!」

ネオライダーの3人はトリプルライダーキックを放った。トリプルライダーキックは王蛇に命中し、吹き飛ばされたが、王蛇は何事もなかったかのように立ち上がった。

王蛇「戦いはこうでなきゃなぁ!!」
BLACK「何て奴だ! あれを食らってピンピンしているなんて!!」
ナイト「あいつはただのモンスターだ、まともな感情なんて持っていない」
王蛇「ハッハッハ、そろそろ決めてやるか」

王蛇はファイナルベントのカードをベノバイザーに装填した。

龍騎「まずい! みんな、回避だ!!」

王蛇は助走を付け、高く飛びあがった。そして、ベノスネーカーの吐いた毒液に勢いを乗せ、両足で交互に連続蹴りを放った。仮面ライダー王蛇のファイナルベント、ベノクラッシュだ。ベノクラッシュの威力は凄まじく、魔弾戦士の3人とネオライダーの3人、そして仮面ライダーBLACKは地面に倒れ込んだ。

シャンゼリオン「…え? この状況、ヤバくね?」
龍騎「ああ、やばいな」
ナイト「俺達以外のライダーは戦闘不能アバレンジャーの3人も戦闘不能か…」
王蛇「おいおい…お楽しみはこれからだろうが?」
シャンゼリオン「やばい…殺される…!!」
王蛇「そこの銀ピカ! 次はお前だ…」
シャンゼリオン「ひぃぃーっ!!」

すると、どこからともなくハーモニカの音色が聞こえて来た。その音色の主を、アバレンジャーの3人は知っていた。

アバレイエロー「この音…!」
アバレブルー「ま…まさか…!!」
アバレッド「ブラックさん!?」

王蛇と戦っている場所から少し離れた場所に、彼はいた。かつてアバレンジャーの3人と共に戦った戦士、アバレブラックが。アバレブラックはダイノハープの演奏を中断し、王蛇の方を向いた。

王蛇「何だ? お前は?」
アバレブラック「久しぶりにアナザーアースに来てみれば、平和を壊す奴らが再び、私は今、猛烈に悲しいです!」
王蛇「んな事知るか、俺は戦えればそれでいいんだよ」
アバレブラック「何と言う人だ…! 許せません!!」

アバレブラックはダイノスラスターをストームモードにセットし、地面に突き立てた。

アバレブラック「ダイノスラスター! ストームインフェルノ!!」

すると、竜巻が発生し、王蛇とベノスネーカーを空高く吹き飛ばした。

王蛇「何っ!?」
龍騎「今だ!!」

龍騎とナイトはそれぞれファイナルベントのカードを使った。その間にシャンゼリオンも必殺技を放った。

シャンゼリオン「シャイニングアタック!」

すると、シャンゼリオンの身体からシャンゼリオン型のエネルギーが放たれ、そのエネルギーが王蛇とベノスネーカーに命中した。続けて龍騎ドラゴンライダーキック、ナイトの飛翔斬が炸裂した。

王蛇「死ぬのか…? 俺が…この俺が…」

仮面ライダー王蛇とベノスネーカーは地面に叩き付けられ、大爆発を起こして死亡した。

龍騎「これが王蛇の最後か…」
ナイト「最後の最後まで哀れな奴だったな」
アバレッド「でもブラックさん! どうやってこの世界に!?」

アバレブラックは、この地球とは違う地球のダイノアース出身の戦士で、デズモゾーリャとの最終決戦後、ダイノアースに帰った為、今までいなかったのである。

アバレブラック「それが…変なワームホールに飲み込まれて、気付けばここから少し離れた所に…」
ZO「と、言う事は君も異世界からの来訪者と言う事か…」
アバレブラック「まあ、そう言う事になりますね」
アバレブルー「でも、どうやって元の世界に戻るんだ?」
アバレブラック「それが…分からないんです…」
アバレイエロー「じゃあ、戻るまでまた一緒にいられるのね!」
アバレブラック「そう言う事になりますね、どうやらまた悪が現れたようですし…」
アバレッド「それじゃあ、また4人で一緒に頑張りましょう!」
アバレブラック「はい!」

すると、幹部たちがあまりに簡単に倒されたのを情けなく思ったのか、シャドームーンが龍騎たちの前に現れた。そして、その手には複数のマイクロカプセルが握られていた。

BLACK「シャドームーン!」
シャドームーン「見事な戦いだった、褒めてやろう、だが、それもこれまでだ」

そう言ってシャドームーンはカプセルを放り投げた。すると、激しい閃光が放たれ、蜘蛛男、トカゲロン、ゴースター、ハサミジャガー、コウモリフランケン、クモ獣人、ガンガル、アルマジーグ、サタンホーク、タイガーロイドの10大怪人が現れた。どれもかつて栄光の10人ライダーが倒した怪人達である。

シャドームーン「フフフ…こいつらは全てイフィニアドが作り出したクローンだ、勿論、戦闘能力もオリジナル以上だ」
アバレブルー「クッ! この状況で…!!」
アバレブラック「流石に私だけでは対処しきれません!!」
シャンゼリオン「どうにかしてくれよーっ!!」
???「ほっほっほ…わしに任せなさい」
シャドームーン「何者だ?」
???「勇者の仲間の魔法使い、マーリンだ」
シャンゼリオン「ハァ? 何だよこのじいさんは」
マーリン「いやはや、実はアルス達とはぐれてしまってのう…」
シャドームーン「頼みの綱もこいつでは、お前達も終わりだな、やれ!!」

シャドームーンの合図で怪人軍団が一斉攻撃を仕掛けてきた。アバレブラック、龍騎、ナイトは痛手を負った仲間達を庇う為、戦っていたが、シャンゼリオンは既に逃げる準備をしていた。

龍騎「おい! お前も戦ってくれよ!!」
シャンゼリオン「悪い! 俺ちょっと急用を思い出しちまって…」
ナイト「こんな状況でそんな事を言ってる場合か!!」
BLACK「くっ! せめて俺がRXの姿だったら…!!」

すると、逃げる準備をしていたシャンゼリオンがその話題に食いついた。

シャンゼリオン「おい、そのRXってのにはどうやったらなれるんだよ」
BLACK「以前はクライシス帝国に宇宙空間に放り出されてそこで太陽の光を浴びて進化したんだ」
シャンゼリオン「おいおい、そりゃ無理だろ…」
マーリン「…一か八かやってみるかの…」
BLACK「えっ? いけそうですか?」
マーリン「まずはこれじゃ、ラナルータ!!」

魔法使いマーリンはラナルータの呪文を唱えた。すると、驚く事に月が見る見るうちに移動し、太陽と入れ替わった。文字通り、昼夜が逆転したのである。その驚きの光景を目にしたクロストライアルとイフィニアドの面々は驚きのあまり、しばらく硬直していた。

マーリン「どうじゃな、これが昼と夜を入れ替える呪文、ラナルータじゃ」
シャンゼリオン「………」
シャドームーン「………」
アバレッド「す…凄いですね…マーリンさん…」
ナイト「…もう…何でもありだな…」
マーリン「そして次はこれじゃ、ルーラ!!」

マーリンはBLACKを腕で掴んだ状態で移動魔法のルーラを唱えた。すると、2人は空高く飛び上がった。ルーラは一度行った場所に移動できる呪文だが、その移動の際には空高く飛び上がる。マーリンはこの特性を利用し、BLACKに太陽の光を与えようとしたのだ。その作戦は見事成功し、上空でBLACKのベルトのキングストーンに太陽の光が降り注いだ。仲間との協力によって得た太陽の光なせいか、いつもより太陽の光が多く降り注いでいるようにも見えた。

BLACK「いける…! これなら…!!」

その時、上空でBLACKの身体が眩く輝いた。その輝きはまるで、太陽の光のようでもあった。

シャドームーン「くっ! こ…これは…! まさか…!!」

光が収まり、ルーラの効果も終わった2人が地面に着地した時、そこには、太陽の光で進化した黒い仮面ライダーがいた。

???「俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK! RX!!」
ZO「復活したか…仮面ライダーBLACK RXが!」
龍騎「黒いボディに真っ赤な目の仮面ライダーBLACK RXか…かっこいいぜ!」
シャドームーン「遂にその姿になったか、ブラックサン!」
RX「イフィニアド! 俺の仲間を傷つけた事、俺が許さん!!」

RXはベルトから光の斬撃武器、リボルケインを引き抜き、怪人軍団に立ち向かった。まずゴースター、コウモリフランケン、クモ獣人をリボルケインで斬りつけ、爆散させた。続いてサタンホークには両足飛び蹴りを放つ技、RXキックを放って倒し、直後にRXパンチでトカゲロンの身体をぶち抜いて倒した。

龍騎「す…凄え…!!」
ナイト「もう全部あいつ一人で十分だな」
アバレブラック「凄いですね! これは私も負けていられません!!」

アバレブラックも負けじとダイノスライサーでアルマジーグを斬りつけ、倒した。続いて龍騎とナイトも同時斬撃でタイガーロイドを斬り裂き、倒した。残った蜘蛛男、ハサミジャガーガンガルはRXのリボルケインでまとめて斬り倒された。かくして、怪人軍団はあっという間に全滅したのである。

シャドームーン「進化したブラックサンの力…これほどまでとは…」
RX「シャドームーン! ここで決着を付けるしかないのか…!」
シャドームーン「ブラックサン、ここでお前と決着を付けるのもいいだろう、来るがいい」
RX(できればシャドームーンとは戦いたくない…だが、みんなを守る為には戦うしかないのか…!)

シャドームーンはかつてRXと親友同士だったが、ゴルゴムに脳改造され、その記憶を失っている。ゴルゴム崩壊後はその記憶を失い、イフィニアドの四天王としてRXを倒す事を目的としているのだ。RXからすれば仲の良かった親友と戦う事になる為、悲しみしかないのである。

RX「シャドームーン、俺は仲間を守る為、ここでお前を止める!」
シャドームーン「止められるものなら止めてみろ、俺はお前をここで倒す! 行くぞ! ブラックサン!」

先手を取ったシャドームーンは、シャドーセイバーで攻撃した。だが、RXはシャドーセイバーをリボルケインで受け止めた。

RX「シャドームーン! うおおおっ!!」

RXはリボルケインを振り、シャドームーンと激しい攻防を繰り広げた。どちらの剣の腕前も非常に高く、かすりはするものの、攻撃が命中する事はなく、完全に互角の戦いが繰り広げられていた。

アバレブラック「凄い戦いですね…!」
龍騎「ああ、こりゃ俺達が入る事はできねえな」

シャドームーンはシャドービームを放って攻撃した。だが、RXはリボルケインで斬り払い、そのままシャドームーンを攻撃した。シャドームーンはその攻撃をシャドーセイバーで斬り払って蹴りを放った。蹴り飛ばされ、地面に倒れ込んだRXだったが、すぐに立ち上がった。

シャドームーン「ブラックサン! 中々やるな!」
RX「俺は仲間を守る為戦っているからな!」
シャドームーン「そうか、それがお前の強さの理由か!」
RX「そうだ!シャドームーン! お前に守りたい者はいるか!」
シャドームーン「守りたい者…だと…?」
RX「俺は仮面ライダーとして人々を守る為、ゴルゴムやクライシス帝国と戦った」
シャドームーン「それがどうしたというのだ」
RX「その戦いの時、いつも人々を守りたいと言う思いが俺に力をくれたんだ!」
シャドームーン「それはお前の思い込みだ、ブラックサン! その程度で強くなれる訳がない!」
RX「いいや、なれるさ! 現に俺がお前とここまで戦えてるのは守りたい者がいるからだ!」
シャドームーン「何だと!?」

ZO「俺も以前ドラスから1人の少年を守り抜いた事がある!」
J「俺だってそうだ、俺も守りたい者がいたからフォッグと戦えた!」
アバレッド「俺達アバレンジャーも、みんなを守る為にエヴォリアンと戦った!」
ゴッドリュウケンドー「ヒーローにとって守りたい者は力をくれる存在なんだ!」
龍騎「そうだぜ! だから俺達はここまで戦ってこれたんだ!」
シン「守りたい人を守るために戦う者の力、それはお前も知っているはずだ!」

シャドームーン「お前達は何故そこまで…」
RX「シャドームーン! お前には既に俺以上の力がある」
シャドームーン「じゃあ、何故ここまで戦える! それも守りたい者の力か!?」
RX「そうだ! 俺は仲間を、人々を守る! その想いが、俺に力をくれるんだッ!!」
シャドームーン「そんな事があるはずがないッ!!」

RXとシャドームーンは同時にパンチを放った。そして、その拳は互いの顔に命中した。

RX「ぐふっ!」
シャドームーン「がはっ!」

RXはパンチを食らったものの、耐えて何とか立っていた。一方のシャドームーンはあおむけに倒れ込んだ。

龍騎「やったぜ!」
RX「…シャドームーン、これが守る者を持っている者の力だ」
シャドームーン「…一つだけ、分かった事がある…」

そう言ってシャドームーンは立ち上がった。

シャドームーン「お前のその力の源が分かった、それは、守りたい者なんだな」
RX「ああ、そうだ」
シャドームーン「そうか…なら俺はそれ以上の力を手に入れて再びお前に挑戦する」

