クロストライアル小説投稿ブログ

pixiv等で連載していた小説を投稿します、ここだけの新作も読めるかも?

フリーダムバトル スペシャルエディションV「戦後、まだ終わらない戦い」

2101年1月18日、長きに渡り続いたヴェイガンとの戦争が終結、これと同時に、皇帝などいない事を知ったイフィニアドとの戦争も終結した。これにより、地球には再び平和が訪れ、イフィニアドやヴェイガンとの共存の道が示された。しかし、戦後処理は難航が予想されており、まだまだ課題は山積みだと言える。イフィニアドもヴェイガンも共に長い間戦争を続け、多くの犠牲を出したのだ、こればかりは単純明快にとは行かない。それでも、必ず共に手を取り合って進んでいけるはずである、シド・スレイヴとの戦いの際は共に戦えたのだから。どんなに道のりが険しくとも、本当の楽園を築く為、努力をする必要があるのだ。それが、今生きている者達が死んでいった者達にできる事だからだ。

全てのシド・スレイヴが機能停止した事により、地球上ではシド・スレイヴの後始末が始まっていた。破壊されたり、研究の為に回収されたりなど、様々な扱いを受けていたが、やはり大半が破壊される事となった。それらと並行し、民間人の救助や瓦礫の撤去作業などを行い、これにはイフィニアドやヴェイガンも協力していた。世界は少しずつではあるが、一つになろうとしているのであろう。

インペリアルフォートレスでは、全てのシド・スレイヴが機能停止した事で全ての戦いが終わっていた。居住区に住んでいた民間人はクロストライアルの活躍で死者はおらず、クロストライアルの地上部隊にも戦死者は一人もいなかった。クロストライアルのメンバーは全員やっと終わったかと言わんばかりに地面にへたり込んでおり、空にいた者達も地上に降りて休んでいた。

ドラゴニュート「…終わったか…?」
ネクサス「宇宙に上がったみんながやってくれたみたいだね…」
シャンゼリオン「俺…生きてんのか…やったー!!」
ゴッドリュウケンドー「俺達、やったんだな!!」
アルス「よかった…これでこの世界には平和が訪れるんだな…」
カムイ「これから平和な世界が訪れるんですね…」
翼「ギンガやAGE-FXがやってくれたんだな…」
アリア「帰って来たらおつかれって言ってあげないとね」

その時、ダークドラゴニュートとダークファヴールがドラゴニュートとファヴールに近づいてきた。何かされるのかと二人は身構えたが、ダークドラゴニュートとダークファヴールは二人をじっと見ていた。

ドラゴニュート「な…何だよ…?」
ダークドラゴニュート「いや、これから貴様と決着をつけようかと思ったが、疲れたから今回はいいかと思ってな」
ドラゴニュート「いや、勘弁してくれよ…流石に俺も疲れたって」
ダークドラゴニュート「だろうな…まあ、今回は見逃してやる、決着は今度会った時だ、いいな?」
ドラゴニュート「…あぁ」
ダークファヴール「それでは、私達はこれで…」
ファヴール「また会いましょう」

その後、ダークドラゴニュートはエアバイク形態に変身したダークファヴールに乗ってその場を去って行った。メンバー全員がダークドラゴニュートを見送ると、クロストライアルのメンバー達は戦いの疲れを癒す為、各自セイバークルーザーの食料庫にあった食べ物を持ってきてそれを食べていた。長時間戦っていたのだ、疲労はピークに達しており、心身共に疲れ果てている。その疲れを癒す為、まずは栄養を補給し、その後でゆっくりと睡眠をとって疲れを取る事が大事なのである。ちなみに、機龍やMOGERA、スーパーメカゴジラ等のロボット達は新・轟天号に戻ってエネルギーを補給している。

龍騎「みんな、お疲れ! とりあえず、何か食べようぜ、な?」
トリガー「うん、そうだね!」
トリガーダーク「かなりハードな戦いだったな…」
ティガ「でも、みんなのおかげで僕達はこうして生きてる、そうだよね?」
イーヴィルティガ「ああ、そうだな、だが、まだ全ての戦いは終わっていない、だろ?」
ナイト「ああ、そうだな、ダークドラゴニュートを始め闇の三巨人、そして、この戦いを仕組んだ黒幕…」
レイモン「戦後処理もまだまだ時間がかかりそうだし、真の意味での平和はまだ遠い…か…」
蒼乃「それでも、私達はやるしかないのよ、平和の為に…ね…」
奏真「戦えない者達の為にも、俺達クロストライアルが戦うしかない」
流羽「地球統合軍の人達だって頑張ってるんだし、私達も負けないようにしないといけないね」
大河「僕も、できる限りの事はするよ!」
ドラゴニュート「じゃあ、まずは栄養補給からだな!」

ドラゴニュートはブラウスピカ家の家族に栄養ゼリー等の食べ物を手渡した。急に手渡された為、全員きょとんとしていたが、ドラゴニュートの言葉通り、まずは栄養補給を済ませようと思った。ブラウスピカ家の家族は皆、ドラゴニュートから食べ物を受け取った。

蒼乃「そうね…まずは戦いで消費した栄養を補給しましょう」
奏真「難しい話は後でもできるからな」
流羽「流石に疲れたもんね」
大河「そうだね、兄さんの言う通り、栄養補給も大事だね!」
ドラゴニュート「そう言う事、まあ、ゆっくりしようぜ」

一方、宇宙にいるディーヴァ隊は各自帰艦し、戦いの疲れを取っていた。それと並行して、戦死したセリックとオブライトの死を悼んでいた。明確に戦死した様子を目撃したオブライトと、ヴェイガンの兵士から戦死した事を聞かされたセリック。共に戦って来た仲間が二人も戦死した事で、ディーヴァ隊の面々は深く悲しんだ。

AGE-FX「そんな…セリック隊長…」
ギンガ「あんなにいい人だったのに…まさか戦死しただなんて…」
AGE-2「オブライト…お前の事は忘れない…お前はいい戦友だった…ゆっくり休め…」
メビウス「地上にいる仲間達や遺族の人達に、一体何と伝えればいいんでしょう…」
AGE-1「軍人として戦うことを選んだ時点で、いつ死んでもおかしくなかったのだ、最後まで勇敢に戦った事を伝えればいい」
レオ「頭では分かっているのだが、やはり仲間が死ぬのは辛いものだな…」
セブン「尊い命が失われるのは、いつの時代も辛いものだ、我々は少しでも悲しむ者達が増えないよう、戦うしかない」
AGE-1「そして、我々にはまだ戦後処理が残っている、ヴェイガンとイフィニアド、地球が一つになる為、我々には色々とやるべき事があるのだ」
ビルバイン「それが終わった時、真の意味で一つになれるって訳ですね」
サイバスター「色々と面倒だな」
AGE-FX「でも、僕達は必ずやらないといけないんだ、今度こそ、本当の平和を手に入れる為に…!!」

その後、ディーヴァ隊は地球に帰還し、セイバークルーザー隊と合流した。双方の部隊は共に健闘をたたえ合い、戦争の終結を祝福した。長きに渡って平和の為に戦って来た戦士達だったが、それが遂に報われ、平和を手にした。戦士達の戦いは、ひとまず終わりを迎え、明日からはまた、真の平和に向けて一歩ずつ努力をする事になる。その為にも、今はゆっくり休もうと、誰もが思ったのである。

そして、最終決戦の後…世界は一歩ずつ、復興に向けて歩き始めていた。世界中にあふれていた瓦礫の山もイフィニアドの技術と地球統合軍、クロストライアルの努力で撤去され、今は少しずつではあるが、元の町並みに戻りつつある。撤去作業には、あの後無事が確認された兵器開発局の面々も参加しており、戦後の地球の復興を共に始めていた。北太平洋に着陸したインペリアルフォートレスもイフィニアドの技術で解体され、解体された資材は様々な場面で運用される事となった。インペリアルフォートレスの居住区にいた一般人は住民を快く受け入れてくれる場所に引っ越し、今ではそこで暮らしているそうである。まだ完全に分かり合えたわけではない為、不安は残るが、いつかは必ず分かり合えると誰もが信じている。それと同時に、まだ課題も山積みであった。まずは異世界からの来訪者の件、彼等は半年近く経った今でも、まだ元の世界に帰れていない。更に、元の世界に帰る手段も今の地球にはなかった。もしかしてイフィニアドなら、とも思ったが、残念ながらイフィニアドには特定の世界を選んで転移する技術は持っていなかった。イフィニアドにあるのは宇宙が崩壊を始めた際、次の宇宙に転移すると言うやたらピンポイントな技術のみであった。この事から、いかにイフィニアドが生き残ろうとしたのかが分かる。他にも、イフィニアドの皇帝を名乗った謎の存在、行方の分からない闇の三巨人、ダークドラゴニュートとダークファヴールなど、様々な課題があった。どれも終戦後一切行方が分かっておらず、現在も行方を捜索しているが、未だに見つかっていない。ちなみに、今まで上げた復興の問題やら課題やらは全てクロストライアルの総司令、シンヤ・アマギリがほぼ一人で担当をしている。シンヤ司令は終戦後、ある程度の睡眠を取りつつ、急ピッチでこれらの問題に当たっていたが、途中できつくなったため、AGE-1やストライクルージュ、ピーチ姫やウルトラの父などにも協力を仰ぎ、共に対応している。

最終決戦から一ヶ月が経過した2101年2月18日、各種作業もイフィニアドのロボットがほとんど済ませてしまう為、職を失ったセイバークルーザー隊の面々は、1年の疲れを取っており、全員、ソファーや床に寝そべって久々の休暇を楽しんでいた。

ドラゴニュート「何か、久々の休みだな」
デスティニー「まあ、ずっと働き詰めだったからな、仕方ない」
カイト「久々にゆっくりできて幸せだぜ」
キルシュ「私も、カイトくんといれて幸せ」
ネクサス「君達…もうすっかりこの世界に溶け込んでいるね…」
ダークカイト「帰れないんだから仕方ないさ…未だにテレポート使えないし…」
フォースインパルス「あなた達も悲惨ね…」

イオナ「ところで、ドラゴニュートさんは何でこんな所に抱き枕持ってきてるんですか?」
ドラゴニュート「これがないと寝れないし、これがあると疲れが取れるから」
レイラ「これ、何てキャラ?」
ドラゴニュート「猫宮リリィはねこみみメイドってアニメの猫宮リリィってキャラクターだよ、今一番好きなアニメなんだ」
アイラ「ドラゴニュートさんは…こんな感じの女の子が好きなんですか?」
ドラゴニュート「いやいや、俺はアイラが好きだよ」
ファヴール「マスター、私は?」
ドラゴニュート「ファヴールも、好きだよ」
アイラ&ファヴール「結局どっちなんですか!?」
レイラ「二股は駄目だぞ~選べ~」
イオナ「さあ、どっちを選ぶんです?」
ドラゴニュート「休みなのに…疲れる…」
ノラル「楽しそうね、ドラゴニュート
ドラゴニュート「あ、母さん」

ドラゴニュートはノラルの顔を見ると、ある事を考えていた。それは終戦後、ノラルの身体検査をした際に判明した衝撃の事実の事であった。何と、ノラルのDNA情報はブラウスピカ家の一族の物とほぼ同じDNA情報であり、彼女は実質ブラウスピカ家の家系の人間だったのだ。だが、彼女がブラウスピカ家の人間と同じDNA情報でなければ、血液検査ですぐにドラゴニュートがブラウスピカ家の人間でない事が分かったはずだ。しかし、ノラルの出身地はスコール星、いくら地球によく似た星に住む地球人によく似た種族と言えど、彼女はスコール星人、出身地も地球ではない。では何故、彼女はブラウスピカ家の一族と同じDNA情報を持っているのか? それが一番の謎なのである。一応、ノラルの口からも出身地はスコール星だと語られており、スコール星はイフィニアドがこの宇宙に来る前の宇宙にあった惑星であると言っていた。当然、スコール星に行く手段はなく、真相は闇の中であり、ブラウスピカ一家は何とも言えない心境になっていた。

ノラル「何? まだあの事を気にしてるの?」
ドラゴニュート「うん…まあ、そうだけど…駄目かな…?」
ノラル「駄目じゃないわよ、やっぱり、そう簡単に受け入れられないわよね…私だってそうだもの」
ドラゴニュート「だよね…」

その後、二人は口を閉ざし、しばらく無言の状態が続いた。気まずい状態が続いた為、フォースインパルスが何か話題を考えていたその時、フリーダムベース内に警報が鳴り響いた。

Gセイバー「何だ何だ!?」
穂乃果「レイニールの街の跡地に、ワームホールが発生しました!!」
デスティニー「せっかく平和になったってのに、また何か来るってのか!?」
レイラ「それにレイニールの街の跡地にワームホールが現れたって事は、まさかまたあのウニ頭!?」
ドレイク「その可能性は十分にあるな」
蒼乃「とりあえず、ホバークルーザーに乗ってレイニールの街の跡地に行きましょう!!」

セイバークルーザー隊の隊員たちは小型輸送機であるホバークルーザーに乗り、目的地まで移動した。ホバークルーザーに乗って5分ほど移動すると、その目的地に到着した。すると、そこでは5人の人物がイフィニアドの量産型機動兵器レギオノイドに襲われていた。イフィニアドの保有していたレギオノイドは終戦後、全機作業用に改修され、各地の復興の手助けをしているはずである。なのに、このレギオノイドは戦闘用であり、両腕がダブルアームドリルのαと両腕がガンポッドのβの二機が複数機で見知らぬ5人を襲っていたのだ。更にこのレギオノイドは額に見た事もないエンブレムが描かれており、これがイフィニアドの保有するものではない事は明らかであった。恐らく、イフィニアド以外の勢力が保有している機体なのだろうが、一体どこの所属なのかは不明である。そして、そのレギオノイドと交戦している5人も見た事のない人物達であった。

キサラ「変な光に飲み込まれたと思ったら、シュウくんいなくなってるし、どこかも分からない場所に来てるし、変なロボットに襲われるし、よりによってあんたがいるし、もう何がどうなってるのよ!」
アヤノ「それは私が聞きたいわ、ここは一体どこなの? 少なくとも、ベイロンシティではなさそうだけど…」
トレイン「賞金首追い掛け回してたら、変な光に呑まれて気付けば知らない場所に…なあ、姫っち、これが迷子って奴か?」
イヴ「迷子…って言うより、別の世界に迷い込んだんじゃないかな? 前に私達が入った歪世界みたいな世界に」
ヴァルヴレイヴI「火ノ輪さんと一緒に訓練してたら変な光に飲み込まれて変な場所に来てしまった…火ノ輪さんは無事かな…」

キサラは制服を着た可愛らしい顔立ちをした桃色の長髪の少女であり、長い剣を持ってレギオノイドと交戦していた。
アヤノは水色のスーツを着た青い長髪が特徴の女性であり、アサルトライフルを装備してレギオノイドに立ち向かっていた。
トレインはボサボサの茶髪が特徴の整った顔立ちの青年であり、青と白を基調とした服を着ており、首元には猫の首輪の様なチョーカーを付け、XIIIの刻印が入った拳銃でレギオノイドと戦っていた。
イヴは黒を基調としたミニスカノースリーブの服を着た長い金髪が特徴の少女であり、この少女は髪の毛を刃物や拳に変身させ、レギオノイドを撃破していた。
ヴァルヴレイヴIはこの中で唯一のロボット系統の人物であり、黒と赤を基調としており、ジー・エッジと言う日本刀状の武器を扱い、レギオノイドを叩き斬っていた。ちなみに、彼の言う火ノ輪とはヴァルヴレイヴIVの事である。

デスティニー「ちょっと待て! 何でレギオノイドが人を襲ってんだよ!!」
Gセイバー「確か、レギオノイドは全機作業用に改修されたはず…」
ドラゴニュート「それに、襲われてる人達の身元も気になるな…」
カイト「俺、何人かは知ってるぞ、おーい!!」

キサラ「ん? カイトくんだ! 久しぶりだね~!」
アヤノ「ああ、アルスマ界にいたファイターの1人ね、久しぶり、元気にしてた?」
トレイン「おお、久しぶりだな、カイト、いつ以来だっけ?」
イヴ「久しぶりだね、あの頃が懐かしいなぁ…」
ヴァルヴレイヴI「皆さん、あの人と知り合いなんですね」
カイト「ヴァルヴレイヴIこと火人は…多分俺が会ったのはまた別の世界の火人だな」

蒼乃「カイトくんは彼らと面識があるのね」
カイト「ああ、俺が昔居た世界でちょっとな」
デスティニー「なら、その話を詳しく聞かせてもらう為にも、あのレギオノイド部隊を倒さないとな!」

キサラ「大丈夫、この程度、私達だけで十分だよ」
アヤノ「そうよ、私達だって、何度も死線をくぐり抜けてきてるんだから!」
トレイン「電磁銃は使えなくなったけど、俺にはこのハーディスがあるからな」
イヴ「私も昔より変身(トランス)能力を上手く使えるようになったからね」
ヴァルヴレイヴI「僕は火ノ輪さんを探さないといけないんだ! この程度の敵、倒せるはずだ!」

そう言ってキサラとヴァルヴレイヴIはレギオノイドを次々と叩き斬り、アヤノとトレインは銃弾を撃ってレギオノイドを破壊していた。イヴも髪の毛をナノスライサーと言う鋭い刃に変身させ、レギオノイドをバラバラに切り刻んだ。あっという間にレギオノイドは数を減らしていき、残りは5機となった。トドメはヴァルヴレイヴIが務め、脇腹から折り畳み式の小型鎌、フォルド・シックルを取り出し、一瞬の内にレギオノイド5機を叩き斬り、撃破した。これにより、レイニールの街の跡地に出現したレギオノイドは全機撃破された。

トレイン「片付いたみたいだな」
キサラ「流石に数が多かったから疲れたよ…」

蒼乃「さて…いきなりで悪いけど、ちょっと私達に話聞かせてくれないかしら?」
キサラ「じ~…」
蒼乃「じ…じろじろ見てどうしたの…?」
キサラ「あなた、ちょっとアヤノに似てない?」
蒼乃「いや…そう言われても…」
アヤノ「そんなに似てないわよ」
ドラゴニュート「でも、名前は似てるよな、あおのにあやのさん、だろ?」
キサラ「一文字違いか~、ますます似てるかも…」
アヤノ「だから似てないって」

ヴァルヴレイヴI「何か、話が逸れるなぁ…」
デスティニー「とりあえず、一旦ホバークルーザーに乗ってくれ、本部に移動する」
トレイン「悪いね、ちょっくら乗せてもらうよ」
イヴ「お邪魔しま~す」
ドラゴニュート(人を襲うレギオノイド…新たな異世界からの来訪者…戦争が終わっても、結局戦いは続くのか…)

多くの犠牲を出して終結したイフィニアドとヴェイガンの戦争、後にイフィニアド戦役と呼ばれるこの戦争が終結してもなお、戦いは続く。更に、新たな異世界からの来訪者も現れ、戦いは更に激化していく。

レギオノイドを全て撃破した後、セイバークルーザー隊の面々は異世界からの来訪者5人を連れ、フリーダムベースへと帰還した。そして、彼等からこの世界に来たいきさつを聞く事にしたのであった。

蒼乃「さて…と、まずは自己紹介から初めましょうか…私は蒼乃・ブラウスピカ、セイバークルーザー隊の隊長です」
キサラ「あたしはキサラ、シュウくんの彼女の悪魔だよ、で、こっちにいるのがドロボウ猫の女」
アヤノ「違うわよ! 私は夕桐アヤノ、ベイロンシティの大手PMC、AAA Defender co.に所属するエージェントです」
トレイン「俺はトレイン=ハートネット、早い話が賞金首を捕まえて稼ぐ掃除屋だな」
イヴ「私はイヴ、元の世界だとここにいないスヴェンやトレインと一緒に掃除屋をやってたよ」
ヴァルヴレイヴI「僕はヴァルヴレイヴI、みんなからは火人って呼ばれています」

デスティニー「どうやら、この人達が別の世界から来たのは本当らしいな」
フォースインパルス「ベイロンシティなんて街、この地球にはないものね…」
ネクサス「に、しても久々の異世界からの来訪者ですね…」
カイト「確認されている奴だと、ティラノ、ベンガル、ヒナの3人が最後だよな?」
レイモン「そうだよ、平和になったこの世界で1ヵ月ぶりに現れた異世界からの来訪者、これが何を意味するのか…」
ドラゴニュート「それに、あのレギオノイド…額にあるマークは知らない組織のだった…」
蒼乃「穂乃果、あのレギオノイドについて何か分かった?」
穂乃果「はい、残骸を色々と調べたのですが、あのレギオノイドからは未知の金属が検出されました」
奏真「未知の金属だと…?」

穂乃果はモニターに解析したデータを表示した。そこに記されていたのは、レイニールの街に出現したレギオノイドのデータであり、そのレギオノイドを形成する金属の材質は地球の金属によく似た金属ではあるが、未知の金属である事だった。更に、この金属のデータは様々な星の金属を記録しているイフィニアドのデータベースにも存在しておらず、全く未知の金属である事が分かった。地球上にはなく、イフィニアドのデータベースにも存在しない金属、そんな金属が一体この世のどこにあるのか。セイバークルーザー隊の面々は色々考えた結果、一つの仮説に行きついた。

Gセイバー「なあ、これは一つの仮説なんだけど、この金属は僕達が今いる宇宙の外の物じゃないのかな?」
流羽「私達がいる宇宙の外?」
大河「それって、あれでしょ? マルチバースですよね!」

マルチバースとは、多世界宇宙の事で、この宇宙の外には無数の宇宙が粟粒の様に広がっていると言うものである。この地球上では有名な仮説であり、宇宙に夢を馳せる人々が考える壮大な噂話の様なものである。しかし、この仮説はあくまで噂みたいなものであり、確認した人は誰一人としていない。当然、2101年時点の科学力ではイフィニアドの科学力を使っても確認する事などできない。その為、このマルチバースの仮説が正しいかどうかは永遠の謎なのである。だが、未知の金属を使ったレギオノイドが現れた事で、この仮説も正しく思えてきたのである。

ガイア「マルチ…バース…?」
デスティニー「多世界宇宙の仮説だよ、でも、仮にその仮説が正しかった場合…」
ドラゴニュート「新たな侵略者に、この地球は狙われている…!!」

トレイン「…何かあの人達、俺らほったらかして慌ててるけど、これって俺らもヤバいって事だよな?」
ヴァルヴレイヴI「はい、何でも侵略者がどうとか…」
キサラ「嘘…!? あたしシュウくんに会えないまま死ぬの…?」
アヤノ「あーもー! こんな時でもあんたはいつものペースなのね!」
イヴ「トレインも、危機感ない…」

蒼乃「新たな侵略者…これは大変ね、穂乃果! すぐにシンヤ司令に連絡を! それと、あなた達!」
トレイン「…え? 俺?」
蒼乃「元の世界に戻るまで、私達と一緒に戦ってくれない? 勿論、給料は払うわ」
キサラ「お給料…? いっぱい稼いで元の世界に帰ったら、シュウくん喜ぶかなぁ…」
アヤノ「多分、この世界にベイロンドルはないから稼いでも意味ないんじゃないかしら…」
トレイン「そもそも、あんたらはどんな仕事をしてんだ?」
蒼乃「昔はイフィニアドやヴェイガンと言う侵略者と戦ってたわ、でも、世界が平和になった今、私達がする事は、今ある平和を維持する事、それだけよ」
ヴァルヴレイヴI「元の世界に戻る方法も分からないんですよね?」
奏真「今の所は一切不明だ」
トレイン「…しゃーねえ! 元の世界に戻る方法が分からない今、あんたらと組んだ方が良さそうだな! とりあえず、メシが食えたらそれでいい!」
イヴ「トレイン…まあいいか、私もあなた達に協力します」
アヤノ「この世界の事を良く知らない以上、あなた達と協力した方が良さそうなので、あなた達と協力関係を結びます」
キサラ「あたしも、そうするね」
ヴァルヴレイヴI「僕も、皆さんに協力します!」
蒼乃「決まりね、これからよろしく!」

イオナ「頼りになりそうな方々ですね」
レイラ「そうね、以前の仲間であるヴィオレッティ盗賊団とアクセル盗賊団は世界が平和になった途端に組織抜けちゃうし…ナイル盗賊団はどっか行っちゃうし…」
アイラ「あの人達、最近見ないと思ったら居なくなってたんですね…」
ファヴール「困った人達ですね…」

キサラ「久しぶりだね、カイトくん」
カイト「ああ、久しぶりだな、みんな」
トレイン「カイト、お前しばらく見ない内に大きくなったな!!」
カイト「まあ、成長期だったからな」
イヴ「そう言えば、あれから他のみんなには会った?」
カイト「ああ、カムイちゃんになら会ったぞ、他は…一応別人らしい」
イヴ「あっ、カムイさん居たんだ」
トレイン「あいつには大乱闘で何度も苦戦させられたからな…」
アヤノ「ここにも何人か、よく知る顔がいるみたいだけど?」
カイト「全員別人ですよ、所謂並行同位体みたいな」
キサラ「へ~、凄いな…」

ドラゴニュート「何だ何だ? 何の話だ?」
トレイン「ドラゴニュート! お前イメチェンしすぎだろ! 女みたいになってるじゃねーか!!」
イヴ「トレイン、ドラゴニュートさんも別人だよ」
ドラゴニュート「…どゆこと?」
カイト「まあ、早い話が俺が前いたアルスマ界での話だな、この4人とはそこで面識があるんだ」
ドラゴニュート「そうだったのか…待てよ? じゃあ、やっぱりマルチバースってのは…!」
カイト「ああ、存在するんだろうな、俺達もアルスマ界のマスターであるマスターファフニールから聞いた事があってな」
トレイン「そいつが言うには、俺達は元々別の世界にいて、マスターファフニールが自身の力で俺達をアルスマ界に集めたんだとよ」
アヤノ「つまり、宇宙の外に無数の宇宙があるって仮説は正しいって事なのよ」
ドラゴニュート「つまり、カイト達はその無数の宇宙のどれかから来たって事か?」
カイト「ああ、そう言う事になる、だから、異世界からの来訪者も、アルスマ界で出会ったみんなも、カイスマ界も、全部その無数の宇宙のどれかから来たって事になるんだ」
ドラゴニュート「…駄目だ…壮大すぎて気が遠くなりそうだ…」
トレイン「まあ、そうなるよな…俺も気が遠くなりそうだ…」

その時、突然フリーダムベース内に緊急事態警報が鳴った。この警報は終戦後、万が一の時の為に地球に大気圏外から何者かが侵入した際に鳴る警報となっている。今の所は異世界からの来訪者以外には対応できるようにはなっているが、その内異世界からの来訪者にも対応できる様にするとの事。この警報によると、大気圏外から3機の巨大兵器が侵入してきたらしい。その巨大兵器はそれぞれ違う地域に着陸するとの予測が出た。着陸地点はそれぞれ光の国、降星町、東京の3ヵ所である。

ドラゴニュート「穂乃果さん、この地点って…」
穂乃果「はい、クロストライアルのメンバーがそれぞれ待機している場所ですね」
デスティニー「光の国はウルトラ戦士達、降星町はディーヴァ隊、東京はヒーロー達…か…」
蒼乃「彼等なら大丈夫だと思うけど、何事もなければいいわね…」

光の国の上空では、時空揚陸舟艇デルストが光の国目掛けて急速降下してきた。そして、着陸すると同時に衝撃波が発生し、光の国の住民を吹っ飛ばした。デルストは巨大な戦闘メカであり、赤い目から光弾を放って光の国を破壊した。

ゾフィー「何事だ!?」
ゼロ「せっかく世界が平和になったってのに、くだらねえ事をする奴がいるもんだぜ!!」

デルストはゼロに目掛けて光弾を放ったが、ゼロは片手で受け止めた。そして、額からエメリウムスラッシュと言う緑色の光線を放ってデルストを攻撃し、デルストを爆散させた。しかし、中から3体ほどの戦闘兵器が現れたが、ゼロはその兵器の見た目を見て驚いた。その兵器は見た目がゼロに酷似しており、カギ爪で単眼、カラーリングがブロンズとブラックを基調としたカラーリングである事以外はほぼゼロと一緒なのだ。ゼロによく似たこの兵器は帝国猟兵ダークロプスと言い、ダークロプスはゼロの方を見ると、言葉を発した。

ゼロ「何だよこれは!? 俺の偽物!?」
ダークロプス「ダークロプス部隊より報告…光の国を確認…」
ゼロ「ダークロプスだと…!?」
ダークロプス「ウルトラマンゼロを確認…破壊する…!!」
ゼロ「てめえらっ! 誰に送り込まれたっ!!」

ダークロプスは3人同時にゼロに襲い掛かり、爪でゼロを攻撃した。ゼロもゼロスラッガーを手に取り、応戦したが、3体1では分が悪く、苦戦した。その時、助けに来た2人のウルトラ戦士がいた。1人はゼロの父であるウルトラセブン、そして、もう1人はウルトラマンゼロの自称弟子、ウルトラマンゼットであった。

セブン「ゼロ! 大丈夫か!?」
ゼット「安心してくださいゼロ師匠! 俺が助けに来ましたよ!!」
ゼロ「親父! はともかくゼット! お前は助けに来なくていい!!」
ゼット「何でですかゼロ師匠! 俺はゼロ師匠の弟子でございますよ!!」
ゼロ「俺はお前を弟子にした覚えはない! それに、半人前はおろか三分の一人前のお前じゃ足手まといだ!!」
ゼット「ウルトラショック! ん? 向こうから何か飛んで来る…」

ゼットが空を眺めると、そこにはサメによく似た怪獣、凶暴宇宙鮫ゲネガーグが飛来してきた。ゲネガーグは出自に謎が多い怪獣であり、一説には別次元で作られた人工生命体であると言われている。ゲネガーグは背中と側面にある鰓状の穴から拡散光弾「ゲネパラサイトボム」を放ち、光の国を攻撃した。そして、混乱に乗じて科学技術局を襲撃し、そこで開発したばかりの新兵器、ウルトラメダルとウルトラカプセル、ライザー、ウルトラゼットライザーを飲み込み、強奪した。ウルトラマンヒカリは飲み込まれたものを取り返そうとナイトシュートを放ったが、ゲネガーグはさっさと飛び去り、光の国を後にした。

ヒカリ「くっ! このままでは逃げられてしまう!!」
ゼット「俺が追います!!」

ゼットはゲネガーグの後を追おうと飛び去ったが、ダークロプスの一体がゼットの足を掴み、地面に叩き付けた。そして、そのまま殴り続けられ、ゼットはダメージを負ってしまった。その隙にゲネガーグは空の彼方に逃走し、姿を消してしまった。ヒカリは三分の一人前でありながらゲネガーグを追おうとしたゼットに底知れぬ勇気を感じ、ある決断をした。

ヒカリ「ゼット! これを使え!!」

ヒカリはダークロプスを蹴り飛ばし、ゼットにウルトラゼットライザーと3枚のメダル、1枚のカードを手渡した。メダルにはウルトラマンゼロウルトラセブンウルトラマンレオの横顔が描かれていた。

ゼット「これは…?」
ヒカリ「ウルトラゼットライザー、ウルトラメダル、ウルトラアクセスカードだ、いいか? 今から私の言う通りに使うんだ」

ゼットはヒカリに言われた通り、ウルトラゼットライザーのグリップにあるトリガーを押し、承認待機状態にした。その後、中央のスロットに承認カードであるウルトラアクセスカードをセットし、続けてブレード部分にゼロ、セブン、レオの順にメダルをはめてスキャンした。そして、最後の仕上げにゼットはゼットライザーを空高く掲げた! …が、何も起きなかった。

ゼット「…あれ?」
ヒカリ「トリガーだ、トリガーを押し忘れているぞ」
ゼット「あ、ここか」

気を取り直したゼットがトリガーを押すと、ゼットの姿はアルファエッジと呼ばれる形態へと変化した。セブン、レオ、ゼロと言うセブン一門の歴代の師匠の系譜を集めたこの形態は、宇宙拳法、秘伝の神業と言う言葉が似合っていた。赤と青とシルバーを基調とし、頭部にはビームランプやゼロスラッガーの意匠が追加されているこの形態は、拳法を使って戦う格闘タイプの形態である。

ヒカリ「ゼット、これならお前もあのニセウルトラマンゼロと戦えるだろう」
ゼット「ありがとうございます! ヒカリ先輩!!」

ゼットは向かって来たダークロプスに対し、華麗なパンチやキックを放ち、続けて頭部のゼットスラッガーをヌンチャクの如く扱い、ダークロプスにダメージを与えた。一方のゼロとセブンも得意の格闘でダークロプスを圧倒し、最後はゼロスラッガーアイスラッガーのトリプルスラッガーで二機のダークロプスを切り裂き、撃破した。ゼットは飛び蹴りでダークロプスを吹き飛ばし、ダークロプスは不利と感じ、撤退を始めた。

ゼット「逃がすかっ! ゼスティウム光線!!」

ゼットは胸の前で両手を水平に構え、エネルギーを解放、続けて左手を左上に、右手を右下に伸ばし、斜めに開くと、体の前でエネルギーが大きなZ字を描いた。そして、左手を前に、右手を後ろに伸ばして左右の腕をぶつけ合うようにして十字を組み、必殺光線、ゼスティウム光線を発射した。発射されたゼスティウム光線は上空にいるダークロプスに命中し、ダークロプスを撃破した。

ゼット「何とか倒しましたね! ゼロ師匠!」
ゼロ「あぁ…だが…」
ヒカリ「開発したばかりの新兵器を、ゲネガーグに奪われてしまった…」
セブン「一体奴は、何の目的で新兵器を奪ったんだ…それに、ゼロによく似たロボット…あれは一体…」