そう言ってシャドームーンはよろめきながら立ち去ろうとした。シャドームーンが立ち去る前にRXはシャドームーンに1つ聞いた。

RX「もうイフィニアドには戻らないのか?」
シャドームーン「もうあんな組織に興味はない、俺は1人で行動する」
そう言ってシャドームーンは去って行った
RX(シャドームーン…守る者がいる者の強さを知ったお前がいつか記憶を取り戻す事を、俺は信じているぞ)

一方、ウルトラ戦士たちはウルトラマンベリアルと戦っていた。ベリアルは以前のようにギガバトルナイザーを使っての戦闘をし、複数のウルトラ戦士相手に互角以上に戦っていた。

ゼロ「くっ! ベリアルの野郎、以前より強くなってやがるぜ!!」
ベリアル「俺は無敵だ! お前らなんぞには負けん!!」

ベリアルはギガバトルナイザーからベリアルジェノサンダーを放ち、周りにいたウルトラ戦士たちを吹き飛ばした。

トリガー「うわあああっ!!」
トリガーダーク「ったく、恐ろしい相手もいるもんだな」

ウルトラ戦士たちも負けじとベリアルに向かって行くが、ギガバトルナイザーで薙ぎ払われ、吹き飛ばされてしまった。

ギンガ「くっ! そっちが武器を使うなら、俺達も使うしかねえな!」

ギンガはギンガスパークランスを、トリガーはサークルアームズマルチソードを、ゼロはゼロツインソードを、エースはエースブレードを、ジャックはウルトラランスを、リブットはスプレッダーロッドを手に取り、更にメビウスとヒカリは光の剣を生み出してベリアルに挑んだ。まず、メビウスとヒカリが斬り込み役として突撃し、ベリアルと激しい攻防を繰り広げている隙に、エースとトリガーが後ろから攻撃を仕掛けた。しかし、ベリアルは高く飛んで回避した。だが、その飛んで回避した隙にゼロは高くジャンプし、ゼロツインソードで斬りつけた。ベリアルはすぐに体勢を立て直し、ベリアルショットでゼロを吹き飛ばした。だが、ベリアルの後ろからギンガがギンガスパークランスでベリアルを攻撃し、前方にいるリブットとジャックの方に吹き飛ばすと、ジャックとリブットの同時攻撃でベリアルにダメージを与えた。すると、ベリアルは不利と分かったのか、戦闘を中断した。

ベリアル「チッ、思ったよりやりやがるな…」
ゼロ「もう諦めろ! ベリアル!!」
ベリアル「へっ、俺はこんな所で死ぬわけにはいかねえな…」

すると、ベリアルはギガバトルナイザーから10体の怪獣をモンスロードした。その怪獣は、ヘドラ、オルガ、メガギラス、ダガーラ、バラン、バルゴン、ギロン、ジャンボキング、タイラント、ファイヤーゼットンで、どの怪獣も強豪怪獣であった。

ベリアル「お前らはこいつらと戦ってやがれ」

そう言ってベリアルはその場を去って行った。

ゼロ「チッ! 面倒な置き土産していきやがって!」

そう言いながら、ゼロはゼロスラッガーを飛ばし、バランを斬り裂いて倒した。

ウルトラマン「今の我々には…!」
ジャック「どの怪獣も脅威ではない!」

ウルトラマンとジャックは同時にスペシウム光線を放ち、ファイヤーゼットンを爆散させた。続けて、エースはギロチンショットを放ち、ジャンボキングをバラバラにして倒した。ギンガはタイラントと交戦し、苦戦はしたものの、ギンガスパークランスでタイラントを斬り裂き、弱ったところにギンガエスペシャリーを放ち、爆散させた。

ネオス「行くぞ! セブン21!」
セブン21「了解だ、ネオス!」

ネオスはネオマグニウム光線、セブン21はレジアショットを放ち、ダガーラを爆散させ、吹き飛ばした。

ティガ「僕達も行くぞ! イーヴィルティガ!」
イーヴィルティガ「了解だ、ティガ」
ガーディー「ガォォォォ!」

ティガはゼペリオン光線を、イーヴィルティガはイーヴィルショットを、ガーディーは光線を放ち、オルガを爆散させ、倒した。

トリガー「後4体か…」
トリガーダーク「なら、一気に決めちまおうぜ、トリガー」
リブット「なら、私も手を貸します!」
トリガー「よし、一気に行こう! ゼペリオン光線!!」
トリガーダーク「OK! ダークゼペリオン光線!!」
リブット「了解です! ギャラクシウムブラスター!!」

トリガーはメガギラスにゼペリオン光線を、トリガーダークはバルゴンにダークゼペリオン光線を、リブットはギロンにギャラクシウムブラスターを放った。ウルトラ戦士の光線を食らった怪獣達は大爆発を起こした。そして、残すはヘドラのみとなった。

ウルトラマン「奴はかなり厄介な怪獣だ、一気に攻めるぞ!!」
メビウス「はい! マン兄さん!!」
ゼロ「なら、一気に行こうぜ!!」

ウルトラ戦士達は全員が光線の発射態勢を整え、一斉に光線を放った。光線は全てヘドラに命中し、ヘドラは爆散し、倒された。こうして、ベリアルの呼び出した怪獣は全滅した。

ゼロ「ベリアル…! いつか必ず決着を付けてやるぜ…!!」

一方、他のクロストライアルメンバーは、ルシファーとダークシャドウの2人と戦っていた。たった2人しかいない為、余裕かと思われたが、この2人の強さは尋常ではなかった。はっきり言って想像を絶する強さで、クロストライアルメンバー達も太刀打ちできずにいた。

ルシファー「リベリオンライトニング…!」

ルシファーが未知の呪文であるリベリオンライトニングを唱えると、神々しい輝きを放つ電撃が空から降り注ぎ、クロストライアルメンバーを攻撃、大打撃を与えた。

ダークシャドウ「デモンジャバー!!」

ダークシャドウはデモンゾーアの技であるデモンジャバーを放った。無数の氷の槍がクロストライアルメンバーを襲い、ダメージを与えた。この危機的状況を前に、カイトとダークカイトは全力を見せる事にした。

カイト「くっ! こうなったら、見せてやる! 俺達の全力を!!」
カイト&ダークカイト「はあぁぁぁぁぁッ!!」
ルシファー「何…!?」

カイトとダークカイトは気合を溜め、その姿を変えた。

ゴッドカイト「超覚醒…! ゴッドカイト…!!」
虚無亜空神「見よ、これが俺の最強の姿、虚無亜空神(きょむあくうじん)だ」
ダークシャドウ「久々にその姿を見せやがったな」
ゴッドカイト「ダークシャドウ! イフィニアド! もうお前達の好きにはさせないぞ!!」
虚無亜空神「すぐにぶっ潰してやる…!」

ゴッドカイトと虚無亜空神は2人同時に破壊光線を放った。しかし、ダークシャドウとルシファーは攻撃を回避し、後方で大爆発が起こった。ダークシャドウはゴッドカイトと虚無亜空神の背後に回り込み、槍で2人を薙ぎ払い、地面に叩き付けた。だが、2人はすぐに復活し、ゴッドカイトはダークシャドウにフレイムパンチを、虚無亜空神はルシファーを蹴りで吹き飛ばした。

ダークシャドウ「くっ! 流石に効いたぜ…」
ルシファー「ほう…中々やるようだ…」
ゴッドカイト「喰らえ!! 獅子抜刀剣!!」

ゴッドカイトは獅子抜刀剣を振り下ろし、大爆発を起こした。あまりの威力に、ダークシャドウとルシファーのいた場所にはクレーターができた。しかし、ダークシャドウとルシファーはその攻撃を回避していた。

ルシファー「さっきのが当たっていたら、流石にただではすまなかったな」
ダークシャドウ「だが、残念だったな、当たりはしなかったぜ」
ゴッドカイト「くっ!!」

その時、ゴッドカイトと虚無亜空神は元の姿に戻った。ゴッドカイトと虚無亜空神は変身できる時間に限りがあり、その時間が経過してしまったのである。

カイト「えっ? もう終わり?」
ダークカイト「らしいな」
イオナ「一番元の姿に戻ってはいけない時に…」
ダークシャドウ「さて…さっきはよくもやってくれたな」
ルシファー「倍にして返してやろう」
カイト「くっ! 後1分変身できていたら勝てたのに!」
ダークカイト「さて、ここからどう反撃する?」
ダークシャドウ「無駄だ、死ねっ!!」

ダークシャドウが襲い掛かろうとしたその時、遠くから光線が飛んできた。ベリアルとの戦いを終えたウルトラ戦士達が駆け付けたのだ。そして、シャドームーンとの戦いを終えた戦士達も駆け付けた。

ゼロ「てめえら! よくも好き勝手やってくれたな!!」
RX「俺達がいる限り、好きにはさせないぞ!!」

ウルトラ戦士達は一斉にダークシャドウ目掛けて光線を放った。ダークシャドウは槍で防御したが、流石に耐えれず吹き飛ばされた。更に、RXのリボルケインで斬りつけられ、ダメージを負った。

ダークシャドウ「くそっ! このクソカス共がぁ…!!」

なおも攻撃を仕掛けようとするダークシャドウであったが、それをルシファーが制止した。

ダークシャドウ「何のつもりだ、ルシファー」
ルシファー「お前にここで死なれては困る、ここは退け」
ダークシャドウ「なるほど…お前は俺の事をよっぽど頼りにしているようだな、分かった」

そう言い残してダークシャドウは瞬間移動で去って行った。

カイト(さて、一難去ったが…もう一難残ってるんだよな…)
ルシファー「さて、こちらは1人しかいないが、どのみちお前達の不利は変わらんよ」
AGE-3「そんな事あるもんか! これだけいるんだ! お前くらい!!」
ルシファー「そうか、ならばこれでどうだ」

ルシファーは背中に白鳥のように美しい純白の翼を生やした。そして、空に飛翔し、翼から光の羽根を飛ばし、クロストライアルメンバーを攻撃した。この攻撃でクロストライアルメンバーの大半が大ダメージを受け、ほぼ全てのメンバーが戦闘不能となり、地面に倒れ込んだ。だが、まだデスティニーとAGE-3が倒れずに立っていた。

ルシファー「ほう…中々やるようだな…」
デスティニー「俺達を舐めてもらっては困る!」
ルシファー「そうか…ならばこれでどうだ」

何と、ルシファーは蒼乃目掛けて真空波を飛ばした。蒼乃は地面に倒れ込んでおり、その攻撃を避ける事ができない。

蒼乃「ッ!!」
デスティニー「やらせるかぁぁーっ!!」

デスティニーは蒼乃の代わりに真空波を食らい、吹き飛ばされた。

デスティニー「ぐ…ううぅぅぅ!」
蒼乃「デスティニー…!」
デスティニー「クッ…翼と脚をやられたか!」
ゴッドリュウケンドー「おい…あれ、まずくないか…?」
MOGERA「まずいな…あの様子じゃ身動きが取れない…!」

そのデスティニーを、ルシファーが狙っていた。

デスティニー「…!?」
ZO「動けないデスティニーを狙っている!?」
ルシファー「これで、おしまいだなガンダム
フォースインパルス「デスティニー!!」
デスティニー「くぅっ…!」

デスティニー自身も今の状況を見て、死を覚悟していた。その時、デスティニーを守る為、身代わりとなった一人のガンダム族がいた。若きガンダム族、ガンダムAGE-3である。

AGE-3「うおぉぉぉぉーっ!」

AGE-3はAGE-3フォートレスに換装し、頑丈な砲身でルシファーのリベリオンカリバーを受け止めた。だが、当然ダメージは入っており、AGE-3の身体には激痛が走った。

AGE-3「う…ぐうぅぅっ!」
ギンガ「AGE-3…!?」
デスティニー「AGE-3…お前!」
ルシファー(身を挺して仲間を庇った…!?)