一方、復興が進んでいた降星町にもデルストが現れ、近代化改修が施されたディーヴァの艦砲射撃で撃墜したが、案の定中からはダークロプスが3体出現した。このダークロプスに対し、AGE-FX、ギンガ、アリア、翼の4人が相手をしていた。3体の内2体はAGE-FXのビームサーベルとギンガのギンガセイバーの同時攻撃で撃破し、もう一体もアリアの放った銃弾の雨と翼の黒剣ナハトの斬撃で撃破された。だが、もう1体を相手するには4人はかなり消耗していた。

ギンガ「何だよこいつ…ゼロの偽物の癖に、やるじゃねえか!!」
アリア「かなり手強いわね…私達4人を相手にここまで…!!」
翼「せっかく降星町も復興してきたってのに…!!」
AGE-FX「もうこれ以上、この町を壊させはしない!!」

その時、上空から何かが落下してきた。どうやら大気圏外から落下してきたようであり、しばらく真っ赤に燃えていたがすぐに収まり、最終的にパラシュートを開いて降星町に降下してきた。その人物の見た目は仮面ライダーに似ており、宇宙服のような体とロケットの様な頭が特徴の仮面ライダーであった。

???「ふぅ…謎の光に包まれたと思ったら、いきなり大気圏突入なんだからびっくりしちまったぜ! …で、ここはどこだ? 天高じゃなさそうだが…」
ギンガ「ここは降星町だ、それよりお前、仮面ライダーだろ?」
???「おっ、よく分かったな! 俺は仮面ライダーフォーゼ! 天高の連中全員とダチになる男だ! …で、降星町って日本のどこ?」
翼「…なあ、まさかこのフォーゼって人…」
アリア「ええ、多分だけど、異世界からの来訪者ね…」
フォーゼ「え? 異次元の狙撃手(スナイパー)?」

直後、ダークロプスがフォーゼに襲い掛かって来た為、フォーゼはパンチやキックで応戦し、キックでダークロプスを吹っ飛ばした。だが、すぐにダークロプスは体勢を立て直し、鋭い爪でフォーゼを攻撃した。

フォーゼ「おわっ! いきなり攻撃を仕掛けてくるなんて! いいぜ! 仮面ライダーフォーゼ! タイマン張らせてもらうぜ!!」

フォーゼはアストロスイッチと呼ばれるアイテムの一つ、ロケットスイッチをフォーゼドライバーと呼ばれるベルトに差し込んだ。すると、フォーゼの右腕にオレンジ色のロケットが現れ、そのままロケット噴射でダークロプスに突撃した。

フォーゼ「食らえ! ライダーロケットパーンチ!!」

フォーゼのライダーロケットパンチを食らったダークロプスは大ダメージを受け、そのまま大破した。ダークロプスを撃破したフォーゼはそのままAGE-FX達の下へ戻った。

フォーゼ「しっかし、あんなゾディアーツ見た事ないな…メテオもいないみたいだし…一体ここはどこなんだ?」
AGE-FX「落ち着いて聞いてください、ここはあなたの居た世界とは別の世界です」
フォーゼ「なるほど…別の世界か…って、えぇ!?」
ギンガ「つまりあれだ、今風に言うなら、異世界召喚って奴だな!」
フォーゼ「異世界!? って事は…異世界キターッ!!」
アリア「…全く危機感がないわね…」
翼「多分、今の自分がどんな状況か理解できてないだけだと思うぞ…」

そして、東京ではヒーロー達が協力してデルストを撃破し、3体のダークロプスと交戦していた。まず1体目はアバレンジャーのスーパーダイノダイナマイトで爆散、もう1体もシン、ZO、Jのネオライダートリプルキックで撃破した。そして、ダークロプスも残すところ1体のみとなっていた。

龍騎「かなり手こずったが、後は一体だけだ!」
ギャバン異世界から来た俺達もみんなと連携が取れるようになってきたし、この調子で行けば!」
アバレブラック「待ってください! 正面に何かが現れますよ!!」

突如、東京の街の一部分が眩く輝き、そこから複数体のロボット生命体が姿を現した。どの個体もこの世界にいるMSに該当しておらず、オーラバトラー魔装機神とも違った見た目をしており、一部は人間に近い見た目をしていた。彼等はこの世界に来てすぐ、元居た世界との違いに困惑していた。

マジンカイザー「何でぇ何でぇ、光子力研究所に居たはずが、知らない間に街中に来てるじゃねぇか!」
グレートマジンガー「ここはどこだ? 見た所、知らない連中ばかりだが…」
アフロダイA「Dr.ヘルの機械獣とも違うみたいね」
ボスボロット「そっちもいいけどよ、俺達と一緒にこの世界に来たっぽいあいつも何もんだ?」
ネオゲッター1「ったく、ここはどこだよ? トカゲ野郎と戦ってたら訳わかんねえ場所に…って、トカゲ野郎もここにいるじゃねーか!!」

何と、ネオゲッター1と一緒に転移してきたのは、元の世界でネオゲッター1と戦闘中だったメカザウルス・ドバであった。ドバは機械的なロボットの頭部に二匹の巨大トカゲをぶら下げたメカザウルスであり、元の世界ではネオゲッター1と激しい戦いを繰り広げていた。だが、ネオゲッター1の言った通り、戦闘中に無理やりこの世界に転移したようである。ドバはしばらく困惑していたが、標的であるネオゲッター1を捕捉すると、口から火炎を吐いて攻撃、それと同時にダークロプスもマジンカイザーに襲い掛かった。

ネオゲッター1「何だよ、この世界でもやるってのか!?」
マジンカイザー「上等じゃねえか! 返り討ちにしてやる!!」

ネオゲッター1はドバの放った火炎を回避し、両手の間にプラズマエネルギーを高めて頭上に掲げ、ドバにぶつけた。この技はネオゲッター1の必殺技、プラズマサンダーである。プラズマサンダーを食らったドバは電撃がスパークし、そのまま大爆発を起こして砕け散った。一方のマジンカイザーは胸部からファイヤーブラスターと言う超高熱の光線を放った。ファイヤーブラスターは高い威力を誇り、その威力故にカイザー自身も後ろに押し出される程である。この必殺技をモロに食らったダークロプスは爆発する事なく、ドロドロに溶解されてしまった。こうして、東京に現れたダークロプスとメカザウルスは全て撃破されたのであった。

ネオゲッター1「へっ! ざまあみやがれ!!」
マジンカイザー「一丁上がりだな! で、この世界だが…」
ナイト「あんたらは別の世界から来た異世界からの来訪者だ」
ボスボロット「え? イカ焼きのラッキョウ漬け? 旨そうだな」
アフロダイA「馬鹿! 異世界からの来訪者よ!」
グレートマジンガー異世界…そうか、俺達はこことは別の世界から来たって事か」
アバレブルー「そう言う事だ」
グレートマジンガー「帰る手段はないのか?」
シャリバン「残念ながら、今の所はないよ、現に俺を含め、多くの異世界からの来訪者がこの世界に滞在して共に戦っている」
マジンカイザー「なら、俺達も協力してやるよ! これで百人力だぜ!!」
ネオゲッター1「しゃーねえ、帰る手段がないなら、しばらくは共に戦おうじゃねえか!!」
シャイダー「ありがとう、感謝する」

2101年2月20日、各地に次々と現れる異世界からの来訪者たち。しかし、それと同時に地球に落下した謎の兵器デルストや、戦闘型のレギオノイド。この機体は一体どこの所属なのか、それに疑問を抱く人々が多い中、事態は急展開を迎えた。何と、この地球に向けて複数のデルストが降下しようとしているのである。その数は実に100機を超え、合計300機ものダークロプスが中に格納されている事になる。それだけではなく、複数の所属不明艦が多数地球に接近しており、地球は混乱の一途を辿った。この事態に対し、クロストライアルの総司令であるシンヤ・アマギリは、クロストライアルの全隊員に対し、地球防衛命令を下した。それから数時間後、地球に一隻の宇宙船が大気圏を突入し、光の国へ向けて降下していた。その宇宙船と共に、50機のデルストが降下しており、それに気付いた光の国の面々はデルストとその宇宙船目掛けて光線を放った、光線はデルストに命中し、撃破、宇宙船は回避行動を取ったものの、船体を損傷してしまい、光の国の近くに墜落してしまった。そして、ゼロとゼットが宇宙船の乗組員を確認する為に近づくと、中から一人の子供のペガッサ星人が現れた。

ゼット「あれは…! ペガッサ星人!!」
ゼロ「このメカはてめえらの仕業か!!」
ペガッサ星人の子供「ちょっと待って! 僕達は君達の手助けをしに来たんだ」
ゼロ「手助け?」
ペガッサ星人の子供「僕はペガ、悪いペガッサ星人じゃないよ!」
ゼット「なるほど、少なくともペガくんは俺達の味方をしてくれるんですな」
ペガ「味方をしてくれるのは、僕だけじゃないよ、出てきて」

ペガが合図をすると、宇宙船の中から一人のウルトラ戦士が出てきた。しかし、そのウルトラ戦士は目がウルトラマンベリアルの様につり上がっており、体の模様もベリアルに酷似していた。その姿を見たゼロとゼットは驚愕し、言葉を発せずにいた。

???「やっぱり、そうなるよね、でも安心して、僕は君達の味方だ」
ゼロ「お前…その姿は…」
???「僕はウルトラマンジード、父親はこの地球を混乱に陥れたウルトラマンベリアルだ」
ゼット「ベリアルの息子ですと!?」
ゼロ「あいつ…いつの間に息子なんて…」
ジード「僕はベリアルの遺伝子から生み出され、ベリアル軍の戦力となる為に急成長させられて今の姿になっているんだ」
ペガ「でも、僕が宇宙を旅していた時、たまたまベリアルの要塞に辿り着いちゃって、そこでジードと出会った」
ジード「で、僕とペガはベリアル軍の宇宙船であるネオブリタニア号を奪って脱出し、この地球に危機を伝えに来たって訳なんだ」
ゼット「なるほど、それは感謝しかないですな…」
ゼロ「でも、ベリアルの野郎…まさか軍隊を率いているなんてな…」
ジード「ベリアルは…こことは違う別の宇宙でベリアル銀河帝国と言う帝国を作り上げて、様々な宇宙の人々を虐げているんです」
ペガ「宇宙人の間でもかなり有名だよ、僕が立ち寄ったバド星やゴドラ星やネリル星の人達も、みんなベリアル銀河帝国の事を知ってたし」
ゼロ「つまり、戦闘用のレギオノイドも、あの戦闘メカも、俺の偽物も、全部ベリアルの仕業って訳かよ!!」
ジード「そう言う事です、そして今のベリアルの目的は、地球の壊滅」
ゼット「何ですと!?」

その時、ジード達の近くに一人の男性が瞬間移動してきた。その男性は黒いコートを着た30代ぐらいの人物であり、人間の姿をしているが、ただならぬ気配を漂わせていた。彼は先日ゲネガーグが強奪したライザーを持っており、そのままジードを睨みつけていた。

男性「見つけましたよ…ジード!!」
ジード「伏井出ケイ…! 父さんの遺伝子を使って僕を生み出した張本人…!!」
ケイ「ベリアル様の模造品でありながら、ベリアル様を裏切るとは…! どうやらお前には教育が必要なようだ…」

ケイは装填ナックルへゴモラレッドキングの怪獣カプセルを装填した。そして、ライザーのトリガーを引いて待機状態にし、ケイの「これでエンドマークだ!」の決めゼリフの後、カプセルをライザーでスキャンすると、ライザーから「フュージョンライズ!」の音声が流れた。最後にトリガーを引き、胸の前にライザーを持ってくる事で、伏井出ケイはゴモラレッドキングの特徴を備えたベリアル融合獣、スカルゴモラへとその姿を変えた!

ゼット「合体怪獣!?」
ゼロ「あの野郎…! 奪ったライザーをあんなくだらねえ事に使いやがって!!」
ジード「ここは協力して戦おう!!」

スカルゴモラは頭部の大角からスカル振動波と言う強力な振動波を放った。それに対し、ウルトラ戦士3人は攻撃を回避し、ゼロは頭部に装着した二本の宇宙ブーメラン、ゼロスラッガーを飛ばした。しかし、スカルゴモラはパンチでゼロスラッガーをはじき返し、攻撃を無力化、その直後、口にスカル振動波を集積させ、光線の様に放った。この技はインフェルノ・マグマと言う名前であり、破壊力は抜群である。ゼロはとっさに攻撃を回避しようとしたが、爆発に巻き込まれ、吹っ飛ばされた。

ゼット「ゼロ師匠! よくもやってくれましたな! ここは俺が!!」

ゼットはウルトラゼットライザーを使い、アルファエッジへと姿を変えた。そして、一気に距離を詰め、ヌンチャクの様にゼットスラッガーを扱い、スカルゴモラにダメージを与えた。だが、スカルゴモラも負けてはおらず、自慢のパワーでゼットをぶん殴り、吹っ飛ばした。

ゼット「くっ! ウルトラ強ぇ…!!」
ゼロ「馬鹿! 三分の一人前のお前が敵う相手じゃねえ!!」
ジード「二人共、ここは僕に任せてほしい」

ジードはスカルゴモラに飛び蹴りを放ち、体勢を崩したスカルゴモラに馬乗りになり、そのままタコ殴りにした。だが、ジードは戦い慣れておらず、スカルゴモラの頭突きを食らってダウン、逆に馬乗りにされてしまった。

ゼロ「あいつ…全然戦闘経験ないんじゃないか?」
ジード「大丈夫…! これなら何とか…!!」

ジードは両腕にエネルギーをチャージし、両腕を十字に組み、エネルギーをスパークさせる事で必殺光線、レッキングバーストを放った。馬乗り状態のスカルゴモラに対して零距離で放った為、スカルゴモラはモロに光線を食らい、大爆発を起こして消滅した。直後、爆風の中から怪我をした伏井出ケイとオーバーヒートしたゴモラカプセルとレッドキングカプセルが投げ出された。ケイはすぐにカプセルを拾い、ウルトラ戦士の方を睨みつけた。

ケイ「これが…ベリアル様の敵であるウルトラ戦士の力か…面白い、この次は素敵なゲストを連れてきてやろう…」

そう言い残し、ケイは瞬間移動でその場から去って行った。これと同時に他のウルトラ戦士達がデルストに格納されていたダークロプスを全て撃破したと言う報告を聞いた。一応、先遣隊は撃破できたようであるが、まだ150機近い数のダークロプスが地上に降下してくる。更に、ベリアル軍の物と思われる艦隊が地球に接近しているようであり、まだまだ戦いは終わらない。

一方、多数のデルストが降下すると予測されていた大阪では、ディーヴァ隊と東京に居たヒーロー達が集まり、迎撃態勢を取っていた。転移してきて早々、フォーゼやマジンカイザー達、ネオゲッター1にも協力してもらっている為、戦力的には十分である。しかし、いざデルストが降下してくると、その中には未確認のMS族も存在していた。そのMSはどれも変わった見た目をしており、エイリアンに近い見た目であった。とは言え、ヴェイガンのMSではなく、この様なMSは今まで未確認なのである。そのMS達は、降下しながら地上にいるクロストライアルの面々目掛けて攻撃を仕掛けてきた。

マジンカイザー「何でぇ何でぇ! あいつら、攻撃しかけてきやがるぜ!?」
ネオゲッター1「何だ? MSってのは今の時代、味方なんじゃねえのか?」
AGE-FX「分からないよ! もしかしたらテロリストかもしれない」
ナイト「戦争を終えてもなお、未だに戦争を続けようとする馬鹿は大勢いるからな」
ギンガ「だとしても、一体どこの軍が…!」
???「木星帝国だ」

そう言って現れたのは、額と胸にドクロのレリーフが刻まれたガンダムであった。彼は黒白赤のトリコロールの体色であり、体にはマントを纏っていた。その姿はまさに海賊であり、武装は海賊らしく古式拳銃の形状をしたビームピストルのバスターガン、カトラスの様なナックルガードを備えた大型ビームサーベルのビームザンバーである。そして彼の声を一度聴き、かつて共に戦った仲間達はすぐに彼の正体に気付いた。

AGE-FX「その声…F91さんですね!」
???「正解! だが、今の俺はクロスボーン・ガンダムX1、宇宙海賊クロスボーン・バンガードの一員だ」
RX「クロスボーン・バンガードだって!?」

クロスボーン・バンガードは今から4年前の2098年、ザフト軍と結託し、地球統合軍に戦争を仕掛けた組織である。同時期には怪獣災害が多発していたほか、エヴォリアン、ジャマンガ、ダークザイド、フォッグ等、様々な組織が暗躍していた時代であり、有史以来最悪の時代とも呼ばれた時代であった。そんな時期に本格的に活動した組織である為、4年経った現在でも人々の記憶に刻まれている組織なのである。最終的に指導者であるラフレシアF91の手によって討たれた後、ロナ家の長女であるビギナ・ギナの演説によって貴族主義が否定された事と、それによるコスモ・バビロニアの内部崩壊によってクロスボーン・バンガードは解散となった。だが、X1となったF91は、宇宙海賊として再編されたクロスボーン・バンガードの一員として再び戦場に降り立ったのである。

X1「まあ、早い話が木星帝国と戦う為に必要な人や金を集める為にクロスボーン・バンガードの名前を使ったって感じかな、それで離反者も出てしまったが…」
ビルギット「でも、俺達クロストライアルは協力してやってるだろ?」

X1達クロスボーン・バンガードの戦力は、クロスボーン・バンガードの構成員以外にも、スペースアーク隊の面々が協力していた。ビギナ・ギナはクロスボーン・バンガードの旗艦であるマザー・バンガードの艦長を務めており、前線からは退いたが、今は艦長として戦っている。また、スペースアーク隊と共に行動していたビルバインダンバインサイバスター、勇者一行、カムイ達も、そのままクロスボーン・バンガードとして活動していたようである。そして、宇宙海賊クロスボーン・バンガードの結成には、クロスボーン・バンガード以前から活動している宇宙海賊が関わっていた。

AGE-2「まあ、俺達ビシディアンの協力もあって1ヵ月と言う期間でここまでの人員を集められたんだ、文句は言うまい」
AGE-FX「父さん! 終戦後すぐに急用で出かけたと思ったら、こんな事してたの!?」
AGE-2「すまない、また平和を脅かす連中が現れると聞いたら、戦うしかないと思ったんだ」
アバレブラック「いつの時代も、平和を脅かす奴らがいるとは…許せませんね!!」
X1「それに、俺達が調べた所によると、木星帝国はあの機動兵器を運用しているベリアル軍なる組織と協力体制を取ってるみたいなんだ」
ギンガ「何だって!? ベリアルの奴、生きてたのか…!!」
AGE-2「それだけじゃない、ベリアル軍、木星帝国の裏から糸を引いている奴がいるらしいんだ」
フォーゼ「そいつは何者だ? まさか、ゾディアーツとかじゃねえよな?」
X1「そこまでは残念だが分からないな、ただ、イフィニアドより更に強力な連中な事は確かだろう」

X1とAGE-2がそんな話をしていると、X1の近くにもう一人の若いガンダム族がやって来た。そのガンダム族はX1に似た見た目をしていたが、体色は青白赤のトリコロールカラーであった。武器は刀身の左右に配された14本のビームサーベルと切っ先に配された1門のビームサーベル兼用ビームガンを装備した七支刀の様な武器、ムラマサブラスターであり、この武器のビームサーベルとしての破壊力は高く、ビームシールドごと敵を切断できるほどらしい。

???「X1さん、敵が接近していますよ!」
X1「そうだな、X3、全員で協力して敵を撃破するぞ」
X3「あ、俺はクロスボーン・ガンダムX3と言います、よろしく!」
フォーゼ「おう、よろしくな! お前とはいいダチになれそうだぜ!」

直後、攻撃を仕掛けてくるベリアル軍と木星帝国を相手にする為、マザー・バンガードからゾンド・ゲーが多数発進した。それと同時に、クロストライアルの面々も攻撃を開始し、デルストを撃墜、中から出てきたダークロプスも各個撃破し、少しずつ数を減らしていた。一方の木星帝国もX1を始めとするガンダム族の攻撃で少しずつ倒せていたが、マザー・バンガードから発進したゾンド・ゲーはそうはいかず、何名かがやられてしまった。

X1「誰がやられた!?」
AGE-2「ハリダとロニムがやられたみたいだ」
X1「くっ! ウモンじいさん達は!?」
X3「ウモンじいさんとヨナさんとジェラドさんはスペースアーク隊の人達と協力しているみたいですね」
AGE-2「ウモンじいさんは一年戦争の頃から戦ってる自称、ニュータイプだからな、大丈夫だろう」

戦況はクロストライアル、クロスボーン・バンガード、ビシディアンの方が優勢であり、ベリアル軍と木星帝国は少しずつ数を減らしていた。しかし、このタイミングで恐れていた事態が起きてしまった。何と、所属不明艦が地球に降下してきたのである。その戦艦には、レギオノイドの額に刻まれていたマークが刻まれており、この艦隊はベリアル軍のものである事が分かった。この戦艦は帝国戦列艦ブリガンテ、ベリアル軍の主力宇宙戦艦であり、どうやら無人艦であるらしい。ブリガンテはレギオノイドを多数搭載しており、外部部分のハッチからレギオノイドを発進させ、地上に降下させてきた。そして、1番艦と思われるブリガンテの上には、一人の宇宙人が立っていた。

???「我が軍に逆らうとは、愚かな者達です」
龍騎「誰だよあんた!?」
???「私は暗黒参謀ダークゴーネ、ベリアル軍の幹部です」
翼「ベリアル軍の幹部…!!」
アバレブルー「なら、ここでこいつを叩けば少しは消耗させられると言う訳か…!!」
ダークゴーネ「残念ですが、そうはいきませんよ、やれ! レギオノイド!!」

ダークゴーネの合図で、一斉にレギオノイドが降下を始めた。その数は圧倒的であり、このままだとこっちが圧倒的に不利である。そう思い、誰もが覚悟を決めたその時、何者かから退避命令が下された。

X1「退避命令…!? みんな、下がれ!!」

X1の指示で全員がその場を退避すると、先ほどまでX1がいた場所に超高出力のビームが放たれ、多数のレギオノイド、ダークロプス、デルスト、ブリガンテ、木星帝国兵が蒸発した。突然の出来事に誰もが驚き、ビームが飛んできた方を確認すると、そこには地球統合軍の新造戦艦グレイシアが佇んでいた。

ダークゴーネ「あれは…! あの女の報告にあった地球統合軍の…!!」
シュナ「やあ、危機一髪だったようだね、クロストライアルの方々」
リーリス「グレイシアの主砲で敵戦力の80%を撃破! クロストライアルの皆さんの迅速な行動、感謝します!」
AGE-2「ヴェイガンギア・シドの時もだが、かなり無茶な作戦を取るな」
シュナ「気付かれない内に行動を起こしたかったんだよ、そうすれば、多くの敵を巻き込める」
ダークゴーネ「おのれ…! 一気に大軍勢を率いてクロストライアルを潰す作戦が台無しです! ここは撤退して、作戦の練り直しを…!!」

そう言ってダークゴーネは闇の中に潜り込み、姿を消した。そして、残った少数のレギオノイドとダークロプス、木星帝国兵はクロストライアルの攻撃で全滅させられ、こうして地球に降下したデルストとブリガンテ、木星帝国兵は全滅となった。戦いを終えた戦士達は、地上に降り立ち、戦艦のクルー達も地上に降りて会話をした。

ギャバン「久しぶりだな、F91、いや、今はX1か」
X1「ああ、久しぶりだな」
龍騎「お前、一体何があったんだよ?」
X1「戦後、AGE-2さんと一緒に木星帝国について調べてたら木星帝国と戦闘になって、その中で進化したんだ」
AGE-FX「僕と言い、X1さんと言い、MS族は進化する生物なんですね」
シュナ「それを言ったら、人類全体が進化をする生き物さ、ウルトラ族もライダー族も皆、人類が進化したものだ」
翼「当たり前かもしれないですけど、人類の進化って凄いですよね、まるでそうなるように神様がDNAにインプットしたような…」
シュナ「ふっ…確かにそうだな、それにしても、ベリアル軍に木星帝国か…厄介だな…」
X1「木星帝国も気の毒な奴らだ、70年以上前に地球統合軍によって木星を開拓するように言われ、地球統合軍からの支援が不十分な状況の中で人知れず木星開拓を続け、やっと小国レベルの自治体が構築されたんだ」
AGE-2「だが、地球で立て続けに起こった様々な争いで地球統合軍の管理が届かず、知らない間に忘れ去られていた、そして、いつしか木星帝国の人々は過酷な環境で生き抜くためにMS族へと進化を遂げ、自分達を辺境の地へ追いやった地球圏の人々から地球を取り戻そうとしているんだ、彼等もヴェイガンの奴らと似たようなものだ」
X3「あいつらの総統であるディビニダドは本気です、軍規を犯した者の銃殺刑を映像で公開するなど、恐怖政治によって市民を統制しているんです」
ディーン「何て奴らだ、レギルス様だったら、絶対にそんな事はしなかった」
シュナ「我々としても、君達クロスボーン・バンガードやビシディアンにできる限りの協力はしよう」
X1「ありがとうございます、シュナさん」

新たな敵を前に、再び手を取り合う決意をしたクロストライアルの面々だったが、その一方で、太陽系にワープしてきたベリアル軍の帝都要塞マレブランデスでは、ベリアル軍の配下と木星帝国の構成員が会話をしていた。今回の任務が失敗した事を聞いたバット星人グラシエは、木星帝国の死の旋風隊と今度の作戦の計画を立てる事にした。

グラシエ「まさか、伏井出ケイとダークゴーネ様が撤退に追い込まれるとは…地球人の戦力がこれほどまでとは思いませんでしたよ…」
クァバーゼ「そいつらが弱いだけだろ、僕が行けばそんな奴ら簡単に倒せたさ!」
グラシエ「何を言います! お二人はお前達にも負けない程の力を持っているんですよ?」
アビジョ「とは言われてもねえ、そいつらの強さを目の当たりにしたわけじゃないしねえ…」
トトゥガ「安心しろ、今度の作戦では、俺達の力を見せてやる」
グラシエ「おお! 頼もしい! 見せてもらいますよ、あなた達…」
クァバーゼ「死の旋風(デス・ゲイルズ)隊の力をね!!」

クロストライアルが地球統合軍と協力してベリアル軍と木星帝国を撤退に追い込んだ戦いから1週間が経過した。その戦いの直後から地球の海上ゴジラらしき物体を確認したと言う報告が多数寄せられると言う事態が発生し、今まで非番だったGフォースは調査に乗り出し、調査の結果、ゴジラが出現した可能性が非常に高いと言う結果となった、ゴジラは昨年の戦いで完全に倒したはずであったが、今こうして復活したと言う事実は非常に大きい。何より、進化の度に異常な程強くなるゴジラなのだ、今度はミレニアムゴジラの倍以上に強くなっているはずである。もしこの状況で復活されでもしたら大惨事になる事は見えている、その為、Gフォースはある計画を立てた。その計画とは、3式機龍改にアブソリュート・ゼロを再び取り付ける計画、すなわち、かつての機龍の姿に戻すと言う計画である。アブソリュート・ゼロは3式絶対零度砲と言う別名を持つとても強力な兵器であり、マイナス273.15℃の超低温光弾を発射する事で対象を凍結し、分子レベルにまで破壊すると言う圧倒的な破壊力を持つ代わりにエネルギー消費の激しい武装であった。その反面、アブソリュート・ゼロを持たない3式機龍改は最大火力が大幅に下がった代わりにエネルギー消費が少なく、継戦能力が向上していると言う利点がある。しかし、ゴジラが強力になって復活している可能性が高い今、必要なのは継戦能力ではなくゴジラを確実に葬れる火力なのだ。その為、Gフォースは多額の資金を投じ、アブソリュート・ゼロを再度取り付ける再改修を行い、機龍をかつての姿に戻したのである。

MUGERA「機龍、懐かしの装備が帰って来た気分はどうだ?」
機龍「これでゴジラを葬れるなら、悪くはないわね、やっぱり私はこの装備が似合うわ」
スーパーメカゴジラ「でも、ゴジラを相手にするにはこれでも足りないな」
ハルオ「俺達の中では一番のベテランであるスーパーメカゴジラが言うと、重みが違うな」
スーパーメカゴジラ「何、旧式故の勘だよ、そんな大層なもんじゃないさ」
MOGERA「とは言え、俺達の今の戦力は少ない」
機龍「私達4機にジェットジャガー、新・轟天号ぐらいだものね」
ハルオ「これだけでゴジラを倒せと言う地球統合軍上層部も無茶を言ってくれるな」

その時、ジェットジャガーが誰かを連れてGフォースの会議室にやって来た。ジェットジャガーが連れて来たのは、機龍達と同じロボット怪獣であり、対怪獣用の兵器であった。現れた3機のロボット怪獣は、どれも過去に出現した怪獣に類似していた。

スーパーメカゴジラ「…誰だ? こいつら?」
ハルオ「そうだ、彼らが来る事をすっかり忘れていた、紹介しよう、彼等は我々Gフォースと協力関係を結ぶ事になった対怪獣特殊空挺機甲隊ストレイジの特空機3機だ」
MOGERA「なるほど、俺らより新型の後輩って訳か…でも、どっかで見た事あるような見た目だな」
機龍「それはあなたもでしょ」

セブンガー「押忍! 俺、セブンガーと言います、Gフォースの皆さん、よろしくお願いします!」
ウインダム「俺はウインダムだ、何かカプセル怪獣やMSに同じ名前の奴がいるようだが、一応別人だ」
ストレイジカスタム「私はキングジョーストレイジカスタムです、オリジナルのキングジョー同様、分離合体ができます」

セブンガーは特空機の中でも最初に開発された1号機であり、丸々とした体と間の抜けた表情が特徴である。かつてウルトラマンレオが使用した怪獣ボールのセブンガーをモチーフとして開発されており、オリジナルほどの力は持ってないが、格闘戦が得意である。必殺技は所謂ロケットパンチの硬芯鉄拳弾であり、この技でギガスを葬り去ったと言う報告もある。
ウインダムは特空機の中で2番目に開発された2号機であり、鳥人間の様な見た目をした機体である。かつてウルトラセブンの使用したカプセル怪獣や、GUYSの使用したマケット怪獣のウインダムとほぼ同じ見た目をしており、GUYSのマケット怪獣のデータが使われているらしいが、真相は不明である。パワータイプのセブンガーに比べるとスピードタイプであり、その速度は何と2倍、高い運動性を誇っている機体なのである。
キングジョーストレイジカスタムはイフィニアドが大量生産したキングジョーをストレイジがカスタマイズした特空機3号ではあるが、オリジナルのキングジョーと大幅に見た目が変わっている。4つのメカに合体分離するほか、タンクモードと呼ばれる戦車形態に変形する事も出来、様々な運用が可能な機体である。既に強敵グルジオライデンを撃破したと言う報告もあり、その性能の高さを伺う事ができる。
Gフォースより後にできた組織であるにもかかわらず、これだけの頼もしい味方が増えた事で、Gフォースのメンバーは少し安心した。しかし、ゴジラの強さは異常である、きっとGフォースストレイジが総動員されても勝つ事はできないだろう。他の対ゴジラ兵器も以前のミレニアムゴジラ戦で全て大破し、使い物にならなくなった為、戦えるのは自分達だけである。ゴジラを倒し、人々の平和を守る為にも、今はこの戦力だけで戦わねばならないのだ。

MOGERA「地球統合軍のお偉い方さん達は俺達に予算をよこさず、特空機を開発してたのか…」
ハルオ「ゴジラがあの時確実に死んだと思って安心してたんだろう、後は対怪獣用兵器を作って安泰だと思った傍のこれだからな」
セブンガー「何か…すいません…」
機龍「大丈夫よ、私達Gフォースだって、ゴジラのいない時は怪獣と戦ってたし」
セブンガー「つまり、俺達の先輩って事ですね!」
スーパーメカゴジラ「まあ、そんなもんだな」
セブンガー「ところで、MOGERAさんって、何となくですけど、俺達と似た雰囲気がしますね」
キングジョーストレイジカスタム「確かに…何でだろう…」
ウインダム「昔、何かあったのか?」
MOGERA「何もねえよ! ジロジロ見んな!」

そうこうしていると、静岡県ゴジラが接近していると言う警報が鳴った。Gフォースストレイジの面々は新・轟天号に乗り込み、この世界の戦艦に標準搭載されているワープ機能を使って静岡県までワープした。静岡県では既に、海から以前より大きく、怪物の様な見た目になったゴジラが地上に現れていた。進化したゴジラは初めてこの世界に出現したゴジラをこの世の物とは思えない怪物にしたような見た目をしており、尻尾が異様な程に長かった。ゴジラのその姿は生気が無く、まさに怪物と言う言葉が似合っていた。

ハルオ「奴は…ゴジラなのか…!?」
MOGERA「おいおい、あれじゃただの怪物だぜ…」
機龍「神の様に進化した新たなゴジラシン・ゴジラと言った所かしらね」
セブンガー「シン・ゴジラですか、かっこいいですね!」
キングジョーストレイジカスタム「そんなのん気な事言ってる場合じゃなさそうよ」
ウインダム「奴はゴジラだ、その強さは未知数だろう」
スーパーメカゴジラ「何度死んでも強化されて復活する、とんでもない奴だ、あいつは」

その時、宇宙からデルストの大群が降下してきていた。この状況で敵が増えると厄介だと、Gフォースストレイジの面々が思ったその矢先、ゴジラは背中を向け、背びれから無数のビームを放った。その攻撃でデルストは破壊され、中からダークロプスが出現したが、ゴジラは続けて背びれからの体内放射でことごとく撃墜した。更に口からも放射線流と呼ばれるビームを吐き、ダークロプスとデルストを薙ぎ払って出現したデルストとダークロプスを全機撃墜した。その強さに、Gフォースストレイジの面々は驚愕した。