ルシファーはこの行動に興味を持ったのか、何度もAGE-3を攻撃した。

AGE-3「うわああぁぁぁっ…!」
アリア「やめて、AGE-3! それ以上食らったら…!!」
デスティニー「俺の事はいい! 早くこの場を離れろ!」
AGE-3「僕は大丈夫です…絶対に守ります…!!」
デスティニー「AGE-3、いいからやめろ! お前には俺なんかより守りたい人がいるはずだろ!!」
ガイア「デスティニー…!」
AGE-3「デスティニーさん、それは違います! 僕にとっては、デスティニーさんだって守るべき大切な仲間です!!」
デスティニー「…!」
AGE-1「AGE-3…!」
AGE-3「うおおおぉぉぉぉッ!」

AGE-3はルシファーを砲身で殴り飛ばし、直後、AGE-3ノーマルに換装してルシファーと交戦した。だが、デスティニーは何もできない自分に怒りを覚えていた。

デスティニー「クッ…動けよ、俺の体! 俺の仲間が…! AGE-3が、このままじゃ!」
???「デスティニー、何をしている」

その声の主は、デスティニーの良く知る人物であった。

デスティニー「その声は…レジェンド…!?」

レジェンドガンダムはデスティニーの戦友であり、共に数々の戦いをくぐり抜けてきたが、2年前のメサイア陥落の際にデュランダル議長と共に炎の中に消えて消息を絶っていた。だが、そのレジェンドが今、目の前に現れたのである。

レジェンド「デスティニー、お前の大切な人を守る為、俺も力を貸してやる」
デスティニー「レジェンド…!」
レジェンド「さあ、行くぞ、今のお前には、守るべきものがあるはずだ」
デスティニー「…ありがとう、レジェンド、後でゆっくり話を聞かせてもらうぞ」
レジェンド「ああ」

デスティニーはSEEDを発現させ、翼に光の翼を発生させた。そして、痛む体に鞭打ってデスティニーは再び立ち上がった。大切な仲間を守る為、もう二度と誰も失わない為に。

デスティニー「行くぞ! この力で…今度こそ俺は、大切なものすべてを守ってみせる!! AGE-3、俺たちで切り拓くんだ! 自らの運命を…この命が、在る限り!」
AGE-3「はい!!」

デスティニーは高エネルギー長射程ビーム砲を、レジェンドは突撃ビーム機動砲を、AGE-3はブラスティアキャノンを撃ってルシファーを攻撃した。ルシファーは魔導障壁を張って防御したが、破られてしまい、合体攻撃を食らって大爆発を起こした。だが、なおも生きており、ガンダム族の力に驚愕していた。

ルシファー「な、なんという力だ…!!」
フォースインパルス「デスティニー! レジェンド! AGE-3!」
デスティニー「やっと驚いた姿を見せたな! ルシファー!!」

驚いた事をデスティニーに指摘されたルシファーはすぐに冷静さを取り戻し、この状況を作ったきっかけであるAGE-3に興味を示した。

ルシファー(AGE-3…奴は本当にこの戦いを終わらせる人物かもしれん…一度レギルスに合わせてみるとするか…)

すると、ルシファーはAGE-3を球体のバリアで包み、自身の所に引き寄せた。

AGE-3「何だ!?」
AGE-1「AGE-3!!」
ルシファー「安心してくれたまえ、彼は私が一度借りる、しばらくしたら返しに来るさ」

そう言ってルシファーはAGE-3と共に姿を消した。

デスティニー「AGE-3! くそっ!!」
AGE-1「おのれ! イフィニアドめ! AGE-3を攫うとは! やはり奴らは悪魔だ!!」
蒼乃「ですが、あの四天王はしばらくしたら返しに来ると言っていました」
ストライクノワール「あの言葉が本当ならいいのですが…」
AGE-1「奴らは信用できん! もしAGE-3に何かしようものなら絶対に生かしてはおけん!」
デスティニー(AGE-3…今度は俺達がお前を助ける番だ…! 必ず助けに行ってやるからな!)

一方その頃、クロストライアルメンバー達の戦っている場所から離れた場所にドラゴニュート達4人がいた。そのドラゴニュート達の前に現れたのは、奏真とラズだった。

ラズ「久しぶりね、ドラゴニュート
奏真「やっと俺達と来る気になったか? ドラゴニュート
ドラゴニュート「悪いな、俺は兄ちゃん達と一緒に行く気にはなれない」
ラズ「何で? 私はあなたの本当の姉なのに…」
ドラゴニュート「俺だって、ラズ姉ちゃんの想いに応えたい…でも…」
ラズ「ラズ姉ちゃん…? 今、ラズ姉ちゃんって言ったわよね…!?」
ドラゴニュート「え…? いけなかった…?」
ラズ「全然OKよ! むしろもっと言って! お願い!!」
ドラゴニュート「分かった! 分かったから! 離れてくれ! 息ができない!!」

ドラゴニュートの顔にはラズの胸が押し付けられており、ドラゴニュートは呼吸困難になっていた。その様子を間近で見ていたアイラは少し嫉妬していた。

ラズ「ごっ…ごめんね…私ったらもう少しで実の弟を自分の胸で窒息死させるところだったわ…」
ドラゴニュート「はぁ…しっかりしてくれよ…」
奏真「で、ドラゴニュート、本当に俺と一緒には来れないのか?」
ドラゴニュート「ああ、俺はイフィニアドの手先にはなりたくないからな」
奏真「そうか…俺がお前を連れて行く先にはお前の本当の母親であるノラルさんがいるんだがな」

その言葉に、ドラゴニュートは強く反応した。

ドラゴニュート「何だって!? でもノラルさんは死んだはずじゃ…」
奏真「イフィニアドが埋葬した遺体をすぐに掘り起こして蘇生させたんだ」
ドラゴニュート「…そんな事が、可能なのか?」
ラズ「可能よ、遺体がバラバラになってたり、白骨化してたりとかじゃなかったらね」
奏真「これが地球とイフィニアドの技術の差だ」
ドラゴニュート「…今、母さんはどうなってるんだ?」
奏真「セカンドムーンでコールドスリープ状態になっているよ」
ラズ「ドラゴニュート、これが証拠の写真よ」

そう言ってラズはドラゴニュートに写真を一枚手渡した。そこには確かにコールドスリープの装置に入れられたノラルの姿があった。ノラルはドラゴニュートが以前見た記憶の中のまま、若い姿を保っていた。

ドラゴニュート「…これは本当の写真なんだろうな」
ラズ「本当の写真よ、フェイクなんかじゃないわ、それとも、私達の事が信用できない?」
ドラゴニュート「あまり信用はしていないな」
ラズ「んもう!ドラゴニュートったら…」
シオリ(ドラゴニュート…本当はノラルさんに会いたいのに、我慢してるのね…)
奏真「ドラゴニュート、俺達と一緒に来ないか?」
ラズ「今ならお友達も一緒に連れて行かせてあげるわよ~」
ドラゴニュート「…ごめん、それでも俺、行けないよ」
奏真「…そうか、強情な奴だな」
ラズ「なら、力づくで連れて行くしかないわね」
ドラゴニュート「やっぱりそう来るか!!」
奏真「安心しろ、誰も殺しはしない」

奏真はエビルライトニングを唱えた。右掌から黒い電撃が放たれ、ドラゴニュート達を攻撃し、エビルライトニングを食らったアイラとファヴールは地面に倒れ込んだ。

ドラゴニュート「アイラ! ファヴール!」
奏真「安心しろ、気絶させただけだ」
ラズ「言ったでしょ? 誰も殺しはしないって」

すると、シオリが奏真たちに対して攻撃を仕掛けた。

シオリ「斬月刀奥義 弐の型 五月雨」

シオリは空高く飛びあがり、一瞬で10個の真空波を飛ばし、攻撃した。だが、奏真はエビルライトニングを唱え、真空波を迎撃した。

シオリ「くっ! 斬月刀奥義 参の型 流星」

シオリは再び空高く飛びあがり、エネルギーを纏った刀で急降下した。しかし、奏真は装備している大剣、ダーインスレイヴで流星を切り払った。

シオリ「ッ! 私の攻撃が…通用しない…!?」
奏真「はぁっ!!」

奏真は剣を振り、巨大な真空波を発生させた。シオリは真空波に吹き飛ばされ、そのまま地面に倒れ込んだ。

ドラゴニュート「シオリ!!」
奏真「ちょっとやりすぎたな」
ラズ「奏真の攻撃を食らって生きてるはずはないから、あの子は死んだかもね」
奏真「奴を連れて行くのは諦めるか」
ドラゴニュート「そんな…誰も殺さないって言ったのに…!!」

その時、ドラゴニュートは怒りのあまり龍化しようとしていた。だが、それに気づいた奏真はドラゴニュートの鳩尾を殴り、ドラゴニュートを気絶させた。

奏真「…悪いな、ドラゴニュート、流石に龍化されたら手に負えないからな」
ラズ「さて、後はセカンドムーンまで連れて行くだけね」
奏真「そうだな」
ラズ「ドラゴニュート、きっと喜ぶわよ、だって本当のお母さんに会えるんだもの」
奏真「フッ、そうだな」
ラズ「ところで、こっちのお友達はどうやって運ぼうか?」
奏真「安心しろ、おい!」

奏真が合図を送ると、3人の少女が現れた。奏真の部下であるターニャ、ミーナ、ノクトの3人である。3人は主に戦闘や工作、偵察などを得意とする兵士で、奏真とラズの命令を忠実にこなす優秀な部下である。ちなみに、紫髪ロングがターニャ、赤髪ポニーテールがミーナ、緑髪ツインテールがノクトである。

奏真「お前達3人はその女2人を運べ」
ターニャ「了解しました」
ミーナ「私が金髪の子を運ぶからノクトはそっちの黒髪の子をよろしくね」
ノクト「分かったわ、任せて」
ラズ「それじゃ、ドラゴニュートは私が運ぶわ、だって私のかわいい弟だもの」

その後、ターニャが一応と思ってシオリの元へ向かうと、シオリの生存が確認された。

ターニャ「奏真さま、この人はまだ生きています」
奏真「何っ!?」
ミーナ「奏真さまの攻撃を食らって生きてるなんて…!!」
ノクト「とんだ生命力ね」
奏真「よし、そいつも連れていけ」

ロストロウランでの戦いを終え、一夜が明けた2101年1月4日。クロストライアルのメンバー達はロストロウランの基地でイフィニアドに攫われたAGE-3を救出するための作戦会議を始めていた。しかし、ルシファーがどこに向かったか分からない為、作戦は難航していた。

デスティニー「クッ、AGE-3、一体どこにいるんだ…」
ビルギット「F91、お前のニュータイプの勘ってのでどうにかならないか?」
F91「無茶言うな、俺はセンサーじゃないんだぞ」
龍騎「いくらニュータイプとでも、万能じゃないんだな」
AGE-1「くそっ! やはりイフィニアドはヴェイガンと同じ悪魔だ! 奴らはこの世から消し去らねばならん!」
サイバスター「おいおい、ちょっと落ち着けって」
AGE-1「これが落ち着いていられるか! AGE-3はこの戦いを終わらせる可能性を秘めていたのだぞ!」
レジェンド「AGE-1さん、少し落ち着いてください、今、その為の作戦会議をしています」
AGE-1「くっ…!」

すると、デスティニーがある疑問を投げかけた。

デスティニー「そう言えばレジェンド、お前は何で今更姿を現したんだ?」
フォースインパルス「そうよ! てっきりあのメサイア攻防戦で死んじゃったと思ってたもの!」

メサイア攻防戦は今から約2年前の出来事である。様々な組織が現れ、その組織との戦いが次々と終結した時期にその戦いは起こった。結果、地球統合軍とザフト、コスモ・バビロニア連合とのメサイア攻防戦は、地球統合軍の勝利で終わった。当時、デスティニーとフォースインパルスはデュランダル議長の掲げるデスティニープランに賛同できず、ザフトを抜けたが、レジェンドは最後までデュランダル議長に賛同していた為、対立する事となった。最後は戦いの末、レジェンドはデュランダル議長と共にメサイア内部で炎の中に消えたはずであった。そして、レジェンドは自身が生存していた理由を皆に語り始めた。

レジェンド「あの時、俺はギルに生きるようにと言われてメサイアを脱出したんだ」
デスティニー「そうだったのか? 俺はあの時死んだと思ってたんだよ」
レジェンド「ギルはきっと、戦いが終わっても脅威が訪れる事を予感していたんだと思う…」
フォースインパルス「まあ、議長ならきっとイフィニアドの襲来も予感しているわよね」
レジェンド「そしてあの後、ある人達に助けてもらって共に活動していた、そして、お前達がロストロウランにいる事を知って助けに来たんだ」
デスティニー「そうだったのか、で、その助けてくれた人って誰だ?」
レジェンド「それは…」

すると突然、会議室にあったモニターに海賊の様な風貌をした漆黒のガンダム族が映し出された。その姿は、かつてヴェイガンとの戦いで活躍したガンダム族に酷似していた。そして、その正体を、AGE-1はよく知っていた。

AGE-1「貴様…AGE-2か?」
龍騎「えっ…!? AGE-2!?」
翼「AGE-2って、AGE-1元司令が現役だった頃、その直属部隊にいた地球統合軍のエース!?」
ストライクノワール「ある戦闘でMIA…作戦中行方不明になっていたと聞いていたが、まさか生きていたとは…」

すると、AGE-2は口を開いた。

AGE-2「宇宙海賊ビシディアンのキャプテン、AGE-2だ、俺がレジェンドを助けた人物だ」

そして、AGE-2はAGE-1の方を向いた。

AGE-2「こうやって、直接話すのは本当に久しぶりだな、父さん」
AGE-1「貴様に父と呼ばれる筋合いはない!!」

AGE-1の怒鳴り声は会議室内に響き渡った。その声と言葉に、クロストライアルのメンバーは驚きを隠せなかった。

AGE-1「今更、よくもぬけぬけと私の前に姿を見せられたものだ!!」

突然始まった親子喧嘩に、クロストライアルのメンバーは困惑した。

シャンゼリオン「え…? 何がどうなってんだ?」
カイト「あの人はAGE-1さんの息子じゃないのか?」
AGE-2「いや、正真正銘、AGE-1元司令の息子さ」
AGE-1「黙れ! 何の連絡も寄越さないばかりか、そのあげくに海賊だと!? ふざけるな!!」
レジェンド「落ち着いてください、AGE-1元司令、これからAGE-2さんから大事な話があります」
AGE-1「そんなもの…!!」