機龍「ベリアル軍の兵器が…」
MOGERA「一瞬で…」
セブンガー「嘘だろ!? 強すぎませんか!?」
スーパーメカゴジラ「見ただろ? あれがゴジラの力だ!!」
キングジョーストレイジカスタム「噂には聞いてましたけどこれほどまでとは…」
ウインダム「どうやら俺達は相当な貧乏くじを引いちまったようだな…」

シン・ゴジラGフォースストレイジの面々を見つけると、彼等目掛けて放射線流を吐いた。この攻撃を各自回避したGフォースストレイジの面々は各自攻撃を仕掛けた。Gフォースの面々より後に開発されたストレイジの特空機たちは武装も強力であり、セブンガーの硬芯鉄拳弾、ウインダムの20式対怪獣誘導弾、キングジョーストレイジカスタムのペダニウム粒子砲など、どれも怪獣を葬るには十分な火力を秘めた兵器であった。しかし、その兵器でも神の領域へと進化を遂げたゴジラには効き目が無く、ゴジラは尚も活動を止めなかった。

セブンガー「全然効いていませんよ、先輩!」
機龍「不味いわね…まさか進化がここまで進んでいるなんて…!!」
スーパーメカゴジラ「全く効き目がないようだな…機龍! ここはもうアレしかねえぞ!」
機龍「アブソリュート・ゼロですね、分かりました!」

機龍がアブソリュート・ゼロの発射態勢を整えると、他の面々がゴジラの動きを止める為にゴジラの手足を掴んだ。そうこうしている内にアブソリュート・ゼロの発射準備は完了し、3式機龍は胸からアブソリュート・ゼロを放った。発射されたマイナス273.15℃の超低温光弾はゴジラに命中し、ゴジラは一瞬の内に体が凍り付いて行った。

セブンガー「やったー! やりましたよ!!」
ウインダム「馬鹿! 余計な事言うな!!」

直後、ゴジラの体内温度が急上昇し、体の凍結状態がみるみるうちに溶けて行った。そして、凍結状態だったゴジラは再び元の姿へ戻り、おまけに受けたダメージも全て回復してしまった。最後の切り札であるアブソリュート・ゼロすら無力化するその力を前に、Gフォースストレイジの面々は打つ手を失ってしまった。

機龍「嘘…アブソリュート・ゼロが…!」
MOGERA「アブソリュート・ゼロを無力化するとは…化け物め!」
キングジョーストレイジカスタム「あんな奴を相手に…勝てるの…!?」
ウインダム「こりゃ駄目だ、逃げるしかねえ」

その時、どこからともなくガメラとレインボーモスラ、ガッパが飛来してきた。ゴジラの復活を知った三大怪獣はゴジラを倒す為、静岡県に集まったのである。更に、今回集まった怪獣はこの三体だけではなかった。何と、空の大怪獣ラドンも駆け付けたのである。ラドン翼竜プテラノドンが突然変異した怪獣であり、超音速で飛行して周囲にソニックブームを巻き起こし、市街を破壊する空の大怪獣である。かつてゴジラとの戦いで瀕死の重傷を負い、それ以来姿を見せておらず、死亡したのではないかと思われていたが、シン・ゴジラの登場を前に久々に姿を見せたのであった。

ハルオ「ガメラ、レインボーモスラ、ガッパ、更に、ラドンまで…!」
セブンガー「ラドンって確か、味方の怪獣じゃありませんでしたよね?」
スーパーメカゴジラ「そうだな、街に現れてはいつもドンパチやり合ってた喧嘩友達みたいな奴だ、当然、味方の怪獣じゃない」
機龍「多分、ライバルのゴジラが強くなって現れたから久々に戦いに来たんでしょうね」
セブンガー「そうなんですか、最近あまりにも姿を見せないから、てっきり他の怪獣の手下になったのかと…」
MOGERA「そんな情けないラドンあってたまるか! ラドンゴジラのライバルじゃないといけねえんだ!」

直後、ラドンは空を超音速で飛行し、ソニックブームを巻き起こしてゴジラを吹き飛ばそうとした。しかし、ゴジラには全く効果が無く、ゴジラはそのまま進行していた。続けてガメラはプラズマ火球より威力の高いハイ・プラズマを、レインボーモスラはクロスヒートレーザーを、ガッパは殺人光線を放ったが、今のゴジラには一切効き目がなかった。対してゴジラは口から吐いた放射線流でガメラたち四大怪獣を一撃で戦闘不能にした。

セブンガー「や…やられちゃいましたよ!!」
ハルオ「今のゴジラは…神だとでも言うのか!?」

続けて、ゴジラはライバルであったラドンにトドメを刺す為、ラドン目掛けて放射線流を吐いた。ラドン放射線流を食らい続けたが、これはラドンの起死回生の作戦であった。一歩間違えれば死ぬ可能性のある作戦ではあるが、ラドンゴジラの力を自分の物にする為、あえてゴジラ放射線流を食らい、そのエネルギーで進化する事にしたのである。起死回生のこの作戦は成功し、ラドンの体は光輝いた。そして次の瞬間、ラドンは深紅の体色をした新たな姿へと進化を遂げたのである。

ウインダム「おい、ラドンが進化したぞ」
機龍「炎の様な体色ね、ファイヤーラドンと言った所かしら?」
ハルオ「毎度思うが、お前のネーミングセンスは凄いな」
機龍「ありがとう、褒めてもらえて嬉しいわ」

ファイヤーラドンは口からウラニウム熱線と言う赤紫色の熱線を吐いた。このウラニウム熱線はゴジラの放射熱線と同等の威力を誇り、この攻撃でゴジラはダメージを受けた。ファイヤーラドンの勇姿を見ていたガメラは立ち上がり、体が光り輝いた。新たな姿へと進化したガメラは、以前より頭が小さくなっており、体の各部がゴツゴツとした見た目となっていた。以前に比べて可愛らしさは減っており、よりかっこいいガメラと言った見た目へと進化したのである。その様はまさに、戦闘用にパワーアップしたと言えるのかもしれない。

セブンガー「うおおおっ! ガメラも進化しましたよ!!」
機龍「やはり進化したわね、ガメラ、あなたは今日からG2ガメラよ!」
スーパーメカゴジラ「どいつもこいつも進化して、まるで何かのゲームみたいだな」

ガメラはエルボークローでゴジラを攻撃した。進化したガメラゴジラにダメージを与える事ができるようになっており、ゴジラガメラの力を前に少しずつではあるがダメージを受けていた。対してゴジラは小さな腕でガメラを殴りつけていたが、ガメラとファイヤーラドンの同時攻撃を前に一旦撤退する事にした。撤退しようとしたゴジラに対し、ガメラはプラズマ火球を、ファイヤーラドンウラニウム熱線を吐き、ゴジラを吹っ飛ばし、海の中へと転落させた。こうして、一応ゴジラの脅威は去ったのであった。

ハルオ「これで一旦ゴジラの脅威は去った…か…」
ウインダム「だが、まだゴジラとの戦いは終わってねえ、油断は禁物だな」
セブンガー「しかし、まさか二大怪獣が進化を遂げるなんて…! これは熱いですよ!!」
機龍「そうね、でもゴジラはまた強くなって帰って来る…」
スーパーメカゴジラ「その為に、俺達も出来る事をしないといけないな…」

その後、戦いを終えたガメラ、レインボーモスラ、ガッパ、ファイヤーラドンの四大怪獣は空を飛んで去って行った。ゴジラと戦う為に集まった怪獣達であるが、きっとゴジラは再びやって来る。その時まで、怪獣達は各自特訓をする事になるのであった。

一方、ゴジラにデルストの大群を破壊された事を知ったウルトラマンベリアルことカイザーベリアルは激怒していた。まさかクロストライアルや地球統合軍以外にも自分達の邪魔をする輩がいるとは思わなかったのである。ベリアル自身もゴジラの存在自体は知っていたが、それがまさか復活して邪魔な存在になるとは思いもしなかったのだ。

カイザーベリアル「おのれ…! まさかゴジラの奴が復活して俺様の邪魔をするとは…!!」
ダークゴーネ「お…落ち着いてください陛下…! 再びデルストを地球に差し向けますので…!」
カイザーベリアル「これが落ち着いていられるか! くそっ! ゼロに負わされた傷が痛む…!!」

カイザーベリアルはかつてイフィニアドとの最終決戦の際、ベリュドラに変貌しクロストライアルと交戦、その際にゼロの放ったプラズマスパークスラッシュで撃破された。その直後、ベリュドラが大爆発を起こし、その爆発の反動で別の宇宙に飛ばされたのである。そこでベリアル銀河帝国を結成し、戦力を整えた後、再びこの宇宙に戻ってきて木星帝国を始めとした様々な組織を取り込み、地球を侵略している。だが、侵略は上手く行かず、作戦は失敗続き、果てはゴジラまで現れると言う始末、このままではあの時の二の舞である。焦るベリアルの前に、ベリアルたちを裏から協力する人物が現れた。その人物は人間の少女の様な見た目をしていたが、肌は水の様に青く、水底の様な群青色の長い髪と瞳が特徴であった。体は紫色の鎧ドレスを着こんでおり、彼女の一番の特徴として、頭に猫耳の様な癖毛があった。

???「大変そうね、陛下…」
ベリアル「お前は…俺様の協力者の一人か…」
???「そうだよ、私は悲哀のシャグラン…」
ダークゴーネ「あなたが来たと言う事は、協力してくれるのですね」
悲哀のシャグラン「まあ、協力してあげてもいいんだけど、その代わり美味しい物頂戴…」
ダークゴーネ「いいでしょう、シーピン929をあげます」
悲哀のシャグラン「交渉成立だね、じゃ、出てきて…」

シャグランの合図で出てきたのは、頭に角が二本生え、全身に鎧を着こんだ黒いウルトラマンの様な容姿をした謎の人物であった。その人物は圧倒的なオーラを備え、そのオーラはダークゴーネを威圧した。恐らく戦闘力はカイザーベリアルと同等くらいであろう。また、その人物の周りにはバルキー星人、イカルス星人、ナックル星人、マグマ星人の四人がいた。

ベリアル「お前は…?」
???「我が名はルギエル、ダークルギエル」
悲哀のシャグラン「この人は強いよ、以前この地球に来た際はウルトラマンタロウをスパークドールズって人形にしたから…」
ベリアル「だからあいつあんなに小さかったのか…」
悲哀のシャグラン「で、その直後に私達の協力者として雇ったの…」
ダークルギエル「そう言う事だ、我が来たからには、この地球と言う星の生命体の時間は我が力により止まる!」
ベリアル「よし、手始めに光の国を襲撃し、憎きウルトラ戦士を潰してこい!」
悲哀のシャグラン「できる? ルギエルさん…」
ダークルギエル「いいだろう、我にかかればウルトラ戦士など相手ではない、行くぞ」

ダークルギエルは部下と共に宇宙にある帝都要塞マレブランデスから地上にある光の国に移動した。ウルトラ戦士達は、何者かが光の国接近している事を知り、すぐさま迎撃態勢を取った。光の国の精鋭が集まって接近するダークルギエルを迎撃する事となったが、誰もが接近するダークルギエルのオーラを感じ取って身震いしていた。そして、ダークルギエルは光の国に到着し、その姿を光の国のウルトラ戦士の目の前に現した。圧倒的な闇のオーラを前に、光の国のウルトラ戦士たちは威圧され、圧倒された。

ゼロ「てめえ…何者だ!?」
ダークルギエル「我の名はルギエル、ダークルギエル…」
ウルトラマン「ダークルギエルだと!?」
セブン「以前にタロウが交戦し、スパークドールズと言う人形に変えられた相手か!」
ティガ「何でそんな事を…!」
ダークルギエル「我の目的は全ての生命体の時を止め、永遠の静寂を齎し、平穏なる永遠の楽園を築く事だ、その為に、貴様らにはスパークドールズになってもらう」

ダークルギエルは闇のオーラを纏い、ダークスパークと言う漆黒のアイテムから赤黒いオーラを放った。一部のウルトラ戦士はその攻撃を回避したが、回避できなかった多くのウルトラ戦士はスパークドールズと言う小さな人形の姿になってしまった。

ゼット「先輩方がみんな人形になってしまわれましたよ!?」
ジード「あれが…奴の力…!」
バルキー星人「これがルギエル様の力だ」
イカルス星人「ウルトラ戦士などと言うハナタレ小僧の集まり、ルギエル様にかかればちょちょいのちょいなんだな」
ナックル星人グレイ「ルギエル様はあんた達なんかよりずっとずーっと強いのよぉ?」
マグマ星人「そう言う事だ、分かったらとっとと諦めろ」
ゼロ「そう言う訳にはいかねえ! 親父、誰が残ってる?」
セブン「ウルトラマン、レオ、アストラ、メビウス、ヒカリ、ティガ、イーヴィルティガ、トリガー、トリガーダーク、ネオス、セブン21、ナイス、ゼット、ジード、ゼロ、そして私だ」
ネオス「どうする? このままじゃ全滅だよ?」
セブン21「戦うか、支援を要請するか…」
ダークルギエル「そんな事、させるものか…」

ダークルギエルはウルトラマン、セブン、ティガに対して闇のオーラを放った。闇のオーラを浴びた3人は苦しみだし、体の体色がみるみるうちに真っ黒になって行った。そして、3人は闇のウルトラ戦士であるウルトラマンダーク、ウルトラセブンダーク、ティガダークへと姿を変えた。

イーヴィルティガ「あの姿は…!!」
ダークルギエル「フフフ…我の闇の力があればこの程度、造作もない事だ」
ナイス「嘘でしょ!? 正義の戦士であるウルトラマンが闇落ちするなんて…!!」
ゼロ「参ったな…このままじゃ全滅だ…!!」

その時、上空から複数の人影が急速降下してきた。急速降下した人物は地上に着地すると、ダークルギエルの方を向いた。

ダークルギエル「何だ、お前達は…?」
グレンファイヤー「炎の戦士、グレンファイヤー様参上!!」
ミラーナイト「鏡の騎士、ミラーナイトだ」
ジャンボット「鋼鉄の武人、ジャンボット!」
ジャンナイン「同じく、ジャンナイン!」

ゼット「ゼロ師匠、あの方々は一体…?」
ゼロ「んな事、俺が知るか! あのロボットはどこかのMSか何かじゃないか?」
ジャンボット「我々はそのモバイルツールなどと言うものではない」
ジャンナイン「僕と兄さんは鋼鉄のジャン兄弟、正義のロボットだ」

ジャン兄弟と名乗ったロボット戦士はジャンボットが赤と白、ジャンナインが赤と銀のカラーリングをしており、兄弟と言うだけあって見た目もよく似ていた。ミラーナイトと名乗った人物は緑と銀、グレンファイヤーは赤と銀の戦士であり、その姿はウルトラ戦士に酷似していた。

グレンファイヤー「しかし何だ、この辺人形が散乱してるな、みんなでお人形遊びでもしてたのか?」
ミラーナイト「そんなわけないでしょう、概ね、この黒い戦士の仕業ですよ」
イカルス星人「な…なんなんだ、お前達は…!?」
グレンファイヤー「ん? 聞こえなかったか? 俺様は炎の戦士、グレ…!」
バルキー星人「ストーップ! そんな事を聞いているのではなーい! お前達は何者かって事!」
ミラーナイト「我々はこの宇宙の外からベリアルを追ってやって来た戦士達です」
グレンファイヤー「あのベリアルって奴には酷い目に合わされたからな」
ジャンボット「一度は私も捕まり、ジャンキラーと言う存在まで生み出された」
ジャンナイン「だが、僕は正義の心を手に入れ、ジャンナインとして悪と戦っているんだ」
ゼロ「つまり、お前らも正義の戦士って訳か!」
グレンファイヤー「そう言う事よ! 見た所、お前達もいい奴っぽいな、よし! 一緒にあいつを倒すぞ!!」
マグマ星人「チッ! 面倒な奴が増えたな」

マグマ星人は怪獣のスパークドールズを手に取り、ダークダミースパークと言うアイテムで足の裏にあるライブサインをリードした。すると、「ダークライブ! サンダーダランビア!」の音声と共に、マグマ星人は背中に4本の大きなコイルが生えた超合成獣サンダーダランビアに姿を変えた。サンダーダランビアは岩の様な姿の怪獣であり、名前の通り、電気を使って戦う別世界の怪獣である。

メビウス「何だあの怪獣は!?」
ヒカリ「あのような怪獣は、光の国のデータベースに存在しない…!」
レオ「別次元の怪獣…と言う訳か…」
アストラ「つまり、この怪獣はこの宇宙の外から連れてこられた怪獣って事なのか…!」
サンダーダランビア「凄いだろう、ルギエル様のお力は!!」

そう言ってサンダーダランビアは背中のコイルから電撃を放って広範囲を攻撃した。ウルトラ戦士達はその攻撃を回避し、近づいて攻撃を仕掛けようとしたが、その攻撃を闇のウルトラ戦士3人が妨害、闇のウルトラ戦士3人はウルトラ戦士達を攻撃し、吹き飛ばした。