いつまで経っても話が進まない為、蒼乃が代わりに用件を聞いた。

蒼乃「AGE-2さん、用件は何でしょう?」
AGE-2「話が早くて助かる、用件は至って簡単だ、AGE-3の救出の為、クロストライアルに協力して欲しい」
ギンガ「救出…!? って事は、AGE-3の居場所が分かってるって事か!?」
AGE-2「ああ、AGE-3の居場所はセカンドムーンだ」

セカンドムーンとは、火星圏に建造されたコロニーで、ヴェイガンの本拠地だ。ヴェイガンの民は皆、マーズバースディ計画で火星に移住した人類であったが、マーズレイと呼ばれる現象のため、数多くの人々が命を落とした結果、軌道上に避難所として設置されたのが、セカンドムーンなのである。

アリア「セカンドムーンと言えば…ヴェイガンの本拠地よね? 何でそんな事が分かるの?」
AGE-2「俺がセカンドムーンの周辺を探っていたら、イフィニアドの四天王専用艦が見えた、その後、レジェンドの報告を受けて確信したって訳だ」
AGE-1「おのれヴェイガンにイフィニアドめ! AGE-3をセカンドムーンに連れて行って何をする気だ!!」
AGE-2「恐らく、AGE-3から強さの秘密を探るのだろう、あの子にはそれだけの可能性がある」
デスティニー「確かに、AGE-3は凄い奴だよ、戦い方も天才そのものだし」
F91「あいつのXラウンダー能力、あれのおかげで俺達はロストロウランで死なずに済んだしな」
ゼロ「って事は、早く助けに行かねえとヴェイガンは更に力を増すって事か…」
RX「だが、どうやって火星まで向かうんだ?」
蒼乃「大丈夫よ、セイバークルーザーは大気圏外でも航行可能だから」
ストライクノワールミネルバJr.も大気圏外で航行可能だ」
ストライクフリーダムアークエンジェルも大気圏外で航行できます」
F91「スペースアークも旧型艦だが、一応航行可能だ」
セリック「ディーヴァはもっと旧型だが、宇宙に出る事はできるよ」
機龍「Gフォースの新・轟天号も一応宇宙に出れるはずよ」
トリガー「ナースデッセイ号は…どうだろう? 多分出れます!」
AGE-2「どうやら決まったようだな」
カイト「よし! 早速出発だ!」
AGE-1「…本当はこんな海賊の事は信用したくはないが、時は一刻を争う状況だ、今回は協力してやろう」
AGE-2「ありがとう、では、月の近くで落ち合う事にしよう」
蒼乃「それでは、クロストライアル艦隊は早速宇宙に出ます」
デスティニー「よし、それじゃあ、俺達も準備するぞ!」
レジェンド「ああ」

こうして、クロストライアルのAGE-3救出作戦は開始された。

一方、攫われたAGE-3とドラゴニュート達は、セカンドムーンの応接室に連れてこられていた。特に暴行を受けたりはせず、ただ単に捕虜として扱われていた。そして、この場にはAGE-3とドラゴニュート達以外には、ガンダムレギルス、ルシファー、奏真、ラズの4人がいた。

ルシファー「レギルスよ、クロストライアルの捕虜を連れて来たぞ」
レギルス「ご苦労だった、ルシファー、私としてもクロストライアルの人間には会ってみたくてな」
AGE-3「………」
ドラゴニュート(あいつが、ヴェイガンの最高指導者、ガンダムレギルスか…)
シオリ(ここからでもただ者じゃないオーラが漂ってるわね…)

すると、黙っていたAGE-3が口を開いた。

AGE-3「僕達をここに連れてきてどうするつもりですか?」
レギルス「何、君達と話してみたいと思っただけだ、以前からクロストライアルの人間には興味があってね」
ドラゴニュート「それは何故だ?」
レギルス「君達は圧倒的戦力差のイフィニアドに対し、何度も勝利を収めてきた、それに興味があったのさ」
AGE-3「僕達は世界の平和を守るクロストライアルです、だからお前達みたいな悪者には絶対に負けられないんだ!」
ドラゴニュート「俺もだ、イフィニアドもヴェイガンも、人の命を容易く奪っている、そんな奴らに負ける訳にはいかない!」

その話を聞いていたレギルスは、ドラゴニュートに対して語り掛けた。

レギルス「だが、君の隣にいる金髪の少女も元イフィニアドと聞いたが?」
ドラゴニュート「アイラは違う! アイラはイフィニアドだったけど、ちゃんと人間の心を持っている!」
レギルス「それがもし、イフィニアドやヴェイガンにも該当すると言ったら?」
AGE-3「…えっ?」
レギルス「…分かった、君達に外出の許可を与えよう、少し街に外出してくるがいい」
ラズ「では、監視役は私にお任せください」
ドラゴニュート「…俺達に、外出を…?」

その後、AGE-3達はセカンドムーンの街へと外出した。そこは殺風景な街ではあったが、多くの人間が暮らしていた。ヴェイガンの兵士達は全員人間を特殊な技術でMS族に進化させたものであり、戦闘をしない一般市民たちは全員人間のままなのである。そんな人間たちがこのセカンドムーンには多く暮らしているのだ。

アイラ「…セカンドムーンに住んでる人達、人間ばかりですね…」
ドラゴニュート「…こうして見ると、ヴェイガンの奴らも俺達と同じ人間なんだな…」
ラズ「まあね、あなた達が戦ってる相手がMS族だから何とも思わなかった?」
ドラゴニュート「ああ、ヴェイガンの奴らは倒すべき敵だと思ってたよ」
ラズ「まあ、そうなるわよね…」

ドラゴニュート「ところで、いつ俺の母さんに会えるんだ?」
ラズ「ああ、今コールドスリープから目覚めさせたから1時間もすれば会えると思うわ」
ドラゴニュート「そうか、よかった…」

その時、アイラが10歳ぐらいの少年に突き飛ばされた。

アイラ「キャッ!」
少年「へへっ、こいつは頂いていくぜ!」

その少年の手には、アイラの財布が握られていた。

ドラゴニュート「おい! ちょっと待て!」
少年「待てと言われて待つ馬鹿いるかっての!」

少年はその場を立ち去ろうとしたが、その少年の前に立ち塞がった別の少年がいた。

???「またお前か…」
少年「ディ…ディーン!?」
ディーン「ひったくりはやめろって言ってるだろ!!」
少年「ちょ…ちょっとしたジョークだよ、これは返すから、またな…」

少年はディーンと呼ばれた少年に盗んだ財布を渡すと、一目散に逃げていった。

ディーン「これ、お前のか?」
アイラ「はい…ありがとうございます…」
ディーン「お前達、この辺りで見ないな…ガンダム族や変わった格好の人もいるし…余所者だな?」
AGE-3「まあ、そう言う事になるけど…」
ディーン「そうなのか…ん?」

ディーンは、アイラの足から血が出ている事に気づいた。突き飛ばされた際に足を怪我したのであろう。

ディーン「お前、怪我してるじゃねえか、だらしねえな…俺についてきな」

AGE-3達は、ディーンの家に向かった。そこでアイラは足に包帯を巻いてもらった。

ディーン「ほら、これでおしまいだ」
アイラ「ありがとうございます」
ディーン「さっきの奴だけどさ、悪く思わないでやってくれ、この辺も色々と大変で、みんな必死で生きているんだ」
AGE-3「みんな…必死で…」
ドラゴニュート(ヴェイガンの人達も、俺達と何も変わらない…俺達と同じ人間なんだな…)

すると、ベッドの方から1人の少女が現れた。まだ幼く、見た感じだと病弱な少女と言ったところだろうか。

???「お兄ちゃん、その人達、誰?」
ディーン「寝てろ、ルウ!」
ドラゴニュート(ルウ…?)
AGE-3「あ、僕はガンダムAGE-3」
アイラ「私はアイラです」
ファヴール「ファヴールと申します」
シオリ「私はシオリよ」
ラズ「私はラズ、ラズ・ランバニア」
ドラゴニュート「俺はドラゴニュートドラゴニュート・ブラウスピカだ」

ルウ「初めまして、私はルウ、みんな変わった人達だね」
AGE-3「変わった人達…? 確かに、僕はガンダム族だけど…」
ルウ「ガンダム族? ガンダム族ってあのガンダム族だよね!」
ドラゴニュート「ああ、地球で様々な伝説を残した事で有名な種族だ」
ルウ「その地球の話、私に聞かせてくれない?」
ディーン「ルウ!」
ルウ「お兄ちゃんお願い、外の話が聞きたいの、いいでしょ?」
ディーン「………」

AGE-3「僕ならいいけど…」
ルウ「本当!?」
ドラゴニュート「ああ、別に構わないさ」
アイラ「ディーンさん、よろしいですか?」
ディーン「あんた達がいいなら別に…」
ルウ「ありがとう、みんな!」
ドラゴニュート「ああ」

その後、AGE-3達はルウに様々な地球の話を聞かせた。地球にいる動物や怪獣と様々な生き物の事や、海にいる魚の事、ウルトラ戦士や仮面ライダーの事、そして地球全体の自然の事など、様々な事を聞かせた。その話を、ルウはとても楽しそうに聞いていた。ルウの嬉しそうな表情を見たAGE-3は嬉しくなり、もっと話を聞かせた。ディーンの家に来てからしばらくすると、ラズの通信デバイスに一つの通知が届いた。ドラゴニュートの母親であるノラルが面会できる状態になったらしい。その話を聞いたドラゴニュートは、アイラたちを残してラズと共にディーンの家を後にした。ちなみに、出て行く際にきちんと断りの言葉は入れている。ルウは少し寂しそうにしていたが、また別の日に来ると言ったら喜んでいた。その後、ドラゴニュートはラズに連れられ、セカンドムーンの応接室に向かった。そこには、記憶の中の姿そのままのノラルの姿があった。ノラルはドラゴニュートの姿を見ると、じっと見つめた。

ラズ「ほら、ドラゴニュート、お母さんに何か言いたい事はない?」
ドラゴニュート「あ…えっと…本当に、母さんなんだよね?」

ドラゴニュートの声を聞いたノラルは、目に涙を溜めてドラゴニュートを抱きしめた。

ノラル「ドラゴニュート…私がコールドスリープになっている間にこんなに大きくなって…私はあの時からずっと歳を取ってないのに…」

ドラゴニュートを抱きしめたまま、涙を流すノラルを見たドラゴニュートは複雑な気持ちであった。ずっと母親と思っていた人物は本当の母親ではなく、今、目の前にいる人物が本当の母親だと言う事、そう考えると、ドラゴニュートはどうすればいいのか分からなかった。それを見かねたラズは、ドラゴニュートにある事を伝えた。

ラズ「ドラゴニュート、我慢しなくていいのよ、泣きたければ泣けばいいわ」

その言葉を聞いたドラゴニュートは、ノラルにある事を聞いた。

ドラゴニュート「母さん…母さんは俺の本当の母さんなんだよね?」
ノラル「そうよ、私はあの日、必死にあなたを守った、そしてあなたはあの後、ずっと駆さんの下で育ったのね」
ドラゴニュート「そうだよ、でも、イフィニアドのせいで俺達の平和は壊された、だから今俺はイフィニアドと戦ってるんだ」
ノラル「ドラゴニュート…あなたって本当に立派になったのね…」

ノラルは再びドラゴニュートを抱きしめた。ドラゴニュートもノラルを抱き返し、遂にずっと我慢していた涙を流した。

ラズ「ドラゴニュート…本当のお母さんに出会えてよかったわね…」

AGE-3とドラゴニュート達が火星へ来て3日経った。あれからAGE-3達は毎日ルウに会いに来ていた。ルウの方も、AGE-3達と会えることを楽しみにしており、AGE-3達の方もルウに会えることを楽しみにしていた。ドラゴニュートもあれから実の母であるノラルと生活し、今まであった出来事をノラルに話したりしていた。そしていつしか彼らは、火星での暮らしを満喫していたのだ。しかし、彼らは満喫しつつも忘れていない事が2つあった。まず1つ、まだイフィニアドやヴェイガンとの戦いは終わっていないと言う事。そしてもう1つ、レギルスや奏真は、AGE-3やドラゴニュートの事を利用しようとしている事、暮らしを満喫しつつも、それらの事は決して忘れてはいなかった。そして彼らは信じていた、必ず助けが来ることを。その事を信じつつ、彼らは今日もルウに会いに行った。

ドラゴニュート「よっ」
ルウ「みんな、また来てくれたんだね!」
アイラ「ごめんね、ルウちゃん、ここしばらく毎日遊びに来て…」
ルウ「ううん、私、身体が弱くて外に出られないから、みんなにもっともっと会いに来てほしいよ」
ドラゴニュート「その事なら大丈夫さ、AGE-3も君に会う事を楽しみにしてるようだしな」
AGE-3「えぇ…!?」
ルウ「ありがとう、AGE-3! 私も毎日AGE-3に会えて嬉しいよ!」
AGE-3「あ…えっと、その…」
ディーン「おい、あまりAGE-3を困らせるよ」
ドラゴニュート「大丈夫、AGE-3は困ってるんじゃなくて、照れてるだけだから」
ルウ「そうなの?」
AGE-3「ち…違うよぉっ…!」

そう言ってAGE-3は顔を赤らめながら慌てて外に出ていった。

ルウ「私、怒らせちゃったのかな?」
ドラゴニュート「大丈夫さ、さっきも言ったろ? 照れてるだけだって」
シオリ「あの子ぐらいの年齢だと、結構恥ずかしがり屋も多いからね」
ルウ「そうなんだ」
ドラゴニュート「じゃ、俺ちょっと様子見てくるわ」