ネオス「くっ! この闇のウルトラ戦士達はオリジナルと同等の力を持っている!」
セブン21「正義の心がないウルトラ戦士と言う訳か…!」
イーヴィルティガ「正しき心無くして振るう力は危険だ! 絶対に止めなければ!」
サンダーダランビア「そんな事させるかよぉ!!」

サンダーダランビアは腕を伸ばし、メビウスとヒカリを絡め取り、電流を流した。そこに急遽駆け付けた戦士がいた、ウルトラマンギンガである。ギンガはギンガスパークランスでサンダーダランビアの腕を切断し、メビウスとヒカリの危機を救った。

ギンガ「大丈夫か、みんな?」
ゼロ「ギンガ! 何故お前が!!」
ギンガ「いや、妙な胸騒ぎがしてマッハで駆け付けたんだ、それより、この状況…」
タロウ(SD)「ダークルギエル…! 兄さんや私の仲間達をこんな目に合わせるとは…! 許せん!!」
ダークルギエル「誰かと思えば、ウルトラマンタロウか…」
ギンガ「タロウ、あいつと何があったんだ?」
タロウ(SD)「1年前に襲来した際、私が全力を持って相手をし、何とか重傷を負わして撤退させたが、私は奴の力でこんな姿になってしまったんだ…」
イーヴィルティガ「そこに転がっている人形や漆黒のウルトラ戦士も、全て奴の仕業だ!」
ギンガ「全部…あいつの…! 許せねえ!!」
ダークルギエル「ウルトラマンギンガ…貴様とは因縁がある…ここで倒させてもらうぞ…」
ギンガ「何言ってんだ? 俺はお前の事なんて知らねえぞ!!」
ダークルギエル「知らないならばそれでいい、行くぞ…」

ダークルギエルはダークスパークを剣の様に扱い、ギンガのギンガスパークランスと激しくぶつかり合った。それと同時に他のウルトラ戦士&異世界の戦士たちは闇のエージェント3人+サンダーダランビア、闇のウルトラ戦士達と戦った。

グレンファイヤー「おい、そこのトサカ二本!」
ゼロ「俺はウルトラマンゼロだ!!」
グレンファイヤー「じゃあ、ゼロ! 俺達4人があの電気野郎を攻撃する! お前はそこに一撃食らわせて一発で決めろ!!」
ゼロ「無茶言うぜ…まあいい、やってやる!」

手始めに、ジャンボットとジャンナインは拳をロケットパンチの要領で飛ばす技、ジャンナックルを同時に放った。この技は、ダブルジャンナックルと言い、発射された拳はサンダーダランビアに命中し、重い一撃を食らわせた。続けてミラーナイトが両手からミラーナイフと言う手裏剣光線を放ち、サンダーダランビアの体を傷つけた。直後にグレンファイヤーが炎を纏った拳でサンダーダランビアを強く殴りつけた。この技はグレンファイヤーパンチと言う強力なパンチであり、鍛え上げられた腕から放たれるパンチは高い威力を誇る。連続攻撃の応酬でふらふらになったサンダーダランビアに、ゼロは炎を纏った蹴り、ウルトラゼロキックを放った。この一撃はサンダーダランビアの胴体をぶち抜いた。

サンダーダランビア「馬鹿な…! 申し訳ありませんルギエル様ぁぁぁぁぁッ!!!」

そう言ってサンダーダランビアは大爆発を起こし、変身者のマグマ星人は瀕死の状態で放り出された。なおもマグマ星人は戦おうとしたが、レオとアストラの同時キックで吹っ飛ばされ、爆散した。サンダーダランビアとマグマ星人が倒された後、爆風の中からはサンダーダランビアとマグマ星人のスパークドールズが飛んできた。

バルキー星人「マグマ星人がやられたようだな…」
イカルス星人「フフフ…奴は闇のエージェントの中でも最弱なんだな…」
ナックル星人グレイ「ウルトラ戦士如きに負けるとは、闇のエージェントの面汚しよねぇ…」
ゼット「あまり調子に乗らない方がいいでございますよ!」
ジード「次はお前達だ!」
バルキー星人「ノーノー、ミー達はそう簡単にはやられないよ?」
イカルス星人「返り討ちにしてやるんだな」
ゼット「望む所でございますよ!」
ヒカリ「待つんだゼット! ジード! 君達の為に新しいウルトラメダルとウルトラカプセルを作ってみた、使ってみてくれ!」

そう言ってヒカリが渡したのはウルトラマンウルトラマンエースウルトラマンタロウのウルトラメダルと、ウルトラセブンウルトラマンレオのウルトラカプセルであった。ジードに対しては唯一残っていたライザーと装填ナックルも渡しており、ヒカリは彼に託す機満々であった。

ゼット「おお! これは真っ赤に燃える勇気の力でございますね!」
ジード「これを…僕に…?」
ヒカリ「試作品だが使ってみてくれ、ジードはそのライザーを使って変身するんだ」
ジード「ライザーか…面白くない名前だな…決めた、今からこれはジードライザーだ!」
ヒカリ「物に名前を付けるとは…中々可愛い所もあるんだな、君は」
ゼット「さあ、行きますよ! ジードさん!」
ジード「ああ! ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!」

ゼットはウルトラゼットライザーのグリップにあるトリガーを押し、承認待機状態にした。その後、中央のスロットに承認カードであるウルトラアクセスカードをセットし、続けてブレード部分にウルトラマン、エース、タロウの順にメダルをはめてスキャンした。そして、最後の仕上げにゼットはゼットライザーを空高く掲げトリガーを押すと、ゼットの姿はベータスマッシュと呼ばれる形態へと変身した。ウルトラマン、エース、タロウの力を借りたこの形態は、真っ赤に燃える勇気の力と言う言葉が似合っており、かなり筋肉質な体系となっており、その姿はまるでレスラーであった。ボディのメインカラーは赤で、目の周りが赤いマスクで覆われた覆面レスラーのような姿をしており、とても力強いパワータイプの形態であると言えるだろう。

一方のジードもゼットに合わせてジードライザーのトリガーを引いて待機状態にし、装填ナックルにウルトラカプセルを2個装填し、ジードライザーでカプセルをスキャンした。すると、「フュージョンライズ!」の音声が鳴り、その状態で再度トリガーを引く事でソリッドバーニングと言う形態に変身した。ウルトラセブンウルトラマンレオと言う師弟ウルトラマンの力を借りたこの形態は、メインカラーが赤で、全身がアーマー状になっている。更に全身には噴射口があり、そこから蒸気やブーストの炎が出るなど、まるでスーパーロボットのようであった。当然、スーパーロボットらしくすさまじい力で相手を叩き伏せる程の力を有しており、ベータスマッシュ同様この形態もパワータイプなのである。

ジード「凄い…! 力がみなぎる…!!」
ゼット「うぉぉぉ! パワー! って叫びたくなりますなぁ!!」
ヒカリ「その形態はパワータイプの形態だ、その力なら例え大型の怪獣だろうと投げ飛ばせるはずだ!」
ジード「ありがとう、ヒカリさん!」
ゼット「感謝しますぞ! さて、一気に行きますぞーっ!!」
イカルス星人「何か、ヤバいんだな」
バルキー星人「ノーッ! これは完全に負けフラグじゃないか!」

その時、上空から何かが転送されてきた。転送されてきたのは、バラゴンとゴロザウルスであり、二体共、何者かに操られているのか即攻撃を仕掛けて来た。

ダークルギエル(奴め…我々だけで良いのに余計な真似を…まあ、今は戦力を失う訳にはいかない…か…)
ナックル星人グレイ「あの怪獣…私達を助けてくれるのかしら?」
ダークルギエル「お前達三人は闇のウルトラ戦士と共に撤退しろ、我も用が済んだら撤退する」
バルキー星人「了解です! 御武運を!」

そう言って闇のエージェント達は闇のウルトラ戦士と共に撤退した。残された二大怪獣達は、それぞれゼットとジードに襲い掛かった。

ジード「待てっ!!」
ゼット「あいつら…よくも先輩方を…! 許せませんなぁ!!」

ゼットはバラゴンに連続攻撃を放った後、バラゴンを上空に向かって投げた後、ゼスティウムエネルギーを纏った拳でバラゴンを貫いた。この技はゼスティウムアッパーと言い、高い破壊力を持った技である。ゼスティウムアッパーを食らったバラゴンは爆発四散し、絶命した。

続けてジードもゴロザウルスにパンチとキックを放ってダメージを与えた後、腕部アーマーを展開し、右腕の拳から必殺光線のストライクブーストを放った。この光線でゴロザウルスは身体を貫かれ、地面に倒れ込んで爆死した。こうして、何者かが送り込んだ怪獣達は全滅し、残すところはダークルギエルのみとなった。

ダークルギエル「潮時か…」
ギンガ「ダークルギエルッ!!」
ダークルギエル「何、そんなに怒鳴らずとも、貴様がいる限り、必ず来る、必ず、な」

そう言ってダークルギエルは闇の中に姿を消し、その場から去って行った。何とか全滅は避けたものの、大勢のウルトラ戦士が戦闘不能となってしまった。しかし、この絶望的な状況で出会った新たな仲間や新たな形態、ダークルギエルを倒してスパークドールズにされたウルトラ戦士が元の姿に戻るまで、この力で戦っていくしかないのだ。

ギンガ「ダークルギエル…! 俺達は必ずお前に勝利してみせる!」
ゼット「ウルトラ強え新たな姿も手に入れたんだ、必ず勝てますよ!」
ジード「そうだね、必ず勝てる」
ゼロ「で、お前達は俺達と一緒に戦ってくれるのか?」
ミラーナイト「勿論です、我々はカイザーベリアルを倒す為にこの宇宙に来たのですから」
グレンファイヤー「お前らもベリアル軍と戦っているんだろ? だったら仲間じゃねーか!」
ゼロ「そうだな…これからよろしくな!」
グレンファイヤー「おう! 任せとけ!」

ナイス「それはともかく、ミラーナイトくんの声、誰かに似てるんだよね…そうか! ウイングゼロくんだ!」
トリガー「言われてみれば…」
トリガーダーク「確かに似ているな…」
ミラーナイト「その人の事は良く分かりませんが…そんなに似ていらっしゃるのですか?」
メビウス「似てるも何も…ほぼ一緒だよね」
ゼロ「確かに、何でだろうな…」
ミラーナイト「一度、そのお方とお会いしてみたいものです」
ゼロ「大丈夫だ、いつか必ず会えるさ」

一方、マレブランデスに戻ったダークルギエルは、戦闘中に怪獣を転送させた存在と会話していた。その存在とは、かつて地球を侵略しようとしたX星人統制官であった。X星人は地球人と同じ姿をしたヒューマノイドではあるが、その正体は醜悪な見た目の宇宙人である。その中でも、黒いコートを着込み、いかにも悪そうな表情をした彼はかつて地球の怪獣達を操って地球を侵略しようとした存在であり、操った怪獣達を使って様々な都市に被害を与えたが、最後は円盤を自爆させて他のX星人共々全滅したはずであった。その存在が今、再び現れたのである。

X星人統制官「よう、俺の贈り物は役に立ったかな?」
ダークルギエル「余計な真似を…」
X星人統制官「でも、俺のおかげであんたの部下は助かったみたいだな、ま、感謝しろ」
ダークルギエル「感謝なら、お前を生き返らせた存在に言うんだな」
X星人統制官「ああ、あの女か、あいつには感謝しているさ、またこの地球を侵略できるんだからな」
???「喜んでもらえて何よりだよ~、私は嬉しいな~」
ダークルギエル「歓喜のアレグリーアか…お前の趣味はよく分からぬ…」
歓喜のアレグリーア「やだなぁ…この統制官さんは私達に協力してくれそうだったから復活させたんだよ?」

歓喜のアレグリーアは人間の少女の様な見た目をしていたが、肌はオレンジで、黄色のショートヘアと瞳が特徴であった。体は薄紫色のワンピースを着こんでおり、彼女の一番の特徴として、頭に兎耳の様な癖毛があった。表情は大体いつも笑顔である為、何を考えているかは分からないが、ろくでもない事を考えている事は確かである。

X星人統制官「まあ、地球上にいる怪獣なら、俺達X星人の技術でコントロールできるさ、宇宙帝国イフィニアドの連中はこの技術を真似したんだな、これが」
歓喜のアレグリーア「ああ、そうそう、後もう一人面白い人を蘇らせたよ~」
ダークルギエル「今度は誰だ?」
王蛇「俺だよ…」

そこに現れたのは、ロストロウラン戦線で戦死した仮面ライダー王蛇であった。王蛇はあの時確実に死んだはずであったが、歓喜のアレグリーアの力で復活したのである。そして、王蛇は自分を殺したクロストライアルのメンバーに復讐する気まんまんであった。

王蛇「あいつら…この俺を殺しやがって…うあぁぁぁぁぁッ!!!」
歓喜のアレグリーア「落ち着いて~すぐに暴れさせてあげるから~」
王蛇「ああ…お前には感謝してるぜ…また戦えるんだからな…今度はイフィニアドみたいに面倒な規則はないみたいだしな…」
歓喜のアレグリーア「ないよ~だから~どんどん殺しちゃっていいからね~」
王蛇「ハッハッハ、今の地球は面白い事になってるみたいだから、相当潰し甲斐があるな…」
歓喜のアレグリーア「じゃあ~そろそろ邪魔な連中を潰しに行こっか~私達の力を見せつけてあげないとね~」

2101年3月5日、現在の地球圏にはベリアル軍、木星帝国、ダークルギエル等、様々な勢力の攻撃を受けており、地球全土は混乱していた。ただでさえ1ヵ月ちょっと前にはイフィニアドやヴェイガンとの戦争が終わったばかりでようやく戦争が終わった所だと言うのに、間髪入れずに再び戦争が起きたのである。それに、イフィニアド襲来以前にも数多くの争いが起きており、もはやこの地球には平和など訪れないのではないかと誰もが思っていた。そんな中、クロストライアルの面々は一度得た平和を取り戻す為に戦っている。戦いが続き、しばらく襲撃が収まっていたある日、一人の異世界からの来訪者が現れた。その異世界からの来訪者はガンダム族であり、白を基調に青、黄、赤を組み合わせた体色、額とこめかみ付近から生えた2体4本のブレードアンテナ、双眼型の頭部センサーが特徴で、頭頂部や胸部、太腿部などに半透明の黒いカバーがある。このガンダム族の名前はエアリアルと言い、女性的な見た目をした外見から分かる通り、性別は女性である。彼女は元の世界だとアスティカシア高等専門学園と言う学校に通っており、知らない間にこの世界に転移して来た事でかなり困惑していた。

エアリアル「えっ!? ここはどこですか!? ミオリネさんや株式会社ガンダムのみんなは!?」

エアリアルは仲間を探す為にきょろきょろと辺りを見回していたが、仲間の姿はどこにもなかった。その時、エアリアルの近くに8機のレギオノイドが現れた。

エアリアル「あなた達は…どこのモビルスーツですか?」

エアリアルの問いに、レギオノイドは攻撃で答えた。レギオノイドの攻撃をエアリアルはとっさに回避し、ダメージは受けなかったものの、突然攻撃を受けた事に対し、更に困惑した。

エアリアル「何ですか!? 私、何かしましたか!?」

尚も攻撃を続けるレギオノイドに対し、エアリアルは戦うしかないと判断、バックパックからビームサーベルを抜刀した。

エアリアル「私は絶対に負ける訳にはいかないんです! 行かせてもらいますよ!」

エアリアルビームサーベルでレギオノイドを切り裂き、一機、二機と次々に撃破して行った。あっという間にレギオノイドの数が三機になったその時、上空から何かが転送されてきた。それは、シートピア海底王国の守護神メガロであり、メガロはカブトムシのような見た目をした両腕がドリルの怪獣であった。恐らく、X星人統制官が暇つぶしにと送り込んだのであろう。

エアリアル「あ…あれは何ですかぁ!? 怪獣!?」
トレイン「ああ、あれは怪獣だ、この世界じゃ珍しくないらしいぜ?」
エアリアル「あなた達は!?」
トレイン「俺はトレイン=ハートネット、気ままな野良猫さ」
イヴ「私はイヴだよ」
キサラ「で、あたしはキサラ、で、ついでにこっちのドロボウ猫は夕桐アヤノね」
アヤノ「ちょっと! 変な紹介しないでよこの悪魔女!!」
ヴァルヴレイヴI「僕はヴァルヴレイヴI、火人って呼んでください」
エアリアル「わ…私は、ガンダムエアリアルです! よろしくお願いします!!」

その時、メガロは口から地熱ナパーム弾を発射し、エアリアル達を攻撃し、エアリアル達は寸前に回避した、地熱ナパーム弾は地面に着弾し、大爆発を起こして爆風でエアリアル達を吹き飛ばした。