そう言って、ドラゴニュートも外に出ていった。一方のAGE-3は、路上に座り込み、一人で考え事をしていた。これまでの生活で、ヴェイガンも自分達と同じ人間であることを知ったからだ。

AGE-3(ヴェイガンの人達も、やっぱり僕達と同じだった…嬉しい事に喜んで、辛い事に悲しんで…生まれや環境は何も関係ない…)

その時、AGE-3の脳内には、今まで命を奪ってきたヴェイガンの兵士達がフラッシュバックした。彼らも、ここに住む人たちと同じ様に家族を持ち、喜んだり悲しんだりしながら暮らしていたのだろう。きっとシャナルアが伝えたかったのは、こういう事だったのだと気付いた。

AGE-3「人って事は、その人達の生活があるって事なんだ…分かっていたはずなのに…」
ドラゴニュート「実際に見せられると、嫌でも思い知らされるよな」

そう言って、ドラゴニュートもAGE-3の横に座り込んだ。

AGE-3「ドラゴニュートさん…」
ドラゴニュート「あのレギルスってガンダム族が、俺達に街を見させたのは、こういう風景を見せる為だったんだろうな…」

そのドラゴニュートの表情も、真剣な表情であった。きっと彼も、AGE-3と同じく、何か思う事があったのだろう。

AGE-3「…でも、あの人達は僕達を利用しようとしているはずです、現に、僕達が攫われた理由もそうなんでしょう?」
ドラゴニュート「…まあ、そうだろうな、でもさ、俺達が今見てる現実は本物、違うか?」
AGE-3「………」

とても重たいテーマを背負わされた2人は沈黙を保った。しばらくすると中々帰ってこない2人を心配したのか、ディーンがやって来た。

ディーン「AGE-3にドラゴニュートさん、こんな所にいたのか」
AGE-3「ディーン…」
ドラゴニュート「悪い、様子を見てくるつもりが逆に見に来られちまったよ」
ディーン「いえ、そうではなくて、皆さんにお願いしたい事があるんです」
AGE-3「お願いしたい事?」
ディーン「もう…ルウに会いに来ないでほしい」
AGE-3「え…?」
ディーン「友達とかできるとさ…あいつ自身辛くなるだけだから…」
ドラゴニュート「それって一体、どういう事だ?」
ディーン「あいつはマーズレイにかかっている…もって後3ヶ月らしいんです…」
AGE-3「!?」
ディーン「不公平だよな、何も悪くないのに死ななきゃならないなんて…! 地球の奴らはぬくぬくと安全な所で暮らしているッ!!」
AGE-3(地球が安全って…)
ドラゴニュート「…なあ、そのマーズレイって病気は一体どんな病気なんだ?」
ディーン「この火星圏に住む人間を蝕む悪魔の様な死病です、治療する方法が存在しない為、かかれば最後です」
AGE-3(そんな…!!)
ディーン「俺達をこんな目にあわせて、自分達だけ…そんなのあるかよ…地球種どもめ…」
ドラゴニュート(絶対に助からない死病…ここに住む人達は死の恐怖に恐れながら日々暮らしているのか…)
ディーン「でも、信じている、レギルス様が俺達を地球に帰してくれる日が来るって…行ってみたいよな、地球…」
AGE-3(…マーズレイなんて病気は地球にはない病気だ、レギルスなら、その病気について詳しい事を知ってるはずだ、それなら…)
ドラゴニュート(…奏真兄ちゃんやラズ姉ちゃんに聞いてみよう、きっと何か、助ける方法があるはずだ…)

2101年1月7日、クロストライアルの艦隊が宇宙海賊ビシディアンの戦艦であるバロノークと合流し、ヴェイガンの本拠地であるセカンドムーンへと向かっていた。クロストライアルのメンバーの中には当然、初めて宇宙に出る者が多い為、宇宙に興味津々の者もいれば、少し怯える者もいた。戦艦の気密性などに関しては、出発前に念入りにチェックした為、どの戦艦も空気漏れなどはなく、無事に航行できている。これも偏に地球の技術力の賜物と言った所だろう。クロストライアルの旗艦であるセイバークルーザー内では、セイバークルーザー隊の面々が会話をしていた。

イオナ「どの艦も無事に航行できているようですね」
デスティニー「まあ、出発前に時間をかけて念入りにチェックしたからな」
ネクサス「宇宙に出る事なんてここ最近はありませんでしたからね」
蒼乃「旧時代はよく宇宙に出たらしいけどね」
Gセイバー「らしいですね、でもその時代に作った宇宙ステーションもイフィニアドとヴェイガンのせいで全てパーになりましたけどね」
ライング「じゃあ、平和になった世界でまた作ろうよ!」
イミング「それが一番いいですね、うんうん」

ソウル「で、結局この2人も付いて来たと…」
イオナ「すみません、私のかつての戦友ですので、どうか許してあげてください」
エクセリア「別にいいわよ、戦力は多い方がいいもの」
ソウル「見た感じ、実力はありそうだしな」
イオナ「ありがとうございます」

メンバー達は話をしながら警戒に当たっていた。しばらくすると、艦長席の隣に長い物が置かれている事に気づいた。

デスティニー「蒼乃さん、それは一体何ですか?」
蒼乃「ああ、これね、これはアリスさんからのお届け物よ」
流羽「アリスさんから? って事は、武器か何かかな?」
蒼乃「去年の大晦日の日に急に送られてきてね、何かなと思って見てみたら黒いヴィエルジュだったの」
カイト「ヴィエルジュって確か、ドラゴニュートの剣だよな?」
イオナ「その2本目って事ですか?」
蒼乃「そう言う事になるわね、同封の手紙にも、ドラゴニュートさん、新しい試作品ができたから使ってくださいとしか書かれてなかったし…」
レイラ「いい加減な人ね…」
デスティニー「でも、あの人らしいや」
カイト「なら絶対、この黒いヴィエルジュ、ブラックヴィエルジュはドラゴニュートに届けてやらないとな!」
蒼乃「そうね、絶対に届けてあげなきゃ!」

その直後、急に敵襲の警報が鳴り出した。

蒼乃「敵襲!?」
穂乃果「前方より接近する艦隊あり! 数16、イフィニアドです!!」
デスティニー「くっ! やはりあいつらか!!」

イフィニアドの戦艦は、小型無人戦闘機ビースタルを発進させた。約80機近くあるビースタルの編隊がレーザーを連射し、クロストライアルの艦隊に攻撃を仕掛けた。

カイト「あのチビメカ、あんな弱そうな見た目の癖に中々やるぞ!!」
デスティニー「蒼乃さん、ここは俺達に任せてください!!」
蒼乃「分かったわ、今宇宙に出れるのはMS族とウルトラ族ぐらいしかいないものね」
ネクサス「了解です、必ず全員で生きて帰ってきます」

そう言って、ネクサス達はカタパルトの方に向かって行った。デスティニー達がカタパルトで宇宙に出ると、外には既に他のウルトラ族とMS族、ビルバインダンバインサイバスターがいた。そしてそこにはバロノークのキャプテン、ガンダムAGE-2ダークハウンドもいた。

レジェンド「AGE-2さんも出るんですね」
AGE-2「ああ、君達が頑張ってるのに俺だけ戦わないのもおかしいからな」

そんな話をしていると、ビースタルの編隊が総攻撃を仕掛けて来た。それに対し、ウルトラ族はバリアで防御、ガンダム族はシールドで防御し、攻撃を防いでいた。一方、ビルバインダンバインは敵の攻撃をかいくぐり、オーラソードでビースタルを両断し、撃墜した。一方のサイバスターもディスカッターでビースタルを片っ端から撃墜していた。

ストライクフリーダム「中々やるね、彼ら」
インフィニットジャスティス「俺達も負けてられないな」

他のガンダム族は全員、ビームライフルでビースタルを撃墜、ウルトラ族も光線技でビースタルを撃墜していた。あっという間に残機は残りわずかとなったが、イフィニアドの戦艦は残りのビースタルを全機発進させた。その数は100機近くに上り、戦力の違いを思い知らせた。だが、クロストライアルの戦士達は、この程度では諦めなかった。彼らが向かう先には、助けるべき仲間がいるからだ。

AGE-2「…俺はイフィニアドの戦艦を叩く」
F91「そんな無茶な! 一体どうする気だ?」
AGE-2「こうするのさ」

そう言ってAGE-2はサメ型の長距離高速飛行形態、ストライダー形態に変形した。そしてその形態のまま、目にも止まらぬスピードで宇宙を移動、一気にイフィニアドの戦艦に接近し、元の姿へと戻った。

メビウス「凄い…! あれがAGE-2さんの実力…!!」
ギンガ「滅茶苦茶かっこいいぜ!!」

AGE-2は右腕に装備した巨大な槍、ドッズランサーでイフィニアドの戦艦群に次々と風穴を開け、轟沈させた。その間、ガンダム族とウルトラ族は戦艦を守りつつ、最後は一斉攻撃でビースタルの編隊を全機撃墜した。ビースタルを全滅させた頃には既に、イフィニアドの戦艦も全艦轟沈していた。こうして、イフィニアドの襲撃から無事、切り抜ける事に成功したのであった。その後、全員がそれぞれの艦に帰艦し、目的地であるセカンドムーンに向け、艦を発進させた。全ては、大切な仲間であるAGE-3の奪還の為である。

一方、セカンドムーンのレギルスの部屋では、AGE-3とドラゴニュートが話をする為に訪れていた。レギルスの部屋にはレギルス以外にも奏真とラズがおり、今からとても大切な話が行われる事は明白であった。レギルスも、AGE-3とドラゴニュートの真剣な表情を見て、今から始まる話の重要さに気づいていた。

レギルス「…AGE-3にドラゴニュートか、何か私に話があるようだな?」
AGE-3「はい、僕達の力の一部をあなた達に与えます」
ドラゴニュート「その代わり、マーズレイの特効薬みたいなのを渡してくれませんか?」
ラズ(この子達…もしかしてあのルウって子の為に、自分達の力を与えるって言うの…?)
奏真「レギルス様、どうされます?」
レギルス「いいだろう、その取引、引き受けた」

その後、レギルスが奏真に合図を送った。合図を受けた奏真は、AGE-3とドラゴニュートに黄緑色のエネルギー波を放った。このエネルギー波は対象の力を抜き取る効果を持っており、攻撃能力はないが、力を抜き取られる際にはわずかながらの痛みが走る。1分ぐらいそのエネルギー波と照射されると、奏真の手には2人の力の一部である掌サイズのオーブが2つあった。それは白と青のオーブであり、白がAGE-3、青がドラゴニュートの物である。

レギルス「君達の力、確かに受け取った、ラズ、薬を渡してやれ」
ラズ「分かりました、レギルス様」

ラズの手から渡された薬を手にした2人は喜んでおり、明日必ずルウに渡しに行こうと約束をした。

AGE-3「ありがとうございました、レギルスさん」
ドラゴニュート「この薬、大切に使わせていただきます」

そう言って、2人はレギルスの部屋から出ていった。

ラズ「………」
奏真「あまり嬉しそうではないな、ラズ」
ラズ「…ええ、あの薬はマーズレイの薬であっても、マーズレイを完全に治療はできない」
奏真「ただ進行を遅らせるだけ、そうだろ?」
ラズ「ええ、だからあのルウって子はもう助からない、その事を知ったらあの子達はどう思うか…」
奏真「確かにそうだな…」

2人はしばらく黙っていたが、レギルスが2人に力のオーブについて聞いた。

レギルス「2人から奪ったその力、これからどう使うつもりだ?」
奏真「はい、まずAGE-3の力はXラウンダー兵士の量産の為、そしてドラゴニュートの力は、ドラゴニュートのクローンを生み出す為に使います」
レギルス「クローンだと…?」
奏真「はい、名付けてダークドラゴニュートと言った所でしょうか」
レギルス「中々面白い事に使うようだな、期待しているぞ」
奏真「はっ」

ドラゴニュートとAGE-3が自分の力の一部と引き換えに手に入れた薬によって、ルウの容体はある程度良くなってきていた。薬はかなり苦かったようで、ルウは嫌そうにしていたが、2人がせっかく持ってきてくれた薬だからと我慢して飲んでいた。ディーンは薬を持ってきてくれた事を2人に感謝していた。

ディーン「AGE-3、ドラゴニュートさん、本当にありがとうございます」
ドラゴニュート「別に礼なんかいいって」
AGE-3「僕達はただ薬を持ってきただけだから」
ディーン「それが助かるんだよ、何せ、医者にだって滅多に見せられないぐらいなんだ…」

その時、ディーンはある疑問を持っていた、2人はどこからマーズレイの薬を持ってきたのかと。

ディーン「なあ、こんな貴重な薬、どうやって手に入れたんだ?」
ドラゴニュート「え? ああ、この薬か…」
AGE-3「ちょ…ちょっとね…」

自分の力の一部と引き換えに薬を手に入れたと言ったら、果たしてルウやディーンは何と思うだろうか、そう考えた2人は、あえてごまかす事にした。一方、ルウは絵日記に何かを書いていた。角度的に何を書いているかは分からなく、アイラはルウに聞いてみる事にした。