アヤノ「何て火力なの!?」
トレイン「これは少しでも回避をミスったらデスるな!」

続けて、角の先端からレーザー殺獣光線を放ってヴァルヴレイヴIを攻撃し、ヴァルヴレイヴIは光線を食らってダメージを受けてしまった。

キサラ「火人くん、大丈夫?」
ヴァルヴレイヴI「僕なら大丈夫! キサラさん達はあの怪獣を!」
アヤノ「オーケイ! トレインはあの怪獣の目を狙って!」
トレイン「りょーかい!」

すると、メガロは危機を察知したのか羽根を広げて飛行し、空中から地熱ナパーム弾を放って地上を空爆した。次から次へと放たれる地熱ナパーム弾は地上で大爆発を立て続けに起こし、エアリアル達はダメージを受け、残っていたレギオノイドも巻き添えを食らって破壊されてしまった。

アヤノ「あいつ…滅茶苦茶…!」
キサラ「あの暴れっぷりはまるでカンナね…!」
トレイン「参ったな、ちょっと散歩に出かけたら、こんな強い怪獣と出くわすなんて…」
イヴ「私達、かなり不運だね」
エアリアル「確かにあの怪獣はとても強いです…でも、私は逃げません!!」
ヴァルヴレイヴI「君は強いんだね」
エアリアル「はい! お母さんが言ってました、逃げたら一つ、進めば二つ手に入るって」
イヴ「手に入る…?」
エアリアル「逃げたら安全が手に入ります、でも、進めば他の人の安全も手に入ります、私達があの怪獣を倒せたら、ですけど…」
アヤノ「倒せたら、ね…」
トレイン「だったら倒せばいいじゃねえか、どの道、あんな危険な奴ほっといたら被害も半端じゃないぜ」
ヴァルヴレイヴI「確実に逃げれる保証もないし、ここはあの怪獣を倒して二つとも手に入れよう!」
エアリアル「はい!」
キサラ「じゃあ、あたしとイヴであいつをかく乱するから、アヤノとトレインはあいつを撃ち落として!」
アヤノ「オーケイ! 任せなさい!」

キサラとイヴは素早く移動し、メガロの注意を引いた。メガロはキサラとイヴを狙ってレーザー殺獣光線を放ったが、二人はこれを回避。その隙にトレインが電磁銃を放ってメガロの片方の羽根を吹き飛ばし、続けてアヤノがマシンガンでもう片方の羽根を吹き飛ばした。羽根を失ったメガロは地面に墜落したが、すぐに立ち上がってレーザー殺獣光線を放とうとした。しかし、ヴァルヴレイヴIのジー・エッジの刃がメガロの角を切り落とし、光線発射を妨げた。後がなくなったメガロは両腕のドリルを合体させて万能削岩ドリルにし、エアリアル達を攻撃しようとした。その時、エアリアルは身体に装着していた11基のビットステイヴを分離させ、内蔵するビームキャノンで遠隔攻撃をした。メガロはビームキャノンの攻撃を様々な方角から食らい、あっという間にボロボロになってしまった。そして、エアリアルはトドメにビームサーベルでメガロの体を切り裂いた。直後、メガロは地面に倒れ込んで大爆発を起こし、絶命した。何とか強敵であるメガロを倒した事で、エアリアル達は安堵し、地面に座り込んだ。

エアリアル「な…何とか勝てました…」
ヴァルヴレイヴI「良かったね、二つとも、手に入ったよ」
エアリアル「はい!」
アヤノ「何はともあれ、あの怪獣を撃破できて良かったわ」
エアリアル「………」
アヤノ「え…何…?」
エアリアル「いえ、アヤノさんの声が私のお友達に似てまして…」
アヤノ「そうなの…お友達のあなたがそう言うんだから、相当似ているのね…」
トレイン「そう言えば、お前、ガンダム族だろ? どこの所属だ?」
エアリアル「私ですか? 私はアスティカシア高等専門学園の所属です!」
イヴ「アスティカシア高等専門学園? 学生なの?」
エアリアル「はい! そうですよ!」
ヴァルヴレイヴI「でも、この辺りに学校なんてあったかな…?」
エアリアル「アスティカシア高等専門学園は小惑星にある学校ですよ」
キサラ「え? 小惑星…?」
トレイン「はは~ん、分かったぞ、お前も異世界からの来訪者なんだな」
エアリアル異世界からの…来訪者…?」
トレイン「とりま、俺達について来い」

エアリアルはトレイン達に連れられ、フリーダムベースへと向かった。フリーダムベースではデスティニーを始めとしたガンダム族が沢山おり、エアリアルは驚きを隠せずにいた。

エアリアル「ガ…ガンダムが大勢いる!?」
デスティニー「そんなに驚く事か…?」
フォースインパルス「この世界じゃ常識よね…」
ガイア「常識、だね…」
Gセイバー「今までこの世界に現れたガンダム族は数えきれないからね…」
エアリアル「そんなにいるんですか!? あ、そう言えば火人くんは…」
ヴァルヴレイヴI「僕は霊長兵器だからガンダムでもモビルスーツでもないんだ」
トレイン「それより、蒼乃さん達はどこ行ったんだ? 姿が見えないけど…」
ネクサス「あの人達なら、ベリアル軍の迎撃に向かいましたよ」
レイモン「最近、多いですからね、ベリアル軍の襲撃」
エアリアル「皆さん大変なんですね…だったら、私も協力します!」
デスティニー「いいのか? 死ぬかもしれないんだぞ?」
エアリアル「元の世界に帰る方法が分からない以上、ここにいる事しかできませんし…だったら、この世界の為に戦う事を選んだ方がいいですよ!」
ヴァルヴレイヴI「エアリアルさん…ありがとう、これからよろしく!」
エアリアル「はい! こちらこそよろしくお願いします!」

一方、メガロを送り込んだX星人統制官は、歓喜のアレグリーアと会話をしていた。無断で地上にメガロを送り込んだことについて、色々と理由を聞いているのである。

歓喜のアレグリーア「ね~ね~、何であの強い怪獣を送り込んだの~? あの怪獣結構強いんでしょ~?」
X星人統制官「何、ただの暇つぶしだ、あそこは街が多いからな、ちょっくら暴れさせてやろうと思ってたんだ、まさかあんな所にクロストライアルの奴らがいるとはな…」
歓喜のアレグリーア「今回送り込んだ怪獣って、結構強いんだよね~?」
X星人統制官「まあな、シートピア海底王国の守護神だからな、その強さは折り紙付きだ」
メフィラス星人「どうやら、メガロは異世界からの来訪者たちに倒されたようですね…」

そう言って現れたのは、カイザーベリアルの部下、メフィラス星人であった。メフィラス星人初代ウルトラマンメビウスと戦った宇宙人であり、紳士的かつ慇懃無礼な態度を取る宇宙人の中では割と礼儀正しい宇宙人である。知性派ながらもウルトラマンと同等以上の戦闘力を持っており、ウルトラマンと戦った相手の中でも特に強い宇宙人なのである。一方で、ウルトラマンタロウと戦った二代目も存在するが、こちらはウルトラマンメビウスが戦ったものに比べかなり粗暴で、大して強くない為、相当育ちが良くなかったと思われる。

X星人統制官「おいおい、メガロはシートピア海底王国の守護神だぞ? それを倒す力を持っているって…」
メフィラス星人「相手はそれだけの力を持っていると言う事でしょう、あまり甘く見ない方が良いようですね…」
X星人統制官「チッ、面白くねえな…」
メフィラス星人「それより歓喜のアレグリーアさん、あの作戦の準備は整いましたか?」
歓喜のアレグリーア「勿論だよ~、かつてウルトラマンティガに倒されたスーパーヒッポリト星人の蘇生でしょ? とっくに終わってセイバークルーザー隊のいる所に送り込んでおいたよ~」
メフィラス星人「感謝しますよ、これであの究極合体怪獣が完成する…!」

そう言って、メフィラス星人はセイバークルーザー隊のいる場所まで転移した。

X星人統制官「究極合体怪獣…? それってカイザーギドラより強いのかね?」
歓喜のアレグリーア「さあ? 同じくらいは強いんじゃない?」

一方のセイバークルーザー隊は大勢のレギオノイドとダークロプスを撃破しており、残すところはスーパーヒッポリト星人一体となっていた。スーパーヒッポリト星人は一人になってもなお、応戦していたが、たった一人ではどうする事も出来ずにいた。

スーパーヒッポリト星人「クソッ! せっかく復活したのに、このままでは…!」
ソウル「エクセリア! 俺に合わせろ!」
エクセリア「OK! 任せて!」

ソウルとエクセリアは同時にスーパーヒッポリト星人を切り裂き、スーパーヒッポリト星人に致命傷を与えた。その直後、丁度メフィラス星人が転移してきた。

ドラゴニュート「あいつは…! メフィラス星人!」
スーパーヒッポリト星人「メフィラス星人…! 助けてくれ…!」
メフィラス星人「ええ、助けてあげましょう、あなたを最強の怪獣として復活させてあげますよ」
スーパーヒッポリト星人「それは、こいつらを倒せるぐらいの怪獣か?」
メフィラス星人「勿論です」
スーパーヒッポリト星人「そうか…ぐあぁぁぁっ!!」

そう言い残してスーパーヒッポリト星人は爆死したが、スーパーヒッポリト星人の爆発位置からは青白い魂の様なものが出てきた。更に、怪獣墓場のある方角からも四つの青白い魂の様なものが飛んできて、それらは一か所に集合した。直後、キングゲスラ、キングパンドン、キングシルバゴン、キングゴルドラス、スーパーヒッポリト星人が合体した究極合体怪獣ギガキマイラが誕生したのである。ギガキマイラは相当、四本腕のケンタウロスの様な奇妙な姿をした巨大な怪獣で、常時空中に浮遊している。合体怪獣らしく体は五体の怪獣と宇宙人が合体しており、頭部と両腕と腰の付け根がキングシルバゴンとキングゴルドラス、胴体はスーパーヒッポリト星人、下半身はキングゲスラ、尻尾はキングパンドンとなっている。

奏真「何だあの化け物は!?」
ドラゴニュート「あの合体怪獣…俺とレジスタンスの仲間達が前に怪獣墓場で倒した怪獣も含まれてる…!」
メフィラス星人「そうです、ベリアル陛下が過去に操った怪獣を調べていたら、これは行けると思いましてねぇ…私の協力者にスーパーヒッポリト星人を復活させていただいて、あなた達に倒させていただいたのですよ」
流羽「その為だけに仲間を犠牲に…」
蒼乃「悔しいけど、そこまで見通した上で私達にあの宇宙人を倒させるなんて…」
大河「流石に予想できなかったよ…」
メフィラス星人「そうでしょうねぇ…では、そろそろ幕引きの時間ですよ」

メフィラス星人が合図すると、ギガキマイラに合体したキングゴルドラスとキングシルバゴンがそれぞれ赤い光弾のゴルド・デストラクターと蒼い光弾のシルバ・デストラクターを吐いて地上を攻撃した。それぞれの光弾は地面に着弾し、想像を絶する大爆発が発生し、セイバークルーザー隊の面々を吹き飛ばした。続けて、キングパンドンパンドン・ヘルマグマと言う火炎弾を吐き、辺り一帯を火の海に変えてしまった。あまりに高い戦闘力を前に、セイバークルーザー隊の面々は撤退を余儀なくされた。

蒼乃「いけない! この相手は強力すぎるわ!」
カイト「俺達カイスマメンバーが時間を稼ぐ! 蒼乃さん達は今のうちに撤退してくれ!」
蒼乃「OK! 分かったわ!」

そう言って蒼乃達がセイバークルーザーに戻ろうとしたその時、キングパンドンの放ったパンドン・ヘルマグマがセイバークルーザーに直撃、セイバークルーザーは一撃で大破してしまった。

ドラゴニュート「そんな…セイバークルーザーが…!」
メフィラス星人「その戦艦はクロストライアルの旗艦の様ですからね…真っ先に潰させていただきましたよ…」
レオナルド「逃げる場所もなく、目の前には強力な怪獣…か…腕が鳴るぜ!」
ラズ「勝てる見込みはあるの?」
レオナルド「簡単な話だ、合体してる怪獣の首を全部斬り落とせばいい!」
サルマン「そんな事、どうやってやればいいんだ?」
ドラゴニュート「俺が青龍の姿になって時間を稼ぐ! みんなはその間にあいつを攻撃してくれ!」
カイト「じゃあ、俺も加勢するぜ! ドラゴニュート!」
ダークカイト「ったく、仕方ねえな…」

ドラゴニュートは龍の本能を覚醒させて青龍の姿に、カイトはゴッドカイトに、ダークカイトは虚無亜空神と言う強化形態になり、ギガキマイラを迎え撃つ準備をした。それぞれの強化形態はとても高い力を持ち、どれもイフィニアドの幹部と互角の戦いを繰り広げた事があり、ギガキマイラ相手でも戦えることは確実であった。更にギガキマイラは空中におり、こちらは飛行できないメンバーが多い為、ギガキマイラの相手をするには空を飛べるこれらの姿になるしかない。

ドラゴニュート「準備完了だな!」
ゴッドカイト「さて…行くか…」
虚無亜空神「手加減はしないぜ」
メフィラス星人「中々の力を持っているようですね…ですが、このギガキマイラには勝てませんよ!」

ギガキマイラはゴルド・デストラクターとシルバ・デストラクターを同時に放ち、ドラゴニュート達を攻撃した。しかし、それらの攻撃は全てゴッドカイトの獅子抜刀剣の一振りで相殺されてしまった。続けてパンドン・ヘルマグマを放ったものの、この攻撃も虚無亜空神の持つ剣の一振りで相殺されてしまい、決定打を与えられずにいた。

メフィラス星人(なるほど…流石はイフィニアド四天王と互角以上に戦った姿なだけありますね…この二人もそうですが、問題はあの青い龍…奴の力は一体…)

青龍ドラゴニュートは、口から必殺光線のアルティメットバーストを放った。それに対し、ギガキマイラも必殺光線のデザスタルバーストを放ち、双方の光線は互角にせめぎ合い、想像を絶する大爆発が発生、双方は吹き飛ばされた。

蒼乃「あの子達…滅茶苦茶…!!」
イオナ「パワーインフレが激しすぎますね…!!」
レイラ「もう私達が割って入れる世界じゃないわ…!!」
アイラ「でも、あの姿で戦えるのには限界があります…」
ファヴール「それまでに、あの合体怪獣を倒せるかどうか…」

その時、爆発地点が歪み、ワームホールが発生した。どうやら、爆発の威力があまりに高すぎたせいで次元が歪み、ワームホールが発生したようである。ワームホールからは、4人の人物が転移してきた。

セレノフィル「え…!? ここどこ…!? って、静希、あれ…!」
静希「あぁ…何か大きな怪獣がいるな…」
ルナ「おやぁ? これってもしかして、異世界召喚って奴? フッフッフ…例え異世界でも、漆黒なる永劫の翼(ダークネス・エターナル・フリューゲル)の称号を持つ私なら、無双する事だって夢じゃないわ!」
レイリア「私…確かダークアビスを止める為に地球に向かってたはず…なのに、何でこんな所にいるんだろ…」
ルナ「って、誰かと思えばセレノフィルと静希か、久しぶりだなぁ…後の一人は…初めて…?」
セレノフィル「久しぶりだね、ルナ」
静希「会うのはアルスマ界以来か?」
ルナ「そうだね、ほんとに久しぶり」
レイリア「皆さんお知り合いですか…この中では私だけ無関係の人間なんですね…」

セレノフィル・アルストロメリアは長いピンクの髪と赤い瞳が特徴の魔法少女の様な姿をした可愛らしい少女だが、その正体は謎の組織が人間の少女に機人の遺伝子を埋め込んで誕生させたヒューマノイドウェポンである。その為、高い身体能力を誇り、ヒューマノイドウェポンの中でも彼女は魔法攻撃に長けた能力を備えており、光と氷の魔法を得意としている。
皆藤静希(かいとう しずき)は男性にしては長めの黒い髪と青い瞳、黒一色の服装が特徴の青年であり、ハンドガンブレードと言うブレードモードに変形するハンドガンを使って謎の組織と戦っている。普段は組織を脱走したセレノフィルと共に暮らしながら日常生活を送り、世界を脅かす謎の組織と戦っている。
黒乃月(くろの るな)は、薄紫を基調としたゴスロリワンピース、紫色の長髪、黄色の右目と赤色の左目が特徴の17歳の中二病少女であり、漆黒なる永劫の翼(ダークネス・エターナル・フリューゲル)の称号を持つと自称するが、それが何を意味するかは不明である。また、右目は神眼、左目は魔眼となっており、様々な能力を使うことが出来る万能さを誇り、かつてアルスマ界で大乱闘に参加した際、その能力を使って多くの相手と戦った。
レイリア・エルスタルは長い金髪とオレンジの瞳が特徴で、次元移動も可能な万能銃、ディメンジョンブラスターを使って旅をする少女である。今まで数多くの世界を旅した事があり、その旅の目的は不明ながらも、高い戦闘力を持った少女である。