アイラ「ねえ、ルウちゃん、何を書いてるの?」
ルウ「ふふふ、内緒」
アイラ「内緒か~それは残念」

薬を飲んで元気になったルウを見たディーンは、ルウにある提案をした。

ディーン「…あのさ、外にでも行ってみたらどうだ?」
ルウ「え!? いいの? お兄ちゃん?」
ディーン「2人の持ってきた薬だって飲んでるし、少しくらい出かけたっていいだろ」
ルウ「やったー!」
アイラ「良かったね、ルウちゃん」
ドラゴニュート「そうと決まれば、早速行こうぜ、勿論、ルウの行きたい場所へな」

その後、ドラゴニュート達はルウの行きたいと言う場所へ向かった。ルウの行きたい場所と言うのは、ジャンクの丘と言う場所で、ルウの住んでいる辺りで一番景色が綺麗な所らしい。

ドラゴニュート「ここがルウの来たかった場所か?」
ルウ「うん! ここからの景色が綺麗なんだ!」
ファヴール「景色が綺麗、ですか…」
AGE-3(緑も無く、透き通った湖も無い、ただ冷たく固い石で造られた世界…)
ドラゴニュート(でも、ルウ達にとっては…)
ルウ「ここね、私が病気になる前によく来てた場所なんだ、だから、大切な思い出の場所なの!」
アイラ「そうなんですね、確かに、凄く綺麗です」
ルウ「えへへ、嬉しいな」

すると、ディーンがふと呟いた。

ディーン「地球はここよりもっと綺麗なんだろうな…」
ドラゴニュート「………」

ディーンの言った事は、図星であった。例えば、アロイス峡谷でドラゴニュートとアイラが見た景色、あれはここと比べれば天と地ほどの差である。その時、ルウも地球の話題に反応した。

ルウ「地球かぁ…行ってみたいな…ここじゃない、新しい世界を私も見てみたい…」
AGE-3「………」
ルウ「AGE-3、ドラゴニュートさん、本当にありがとう、またここに来る事ができて嬉しかったよ」
AGE-3「ううん、また必ず来よう、ルウ」
ドラゴニュート「ああ、また来ような、必ず」
ディーン「………」
AGE-3(これでいいんだ…これで…僕の力はみんなを守る為にあるんだ…これでルウが救えるなら、これで…)
ドラゴニュート(これが正しかったかは、俺には分からない、でも、大切な命を救えるなら、俺は…)

その後、ドラゴニュートはAGE-3たちと別れ、ノラルの下へと向かった。

ノラル「ドラゴニュート、お帰りなさい」
ドラゴニュート「母さん、ちょっと聞きたいんだけどさ、何でヴェイガンの人達は地球を攻撃するんだ?」
ノラル「え?」
ドラゴニュート「俺さ、ここでの生活で実感したんだ、ヴェイガンの人達も俺達と同じ人間だって事、でも、地球を攻撃する理由については詳しく知らないんだ」
ノラル「…それはね、ヴェイガンの人達は火星移住計画の失敗によって地球から見捨てられた人達だからよ」
ドラゴニュート「火星移住計画って、旧時代に行われたマーズバースディ計画だよね?」
ラズ「その通りよ、ドラゴニュート
ドラゴニュート「ラズ姉ちゃん…奏真兄ちゃん…」
ラズ「地球の歴史だとマーズバースディ計画によって火星に移住した人間は全員死亡したって事になってるわよね?」
奏真「だが、彼らは火星にセカンドムーンと言うコロニーを建設し、生き延びた、だが、そこで新たな死病が発生したんだ」
ドラゴニュート「それが、マーズレイ…」
奏真「そう、テラフォーミングの失敗で発生した人体に有害な微粒子によって引き起こされる死病…」
ラズ「磁気嵐によってコロニーに巻き上げられるこの微粒子は、火星に住む者達の最大の問題なのよ」
ドラゴニュート「じゃあ、ヴェイガンの人達は、これらの理由の復讐の為に…」
ノラル「悲しいけど、そう言う事なのよ、ドラゴニュート
ドラゴニュート(だから、ルウやディーンは地球にあれだけ憧れていたのか…マーズレイのない、美しい風景のある地球に…)

2101年1月10日、クロストライアルは宇宙空間でも活動できるMS族とウルトラ族を中心に、AGE-3救出部隊を編成、セカンドムーン内へと侵入していた。セカンドムーンのコロニー内にクロストライアルのメンバーが侵入した事は、当然ヴェイガン側にも知れ渡っており、ヴェイガン側はその対応に追われていた。

ダナジン「ザムドラーグ様! コロニー内にビシディアン及びクロストライアルの兵士が侵入したとの報告が!」
ザムドラーグ「何!? ならば兵を送り、奴らを始末しろ!!」
ダナジン「了解です!」
ザムドラーグ(奴らの目的は、あの捕虜のガキ共だろうな、ならば、こちらも対応するだけだ)

その頃、セカンドムーンの客室にいるドラゴニュートやAGE-3は、ヴェイガンの兵士に攻撃を受けていた。ザムドラーグの出した抹殺命令により、クロストライアルに救出される前に始末される事になったのだ。武器を奪われ、まともに戦う事の出来ないドラゴニュート達は、魔法を唱え、ヴェイガンの兵士達と交戦していた。だが、ドラゴニュートは以前の様な容赦のない攻撃は行っておらず、低威力のファイアで戦力を奪ったり、気絶させたりして戦闘不能にしていた。

ドラゴニュート「大丈夫か? みんな?」
アイラ「は…はい、何とか…」
ファヴール「しかし、何故いきなり抹殺命令が下ったのでしょうか…」

その時、物陰でドラゴニュート達を狙い撃とうとしているヴェイガンの兵士がいた。その事にドラゴニュート達は気づいておらず、その銃口はAGE-3に向けられていた。

ドラゴニュート「AGE-3! 危ない!!」
AGE-3「え?」

ヴェイガンの兵士がビームライフルを撃とうとしたその時、蹴りを食らわして兵士を気絶させたガンダム族がいた、ガンダムAGE-2ダークハウンドだ。

AGE-2「怪我はないようだな」

AGE-3は、会った事のないそのガンダム族の事を知っていた。過去に写真の中でのみ見た事のあるその姿、今はその時の姿とは違うものの、AGE-3は彼を知っていた。

AGE-3「とう…さん…?」
AGE-2「待たせたな、AGE-3」
ドラゴニュート「あのガンダム族がAGE-3のお父さんか…」
ファヴール「ガンダムAGE-2、過去のヴェイガンとの戦いで活躍したと記されています」

その後、少し遅れて他のクロストライアルメンバーもやって来た。

ネクサス「AGE-2さん! AGE-3くんは見つかりましたか?」
デスティニー「…って、ドラゴニュート!? 何でこんな所に!?」
ドラゴニュート「いや、ちょっと色々あってな…」
AGE-2「君達もAGE-3の仲間か、なら話は早い、脱出艇は用意してある早く向かうぞ」
AGE-3「ちょっと待って、父さん、僕、一緒に連れていきたい人達がいるんだ」
ドラゴニュート「俺も、一緒に連れていきたい人がいる」
デスティニー「お前…この忙しい時に何を…」
AGE-2「いいだろう、だが、できるだけ早く頼むぞ」
AGE-3「うん!」
ドラゴニュート「じゃあ、ちょっと行ってくる!」

そう言って、AGE-3はルウの下へ、ドラゴニュートはノラルの下へと向かった。セカンドムーンのディーンの家に向かったAGE-3は、大急ぎでディーンの家に駆けこんだ。

AGE-3「はぁ…はぁ…ディーン! ルウ!」
ディーン「…AGE-3か…来てくれたんだな…」

ディーンの様子は、いつもの様子と違っていた。その様子に、AGE-3はある違和感を覚えた。

AGE-3「…ディーン、ルウは…?」
ディーン「ルウは…死んだよ」
AGE-3「え…?」
ディーン「もう、限界だったんだ…」

ベッドには、綺麗な表情で息を引き取ったルウがいた。その表情は眠ったようにも見え、とても死んでるようには見えなかった。

AGE-3「は、はは…嘘、だよね…? 僕を驚かせようとしてるだけなんでしょ…?」
ディーン「最後まで、笑ってたよ、ルウは幸せだったと思う、お前達のおかげだ…」
AGE-3「っ…! そんな事ない…僕は何も…」
ディーン「ほら、見てみろよ、これ…」

ディーンがAGE-3に手渡したものは、ルウの絵日記だった。絵日記には、彼女に決して来ることのない未来の事が書かれていた。AGE-3の誕生日の日にAGE-3に対して感謝の言葉を綴ったメッセージカードを書いた事、そして、AGE-3やドラゴニュート達と共に地球にやって来てここで新しい生活が始まると言う事、どれも、命を落とした彼女にはない未来、AGE-3は絵日記を見ながら大粒の涙をこぼした。

ディーン「お前やみんなと出会って、あいつは…希望の意味を知ったんだ…」
AGE-3「う、うぅぅ…ルウ…ぅぅぅ…」
ディーン「…その日記、お前が持っていってくれないか?」
AGE-3「え…?」
ディーン「お前にあいつの事、覚えていてほしいんだ…もう…二度と会えなくなるんだろ…?」
AGE-3「!? ディーン…もしかして…僕達の…事…」
ディーン「早く行けよ!」
AGE-3「…!」
ディーン「行ってくれ…頼む…でないと、俺は…」
AGE-3「…ごめん…ごめん、ディーン…!」

そう言い残し、AGE-3はディーンの家を後にした。

その頃、ドラゴニュートはノラルのいる部屋へ来ていた。しかし、そこでは既に奏真とラズとその部下が先回りしており、ノラルは彼らに人質として囚われていた。

ドラゴニュート「母さん…!!」
ノラル「ドラゴニュート…」
奏真「動くな、ドラゴニュート、少しでも動けば、お前の母親の首が飛ぶぞ」

ノラルの首には奏真の愛剣、ダーインスレイヴが添えられており、文字通り、少しでも動けばノラルの命はなかった。

ドラゴニュート「奏真兄ちゃん! やめてくれ! 俺は…兄ちゃん達と戦いたくない…!!」
奏真「ならば、俺達の下に残れ、それが一番最善の方法だ、それとも、母親を犠牲にして仲間の下に残るか?」
ドラゴニュート「…俺には、どっちも選べない…」
ラズ「じゃあ、どうする気なの?」
ドラゴニュート「奏真兄ちゃんもラズ姉ちゃんも、母さんも、みんなで一緒に戻るんだ!」
奏真「甘いな、俺が今更お前達クロストライアルに力を貸すとでも?」
ドラゴニュート「聞いてくれ、兄ちゃん、俺、ここでの暮らしは楽しかった、そして、火星の人達も俺達と同じ様に苦しんでるって分かった」
奏真「だから何だ」
ドラゴニュート「俺、地球の人達も、火星の人達も、みんな助けたいんだ、その為には、兄ちゃんやラズ姉ちゃんの力が必要なんだ!」
ラズ「私達の力が…?」
ドラゴニュート「誰も悲しまない世界を作る…それが俺の目指す道だ!!」
奏真「誰も悲しまない世界…か…」

奏真たちは以前のドラゴニュートなら絶対言わないその言葉に感化された。敵を倒して平和な世界を作るのではなく、敵と共存しようとするその姿勢、奏真たちは彼ならきっと世界を変える事ができると確信した。

ラズ「…ねえ、奏真、もういいんじゃない…?」
奏真「…俺もラズも…あいつの平和ボケな考え方に感化されたのかもな…」

すると、奏真はノラルの首元からダーインスレイヴを降ろした。

ドラゴニュート「兄ちゃん…!」
奏真「俺達が味方に付いた所で、イフィニアドに勝てるかは分からんが、お前と共に戦うのも悪くはないかもな…」

すると、奏真は部下の3人に合図を出した。部下の3人であるターニャ、ミーナ、ノクトの3人は、どこかへと去って行った。

奏真「お前に同行するついでだ、大河も連れてきてやろう」
ラズ「あなた達から預かっていた武器も持ってきてくれるわよ」
ドラゴニュート「え…? でも大河は冷凍刑に処されたんじゃ…」
奏真「つい最近、冷凍刑から解放して牢獄に入れていたんだ、お前には内緒でな、フッ、どうやら俺もお前達に感化されたようだな…」

しばらくすると、部下の3人が大河と武器の入ったケースと共にやって来た。大河は茶髪ショートカットで緑の瞳をした平凡な少年であった。久々に兄であるドラゴニュートを見た大河は、驚いた様子を見せていた。

大河「兄さん!」
ドラゴニュート「大河、久しぶりだな、無事でよかった…」
大河「で、これからみんなでここから脱出するんだよね?」
ドラゴニュート「ああ、急がないと追手が来るからな、早く行くぞ」
大河「うん!」
奏真(さて…戻るはいいが、蒼乃に何と言われるか…)

セカンドムーン周辺では、クロストライアルのMS族とウルトラ戦士を中心に、攻撃を仕掛けてくるヴェイガンの部隊と交戦していた。部隊を指揮するのは、ザムドラーグと言う大型のMS族であり、高い火力と防御力を生かし、クロストライアルの面々を苦戦させていた。だが、AGE-2率いる突入部隊がAGE-3達を救出する事を信じ、彼らはヴェイガンの部隊と激しい戦いを繰り広げていた。

サイバスター「ったく、あいつらはまだ帰ってこないのかよ?」
F91「大丈夫だ、きっとAGE-3を連れて帰ってくるさ」

そんな話をしていると、セカンドムーンから一隻の脱出艇がやって来た。護衛にはデスティニーとネクサス、そしてAGE-2がいた為、この脱出艇にはAGE-3がいる事が確定していた。すると、その脱出艇にザムドラーグが気付いた。

ザムドラーグ「フフフ…どうやらあれにあのガキ共が乗っているようだな」
ビルバイン「まずい!」

ザムドラーグは脱出艇にビームクローで攻撃を仕掛ける為、接近した。それに対しネクサスは蹴りを放ち、ザムドラーグを吹き飛ばした。    

ネクサス「この中には僕の仲間がいるんだ、絶対にやらせはしない!!」

続けてデスティニーは大型の剣、アロンダイトを手に取り、ザムドラーグ目掛けて振り下ろした。だが、ザムドラーグはその攻撃を間一髪回避し、ビームクローでデスティニーを殴り飛ばした。そのままデスティニーは脱出艇にぶつかり、脱出艇は大きく揺れた。

ドラゴニュート「おっと! どうやら外では激しい戦いが起きているようだな」
ノラル「大丈夫かしら…」
アイラ「大丈夫ですよ、私達のお仲間は頼りになりますから」
ファヴール「そうです、クロストライアルは地球最強の部隊ですから」
奏真「地球最強の部隊…か…」
大河「兄さんはそんな強い部隊の一員なんだね!」
ドラゴニュート「いや、俺なんてまだまださ」

シオリ「…ねえ、AGE-3がいない事、気付いてる?」
ノラル「そう言えば、どこにもいないわね…」
ラズ「AGE-3なら、さっき発進口の方に向かって行ったけど…」
ドラゴニュート「いつの間に…」
アイラ「と、言う事はヴェイガンと戦いに行ったんじゃ…」

アイラの推測通り、AGE-3は宇宙に出てザムドラーグと戦っていた。

AGE-3「………」
ザムドラーグ「フン、ガンダム族のガキめ、逃げたんじゃなかったのか?」

すると、AGE-3は無言のまま、ビームサーベルザムドラーグの腕や足を斬りつけ、戦闘ができなくなる程度のダメージを与えた。

ザムドラーグ「ぐあぁっ! 貴様、何を!?」
AGE-3「今すぐ撤退してください、僕は、命まで奪いたくありません」
デスティニー(AGE-3…)
AGE-2(なるほど、それがお前の選んだ道か…)

だが、ザムドラーグは痛む腕と足を動かし、なおも戦おうとした。その時、セカンドムーンの方から1体のガンダム族が現れた。そのガンダム族とは、ヴェイガンの首領、ガンダムレギルスであった。

AGE-2「レギルス…!」
ザムドラーグ「レギルス様!」
ネクサス「ヴェイガンの首領が自ら現れるなんて…!」
レギルス「退がれ、ザムドラーグ、この場は私が預かる」
ザムドラーグ「了解しました、ザムドラーグ、撤退する!」

そう言い残し、ザムドラーグはその場を後にした。

レギルス「さて、クロストライアルの諸君、少し相手をしてもらおうか…」
AGE-3「レギルスさん…僕は…」
デスティニー「AGE-3、今はあいつと話し合ってる場合じゃない!」
ネクサス「相手はヴェイガンの首領、無事で帰れる保証はないからね」
AGE-3「…分かりました」

デスティニーはアロンダイトで、AGE-3はビームサーベルで攻撃を仕掛けた。しかし、レギルスはビームサーベルで切り払い、無力化した。続けてネクサスは胸のエナジーコアからコアインパルスと言う光線を放った。だが、レギルスは素早く回避し、ネクサスをビームサーベルで斬りつけた。

ネクサス「強い…!」
デスティニー「流石、ヴェイガンの首領と言った所だな!」
AGE-2「下がれ、あいつは俺が相手をする」
レギルス「AGE-2か…久しぶりだな」

AGE-2とレギルスは学生時代を一緒に過ごした友人であったが、卒業式の日にレギルスがヴェイガンであることを告白、その後、幾度となく戦いを繰り広げたライバルなのである。

レギルス「お前が相手なら、本気で行った方がよさそうだな…」

すると、レギルスは体の周りに光の球を発生させた。この球はレギルスビットと言い、飛ばして攻撃するほか、一か所に集めてバリアのように防御をする事ができるのである。

レギルス「行けッ!!」

レギルスがビットを飛ばすと、AGE-2やデスティニー、ネクサスに命中し、後方で航行していた脱出艇にもかすってしまった。

ドラゴニュート「うあっ!?」
アイラ「な…何ですか!? 敵の攻撃ですか!?」
奏真「どうやら、レギルスとお前の仲間が戦ってるようだな」
ドラゴニュート「そんな…! くっ! 助けに行きたいけど、俺は宇宙に出れない…」
ファヴール「…出れますよ」
ドラゴニュート「…えっ?」
デスティニー「くっ! これがヴェイガンの首領の力か…!!」
レギルス「そろそろトドメと行くぞ!」

その時、レギルスの前に現れたのは、ファヴールに乗ったドラゴニュートであった。ファヴールには、宇宙でも活動できる空気のバリア、エアフィールドを発生させる機能が付いており、この機能を使う事で、ドラゴニュートは宇宙に出る事が可能なのである。当然、突然現れたドラゴニュートには、全員驚いていた。

デスティニー「…ドラゴニュート、お前、何してんの?」
ドラゴニュート「いや、エアフィールドを発生させれば宇宙に出れるってファヴールが言ったからさ」
ネクサス「本当に無茶するよ、君は」

だが、なおもレギルスはレギルスビットで攻撃を仕掛け、ドラゴニュート達はそれを回避するので精一杯であった。

AGE-3「もうやめてください…! 僕はあなたのおかげでヴェイガンも僕達と変わらない同じ人間なんだって事を知った!」
ドラゴニュート「AGE-3…」
AGE-3「だから、みんながこの事を知れば、少なくともヴェイガンとの戦争は終わるはずです!」
レギルス「戦争は終わる、か…ならば一つ教えてやろう、前ヴェイガンの代表であるイゼルカント様がこの戦争を始めた理由は、ヴェイガンを地球に移住させる為ではない事を」
デスティニー「何!?」

レギルスは語り始めた、前ヴェイガンの代表、イゼルカントの本来の計画、プロジェクト・エデンを…。怪獣災害や怪人との戦い、そして人間同士の終わりのない争いと言った旧世紀から続く戦乱の歴史を見て来たイゼルカントは、このままではいずれ人類は滅びると感じた。そして、イゼルカントは決して争い事をしない、賢い者達を集めた人類の創造に着手する事にした。その為にイゼルカントはヴェイガンと地球統合軍との戦争を勃発させ、極限状態における人間の能力を調べ上げ、その上で優れた人類種を選び出す事にしたのだ。イゼルカントは志半ばでマーズレイが発病し、命を落としたが、プロジェクト・エデンの計画はレギルスが引き継ぎ、続行。だが、その途中で宇宙帝国イフィニアドが地球に襲来、計画は困難に思えたが、イフィニアドの皇帝はこの計画に乗ると同時にヴェイガンを支援した、そして現在もプロジェクト・エデンは継続中と言う事である。この事を知ったデスティニーやネクサスは激怒した。

デスティニー「ふざけるなッ! そんな事が、許されると思っているのか!」
レギルス「許す、許さないの問題ではない、イゼルカント様は生前こう仰っていた、選ばれた者達による新たな理想郷を築き上げなければ人類は滅びると…」
ネクサス「そんな事、傲慢だとは思わないのか!?」
レギルス「傲慢だと思うなら、思ってくれても構わない、だが、人類が争いをやめるならいいと思わないか?」
AGE-3「でも、それじゃあ…選ばれなかった人達はどうなるの?」
レギルス「大いなる理想の為に犠牲はつきものだ」
ドラゴニュート「ふざけるなッ! 大いなる理想の為に犠牲はつきものだと? ふざけんじゃねえぞ! 命は何よりも大切なものだろうが!!」
レギルス「今すぐ理解しろとは言わない、だが、お前達には私と共に来てほしい、共に新世界の扉を開く為に…!」
ドラゴニュート「断る!」
レギルス「何故そこまで否定する、お前もヴェイガンの世界を見て人の争いが世界にどんな悲しみをもたらすのか知ったのではないか?」
ドラゴニュート「ああ、知ったよ、だがな、犠牲の上に成り立った平和なんて、俺は望まない!!」

ドラゴニュートの言葉に続き、先ほどまで口を閉じていたAGE-3も口を開いた。

AGE-3「あなたの目指す世界は確かに理想郷なのかもしれない…でも、そこには…シャナルアさんが…ルウがいない!」
レギルス「何を…そのような小さい事にこだわり、大局を見失うな」
ドラゴニュート「小さい事…か…レギルス、そんな考えのお前には一生分からないだろうな」
AGE-3「ルウに…家族に生きてほしいって、みんなに生きてほしいって願うのは誰だってある事じゃないか! それを無視していいわけないよ!」
レギルス「…お前達ならば、理解できるかと思ったが…残念だよ…」

すると、レギルスはレギルスビットでドラゴニュート達を攻撃した。先ほどより攻撃が激しく、レギルスはプロジェクト・エデンを否定するドラゴニュート達を抹殺するつもりでいるのだ。

ネクサス「くっ! これが奴の本気か!!」
レギルス「私は必ず実現させねばならん! 全てはこの戦争の先にエデンを創り出す為に!!」

ドラゴニュート達はレギルスビットの嵐を受け、ダメージを負っていた。

レギルス「ここで消えろ! AGE-3! ドラゴニュート!」

レギルスの放ったレギルスビットは、ドラゴニュートのAGE-3の腹部を貫通した。

デスティニー「ドラゴニュート!!」
AGE-2「AGE-3!!」

腹部を貫かれた2人は、どんどん意識が遠のいていき、やがて、彼らの目の前は真っ暗になった。目の前が真っ暗になった2人は、やがて何も感じなくなった。これが全ての生物が行きつく先の「死」なのか、このまま全てが無となり、消滅してしまうのか、その先には、苦しみも悲しみも無い世界が待っているのか、そうあってくれればどれほど幸せだろう。だが、彼らにはまだやるべきことがある。ここで死んでいる暇はない。しかし、自分達は先ほど体を貫かれ、命を落としてしまった。もう、生き返る事は出来ない、戻る事も出来ない。その時、2人の胸の中にある炎が輝きだした。これは、命の炎か、それとも仲間の祈りか。その炎の中に、見えるものがあった。それは、今までこの世界を守るために戦った戦士達、一年戦争グリプス戦役を戦ったガンダム族、地球を守る為に戦ったウルトラ戦士、ショッカーやデストロンと戦った仮面ライダー、その他にも、この世界を守る為に戦った戦士達の姿が見えた。そう、彼らの戦いの上、この世界は成り立っている。すると、ドラゴニュートとAGE-3の目の前に光が見えた。彼らには地球を守り抜いた戦士達と同じく、やるべきことがある。2人は手を伸ばし、光を手にした。彼らが光を手にしたその時、命の炎が消えていた2人の体が輝きだした。

デスティニー「な…何だ…!?」
ネクサス「2人の体が…光ってる…!?」
ファヴール「マスター…!」

その輝きが収まった時、2人の姿は変わっていた。ドラゴニュートは髪が長くなり、白い髪が背中辺りまで伸びていた。青い瞳も以前より透き通っており、顔つきも中性的な顔から女性的な顔になっていた。服装も昔の様な青い服装ではあったものの、赤いマントを羽織っており、以前とは別人のようであった。

一方のAGE-3は白と青が主体の見た目になっており、肩や腰、腕や背中に緑色のブレード、Cファンネルが装備されていた。その姿はAGE-3の時とは全く違っており、AGE-1、AGE-2、AGE-3の全てを超越したまさに最終進化形態と言った姿であった。

デスティニー「ドラゴニュートとAGE-3の姿が変わった!?」
ネクサス「進化したのか…!?」

ファヴール「マスター…とうとう女性になってしまったんですか…」
ドラゴニュート「待て待て! 俺は男のままだって! てか、声まで女みたいになってるし…」

ドラゴニュートの声は以前よりも高くなっており、知らない人が聞いたら確実に女性と間違えるレベルであった。

AGE-3?「僕…進化したんだ…」
AGE-2「なら、お前は今日からAGE-FXに改名だ」
AGE-FX「FX?」
AGE-2「Follow X-Rounderの略だ、いつかお前が進化した時、名前を変えようと思っていたんだ」
AGE-FX「AGE-FX…か…」

その時、レギルスはレギルスビットを放ってきたが、ドラゴニュート達は間一髪回避し、大事には至らなかった。

レギルス「進化して復活したか…ならもう一度体を貫くまでだ!!」
ドラゴニュート「くそっ! あくまでも俺達を殺す気かよ!!」

その時、遠くから猛スピードで迫ってくる人物がいた。人物の正体はカイトであり、手にはブラックヴィエルジュが握られていた。

カイト「ドラゴニュート! 無事だったか!」
ドラゴニュート「カイト!? お前なんでここに!?」
カイト「いや、何か嫌な予感がしてな、飛んできたんだ」
デスティニー「てか、お前も宇宙に出れたのかよ…」
カイト「ああ、どうやらそう言う体質らしくてな、前も宇宙に出た事があったし」