ドラゴニュート「おいおい、また異世界からの来訪者か?」
ゴッドカイト「どうやら、ドラゴニュートとギガキマイラの攻撃で次元が歪んだせいらしいな…って、ルナとセレノフィルと静希がいるぞ!?」
虚無亜空神「ああ、アルスマ界にいた中二病と一度だけ会った魔法少女みたいな奴とハーレム主人公みたいな顔の奴か…」
ルナ「ん? その声はカイトくんとダークカイトくんね! 久しぶり!」
セレノフィル「本当に久しぶりだね、でも、私は魔法少女じゃないよ!」
静希「俺もだ、そもそも俺はハーレム主人公ほどモテないって!」
ダークカイト「おお、悪い悪い」
ゴッドカイト「久しぶりの再会を楽しみたいけど、今はこいつを倒さないと!!」
ルナ「それなら任せてよ!」

ルナは左目の魔眼に宿った重力制御(グラビティ)の能力を発動させ、ギガキマイラに10倍の重力をかけた。すると、ギガキマイラは地表に叩き付けられ、まともに動く事が出来なくなっていた。

ルナ「みんな! 攻撃するなら今だよ!」
蒼乃「OK! みんな! 行くわよ!!」
レイリア「私も行きます!」

奏真と大河は二人同時にキングパンドンの頭に向かって行き、同時攻撃で首を斬り落とし、斬り落とした首は奏真の部下であるターニャ、ミーナ、ノクトの3人が放ったバズーカの弾丸で木っ端微塵に吹き飛んだ。続けてレオナルドとルクレシアがそれぞれキングゴルドラスとキングシルバゴンの首を斬り落とし、ヴァンパイアスの放ったフレイムでキングゴルドラスの頭は骨も残らず燃え尽き、キングシルバゴンの頭もヘルベロスの放ったヘルホーンサンダーを食らい、爆散した。更に、レイリアは自身の装備したディメンジョンブラスターに必殺光線のフォトンシュトラールを収束させ、トリガーを引いてキングゲスラの顔目掛けて放った。フォトンシュトラールはキングゲスラの顔に着弾し、顔は無残に砕け散った。ギガキマイラの4本の腕に関しては、それぞれラズ、美咲、キルシュ、ドレイクの4人の攻撃によって斬り落とされ、残った腕も蒼乃のライトニング、流羽のセイントアロー、サルマンのクッサイパンチ、フリストの冷凍パンチを食らい、爆散した。こうして、残すところはスーパーヒッポリト星人の顔のみとなり、多くの戦力も失われ、瀕死の状態となっていた。ここでルナの重力制御の効果が切れ、ギガキマイラは再び空中に浮きあがった。

ルナ「ごめん! これ以上魔眼の力は使えない!」
ゴッドカイト「上出来だ! 後は俺達に任せろ!!」

ドラゴニュートはアルティメットバースト、ゴッドカイトは獅子抜刀剣、虚無亜空神はダークネスバスターを放ち、瀕死状態のギガキマイラに放った。今のギガキマイラにとってこの攻撃はオーバーキルであり、ギガキマイラはそのまま大気圏外にまで押し出され、宇宙空間で大爆発を起こし、絶命した。肝心のギガキマイラを失ったメフィラス星人は、まさかギガキマイラがここまであっさり倒されるとは思っておらず、困惑していた。

メフィラス星人「おのれ…! まさかギガキマイラがこうもあっけなく…! ここは一旦撤退して体制を…!」
静希「おっと、どこ行くんだ?」
セレノフィル「あなたの相手は、私と静希だよ!」
メフィラス星人「いいでしょう、ベリアル陛下のせめてもの手土産に、あなた達二人の首を持って帰りましょう!」

そう言ってメフィラス星人は突き合わせた両拳からペアハンド光線を放って二人を攻撃したが、二人は回避し、静希はハンドガンから銃弾を連射し、メフィラス星人を攻撃した。続けてセレノフィルはシルバリオンロッドと言う先端に青い魔法石が付いた銀色のロッドでメフィラス星人を殴りつけた。メフィラス星人はなおも片腕の拳を握って突き出し、グリップビームを放ってセレノフィルを攻撃したが、セレノフィルは魔導結界と言う魔法の結界を張ってグリップビームを無力化した。あまりに高い戦闘能力を持つ異世界からの来訪者とセイバークルーザー隊の面々を目撃したメフィラス星人は、圧倒され、自身の策の甘さを痛感した。

メフィラス星人(くっ…! まさかここまでとは…! ベリアル軍の中でダークゴーネに並ぶ策士であると言われる私の策が甘かったとでも言うのですか…! ですが、この命が尽きようとも、ベリアル陛下の為なら…!)
静希「セレノ! 決めるぞ!!」
セレノフィル「うん! ベリダ・ディアエル・アラメイ・グニス・ヘリル…漆黒の闇の底に潜む氷の地獄よ、我に力を与え、敵を凍結させよ! レベル10氷魔法、コキュートス!!」

セレノフィルの唱えたレベル10氷魔法コキュートスによってメフィラス星人は一瞬にして凍り付き、動かなくなった。完全に凍り付いてもなお、まだ僅かに意識があった為、トドメは静希が決める事になった。

静希「行くぞ! ハンドガンブレード、モード・チェンジ! ブレード! リュミエール・サイフォス!!」

静希はハンドガンブレードをブレードモードに変形させ、光の刃を発生させた、そして、最大出力にした光の刃で必殺技のリュミエール・サイフォスを放ち、凍り付いたメフィラス星人を叩き斬った。直後、メフィラス星人は大爆発を発生させ、砕け散った。しかしその瞬間、メフィラス星人の怨念らしき黒い塊が空の彼方へと飛んで行ったのが見えた。

静希「…何だ、今の?」
セレノフィル「多分、怨念じゃないかな?」
蒼乃「何はともあれ、何とか敵を倒したわね…」

その後、ドラゴニュートとカイト、ダークカイトは元の姿に戻り、地面に降り立った。カイトとダークカイトは真っ先にルナの下に向かい、久々の再開を祝した。

カイト「久しぶり! ルナ!」
ルナ「久しぶりだね、カイトくん、ダークカイトくん、それに、セレノフィルに静希くんも」
ダークカイト「よう、相変わらず中二病はやってるのか?」
ルナ「勿論! セレノフィルと静希も、相変わらず私の魔眼を疼かせてくれたね!」
セレノフィル「私…普通に詠唱してるだけなんだけどなぁ…」
静希「俺はつい癖になってて仕方なく…」

ルナ「そうだ! それよりここどこなの? 私、久々にアルスマ界に行ってたんだけど、翼くんはいないし、マスターファフニールに聞いても行方が分からないって言うし、変な世界に来るし…もう何が何だか…」
カイト「それは俺もだよ、突然変なワームホールに吸い込まれてここに…それに、俺以外にも多くの人がこの世界に来てる…」
ダークカイト「まるで、誰かの思惑通りに進められているようにな…」
カイト「…てか、今さっきしれっと翼が行方不明って言ってたけど、マジ?」
ルナ「うん、マジだよ」
カイト「カイスマ界にいるんじゃなくて…?」
ルナ「マスターゴッドにも直接聞きに行ったけど、行方不明だって」
カイト「あいつ…一体どこ行ったんだよ…」
ルナ「ところで、ドラゴニュートさんらしき人とか、イオナちゃんとか、見た事ある人もいるけど、この人達同一人物?」
ダークカイト「いや、パラレルワールドの別人だ」
ルナ「パラレルワールド…と言う事は、この世界に私が居てもおかしくはないわね…フッフッフ…漆黒なる永劫の翼の称号に懸けても絶対に負けないんだから…!」
カイト「いや、わざわざ戦わなくていいから…!」

蒼乃「この人達も、トレインくんやキサラちゃん達と同じでカイトくんの知り合いなの?」
カイト「ああ、この子は黒乃月、アルスマファイターとして、俺達と大乱闘をした戦友だ、で、こっちがセレノフィル・アルストロメリアと皆藤静希、アルスマファイターではないけど、大乱闘に参加した事がある人物だ」
蒼乃「じゃあ、この金髪の子は?」
カイト「この子は知らないなぁ…初めて会う人だから…」
レイリア「私はレイリア、レイリア・エルスタルです、早い話が色々な世界を旅する旅人ですね」
蒼乃「色々な世界を…そうだ! あなたなら、カイトくん達を元の世界に戻せるんじゃない?」
レイリア「それが…さっきから何度も試しているんですけど、ディメンジョンブラスターの次元移動システムが作動しなくて…」
ダークカイト「壊れているんじゃないか?」
レイリア「いえ、壊れてはいません、もし壊れてたらフォトンシュトラールもグラビティカノンも撃てませんから」
ダークカイト「じゃあ、理由は何だ?」
レイリア「そうですね…これは仮説ですけど、何か大きな存在によって次元を移動する力を封じられているとしか…」
カイト「あ、そう言えばダークカイトもテレポートの能力が使えなくなっていたな」
ダークカイト「ああ、今は短距離程度ならテレポートできるが、未だに別の世界に行く事はできないな」
レオナルド「何だよ、使えねえな」
ダークカイト「お前潰すぞ」
サルマン「まあまあ、落ち着け」
ルナ「別の世界に行く能力なら私にもあるけど、その力も封じられているみたい…」
ドラゴニュート「そんな事、一体誰が…」
奏真「次々と現れる異世界からの来訪者に…次元移動能力の封印…最初は偶然だと思っていたが…ここまで来ると誰かに仕組まれているようにしか思えないな…それも、とても強大な何者かに…」

奏真の言葉に、一同は言葉を失い、しばらく無言になった。次々と現れる異世界からの来訪者、最初はたまたまワームホールに呑まれてやって来た別世界の人物だと思っていた。しかし、この来訪がもし誰かに仕組まれたものだとしたら、自分達はどうすればいいのだろうか、仮に攻撃を仕掛けて来た時勝てるのだろうか。それはもはや、神に立ち向かうようなものである、もしそうなった場合、どうやって立ち向かえばいいのか、そう考えると、怖くなってきた。すると、突然ラズが興味深い事を呟いた。

ラズ「ねえ、さっき翼って人が行方不明になったって言ってたわよね?」
ルナ「うん、言ったよ、元アルスマファイターの一ノ瀬翼くん、現在はカイスマ界でカイスマメンバーの一員になってるって聞いたんだけどなぁ…」
ラズ「その翼くんって、もしかしてディーヴァ隊にいる一ノ瀬翼くんじゃない?」
ルナ「え!? この世界にも翼くんがいるの!? もしかして、並行同位体!?」
アイラ「あり得ません! 翼さんには降星町で生まれ育ったって言って…!」
ラズ「その記憶がもし、ルシファーに植え付けられたような偽りの記憶だったとしたら…?」
カイト「!! それって…!」
ラズ「そう…記憶を書き換えられてこの世界で過ごしている異世界からの来訪者が少なからずいるって事…これもあくまで仮説だけどね」
レイラ「確かに、その仮説ならある程度の辻褄が合うわね…」
ルナ「そう考えないと、マスターファフニールやマスターゴッドでも翼くんの行方が分からないなんて、流石に無理があるよ」
美咲「じゃあ、この世界には我々が確認している以上の異世界からの来訪者がいると言うのか…」
エクセリア「それを全員探すなんて無理よ!」
ソウル「そうだな…異世界からの来訪者かどうか確認するには、そいつが記憶を取り戻す事が必須条件だからな…」

カイト「そうだ、ルナ、他にも行方が分からない元アルスマファイターはいるか?」
ルナ「いるよ~、瑠依ちゃん、フィオーレちゃん、ヴェローナちゃん、アリアちゃん、後はアルスマファイターじゃないけど、ナイル盗賊団の面々だね」
キルシュ「そんなに居るんですか…これはもう集団行方不明事件ですよ…」
レイラ「あ、フィオーレなら私、行方知ってるわ」
カイト「そりゃ本当か!?」
レイラ「ええ、だってフィオーレは私の友人でありライバルだもの、本来、アルスマには私が出場予定だったんだけど、その時異種格闘技の世界大会にレイニールの街代表で出る予定と重なってて、代わりに代表落ちしたフィオーレがアルスマに出場する事になったの」
静希「で、今フィオーレはどこにいるんだ?」
レイラ「えっと…確かオベリスク島に修行に出掛けるとか言ってたわね…もう半年ぐらい連絡ないけど、大丈夫かしら…まあ、あの子の事だから戦車に轢かれても死なないだろうけど…」
セレノフィル「フィオーレさん…この世界の出身だったんですね…」

ドラゴニュート「…おかしい」
大河「え? 何が…?」
ドラゴニュート「だっておかしいじゃないか、そのマスターファフニールとマスターゴッドって人が行方不明と言った人達、全員この世界にいるって事だろ? それって、他の世界からはこの世界に干渉できないって事じゃないか?」
流羽「あっ、言われてみれば…!」
ドレイク「更に、この世界から他の世界に行く事もできない…と」
ヘルベロス「つまり、この世界は完全に外部から隔離された世界って事か…?」
ドラゴニュート「今までの情報を合わせたら、そうとしか考えられないよ…」
ルクレシア「唯一、他の世界に干渉する方法がいつ開くか分からないワームホールだけ…」
レイリア「なるほど…この世界は私が今まで旅した世界の中でもトップクラスに複雑な経緯を持った世界の様ですね…」
フリスト「でも、私達がこの世界に来る1年前のアルスマ開催時にはフィオーレさん他の世界に行き来できたんでしょ? 何で今はできなくなっているの…?」

フリストのその発言に、一同は黙り込んで理由を考えていた。だが、情報が少なすぎる以上、真実には到底たどり着けない。小一時間考えた末、カイトが一つの仮説を出した。

カイト「…考えられる事は一つだけある、この世界の支配者がこの世界を他の世界と干渉できなくした…とか…」
ドラゴニュート「え? この世界支配者いるの?」
カイト「と、言うのも前にアルスマ界で会ったドラゴニュートがこの世界やアルスマ界とは別の世界の支配者と戦った事があってだな、その支配者、サファイア・ホロウって言うんだけど、そいつは世界を守護する存在でありながら代わり映えのない世界を退屈に感じてそことは別の世界からドラゴニュートを自身が支配する世界に召喚して、その世界でどのような行動を取るか、世界にどのような影響を与えるかを安全圏から見て楽しんでいたんだ」
蒼乃「悪趣味な奴ね…」
カイト「で、十分楽しんだサファイア・ホロウは用済みになったドラゴニュートを始末しようとしたんだが、最終的にドラゴニュート達によって滅ぼされると言う因果応報な末路を辿った訳だ、多分、この世界にもサファイア・ホロウと同じぐらい性根の腐った奴がいるんだろう、あくまで仮説の一つに過ぎないがな」
ルナ「つまり、その仮説が正しければ、私達は利用されてるだけなんだね!」
カイト「そう言う事だ、ルナ達がこの世界に来たのも、ドラゴニュートとギガキマイラの攻撃がぶつかり合ったタイミングで召喚すれば作劇的に面白いと言う黒幕の考えだろう」
レイリア「でも、その黒幕って一体誰なんでしょうか…?」
ドラゴニュート「…多分、あいつだ、俺達がインペリアルフォートレスの皇帝の間で声だけ聞いたイフィニアドやヴェイガンを裏から操っていた黒幕…あいつしかいない…!!」

一方その頃、少しずつこの世界の真実に近づいているセイバークルーザー隊の面々を安全圏から見ていた黒幕は、焦りを見せるどころか余裕のある態度を見せていた。彼女にとって、この世界の生物は全てショーを楽しくする為の駒の様な存在であり、ショーを更に盛り上げる為、ワームホールを開いて異世界からの来訪者を次々と呼びよせているのだ。そして、異世界からの来訪者は彼女の予想通り、ショーを盛り上げてくれる為、彼女にとって面白い事はこれ以上ないのである。一部の異世界からの来訪者には偽りの記憶を与え、どのような行動をするのか楽しんでいる。更に、この世界は他世界から完全に隔離されており、外から干渉する事も、この世界の外に出る事も不可能と言う、実質の鎖国状態となっている。彼女は今、利用価値の無くなったイフィニアドとヴェイガンを捨て、現在はベリアル軍や木星帝国と言った組織を部下の喜怒哀楽四天王を使って裏から操っており、地球侵略の手助けをすると言いつつ、実際は自身が楽しめればそれでいいと思っているとんでもなく悪趣味な考えを持っているのだ。

???「フフフ…遂に私の正体に気付き始めたわね…面白くなってきたわ…シャグラン、アレグリーア」
悲哀のシャグラン「悲哀のシャグラン…呼ばれた…」
歓喜のアレグリーア「歓喜のアレグリーア、呼ばれました~」
???「近々、他の四天王と共にベリアル軍と木星帝国を率いて地球全土を攻撃しなさい、きっと、面白い事になるわよ」
悲哀のシャグラン「おぉ…それは面白そう…」
歓喜のアレグリーア「面白そ~じゃあ~ショーを盛り上げる為に面白そうな人を何人か蘇生させますね~」
???「任せたわよ、シャグラン、アレグリーア」

黒幕の手によって激化するこの争い…この争いはいつ終わりを迎えるのか…そして、本当に平和は訪れるのか…争いは次の段階へと移行する…。