カイトはドラゴニュートにブラックヴィエルジュを手渡した。

ドラゴニュート「これは…もう一本のヴィエルジュ!?」
カイト「ああ、アリスさんがくれたもう一本のお前の剣だ!」
ドラゴニュート「よし! AGE-FX! 俺に合わせろ!」
AGE-FX「はい! みんなで生きて帰る為、僕も戦います!」

ドラゴニュートはファヴールに乗り、AGE-FXと共にレギルスに向かって行った。

ドラゴニュート「スパークブレードダブル!!」
AGE-FX「Cファンネル! 展開!!」

ドラゴニュートは電撃を纏った2本のヴィエルジュで、レギルスをX字に斬りつけ、ダメージを与えた。一方のAGE-FXは、体中に装備されたCファンネルを展開し、脳波で遠隔操作してレギルス目掛けて放った。遠隔操作されたCファンネルはレギルスの体を斬り裂き、この2回の攻撃でレギルスはかなりのダメージを負った。

レギルス「くっ! 馬鹿な! これほどまでとは…!!」
AGE-2「レギルス! まだやるつもりか?」
レギルス「この状況、どう見ても私が不利だ、私は一旦形成を立て直す、だが、お前達とはいつか必ず決着を付けるつもりだ」

そう言い残し、レギルスは撤退した。

AGE-2「今がチャンスだ、俺達も撤退するぞ!」
AGE-FX「うん!」

ドラゴニュート達は戦闘中域から離脱した。その後、無事に安全空域まで離脱し、アイラたちの乗る脱出艇とも合流した。その後、ドラゴニュート達が脱出艇に戻ると、姿の変わったドラゴニュートとAGE-FXを見て、アイラやノラル達が驚いていた。

アイラ「えっと…何があったんですか?」
ドラゴニュート「いや…俺に聞かれても進化したとしか…」
ラズ「一瞬女の子かと思ったわよ、でも、そんなドラゴニュートも好き」
ノラル「見た目が変わったとはいえ、無事でよかったわ」
ドラゴニュート「母さん…」

2101年1月17日、セカンドムーンから無事帰還したドラゴニュート達はセイバークルーザーへ帰還、AGE-FXはディーヴァに帰還し、仲間との再会を喜んだ。

ドラゴニュート「えっと…ただいま」
蒼乃「馬鹿ッ!!」

蒼乃は突然ドラゴニュートに平手打ちをした。ドラゴニュートが驚いて蒼乃の顔を見ると、その目には涙が溜まっていた。

流羽「お兄ちゃん!!」

続けて、流羽がドラゴニュートに抱き着き、ドラゴニュートの胸の中で号泣した。急に蒼乃や流羽の前から姿を消し、進化して姿を変え、挙句の果てにセカンドムーンにいたのだ、無理もないだろう。

蒼乃「どれだけ心配したと思ってるのよ! この馬鹿!!」
流羽「心配…したんだからぁ…! うわあぁぁぁん!!」
ドラゴニュート「ごめん…でも、これからはみんなと一緒だから…」
大河「そうだよ、姉さん、僕や兄さんもいるんだしさ」

そう言うと、奏真、ラズ、その部下3名が入って来た。すると、蒼乃はズカズカと奏真の方に向かって行くと、握り手で奏真の顔面をぶん殴った。かなりのフルパワーで殴った為、奏真は後方に吹っ飛び、壁に体をぶつけた。

奏真「お前なぁ…実の兄にそこまでするか?」
蒼乃「うっさい! アンタの顔なんか見たくもないわよ!!」
流羽「そうだよ! 一回は裏切った癖に!!」
奏真「おいおい…ドラゴニュートや大河と比べると、えらく歓迎されてないようだな…」
ドラゴニュート「姉ちゃん、流羽、兄ちゃんは俺達と共に戦ってくれるんだぜ?」
蒼乃「と、言われてもねぇ…」
奏真「俺の事が信用できなければ、ここで斬ればいい」
蒼乃「…分かったわよ、信用してあげるわ、でも、変な事をしたら…?」
奏真「承知している」
大河「これで一件落着だね」
レイラ「めでたしめでたし、ね」

ノラル「ドラゴニュートったら、こんないい家族を持って…幸せね」
ドラゴニュート「母さん…これからは母さんも俺達の家族だよ」
ノラル「え…? でも…」
蒼乃「ドラゴニュートの本当のお母さんなら、家族でもいいんじゃないですか?」
奏真「俺は賛成だ」
流羽「私もさんせーい!」
大河「僕も賛成だよ、ノラルさん」
ノラル「ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいわ」

ドラゴニュート達が仲間との再会を楽しんでいる間、クロストライアル艦隊はセカンドムーンの宙域を離れ、無事に地球圏まで帰還していた。その頃、セカンドムーン宙域近くまで移動してきた。イフィニアドの要塞、インペリアルフォートレス内では、シャドームーンが抜けて3人になった四天王が会議をしていた。ここに来て幹部である奏真とラズが裏切り、更にドラゴニュートとAGE-3が進化してヴェイガンの首領であるレギルスを追い払ったのだ。つまり、クロストライアルは今やイフィニアドに匹敵する戦力を持っている。もはや量産型の機動兵器や洗脳した怪獣、部下の怪人やMS族などでは相手にならなくなっているのである。

ルシファー「今やクロストライアルは我々を凌ぐ力を持っている可能性がある、このままでは危険だ、早く手を打たねば」
ベリアル「ヘッ! お前が皇帝の言う事ばかり聞いているからだろ」
ダークシャドウ「だからさっさと潰せばいいものを…イフィニアドは兵力の無駄遣いがお好きなようで…」
ルシファー「貴様ら! 皇帝陛下とイフィニアドの侮辱は許さんぞ!!」
ダークシャドウ「お? やるか?」
ベリアル「面白そうじゃねえか、俺も混ぜやがれ」
ルシファー「…まあいい、実は、抜けたシャドームーンの後釜が今回、新たな四天王になるのだ」
ベリアル「後釜?」
ダークシャドウ「一体誰だ、雑魚じゃねえだろうな」

その時、ダークシャドウ目掛けて黒い稲妻が一直線に飛んできた。ダークシャドウはその攻撃を間一髪回避し、黒い稲妻の飛んできた方を見ると、そこには黒髪のドラゴニュートがいた。そのドラゴニュートの見た目は進化前のドラゴニュートに似ているが、髪が黒く、着ているコートが黒い、瞳が赤いと言う、まさに悪のドラゴニュートと言った見た目であった。

???「俺の事を雑魚と言ったのはお前か? どうやら死にたいらしいな」
ダークシャドウ「てめえ…この俺様に攻撃を仕掛けてくるとはな…」
ルシファー「紹介しよう、彼が新たな四天王、ダークドラゴニュートだ」
ダークシャドウ「ダークドラゴニュート? ダークカイトのパチモンみたいな奴だな」
ダークドラゴニュート「貴様…どうやら本当に死にたいらしいな…」
ルシファー「ダークドラゴニュートドラゴニュートの遺伝子から誕生したドラゴニュートのクローンだ」
ベリアル「おいおい、それって強いのか?」
ルシファー「もちろんだ、その強さはオリジナルの3倍、今の進化したドラゴニュートにも余裕で勝てるだろう」
ダークドラゴニュート「そう言う事だ、分かったか?」
ダークシャドウ(くっ…気に入らねえ奴が増えやがって…)

一方、クロストライアル総司令のシンヤ・アマギリは、ロストロウラン戦線から現在までの出来事を蒼乃の口から伝えられた。犠牲は出たもののロストロウランでの戦いに勝利し、ヴェイガンに攫われたAGE-3達を救出し、現在は無事に地球へと帰還していると伝えると、シンヤ司令からは労いの言葉がかけられた。

シンヤ司令「それは大変だったね、蒼乃くん」
蒼乃「そうですね、ところで、地球の方は?」
シンヤ司令「ああ、地球上にいたイフィニアド及びヴェイガンはグレイシア隊率いる地球統合軍の活躍でほぼ鎮圧されたよ、世界は少しずつ平和に近づいて行ってるさ」
蒼乃「それは良かったです、ところで、セカンドムーンで生活をした隊員数名がこんな事を言ってまして…」
シンヤ司令「何だい? 何でも言ってみなよ」

蒼乃はAGE-FXやドラゴニュートがヴェイガンと和平交渉したいと言っている事を伝えた。セカンドムーンでヴェイガンの真実を見せられた彼らにとって、もはやヴェイガンは普通の人間と同じであった。だが、現実はそう甘くはなく、シンヤ司令によると和平交渉は難しいと伝えられた。

蒼乃「やはりそうですよね…」
シンヤ司令「当たり前田のクラッカーだよ、今まで、それも僕が生まれるずっと前から戦争している相手に対して、今更戦争やめましょうなんて言っても無理だよ」
蒼乃「私達もそう伝えているのですが…他の隊員の言う事を全く聞き入れないのです」
シンヤ司令「まあまあ、無理に聞き入れさせなくていいから、彼らには彼らなりの考えがあるんだろうしさ」
蒼乃「そうですね、では、地球に戻ってから色々とお話しさせて頂きます、それでは」
シンヤ司令「分かったよ、じゃあね~!」

そう言って、通信は終了した。通信終了後、蒼乃は考えていた。本当にヴェイガンとの和平交渉は可能なのか? 地球に住む人々を殺し、街を火の海にした彼らと、イフィニアドと結託し、人々を殺戮した彼らと、セカンドムーンで生活したドラゴニュート達には感じ、自分達には分からない感情、蒼乃はその事で頭がいっぱいになっていた。

一方のドラゴニュートは、久々にセイバークルーザー隊の仲間達と会話し、絆を深めていた。久々に出会ったら姿が変わっていたドラゴニュートに対し、仲間達は驚きを隠せないと同時に、ドラゴニュートの新たな姿に興味津々であった。

ヴィオレッティ「ドラゴニュート、あんた本当に女みたいになったわね」
ドラゴニュート「ああ、ついでに声も女みたいになったよ」
レイラ「こうして見ると、結構かわいいかも」
イオナドラゴニュートさん、またメイド服着ます?」
ドラゴニュート「勘弁してくれよ…」
アイラ「今ならあの時より似合うと思うんですけど」
ファヴール「マスター、また着てください」
ドラゴニュート「アイラとファヴールまで…」

カイト「ところでドラゴニュート、ブラックヴィエルジュはどうだ?」
ドラゴニュート「ああ、あれね、ヴィエルジュと同じ感じで使ってるよ」
イオナ「どっちの手に装備してるんですか?」
ドラゴニュート「右手にヴィエルジュ、左手にブラックヴィエルジュを装備してるよ」
ダークカイト「カイトがアルスマ界で出会った黒の剣士みたいだな」
Gセイバー「ところで、ブラックヴィエルジュって、ヴィエルジュとどう違うんだい?」
ドラゴニュート「う~ん…使ってみた感じ、あまり変わりはなかったな…」
蒼乃「アリスさんが言うには、後に作られたブラックヴィエルジュの方が少し丈夫なだけらしいわよ」
デスティニー「蒼乃さん! 報告はもう終わったんですか?」
蒼乃「ええ、終わったわ、後は地球に帰還するだけよ」
ネクサス「地球に帰ってもイフィニアドやヴェイガンとの戦いは続くのか…」
蒼乃「そうね、でも、もうすぐこの戦いは終わるはずよ」
ドラゴニュート「そうだな、よし! 戦いを終わらせる為に頑張るぞ!!」

その時、艦内にオペレーターである穂乃果から通信が流れた。その声から察するに想定外の出来事が起きたのか、焦っているようであった。

穂乃果「蒼乃さん! 大変です!!」
蒼乃「どうしたの!?」
穂乃果「地球の北太平洋に、突如巨大要塞が現れました!!」
蒼乃「何ですって!?」

穂乃果が艦内のモニターに北太平洋の様子を映すと、北太平洋の上空に500kmはあるであろう巨大要塞が現れていた。その巨大要塞の内部からは、多数の戦艦が出撃し、地球全土に侵攻を開始していた。

ラズ「あれは、イフィニアドの本拠地である超巨大要塞インペリアルフォートレスよ」
カイト「じゃあ、あれを破壊すればイフィニアドとの戦いも終わるって訳だ」
ラズ「でも、あの中には居住区があって、イフィニアドの一般市民も大勢いるわ」
カイト「え? それじゃあむやみに攻撃できないじゃないか!!」
ドラゴニュート「だったら、突入して指揮官を倒すしかないな」
蒼乃「どっちにせよ、今から大気圏に突入するから、どうするかは地球に降りてから考えましょう」
ネクサス「そうですね」
イオナ「もうすぐイフィニアドとの決戦なんですね…」
レイラ「この戦い、必ず勝つ…!」
ドラゴニュート「そして、誰も傷つかない世界を作るんだ!!」

誰も傷つかない世界を作る…その為にイフィニアドとの決戦に挑む…果たして、この戦いの行く末は…?